2022/11/3 三倉山・赤面山
- GPS
- 14:13
- 距離
- 31.2km
- 登り
- 2,604m
- 下り
- 2,009m
コースタイム
- 山行
- 8:19
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 8:48
- 山行
- 5:21
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 6:51
天候 | 11/3 晴れ・曇り 11/4 曇り・雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
浅草から鬼怒川温泉(前泊) 鬼怒川温泉始発(6:19)→新藤原→会津高原尾瀬口→養鱒公園(7:41) 帰り: 北湯入口からバスで那須塩原→東京 |
コース状況/ 危険箇所等 |
唐沢山から三倉山間に倒木あり |
写真
感想
2020年の夏に初めて那須に行って、三本槍岳から大峠経由で三斗小屋温泉に泊まったとき以来、流石山などの「裏那須」を歩きたいと思っており、その後何度か計画はしていた。自宅からだと那須塩原駅の方がアクセスがいいので、初日に栃木から(いわゆる「表」から)入って三斗小屋温泉に泊まり、2日目に大峠から三倉山等を経て南会津の養鱒公園駅まで抜ける計画を何度か試みたけど、必ず2日目が悪天候になってしまい実行できていなかった。そこで今回は逆コースにして、養鱒公園駅から歩き始めて初日に「裏那須」を済ませる計画にした。
とはいえ養鱒公園駅は東武からの乗り入れで首都圏からのアクセスがあるなどと言っても当日移動だと11時着になってしまって遅すぎるので、沿線で前泊を検討。会津田島で泊まれば田島発の始発が利用できて最も早いが、本数が少なくて前日に仕事を終えてから会津田島に行くことも不可能だった。新幹線を利用して郡山経由で会津若松泊という手もあったけどコストがかかりすぎな感じで、いろいろ検討した結果鬼怒川温泉泊にした。
鬼怒川温泉だと安い素泊まりがいくつかあり、鬼怒川温泉始発でも始発から2本目の7:41に養鱒公園駅に着けるのでまあまあ良い。
11/2に帰宅して用意しておいたザック持って浅草から東武特急けごんに乗る。2時間ほど特急に乗るので夕食を兼ねて浅草で弁当を買うつもりが、東武駅に弁当屋はなく車内販売もないとのことであきらめる。意外にも満席で隣に座った人に「山に行くのかい」と声をかけられ、鬼怒川温泉で前泊して養鱒公園から那須に行きますなどと話したら、「それなら田島に泊まればいいじゃねえか。まあ初めてならそこまで気が回らねえか」と的確すぎるアドバイスが。話しかけられるのは当初は煩わしかったが、やたら話が通じるので楽しめた。鬼怒川温泉でなにか小さな居酒屋がやってたので夕食。ここでも店主とカップルの客と話すことになり、つい楽しくなってお酒を飲んでしまった。コンビニで明日の朝食を買ってホテルで温泉入って寝る。いい前泊だった。
6:19の始発に乗れないと当日アクセスと同じ10:55養鱒公園駅着になってしまうので、早起きしてまた温泉入って出る。無事に乗れた。新藤原で野岩鉄道に乗り換え、会津高原尾瀬口でさらに会津鉄道に乗り換える。朝の明るい中で沿線の風景を見られたので前泊してよかった。野岩鉄道はトンネルが多かったけど。七ヶ岳登山口駅あたりまではよく晴れてたのに突然薄暗くなりなんだかもやの中を走るみたくなる。田島あたりの平野部に出れば晴れるかと期待するが、養鱒公園駅に着いてもモヤモヤと暗いのは同じだった。
養鱒公園駅から歩き始める。まっすぐの道路を歩いていても前後が見えなくなるくらいのガスの中を歩く。土砂運搬のダンプカーがよく走っていた。十文字地区になると、登山口のある「音金」地区に曲がる案内もあった。交差点に平野屋という韓国料理屋があり、まだ8時台なのに営業中の表示だったので惹かれたが、いきなり里でダラダラするわけにもいかないので先に進む(後で調べたら「営業中」を出しっぱなしなだけで、11:30オープンだった)。
今日登る山も全く見えないモヤモヤの中で幻想的なくらいだったけど、音金に着いたらいきなり晴れ間が出てきた。なにもないところだけど、登山口には立派な標柱があった。入っていくと「倒木があり通行困難なので三倉山へは大峠から入ってください」との看板があり、道が電気柵で遮られていたが、「通行するものはプラスチック部分を持って取り外せ」と案内が出ていたのてそうした。逆からきたらこの案内は(電気柵越しに身を乗り出さないと)見えないので困るだろうと思った。
初めは落ち葉に覆われた林道で、秋のハイクという感じで快適。ほどなく古い道標が地面に落ちてる感じで置いてあり、そこからは沢筋を登る。岩や倒木などでごちゃごちゃしてるし、勾配も急で歩きにくい。こういうところの下りが苦手なので登りで使えてよかった。沢を離れて尾根に上がると、わずかな展望スポットがあり、方向転換してここからは尾根の急登。すごい急坂。とにかく急坂の下りは怖いので、登るのも大変ではあるけど下りでここ使いたくないなと思った。
「空沢山」という表記の道標がいくつか出てきて、そのうちに唐(空)沢山登頂。たまに流石山方面の眺めがあったけど、山頂からは南会津方面の眺めが良い。駅からずっと歩いた道や、観音沼とそこの駐車場に車がいっぱい停まっているのもよく見えた。三倉山も一番手前の峰はすぐ近くに見え、あとはわりと快適なのでは? とこの時点では思う。
唐沢山〜三倉山間はヤブがすごい。笹は濡れており下半身はびしょ濡れになってしまった。笹だけならまだしもシャクナゲも出てくる。それでもうっすらと道はあるので歩いて行くことはできるものの、登山口で予告されていたように登山道の通行を困難たらしめる倒木がついに出てきた。倒木といっても木の幹だけならどうとでもなりそうだが、左は谷に落ち込んでいく笹薮、右手はシャクナゲという最悪な場所で、枝葉がしっかりついて羽虫もぶんぶんついてる感じの灰色の木が思いっきり進路をふさいでいた。ちょっと戻ったりして先人たちがどうにかした形跡を探すけどよくわからず、結局一度ザックをおろして下をくぐり、ザックをズルズルと引っ張ってなんとか通過した。
その後も笹は背丈ほどになったりしつつ、一ノ倉を過ぎてもう一度登れば三倉山山頂標に出る。「よくがんばりました」という満足感があった。
天気は悪くなかったが時間が午後になりガスが出てきていて、大倉山方面も見えるけどわりと薄暗い感じに。
ここからはこれまでとは真逆の天国のような稜線歩き。三倉山からの県境尾根も遠目では快適そうだけど、登山道がなければひどいヤブなのであろう。
大倉山を過ぎれば深山湖、沼原調整池、白笹山、茶臼岳も見渡せ、三斗小屋温泉の建物とそのやや上方の源泉の湯気も見える。快晴ではないのでガスが切れたら見えるという感じだけど、感激の眺望だった。深山湖も人工湖らしいけど、沼原調整池は露骨に人工物なので山岳景観としても不気味と言うほかなく、興をそぐことはなはだしい。
流石山も過ぎればほどなく大峠に着く。なんか気が急いていて大休止をとらずちょっとお菓子を食べる程度でここまで来てしまったので、お湯でも沸かしたいと思うものの、もう15時過ぎなのでこのまま進んでしまうことにする。
大峠〜三斗小屋温泉は2020年以来2回目で、初めてのときにしんどかった記憶があり、とはいえこの数年で成長したし今日午前の過酷な登りの後ではそうでもなかろうという構えで歩いたものの、渡渉とか普通にイヤだった。疲れと焦りからか尻もちをつくような転び方をしたりした。
三斗小屋温泉は4回目で、毎回煙草屋旅館でテント泊していたけど、いつの間にか大黒屋の方もテント泊を受付ていたので、今回は大黒屋のお世話になる。素晴らしい建築。テント泊2000円で、館内の温泉も利用できる。テント場は少し登ったヘリポートにある。疲れてたので「登るのか……」と思ってしまったが、そう遠くないし、特別不便でもなかった。私のほかには三張あったけどまだまだ余裕があった。
温泉は湯の熱い木のお風呂とぬるめの岩風呂がありそれぞれ男女一時間交代なので、常にどちらかには入れる仕組み。夜と翌朝で熱い方に2回入ったので、今回は岩風呂を見ることもなく。
アルファ米とレトルトカレーで夕食として19時には寝る。ダウンも着ず、シュラフにビビィを重ねることもなく寝られてしまったので気温は高かった気がする。明け方にやや寒さを感じでダウンを着た程度。
2日目は、今回は初日に最大の目標の「裏那須」を済ませてるので気持ちの余裕があり、温泉入ったりしてダラダラした。共有スペースの本棚に『三斗小屋温泉誌』があり、今回歩いたのと逆の大峠から音金ルートの文章などもあり、おもしろくて一時間ほど読んでしまった。
"三倉山、大倉山、流石山は那須の山というより、南会津に属する山である。そうであるならば、那須より入って安直に登るより、音金、あるいは野際新田から大倉山を目指すのが正当な登り方と言えよう"などとあり、悪い気はしなかった。
また、三倉山と大倉山が逆という件についてもいろいろ書いてあり、この書籍では地理院地図とは逆の見解で記載していた。
撤収して8時半くらいに出発。最後に北温泉に入りたかったので、隠居倉に登り清水平経由で中の大倉尾根へ。それだけだと内容に乏しいので赤面山を往復。前岳までの道が結構悪くて怖かった。ガスが出て薄暗くて雰囲気もよくなかったが、ガスが切れて那須塩原方面の眺望はよくなっていった。中の大倉尾根は快適で、スキー場上部の遊歩道を経由して北温泉に下山。立ち寄り利用してバスで那須塩原に出て帰宅。
前泊も入れると鬼怒川温泉、三斗小屋温泉、北温泉と温泉に何度も入り、東武から野岩鉄道、会津鉄道、帰りは新幹線と鉄道旅行としても充実した内容で楽しかった。なにより、何度も計画しつつも実行できていなかった「裏那須」縦走ができて大満足。よく晴れたときにまたやりたいけど、唐沢山〜三倉山間は今回で懲りたので、またやるにしても大峠ピストンにしそう。
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