宍粟50名山の天空回廊 〜千町ヶ峰、段ヶ峰、杉山〜
- GPS
- 05:35
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 963m
- 下り
- 959m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・駐車場所は「こぶしの村キャンプ場」側の路肩 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・千町ヶ峰の登りは踏み跡が不明瞭なので赤テープが頼りです。テープはたくさん張られています。 ・段ヶ峰、杉山も含め、赤テープが多く張られているので、テープを追えば道迷いの心配はないと思います。 ・土曜日に登りましたが、千町ヶ峰では誰とも会いませんでした。単独で登られる際は道の確認、怪我をしないようにするなどの注意が必要かと思います(人が多い山でも一緒ですが・・・) |
写真
感想
兵庫県宍粟市には、麓の集落から3km以上離れた標高650mの高所に「千町」という集落があります。過疎が進んだ寂しい集落というイメージを持ってしまいそうですが、都市の住民と様々な交流事業を行うなどして、集落の活性化に成功している村です。今日はその千町集落を基点に、「宍粟50名山」中未踏の3山、千町ヶ峰、段ヶ峰、杉山にまとめて登ってきました。
「こぶしの村キャンプ場」が千町ヶ峰の登山口。川を渡るとコテージ風の建物がいくつかあります。キャンプ場の突き当たりで建物に道をふさがれますが、建物の壁をよく見ると「←進路」と書かれてあり、建物と山肌の間をすり抜けて進みます。沢を渡ると一旦広いダートの林道に出ますが10分ほど歩くと林道も終わり森林の中の急坂を登るようになります。展望がきかない中、炭窯跡から稜線に出るまで40分ほど急坂に苦しめられました。足元が濡れていたため、スリップしないよう慎重に登ります。途中小さな沢と平行して登るところでは蛙の鳴き声が多く聞こえました。この山に棲んでいるモリアオガエルかもしれません。
40分ほどの登りをクリアすると明るくなって稜線に出ます。周囲の展望が開け、北西の氷ノ山、南の宍粟の山々などを眺めながらの登山となります。
少し歩くと弘法の池。宍粟50名山のガイドブックによると「シーズンだと、泡に守られたモリアオガエルの卵が見られる」と書いてありましたが、よく見ると1つだけ、白い泡の固まりがありました。写真もアップしているのですが、これがモリアオガエルの卵でしょうか?
弘法の池から10分で千町ヶ峰山頂。展望は360度開けますが、あいにく雲が多くて氷ノ山など北の山々は確認できませんでした。しかし、南側で峰峰が折り重なるように続く様子は眺めることができました。ちなみに「千町ヶ峰」とは、瀬戸内海まで距離が千町あることが由来だそうで、条件がよければ山頂から海も見えるそうです(この日は見ることはできませんでした)。
下山は東側に進み森林基幹林道経由で千町峠をめざします。古いアンテナ小屋跡を過ぎると下りがきつくなります。途中、笹の中から「ガサガサ」という音がしたかと思うと何かが飛び出したので、てっきり熊かと思いましたが、よく見るととんびでした。寿命が1か月くらい縮まりました。
正面に段ヶ峰を見ながら下り続けると舗装道路が眼下に見え始め、やがて森林基幹林道に合流します。左に進路をとり20分ほど舗装路を歩くとT字路と大きな案内板(車も8台ほど駐車可能)があります。案内板には地図がのっていたので写真にとり、T字路を右へ。木造の建物(悠々山荘)が見えると千町峠到着です。
千町峠からは南東の神河町方面の視界が開けます。悠々山荘側の登山口には「宍粟50名山 段ヶ峰登山口」と「生野高原登山口」という2つの案内版が。生野高原からフトウヶ峰を経て段ヶ峰に至るコースも有名らしいのですが、距離が長くて中級者以上とのこと。もう少し山行を重ねてから挑戦することとします。本日は段ヶ峰に登った後、杉山に向うこととします。
登り始めは傾斜が結構きついのですが、15分も登るとなだらかな尾根歩きとなります。振り返るとさっきまで登ってた千町ヶ峰が望めます。さらに5分ほど歩いて段ヶ峰山頂到着。他の方の「ヤマレコ」で、「段ヶ峰の山頂は景色最高!」とあったのですが、まさにそのとおり!360度の巣晴らしい絶景です。東側は谷を挟んで生野高原までの雄大な山々が連なります。西側は鹿よけネットが視界を若干邪魔しますが、まず千町ヶ峰が目に飛び込み、その背後には後山など兵庫・岡山県境の山々が続きます。おまけに頂上は木が生えていないため座っていても視界は一望の下。千町峠からの往復なら小学1年生の息子でも来れそうなので、ファミリー登山にももってこいだと思います。
10分ほど休憩して杉山へ。ここでちょっとしたアクシデント。「←杉山」という小さな道標を見て、その方向に視線をやると、鹿よけネットに沿った形で赤テープが。傾斜は結構きついのですが、「そうか鹿よけネットに沿って下るのか」と思い下りだすものの、傾斜はどんどんきつくなりネットをつかまないとスリップする状態に。さらに赤テープがなくなった時点で「これは道を間違えた」と思い、一旦尾根まで登り返し。分岐のところを再度確認すると、「←杉山」道標の少し先に、確かに「←」方向に細い道が続いていました。なんとか道迷いにならずにすんだのですが、それならなぜ鹿よけネット沿いに赤テープがあったのか。実は鹿よけネット下りでも杉山に行けたのかもしれません。
段ヶ峰〜杉山間はフラットな尾根歩きを想像していたのですがさりあらず。結構登り下りがあって、既に2山登っている身としては足に応えだしました。ヒーヒー言いながら杉山の稜線まで登り返し、笠杉山への尾根道と杉山山頂への登山道の分岐を左にとれば、5分ほどで杉山山頂に到着です。
杉山山頂は広々とした草原で、昼食をとるのに最適の場所。私もおにぎりを1個ほおばりつつ、周囲の山々の展望を楽しみました。
下山は貴重な「岩塊流」を見学しつつ森林基幹林道へ下ります。まずは尾根を笠杉山方面に歩き、「総合作業所」の分岐を左にとって本格的な下山にかかります。岩塊流とは氷河期に形成された大岩の集まった地形のこと。平屋の家くらいありそうな大石が谷いっぱいに転がっている様は確かに迫力がありました。
杉山山頂から1時間で森林基幹林道合流。しかしここから、車を停めている「こぶしの村キャンプ場」へ行く道を間違えてしまい、森林基幹林道を北に上がってしまいました。正解は南に下り、昔からある上千町への舗装林道に入ること。登山道は下調べしていても林道のことが手抜かりでした。
で、この林道歩きが1時間半。まるで六甲全山縦走の最後、塩尾寺から宝塚駅までの舗装路を彷彿とさせるようなハードさでした。上千町集落が見えてほっと一息、そこからこぶしの村までは20分ほどでした。
歩行時間5時間40分、累積標高差1,000mという結果もさることながら、最後の予想外の舗装路歩き1時間半で精神的にもへとへと。とはいえ、今日昇った3山とも山頂からの展望は抜群で、「天空回廊」の名にふさわしい景色を楽しむことができました。
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