【巨大スラブ直登】西ゼン(信濃川水系魚野川・仙ノ倉谷)
- GPS
- 11:18
- 距離
- 13.5km
- 登り
- 1,373m
- 下り
- 1,358m
コースタイム
- 山行
- 10:05
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 11:19
また、同様にこの地方で俎グラなどと表記される「ぐら」=「堯廚六慨Г防覆判颪非常用漢字で、「岩」の意味だという。
天候 | 晴 谷底は風速3-5m程度、稜線は7-8m |
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過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
湯沢から土樽駅に向かう手前の橋の左岸(湯沢側)沿いの林道を入り、あとは看板に従って進む。車で15分くらい。 そこから平標新道登山口まで20分余。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
この日に入渓したのは我々だけだった様子。 先行者を見かけたが、釣りで群大ヒュッテの橋から仙ノ倉本谷に入っていった。 靴のソールはラバー。ドライなスラブでは力を発揮した。 水線周囲や上部の狭いところはヌルヌルしているので、スリップしやすい。そのため、フェルト慣れしている人は、まあフェルトでもいいと思う。 草付きはニラだらけなので、手がかりとしてはあまり頼りにならない上に滑りやすい。そのため、チェンスパを履いてもいいと思い、持参したが使わなかった。 ロープは50ダブル1本と20フローティング1本。kun_pu氏用にお助けで3回、ビレイのために1回、ダブルを20m出した。 慣れている人はロープを使わずともいけると思う。 ■ゲート→20分→平標新道登山口→60分→仙ノ倉谷入渓点 時々泥濘んでいる箇所はあるが、総じて平坦で、近隣の茂倉新道や蓬新道よりも歩きやすい。「〜新道」とついていると、たいていは結構大変なところが多いのだが。 ■仙ノ倉谷入渓点(ダイコンオロシ沢入渓点)〜西ゼン・東ゼン分岐 河原歩きが主 ■西ゼン ・分岐 いきなり立ち気味のスラブ。直登するツワモノも少なくないが、右側から巻ける。 ・第1スラブ 左側から入る。上がってからは比較的ドライ。とにかく、ビビらず躊躇わずに一気に上がるのが肝。 ・第2スラブ 入り口の二段滝を右から巻いたあと、つい右の草付きの方へ誘われがちだが、どんどんスラブの水線から離れていってしまう(踏み跡らしきものも右に寄っている)ので、左を意識しながらなるべく水線に近い位置をkeep。離れすぎて上に上がってしまうと、草付き急傾斜の危険なトラバースを強いられるため注意。 第2スラブに戻った後は、下部の傾斜が緩いうちにさっさと左へトラバースしたほうが良い。上に行くほど立ってきて、トラバースが難しくなる。 第2スラブ出口の小滝はヌメっていて悪く、後続者のためにビレイした。 ・源頭部 第2スラブを抜けるとしばらくは穏やかだが、右上部に1箇所、カブり気味の小滝があり、左から高巻いて、急傾斜の深い笹薮を漕いで抜けた。 そこから先は源頭部まで水線沿いに笹薮をくぐりながら漕いでいく。 ツメの笹薮は、距離が短い平標ノ池に向かって右俣を漕いでいく記録も多いようだが、藪が深く2時間コースとのことで、左俣を直上した。 覆水して少し上から、平仙鞍部から少し平標山へ登り始めたベンチのあたりを目指すと最も笹薮が薄いようだが、我々は直接鞍部までツメたので、15分くらい深い笹藪漕ぎがあった。とはいえ、藪こぎに慣れていればさほどでもない。 本来は、平仙鞍部の少し平標側にあるベンチのあたりに詰めあげるようにすると、笹薮がさらに薄いようだ。 ■平標新道 よく手入れされているが、周辺の他ルートに比べると長大であまり使われない。 森林限界上は笹でスリッピー。おまけに幅が狭く、仙ノ倉谷方向へ傾斜したトラバース道が何箇所もあり、結構危ない。景色は非常に良く、西ゼン歩きで疲れた心を癒やすには適している。登山道からは西ゼンの全景を見ることができる。 森林限界下になると歩きやすいがかなり急。下りより登りのほうが楽だと思われる。 仙ノ倉谷入渓点までおりた後は歩きやすい(初項参照)。 |
その他周辺情報 | 土樽の岩の湯が近い。 内湯だけの小さな温泉だが、町営故に500円と安い。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
長袖インナー
ズボン
靴下
グローブ
雨具
靴
ザック
行動食
飲料
ハイドレーション
地図(地形図)
トポ
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
ツェルト
ナイフ
ロープ
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
スリング
ロープスリング
セルフビレイランヤード
渓流シューズ
フローティングロープ20m
ダブルロープ50m
ルート図
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感想
昨年から、来月にとある川を遡上する予定が決まっていて、その練習を目的に何本かの沢を登ったり、フリークライミングをしたりして備えてきた今シーズン。練習の仕上げとして選んだのが、谷川連峰の新潟側にある名渓、仙ノ倉谷の西ゼンだった。
台風の接近が予想されたが、地理的にこの日は風はある程度吹いても谷沿いだからそれほどでもなく、天気そのものは1日持つと読んで決行した。
平べったい急なスラブがこの沢の特徴だが、
・ルーファイ力が求められる(水線、ニラ草付き、ドライ、ヌルヌル混在)
・ラバーソール靴で歩くことに慣れる(これまではフェルトばかりだった)
・基本的なロープワークをミスなくこなす(リード、確保含む)
というのがぼくのテーマだった。
一方、同行者は登攀力はあり、ムーブも滑らかだが、高所恐怖症。
高いところで足がすくんでカラダが動かなくなってしまう。おまけにロープワークは非常に苦手。なので、
・とにかく下は見ない(腰が引けると靴のグリップが落ちる)
・積極的に手を使う(四つ這いのほうが腰が引けにくい)
・他はいいので八の字とマッシャーだけはきちんとやる(これさえやってもらえれば確保ができる)
というのがテーマだった。
本当は、先月の鈴ヶ沢同様に稽古をつけてくれる先輩も同行予定だったのだが、急な事情でいけなくなり、我々2名で行くことになったため、中止も検討したが、これをクリアせずして来月のプランに安心して望めないということで、不安感が強い中で決行。
事前にあれこれ調べたがゆえ、逆に不安感を増強させてしまった同行者、一方、ぼくは危なそうな場所はガンガンロープを出して確保さえすればなんとかなる、という考えだった。
ドライなスラブ帯は四つ這いでクリア、ルート選択はときに草付きもありつつ、急遽いけなくなったのに的確なアドバイスをしてくれた先輩のおかげで、危険なトラバースを極力回避し、ほぼ満点に近いルート取りができた。藪こぎもわずか。
最初は不安感が強かった同行者も、第2スラブ出口の滝をクリアできてようやく落ち着き、最後は足がガクガクになるほど疲労した様子だったが、長い平標新道を降りて無事に帰還できた。
これで、1年前からの宿願だった来月の川遡上に向けて、すべての準備が整った。
あとは天候に恵まれることを祈るだけ。
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