洋上の富士! 奇跡の利尻山
- GPS
- 08:55
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 1,638m
- 下り
- 1,630m
コースタイム
10:50 稚内港発
12:30 鴛泊港着
17:00 北麓野営場(登山口)
21日(月)
5:05 登山口
6:40 第一見晴台(六合目) 6:45
7:45 第二見晴台 7:50
8:05 長官山(八合目) 8:10
8:30 避難小屋
8:55 九合目 9:00
9:35 沓形分岐
10:00 利尻山山頂 10:30
11:55 長官山(八合目)
14:00 登山口
17:10 鴛泊港発
18:50 稚内港着
天候 | 晴れ 山頂強風 予報12m |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
船
稚内ー鴛泊間 片道2等運賃2,310円 ■レンタカー 4時間ヴィッツクラス 離島特別料金10,692円(ガソリン代含む) 返却後、北麓野営場まで無料送迎 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■北麓野営場 テント泊大人1名500円 管理棟で支払。 その他、携帯トイレ販売1個400円 登山計画書記入後、管理棟に提出。 ■水場 甘露泉水が最後の水場。以降水場なし。 ■携帯トイレブース 6.5合目 避難小屋 9合目 3か所あり。 ■登山道状況 6合目まで視界ほとんどなし。大小の石が不規則に並ぶ。段差注意。7合目からやや急登。8合目から稜線歩き。9合目以降が登山道の核心部分。山頂崩壊により登山道悪化。関係者の尽力にて復旧作業進むが、基本、急登でかなり滑りやすいザレ場。滑落注意。先行者による落石もある。距離を保ちながらの登行推奨。 |
写真
感想
■山行時間 8時間55分(休憩時間含む)
■距離 15.6km(GPSログ)
物事にはすべてにおいて意味がある。
今回は自分にとって奇跡の2日間だった。
きっと自分は導かれてここに来たんだと、改めて思う。表現力の乏しい自分だが、せめて行間からでもその想いが伝われば幸いです。
憧れの山、利尻。
ある山岳スキーヤーが挑戦した厳冬期利尻ピークからの大滑降の映像を見て、大きく感銘を受けた。自分がBCスキーを始めるきっかけ。以来、夏山はもちろん、積雪期BCでもいつかは行きたいと思っていたそんな場所。でも具体的にいつ行くと決めていたわけでもなく、ただ漠然とそう思う日々が続く。
しばらく時間は流れ、先日、存在は知っていたが長く接点を持つことがなかったある方と、突然のご縁を頂く。出会い自体が今回の理由ではなく、その方の持っている感性が、間接的に自分の利尻スイッチを押すきっかけをくれた。今振り返るとそんな気がしてならない。
「いつか行くじゃない。今がその時だ」と。
19日の朝、富良野岳に行く予定を突然利尻行に変え、今持ってる夏山装備をBC遠征用ザックにすべて詰め込み、そのままその日の夜中、稚内へ向けて車を走らす。登山計画以外、まったくの無計画。宿もない。まして帰りのことなんて。いつもと違う景色、夜明けのオホーツク海を横に見ながら気持ちが高揚している自分がいた。でも不思議と不安なんて何もない。
フェリーの中で地図と以前作った自分の登山計画を見ながら翌日の登山のイメージを膨らます。島は連日天気はいいが、ピークはとにかく雲がかかると聞く。気温25℃。快晴の利尻に到着し、早速利尻の全容を見に行く。あまり下調べをしてなかったが、とにかく利尻の斜面はどこも大きく、切り立つ尾根もたくさんあった。明日登るピークが時々見え、ただ山を見てる時間がとても楽しかった。
17時に野営場に到着し、管理人さんとしばし話をする。テン泊料金を支払い、登山計画書を提出。その後携帯トイレの話を聞く。ここの登山者は必ず携行するのが決まりらしい。もちろん自分も購入する。利尻山保全にかける地域の方々の意識の高さとその努力に敬意を表します。不慣れなテント泊だったが、意外に快適だった。装備も最低限は揃っている感じだった。
翌日5時。朝靄の中いよいよスタートする。今日の予報は8時から11時まで曇り。気にしても仕方がない。とにかく先へ進む。しばらくは視界のない尾根を上がる。途中の見晴台からの景色はとても良かった。利尻の裾野がそのまま海へ流れ込む様子が見える。7合目からがいよいよ急登。途中、第二見晴台で休み、1時間ほどで8合目の長官山ピークへ。そこから先がこの利尻登山の醍醐味なはず。見える景色に不安を覚えながら8合目に立つと、そこには想像もしなかった絶景が待っていた。澄み切った青空の下聳える秀峰利尻の姿がそこにある。10回の登ったら3回見れるか、と言われる利尻ピークを常に見上げながら登れるなんて、初登頂にしてこの偶然、まさに奇跡の景色に出会うことが出来た。
山頂からの景色は、ほぼ快晴の青い空が全方位360°に渡り広がりを見せ、眼下には利尻の裾野が海へ切れ落ち、その深い藍色の海が遥か彼方で空とつながり、長い長い1本の薄い白い線を描く。本当の水平線を見た気がした。
山頂に立って改めて思うこと。それは、利尻島は利尻山そのものだったんだと。そして、自分にとって憧れの地は約束の地に変わり、今、感動を共有する地になったんだと、深く思う。
普段の登山ではあまり人と関わりを持たない自分だが、今回は多くの皆さんと話をした。聞けば自分以外は皆さん関東や関西から来ていた。大変僭越だったが、道民を代表して北海道に来てくれた感謝とお礼を言いました^^;
20年ぶりに利尻へ登った御年65歳の元気な男性。男性2人を引き連れてきたご年配のご婦人。関西から来た健脚なスーパー山ガールさん。同世代の男性2人組、などなど。来た理由はきっとそれぞれだが、同じ時間を共有出来て何だか嬉しかった。また、それぞれ違う場所で登山するだろう。同じ青空の下、事故なく素晴らしい山との出会いを願うばかりです。
奇跡を感じさせてくれた利尻山と島民の皆さん、そして利尻スイッチを押すきっかけをくれたあの方に、感謝します。
きっとまた行きます!利尻に!!
自分も利尻の大滑降の映像をみていつか滑りたいと思っていましたが、夏山としても充分に魅力的ですね!
写真見てたら滑りたくなってきましたよ。
羊蹄山のように土日で行くわけにいかないのが悩みどころですが。
BCももちろん最高ですが、夏山テン泊も違った喜びがありますよね。
四季折々にいろいろな楽しみ方ができるところも山の醍醐味だと思います。
素晴らしいレコをありがとうございました。
Sanchanさん、こんばんは。
調査なんてほどのレコではないので、恐縮です。
想い入れの強い山だったので、レコも感情をそのまま綴り申し訳ない気持ちです。
自分もNHKとあのDVD何度も見ました。もちろん帰ってからも。
ピークは無理にしても、長官山の北西斜面と避難小屋から沓形分岐までの肩の斜面は、自分も本気で滑りたいと思いました。南西にも大きな斜面ありましたし、きっとBCには最高の山だと感じました。来春、出来るところから少しずつ挑戦してみようと思います。
おっしゃる通り、夏山も魅力的でした。きっと秋も。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
nishiyan6さん、はじめまして。(はじめてという感じはしないのですが )
年末と来年春に北海道での山スキーを計画していまして、nishiyan6さんの記事を参考にさせていただいております。
今回の記事、夏の利尻岳の気持ちよさがよ〜く伝わってきます。
山スキーの視点での写真、いいですね
雪があると、山スキーだけで港や空港から利尻岳山頂に行けそうな感じですね。
これからも北海道の山々の記事、楽しみにしています。
shibayanさん、初めまして。コメントありがとうございます。
いつもダイナミックなBCレコ、拝見しておりました。6月下旬まで気合いでBCをされてる姿、本当にカッコイイです。あと、スキー背負ってチャリをデポ!にもなんか憧れます(笑)
自分も来春、チャリデポBC、どこかの山でやりたいですね!!
自分は皆さんのようなレコはまだまだ書けませんが、行きたい山はたくさんありますので、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
読んで頂きありがとうございました。
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