仙丈ケ岳@北沢峠
- GPS
- 10:45
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 1,254m
- 下り
- 1,166m
天候 | 1日目 快晴、2日目 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年09月の天気図 |
アクセス | |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
●登山 大平山荘→千丈小屋
北沢峠の手前の大平山荘前でも停車して降車させてくれるとの事で、突然であったが、慌てて下車した。
準備して歩き始めると、初めは樹林帯である。道もシッカリしていて、気持ちよく歩くことができる。
その内に急登になる。右手に流れている沢が段々近くなり、沢を渡るところで休憩する。
登山者は少なく、今回のバスで降りた4・5グループの12人前後である。その中で、日帰りと思われるグループは、歩行速度が速く直ぐに見えなくなる。
沢を渡り右岸に沿って登り出すと、高山植物が沢山咲いている。期待以上に種類もおおく撮影に時間を取られる。
そうこうしているうちに、振り返ると甲斐駒が頭を出し登山気分が盛り上がる。
尾根道へ向かう分岐点を右に折れ、沢を離れて急登に入る。地図から判断して、分岐からはすぐと思っていた馬の背ヒュッテがなかなか現れない。
ヒュッテに到着するが、外にも小屋の中にも、人の気がない。中途半端な位置なので、人気がないのか・・・ガランとしている。水分を補給するつもりだったので、管理人が居るのかと心配になるが、無事ポカリを購入でき一安心、しばし休憩する。
後から追いついた、東京中野からの女性二人の親子と入れ違いで出発する。この親子とは、今回の山行中、色々話をした。
さらに一登りで馬の背に出る。ここからは、森林限界の尾根歩きで傾斜も緩くなり気持ちが良い。
振り向けば、甲斐駒が大きい。右手には、北と中央アルプスがきれいに見える。
爽快そのものである。
そのうちに目の前に、仙丈ケ岳とそのカールの中にある小屋が見えだし、ますます力が湧いてくる。
今回は、昼食は小屋の食事を期待している。腹も減りだし、その意味でも急ぎ足になる。
●千丈小屋
評判通り、外観はこじんまりしているがきれいである。
北アルプスの小屋とは根本的に経営方針が違い、華やかさは無いが小屋として必要最小限の機能をしかり持っている、と言う印象である。
小屋の前からの景色も抜群で、左から、中央アルプス・北アルプス・鋸岳・甲斐駒が一望できる。後ろには、仙丈ケ岳のカールが広がる。
北アルプスは、乗鞍から白馬までの全てがクリアーに見えるのに驚く、なんと、立山と剣までもシッカリと見える。管理人の話では、今日朝は日光連山も見えた、とのことである。
小屋の受付をするが、管理人は中年の男性で、風貌は冴えない一登山者である。
しかし、話好きで接客はgood、小屋運営の難しさも嫌味なくかたる。
我々より一人先客が居たが、この人は写真家で前日からの連泊なので、実質一番乗りである。
早速場所取りし、昼食に向う。
北アルプス並みのサービスを秘かに期待していたが・・、南アルプスの小屋は違っていた。HPに書いてあったが、体験しないと本当には理解できないものである。小屋には余分な機能はなく、食べ物はすべて、レトルトは缶詰・瓶詰めである。
唯一の食事である、カップヌードルとビールを注文して、前のテラスで食べる。
しかしこの景色の中では、カップめんでも美味である。
それでも仙丈小屋は他の南アルプスの小屋の中ではサービスのいい方である。それに、小屋はこれぐらいの機能が自然にやさしく、正しい姿と思えてくる。
テラスから、仙丈ケ岳の稜線を歩く登山者の姿がよく見える。
聞くと、一周しても一時間とのことなので、早速頂上ハントに向う。
●登山 頂上一周
出かける前に小屋のマスタが、防寒具が必要、水はいらない、とのアドバイスを受ける。
そこで、フリースをサブザックに入れ、水はとりあえず500ccのみ入れる。
快適な道をガリガリ登る。カールを見下ろしながらのトレースである。
遠景は相変わらず素晴らしい。
程なく、頂上に着く。写真が趣味の60台の夫婦が北岳にカメラを向けている。
待望の北岳方向の景色は、北岳・間ノ岳は見えるが、それ以南の山は雲に隠れている。残念である。
そのうちに、間ノ岳の頂上も雲に隠れだす。山の中では、ピーカンの晴天と言えども午後になると少しは雲が湧いてくる。
後はカールの半分を周回する。360度の展望に見とれながら・・・
小仙丈ケ岳と分ける分岐を左に折れて、小屋に着く。
●小屋
小屋に着くとヒュッテであった、中野の親子が「山頂を歩いているのを、ズーット見ていた。手を振ったの分かった?」と会話が弾む。登山者が少ないこともあり、みな家族のようである。
広場で物干しがてらたむろしていると、登りついた名古屋と柏の男性二人組みと話が弾む。
特に、柏出身の男性とは、柏界隈とつくばの話で盛り上がる。なかなかの情報通で話が止まらない。
程なく夕食となる。ハンバーグ中心の簡単な食事であるが、南の小屋の掟でヨシである。
この季節のこの曜日となると、やはり多くは定年退職した男性か、女性人が多い。
プロではない、と言っているがかなりのカメラマニアが二人いる。
9月になると、始発バスも遅くなり、この小屋に泊まる人も多くなるかと思う。
7:30が消灯で、それまで食堂で酒を呑み、頂上であったカメラマンと話が弾む。
神戸の大震災で、新築1年半の家が倒壊してしまった、とのことである。
自営業ながらかなりの仕事人らしい。山だと面白い話が多く聞ける。
この小屋、トイレは外に出ることになるが、とてもきれいで驚く。これは、北アルプス以上である。
早朝は4:00に起床して、ご来光を見に出かけた。行くか迷ったが、小屋の左側の道を登ると10分ぐらいで北岳・富士山が見ることができるので、そこまで行く事にした。
北岳は逆光になってしまい、思ったようにモルゲンロートにならなかったが、きれいな日の出を拝めた。
戻ってきて、朝食を食べる。本日止まった人のうち、iku以外は皆ご来光を見に山頂に登った。ikuだけ怠慢・・・
今日は、時間もゆっくりである。戸台行きのバスも何時に乗るか決めていない。
とりあえず、13:00発ぐらいがもっともらしいので、それを目指す。
小屋の登山者のほとんどもこのバスを目指している。
●下山
小屋でゆっくりして、ほとんどの人が下山に入ってから最後に出発した。
仙丈ガ岳山頂を経由するか迷ったが、小仙丈ガ岳からの景色は仙丈ガ岳より良い、とのこともあり、そこから昨日見損なった南アルプス南部の山々が見れるので、仙丈ケ岳はパスするコースとした。
小仙丈ガ岳には、8人ぐらいのツアー登山で賑わっている。
この変哲もないピークがなぜ小仙丈なのか?であったが、登ってみてその訳が分かる。展望が素晴らしい。
中央・北アルプスはもちろん、鋸岳・八ヶ岳・甲斐駒が全貌見え、鳳凰三山から北岳にはじまる南アルプスの全部が見える。
そして、小仙丈カールに形どられた仙丈ガ岳が素晴らしい・・・
しばし見とれて、下山に入る。
小仙丈を降りると、景色は急に貧弱になる。前方の甲斐駒等はあるが、南アルプスの面々は稜線に陰になってしまう。
その後は、森林の稜線をひたすら下る。ほどなく、北沢峠に飛び出して登山終了となる。
バス停には、山で会った人達が1時間半後のバス待ちのためたむろしている。
帰りのバスも補助席まで使った満員状態である。ちょっと息苦しい。
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