記録ID: 47317
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
鷲羽岳、水晶岳
2009年09月27日(日) [日帰り]


- GPS
- 18:22
- 距離
- 44.4km
- 登り
- 3,155m
- 下り
- 3,165m
コースタイム
0:00新穂高−0:51小池新道入り口(準備7分)−(途中道迷い12分)−4:45双六小屋(休憩給水15分)−6:41三俣山荘(休憩給水12分)−7:52鷲羽岳(休憩10分)−9:49水晶岳(休憩10分)−11:40黒部源流−12:17三俣山荘(給水6分)−14:30双六小屋(休憩4分)−18:06小池新道入り口(準備5分)−18:22新穂高
天候 | 曇り→雨→晴れ→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年09月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回は、鷲羽岳、水晶岳を新穂高から日帰り周回する。コースタイム23:50のハードコースである。 鷲羽と水晶はもちろん単独で登ることもできるが、2山は至近距離にあるため、単独に少しの努力を追加すれば2山の周回が可能になる。 新穂高の到着は18:00頃であったが、無料駐車場は8割程で結構空いていた。 左又林道ゲート前で車から折り畳み自転車を降ろして駐めておく。 駐車場で仮眠をして、日付が変わるのを待ってスタートした。 |
写真
深夜の鏡平山荘。まだ人の気配は無い。
新穂高BTのトイレで寝ぼけた顔を洗い長い1日をスタートさせる。曇りがちだが時折星空も見えるまずまずの天気である。
左又林道は右又林道に比べれば平坦部分が多く、頑張れば漕ぎ続けることはできるが、ここで足に疲労を残すことはできないため力をセーブする。自転車を小池新道入り口にデポして登山道に入る。
小池新道で標高を上げるに従いガスが出てきて、鏡平山荘あたりから写真の様に雨が降り出した。
新穂高BTのトイレで寝ぼけた顔を洗い長い1日をスタートさせる。曇りがちだが時折星空も見えるまずまずの天気である。
左又林道は右又林道に比べれば平坦部分が多く、頑張れば漕ぎ続けることはできるが、ここで足に疲労を残すことはできないため力をセーブする。自転車を小池新道入り口にデポして登山道に入る。
小池新道で標高を上げるに従いガスが出てきて、鏡平山荘あたりから写真の様に雨が降り出した。
弓折岳分岐から先でガスが濃くなり、視界2m程度と、足下すら見えなくなった。
踏み後を丁寧にトレースしていたが、写真の花見平(帰路撮影)でトレースを失い、立ち往生する。
焦る気持ちを抑えて地図を確認すると、登山道は稜線上を磁北から15度程度を北上しているはずであり、もう一度元に戻ってトレースし直した。
帰路に確認したらここは広場の様になっており、広場の奥に進む踏み後に乗ってしまったことが判った。やはり2万5千を持っていて良かった。後でデジカメの記録を見たら時間的ロスは10分程度であったが、進退窮まったときには、そのまま夜明けまでのビバークをも考えた。
踏み後を丁寧にトレースしていたが、写真の花見平(帰路撮影)でトレースを失い、立ち往生する。
焦る気持ちを抑えて地図を確認すると、登山道は稜線上を磁北から15度程度を北上しているはずであり、もう一度元に戻ってトレースし直した。
帰路に確認したらここは広場の様になっており、広場の奥に進む踏み後に乗ってしまったことが判った。やはり2万5千を持っていて良かった。後でデジカメの記録を見たら時間的ロスは10分程度であったが、進退窮まったときには、そのまま夜明けまでのビバークをも考えた。
双六小屋水場。
ガスは小屋の手前でうその様に晴れ、星も見えるくらいになった。
暗い中、水場を探して小屋の周りをウロウロしたが、なかなか見つからない。諦めて双六岳方向の登山道に入ろうとすると、その登り口に水場を見つけた。
ちなみに、双六岳の巻道にも水場のマークはあるが、事前情報の通り涸れていた。
ガスは小屋の手前でうその様に晴れ、星も見えるくらいになった。
暗い中、水場を探して小屋の周りをウロウロしたが、なかなか見つからない。諦めて双六岳方向の登山道に入ろうとすると、その登り口に水場を見つけた。
ちなみに、双六岳の巻道にも水場のマークはあるが、事前情報の通り涸れていた。
巻道の途中で日の出時刻を迎える。
主役が星空の広がる宇宙から地上の山々にバトンタッチされていくこの時間が私は一番好きである。
しかし本日は、樅沢岳から右側は厚い雲に覆われており、燕岳のシルエットが見える程度であった。
主役が星空の広がる宇宙から地上の山々にバトンタッチされていくこの時間が私は一番好きである。
しかし本日は、樅沢岳から右側は厚い雲に覆われており、燕岳のシルエットが見える程度であった。
夜明けの鷲羽岳。三俣峠を越えると、目の前に立ちはだかる鷲羽岳が大きくなる。
鷲が大きく羽を広げてこちらに襲いかかってくる様である。
コルから一気に400mを突き上げる、本日一番の大登である。
三俣峠からの約200mの下りがもったいない。
鷲が大きく羽を広げてこちらに襲いかかってくる様である。
コルから一気に400mを突き上げる、本日一番の大登である。
三俣峠からの約200mの下りがもったいない。
三俣山荘。水場は山荘手前の幕営地にあるが、それを見過ごしてしまい、小屋の人に聞くと中の水場を使って良いとのこと。一旦靴を脱いで給水させてもらう。
小屋の前にベンチがあり、行動食を食べて鷲羽の登りに備えた。
小屋の前にベンチがあり、行動食を食べて鷲羽の登りに備えた。
鷲羽岳山頂。先ほどまで雲に隠れていた三俣蓮華岳が姿を現した。歩いてきた巻道が良く見えているが、巻道と言いながらも結構なアップダウンがあることが良く判る。巻道は等高線に沿って作って欲しいと帰路に思った。
双六岳の右には特徴的な笠ヶ岳が目立つ。
山頂には先行していた初老のご夫婦と同時に到着したが、このお二人には帰路の巻道でも再会した。
奥さんの方は山座同定に詳しく、大天井岳と常念岳の間に肉眼で辛うじて見えていた八ヶ岳や燕岳右側の浅間山等、知らなければ絶対に見えない山を次々と言い当てていたのには山座同定を趣味とする私も驚いた。
双六岳の右には特徴的な笠ヶ岳が目立つ。
山頂には先行していた初老のご夫婦と同時に到着したが、このお二人には帰路の巻道でも再会した。
奥さんの方は山座同定に詳しく、大天井岳と常念岳の間に肉眼で辛うじて見えていた八ヶ岳や燕岳右側の浅間山等、知らなければ絶対に見えない山を次々と言い当てていたのには山座同定を趣味とする私も驚いた。
山頂より東側。槍ヶ岳が見えていたのは僅かな間だけ。今までの山行でどこからでも良く見えていた槍ヶ岳は今日はお休みモード。
中央の常念岳はここから見ても特徴的である。
この写真からも判るとおり、本日は常念から朝の槍ヶ岳が良く見えたはずである。(私が常念に登ったときには殆ど槍は見えず)
山頂からパノラマ写真を何枚か撮ったが全て失敗。本日は曇りがちでコントラストが低いため、ツナギ部分でのズレが大きくなっていた。
中央の常念岳はここから見ても特徴的である。
この写真からも判るとおり、本日は常念から朝の槍ヶ岳が良く見えたはずである。(私が常念に登ったときには殆ど槍は見えず)
山頂からパノラマ写真を何枚か撮ったが全て失敗。本日は曇りがちでコントラストが低いため、ツナギ部分でのズレが大きくなっていた。
ワリモ岳山頂。山頂の岩の南側を巻いている。
ワリモ岳の山容は小さいが、鷲羽岳の隣で尖った山頂は山座同定が容易である。
先日の黒部五郎山行時の写真より。http://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=46415&pid=8f3370dcac899dbaef848e3f3dc21fc1
ワリモ岳の山容は小さいが、鷲羽岳の隣で尖った山頂は山座同定が容易である。
先日の黒部五郎山行時の写真より。http://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=46415&pid=8f3370dcac899dbaef848e3f3dc21fc1
祖父岳と黒部五郎岳。
祖父岳はなだらかな山容で登山道も緩やかである。
黒部五郎の稜線の岐阜側はこの日も雲が多く、富山側に流れては消えていた。
あの山頂からこちら側を見ていたのは10日前だが、縦走すれば数時間の距離である。
祖父岳はなだらかな山容で登山道も緩やかである。
黒部五郎の稜線の岐阜側はこの日も雲が多く、富山側に流れては消えていた。
あの山頂からこちら側を見ていたのは10日前だが、縦走すれば数時間の距離である。
冬季休業中の水晶小屋での布団干し。ヘリが何度も往復して荷物を降ろしていた。
三俣山荘には水晶小屋が休業中である旨の案内板が立っていたため、ここでの給水は前提としなかったが、もしここで給水できたら鷲羽の登りがずっと楽になると思われる。
バックには野口五郎からの裏銀座稜線上に三ツ岳、烏帽子岳の後ろには蓮華岳、鹿島槍ヶ岳等の後立山連峰が見渡せる絶好のロケーションである。
三俣山荘には水晶小屋が休業中である旨の案内板が立っていたため、ここでの給水は前提としなかったが、もしここで給水できたら鷲羽の登りがずっと楽になると思われる。
バックには野口五郎からの裏銀座稜線上に三ツ岳、烏帽子岳の後ろには蓮華岳、鹿島槍ヶ岳等の後立山連峰が見渡せる絶好のロケーションである。
水晶岳山頂。ここの山頂標識も鷲羽岳同様に手作り感が一杯である。
ちなみに、私が今まで登った百名山の中で一番「味わい深い」と感じたのは五竜岳である。http://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=31174&pid=e185c9701d90c5a0dc839e5dcdd96a93
せめて字の大きさだけでも揃えて欲しかった(笑)。
ちなみに、私が今まで登った百名山の中で一番「味わい深い」と感じたのは五竜岳である。http://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=31174&pid=e185c9701d90c5a0dc839e5dcdd96a93
せめて字の大きさだけでも揃えて欲しかった(笑)。
山頂からのパノラマ。(ツナギ部分で画像が不連続になっていますが、そこは頭の中でうまくつないでください(笑))
ここまで来ると薬師は正に目の前である。右側の赤牛岳の先には立山、剱岳が先程まで良く見えていたが、山頂滞在時には雲がかかってしまった。
三角点(2977.7m)は一つ先のピークにある。
ここまで来ると薬師は正に目の前である。右側の赤牛岳の先には立山、剱岳が先程まで良く見えていたが、山頂滞在時には雲がかかってしまった。
三角点(2977.7m)は一つ先のピークにある。
私が山頂に到着したときには、30代前半くらいの女性(写真左)と、初老の男性(写真右)の2名が休憩していた。ツーショットの撮影を男性に頼まれたので、最初はペアだと思ったが、男性が写真を送るからと女性の住所を聞いていたので、それぞれ単独だと判った。
事情は良く判らないが、男性はしきりに女性を誉めて出会いを喜んでいた。もしかしてこんな山奥でナンパですか?
山男、老いても猶盛んである。
事情は良く判らないが、男性はしきりに女性を誉めて出会いを喜んでいた。もしかしてこんな山奥でナンパですか?
山男、老いても猶盛んである。
黒部源流三俣山荘分岐。地図上のコースタイムは岩苔乗越から40分であったため、30分程度で分岐に着くと思ったが、疲れているのか50分程でようやく到着した。
後で地図を見ると「黒部源流標」があると書いてあったが、見過ごしてしまった様だ。
ルート上には鷲羽岳側からの湧き水が多く、この時期でも水量豊富であった。
後で地図を見ると「黒部源流標」があると書いてあったが、見過ごしてしまった様だ。
ルート上には鷲羽岳側からの湧き水が多く、この時期でも水量豊富であった。
感想
今回は18時間以上の長時間山行であったが、土曜日に十分休息が取れたため、10日前の黒部五郎−薬師に長時間のドライブ後に仮眠3時間で挑んだ時に比べれば、それ程辛いものではなかった。
まあ、山岳レースで24時間走る人もいるのだから(信じられないけど)、それに比べれば初級レベルなのかもしれない。
今回は初めて夜間にガスに巻かれるという危険な経験もしたが、地形の判る2万5千とコンパスの重要性を改めて痛感した。
山行前に登山道のシミュレーションはしっかりやっているのだが、いざというときにはやはり焦ってしまう。まだまだ修行不足である。
全体的には大きな天候の崩れは無かったが、最近は快晴続きの山行が多かったため、贅沢かもしれないがそれに比べればどうしても展望に物足りなさを感じてしまった。まあ、北アの殆どの山を順次見ることが出来たので、満足度は80%程度か。
特に今回一番の目的であった、鏡平からの夕日に燃える槍ヶ岳を見ることができなかったが、これは宿題として残しておこう。
下山後はタルマの湯(割引券で400円)に行き、サウナ用の水風呂で疲れた筋肉を冷却した。
北アで残るは奥穂高岳のみとなったが、南アだけだと天候による場所の選択幅が狭くなるため、来週以降はシーズン終了まで南アシリーズに切り替えたいと思っている。あと2〜3山が今シーズンの目標である。
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コメント
この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍 [3日]
新穂高温泉から双六岳、三俣蓮華岳、鷲場岳、水晶岳、雲ノ平(2日間)。最終日は雲ノ平から新穂高まで。
利用交通機関:
車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
前回の薬師、黒部に引き続き
超人的な山行お疲れさまです
自転車、今回も大活躍ですね。
MATSUさんは、全山日帰りを目標とされているのでしょうか?ところで、日帰りといえば百名山日帰りのやり方を
アドバイスするHP「なんとか鉄人(?)」がありますね。
膝痛持ちで肥満の私でも歩けたコースですので、ちょっとした工夫さえすればこのサイト利用の方でしたら皆さん問題無く歩けると思います。
私の山行は体力自慢ではなく、アスリートではない普通のデブでもやり方次第でもっと歩けるという実証のつもりです。
「百名山」と聞いて眉をひそめる山屋さんも多く、確かに単純に完登するだけでしたら、お金とヒマがあればだれにでも容易ですので、自分なりの課題(私の場合は減量と歩き方)と合わせた目標として全山日帰りを目指しています。
1万円で購入したMTBもどきの自転車ですが、下りが苦手な私にとって林道下山の時間短縮に活躍しています。でも一つ言えることは、高級品でなくても、極端に安い「ルックス車」はやめた方が良いでしょうということです。
以前の日記http://www.yamareco.com/modules/diary/2340-detail-3587
にも書きましたが、ちゃんとしたMTBと比べると性能差は歴然としています。車に積めるならば折りたたみもやめた方が良いと思います。
錆鉄人さんのHPは見たことがありますが、あちらは耐久マラソンにも出場される方で、トレランスタイルですので、私の山行とは全く別物だと思っています。
ちなみに私はジョギングで1kmも走れません
先日試しに近所の鶴見川を走ってみましたが、早々にウォーキングになってしまいました。
MATSUさん
私も行きたい山ですが、3年越しでそのままです。
一泊で行きたいですが、黒部五郎も合わせて、
行きたいですが、、。
先日26日、錆鉄人さんが奥様の百名山
日帰り完登の為、広河原から北岳、間ノ岳に登られ、
たぶん奈良田に下ったのだと思いますが、
凄い勢いで登ってきました。
何事か、、、と思うほど。
二俣で我々を追い抜いていきました。
写真を撮っただけでした。
私は、夜中からは歩けないので、宿泊していきますが、
今年も、、無理かな、、、
Y-chan
山行記録をいつも拝見させて頂いております。
錆鉄人さんもそうですが、ご夫婦で同じ趣味を楽しめるのは羨ましい限りです。
速い人はいくらでもいますが、ご夫婦で鬼気迫る登りができるのはこの人達だけかもしれませんね
山行記録を見て思わず笑ってしまいました。
もちろん北アの山々もすばらしいと思いますが、Y-chanさんの様に「地元の行き付けの山」を持って山行するのが理想ではないかと思っています。
ちなみに、私の場合はテント泊はおろか、山小屋泊さえしたことが無く、泊まりの方が装備内容や体調管理の面で難易度アップだと感じています。来年こそはテント泊にレベルアップしたいです。
MATSUさん、こんばんは。
超ロングコースお疲れ様でした。
記録拝見させていただきました。
槍・穂高に登るたびにこっち方面
いいなぁと思ってました。
来年チャレンジしてみたくなりました
しかし、0:00新穂高出発ですか
真っ暗の中を歩くのはチョット
ビビってしまいそうです。
kankotoさんの足でしたら、もっと遅い時間のスタートでも十分ではないでしょうか。
私も夜間山行ではおっかなびっくり歩いています。
でも、あと数時間で夜が明けると思うと日没後に歩くよりは精神的に楽です。
特に夜明け前の山の美しさを知ってしまうとクセになります。
MATSUさん、こんばんは。
いや〜、ホント、すごいっす。
鉄人を超してますよ
でもホント、すごいですね。 この高低差と長距離を、1日で歩いたなんて・・・
脱帽です。
この日は寒気が入っていたので、変わりやすい天気だったみたいですね。 でもすごく素晴らしい眺望ですね。
いえいえ、普通のオジサンです。
月に数回山行されている皆さんでしたら絶対に問題無く歩けることを保証します。
心拍数
山歩きは競技では無いので自分のペースで歩けば驚くほど長距離を歩けます。
でも、単独行でないと難しいかもしれませんね。
山の天気は変わりやすいですね。霧に巻かれたときにはどうなるかと思いましたが、概ね好天で助かりました。
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