[大雪山]黒岳〜トムラウシ縦走。2泊3日の強行軍&絶景独り占め
- GPS
- 56:00
- 距離
- 36.7km
- 登り
- 1,922m
- 下り
- 2,363m
コースタイム
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 10:30
天候 | 初日:雨 2日目、3日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 飛行機
帰り:トムラウシ温泉〜新得〜富良野〜千代ヶ丘〜旭川空港 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ヒサゴ沼の雪渓は、進む方向によってはかなりの危険を感じる。 アイゼンが有っても良いと思うし、せめてストックが無いと怖くて歩けない。 |
写真
感想
2014年黒岳〜トムラウシ縦走!!
7/27(日)
南小樽6:03−(JR)−6:45札幌6:51−(JR)−8:16旭川9:01−(JR)−9:41上川9:50−(バス)−10:20層雲峡10:40−(ロープウェイ)−10:47黒岳5合目−(リフト)−黒岳7合目11:10−12:20黒岳−12:45黒岳石室
日本全国快晴の猛暑が続く中、北海道だけが前線の影響で週末から天気が崩れていた。
6時前に宿(魚松旅館)を出る。出掛けに宿のおばあちゃんから昔懐かしい飴をひとつかみもらう(縦走中に貴重なカロリー補給源として大いに役立つ)。南小樽駅に着くと、6:03発の列車が間も無く発車であり、早めに札幌に着けるならと乗る(予定では6:24)。札幌で旭川方面への特急スーパーカムイ1号が停まっており、これ又予定より早いが乗ることにする。
ここまで天気は曇り。予報では午後から荒れると聞いていたが、雨が降っていないなら、旭川からバスで旭川温泉に出て、旭岳経由の白雲岳避難小屋でも良いかと考える。旭川に着いて、バス乗り場に向かうが、誰も並んでいない。9:30発だし、まだ1時間以上時間があるからなあ、とも思うが、以前のレポートだと登山客がわんさか居てというのと比べると余りに寂しい。登山客に声をかけて乗り合いで運んで行ってくれそうなタクシーもいない。雨も降り始めて来て、やはり上川に出て層雲峡経由で大雪山に向かうことにする。実は、この判断が運命の分かれ道であった。
雨が強まる中を上川でバスに乗り換え層雲峡へ。10時40分発のロープウェイに乗り5合目へ。引き続きリフトにて7合目へ。去年は同じルートを乗り物を使わず歩いたなあ(今年はまだ先が長いので時間短縮と体力温存)。7合目の小屋で、登山届けを書きながらこれから白雲岳避難小屋を目指すと言うと、係りの人にウーンという顔をされる。しかし、今日中に白雲岳避難小屋まで行けないと、その瞬間トムラウシ縦走も諦めるしかないと思っていたので。
相変わらず雨降りしきる中を登山道へ向けて出発。岩とぬかるみが交互に現れる難路をゼーゼーと這い上がる。一年前はたまたま同行した子供たちに合わせて歩いたのでゆっくりだったが、今年は先が長いのでのんびりしてはいられない。8合目、9合目、それぞれ中々着かない。上から外人さんが「No fun」と言ってお手上げな様子で降りてくる。でも、頂上まであと10分だよと言われて元気が出る。
間も無く黒岳山頂到着。風はさ程強くないが、雨は相変わらず。休み無しで先へ進む。黒岳石室への下り坂も足元が思ってたよりも悪くてペースが上がらない。全身ずぶ濡れになり気持ちも萎えてくる。
黒岳石室に着いて、管理人さんにここから先の道を聞く。まあ無理には止めないけど、こんな雨の中、稜線歩きするようなものじゃないね。それに、ヒサゴ沼までなら黒岳石室から一日で歩けるし(3〜4時に出発すれば)。と言われて、急に歩き続ける気力が失せて、今日のところは黒岳石室泊まりとする。
石室の中は、15〜20人くらい。この時期の割には大分空いており、入り口付近の下段にスペースを確保できた。停滞組も多く、まあこの天気だし慌ててもしょうがねーなー、という雰囲気。昼ごはんを食べてのんびり。しかしその間も外の天気は一向に良くなる気配を見せず、雨も風も強くなったり弱くなったりを繰り返して止むこともない。3時、4時と過ぎ、することも無くぼんやりとくつろぐが、もし白雲岳避難小屋へ向けて強行軍を続けていたら、まだ歩き続けていたのかと思うとゾッとする。
7時半頃、管理人さんから翌日の天気予報が発表される。午前中は雨が残るが、天候は回復傾向にあり、風は強いけど、ゴーサインでしょう、とのことであった。8時の消灯前後に就寝。天候が回復しない場合の代替ルートが余り良いのが思い浮かばず、ゴニョゴニョ考えながら眠りに落ちる。
7/28(月)
黒岳石室4:30−7:15白雲岳避難小屋7:30−8:15高根ヶ原分岐−(30分ほど休憩)−10:30忠別沼−11:05忠別岳−11:50忠別岳避難小屋分岐−12:25五色岳12:35−13:40化雲岳13:55−15:00ヒサゴ沼避難小屋
夜中何度か目が覚めた時も雨は降り続けていた。3時前に、一応準備だけはしておこうと起き出してお湯を沸かす。半数以上の泊り客も動き出し開始。4時、トイレに行く時には、まだ霧雨が残っていたが、これなら行けるとスタートを決める。
うっすらと明るい中、4時半に出発。15分程で一つ目の徒渉。軽く雪渓を踏み抜き、歩き始め早々に片足が水に浸かる。更に10分ほど進んで、北海沢に出合う。連日の雨で水かさも増し、とても靴を履いて渡れない。靴を脱いで渡り始めるが、冷たい!!石室の管理人さんは大して冷たくないと言っていたが…。重い荷物で重心をふらつかせながら渡りきって一息つく。とにかく、今は雨が降ってなくて良かったが、昨日ここを渡るとなったら、雨が降りしきる中で靴を脱ぎ履きしてだったと思うと、敢えて先へ進まなくて良かった。
北海岳へ向かう途中、一つ目の大きな雪渓を横切る。傾斜は左程ではないが、慣れない雪渓歩きでヒヤヒヤする。北海岳への登りが始まる。山頂近くまで来ると、横方向から猛烈な強風が襲って来る。レインコートのフードで頭・顔を覆うが、耳元をかすめる風の轟音で胸が締め付けられそうになる。強風で命の危機を覚えるとはこういう事か、と。それでも、朝一で体力も気力もあるし、昨日よりも全然マシだと、返す返すも昨日無理をしなくて良かったと思う。
ベンチらしき物を目の片隅に捉えて、北海岳山頂に着いた事を知る。そこから道は左へ曲がり斜面を下る。徐々に風は弱まりホッとするが、今度は登山道がはっきりしない。GPSを見ると地図上の登山道と合っていたので自信を持って歩き続けられる。またしばらくして、白雲岳分岐地点。ここでも風が強く、先を急ぐ身としては白雲岳は対象の外。
白雲岳分岐を過ぎてしばらくすると、徐々に曇り空が晴れてくる。そして、前方に赤い建物の白雲岳避難小屋が見えてくる。黒岳石室を出た時は、とりあえず白雲岳避難小屋まで行ってから先のことは考えようと思っていたので、3時間経たずにたどり着けたので気を良くする。避難小屋手前の水汲み場で水の補給(ヒサゴ沼到着後水を汲みに行く体力が残っていない事を想定して)。
天気は晴れつつあり、これはヒサゴ沼まで行ける!という気を強くする。白雲岳避難小屋を過ぎてしばらくして、左手に緑の中に大小の沼が点在する高根ヶ原が見えてくる。素晴らしい眺め。それを独り占めとは何とも贅沢。ようやく忠別沼への登りの途中、一組の年配カップルに追いつく。白雲岳避難小屋を朝発ったとのこと。追い抜いてしばらくして、暑くなってきたのでレインコートを脱ぎ、ついでにカロリー補給。
忠別沼までの道は連日の雨で登山道が完全に冠水しており、初めのうちは土手沿いに歩こうとしてバランスを崩してカメラを水没しかけたので、途中から諦めて水の中を歩くようにする。悪路に悩まされ忠別沼までは長く感じるが、ようやく到着。沼の中を木道が通って良い感じ。
忠別沼から先、忠別岳への急な登りが続くが、割りに登りには強いようで、コースタイムよりは大分早く忠別岳山頂へ。ここまで順調なペースで来ており、本日のゴールをヒサゴ沼避難小屋に決定する。忠別岳山頂から左手の道を下る。前方はるか遠くに忠別岳避難小屋が見える。道は一気に下り、ハイマツ帯の中へ入っていく。
忠別岳避難小屋分岐を過ぎて間も無く、自分よりやや年上の男女に追い付く。今日のゴールはヒサゴ沼とのことで、ようやく同じゴールの人と一緒になりホッとする。道を譲られたので先を進む。五色岳への登りはハイマツが登山道を両側から覆うようにして迫る。荷物はバッグの外にはほとんど何もつけていないのでそれ程歩きにくくはなかったのだが、小さい虫が耳元でまとわりついてウザったらしい。時に耳の中まで入ってくるので、鼓膜を食われたらと嫌な気分になる。
五色岳山頂にて小休止。後方には忠別岳や白雲方面の今日歩いてきた道。前方には化雲岳が見える。先ほどの男女(一人は仙台、一人は北海道。義理の兄妹とのこと)も追い付き、しばし話す。
化雲岳へ向けて出発。途中お花畑の間を木道が通るようになり、ついつい写真の数が増えペースはゆっくり。化雲岳への分岐を過ぎ、傾斜を上げて一踏ん張りすると化雲岳到着。ズドーンと四角い岩が頂上に鎮座している。携帯の電波も入るようになり、家へメール。ついでに翌日の宿(東大雪荘)の予約も行う。大部屋が空いていてラッキー♪
ヒサゴ沼避難小屋までは下りだけで30分ほどの楽勝コースと思っていたのだが、途中までは木道もあり快調に進むものの、雪渓が現れペースを落とし、更に雪渓の先から沢の中を歩くようになり、更にペースが落ちる。その沢も行き止まりかと思ったところ、右手に上がる所があり、そちらに上がるとまともな登山道になる。化雲岳からコースタイムの倍近くかかり、ようやく3時頃にヒサゴ沼避難小屋に到着。
元々はテント泊のつもりだったが、先に到着していた人に、避難小屋は今のところ一人だけと言われ、設営や撤収の手間も考えて、私も避難小屋泊とする。まあ、テント場がジメジメしていてテントを張る気にならなかったせいもあるけど。寝床を確保して飯の準備。まだ時間は早かったが、朝も早かったし、これから2食分用意する気にもならなかったので、晩飯とする。
食事の準備をしているうちに、後続のハイカーがちらほら到着し始める。トムラウシ方面から来るハイカーが、ヒサゴ沼のコルからの大雪渓を下ってくるのが遠目に見える。雪渓の斜面を遅々として進まない。相当難儀している様子。翌日が不安になる。
同じ白雲方面から来て、明日も同じくトムラウシ方面に進む単独ハイカーや五色岳であった義理の兄妹と共に晩御飯を食べる。その際、大阪から来たという単独ハイカーから、前日に旭岳経由で白雲岳避難小屋に泊まったが、朝9時過ぎに旭岳ロープウェイが強風のため止まったことを聞く(その単独ハイカーもギリギリだったらしい)。もしも旭川で旭岳温泉方面へ向かっていたら、完全にアウトであった。層雲峡経由にしていたのは結果的に大正解というか、実にたまたまのラッキーというしかない。
晩御飯後、床に就くがちっとも寝付けない。とにかく顔面が火照って火照ってしょうがない。晩御飯時にウィスキーを飲み過ぎたかと思ったけど、どうやら日中の日焼けのせいと思い至る。気分も悪くなってくる。明日のために取っておいた水を飲み、それでも収まらないので、顔の上に水入りのプラティパスを置いて水枕のようにすることで何とか気分も和らぐ。しかし一晩中寝返りを繰り返し、ほとんど一睡も出来ないままであった。かと言って、夜中に起き出して星空を見に行く元気も無し。
それでも、泊る人が多い時には頭と足を交互にして寝なくてはならないというヒサゴ沼避難小屋にで、3人分のスペースを使って寝れたのはラッキーであった(この日は、1Fに10人ちょっと、2Fには2人)。
7/29(火)
ヒサゴ沼避難小屋5:40−6:50ヒサゴのコル−9:30トムラウシ山10:00−11:30前トム平11:40−14:00カムイ天上−15:00短縮コース登山口−(車)−東大雪荘
眠れない夜を過ごす。体はしんどいし、今日は遅めスタートにしようかと思うが、日焼けをこれ以上しないためには陽射しが弱いうちに動き出した方が良いかと思い直す。義理の兄妹カップルに日焼け止めをもらう。本当にありがたかった。
何だかんだ、のんびりしていたせいか5時半を回っての出発。まずはヒサゴ沼湖畔の雪渓から。離れて見る分には大したこと無いように見えたが、いざ渡ろうとすると、思っていた以上に横方向に傾斜がある。一歩一歩慎重に足を進めるが、一、二度バランスを崩しかけてヒヤっとする。数メートル下は湖面があり、命の危険は無いと思っていたが、沼に落ちたら全身ビショ濡れになり歩けなくなってしまう。長い長い30メートルの雪渓を横断してホッとする。が、直ぐに大物の雪渓が目の前に現れる。
昨日の夕方雪渓を下ってくるのを見ていた時は、斜面を横切るように歩いていたのだが、本日の先発組のステップは斜面に対してほぼ垂直に上がっている。それでそのステップに従ってほぼ直登する。後ろは怖いので見ないように、前方も怖いので余り見ないようにして、ただ足元だけに注視して一歩一歩進む。決して慌てず、左足、右足、左のストック、右のストック、時に順番がばらけつつも一つ一つ動かす。
辿って来たステップが左右に分かれる。しばし思案するが、昨日の夕方下ってくる人を眺めていて、左側から来た様に思えたので、左側に進むことにする。しかし、そっちは傾斜がきつくなり、先へ進むのが困難になる。ここでGPSを見ると、正しい登山道は右手方向にあることが分かる。
これはしまったと引き返そうとするが、これまで登って来た高さに目がくらんで元来た道を戻るに戻れない。直登していた時には余り感じなかったが、斜面を斜めに横切ろうとすると、俄然背中の荷のバランスが悪くなり、ちょっとの体の動きで背中から体全体が振られるようになる。そして変に勢いついて体が沼方向に引っ張られ、一、二歩よろめいた時の恐怖と言ったら…。アイゼンは無かったけど、両手ストックがあって本当に良かった。
周りには誰一人いないし、もう泣きそう。反則と分かりつつ、雪渓から露出した岩肌を横にスライドして何とか正しい方向へと復帰する。雪渓に再び降り、徐々に傾斜が緩くなり、前方に赤い○印マークを見つけて、ハーと安堵して気が抜け、しばし動けなくなる。コースタイム30分の倍以上かかり、7時前にヒサゴのコルの合流点に着く。
そこから今度は巨岩地帯を這い上がっていく、と…。何と!!これが噂に名高い日本庭園か!!全く信じられないような水と緑と岩と花の光景辺り一帯に広がる。こんな所を独り占めして良いのか〜!進んでは写真を撮り、進んでは写真を撮りをして進む。
続いてロックガーデン。正しい道を見失いかけたが、ここでもGPS様のおかげで正しい道に復帰する。途中、谷を挟んで登り返しになっている所があり、前方の山肌に先発隊が取り付いているのが見える。得意(?)の登りで一気に距離を詰める。
よじ登り切った先には、平たい大地を挟んでトムラウシ山の山頂が間近に現れ、いよいよ来たかという思いを強くする。しばし休憩後、北沼を右手に見ながら、トムラウシ山への残り0.5kmの登りに取り掛かる。これでもかという位岩場が続き、登れども登れども山頂に着けない。いい加減くたびれ果てそうになった頃、人が固まっているところが目に入り、山頂を捉える。そこまでの最後の巨石群を一つ一つクリアして、ヒサゴ沼から出発してほぼ4時間かけてトムラウシ山の山頂に到着。着いた〜!!ようやっと着いたよ〜〜!!
余り食欲は無かったが、アルファ米赤飯を口の中に放り込む。トムラウシ山頂は、短縮登山口からの日帰り組を中心に10人近くで賑わっている。家に喜びのメール。
10時丁度に下山開始。岩場の急な下りが、脚、足裏に堪えて中々進まない。軽装の日帰り組が颯爽と駆け下りていくのを信じられない想いで見送る。十勝岳方面の分岐を過ぎて、傾斜は大分楽になる。しかし今度はぬかるみ道が多くなり、ペースは上がらない。トムラウシ公園など、奇岩やお花畑など中々見応えある光景が次々と現れるが、やはり、朝に見た日本庭園には比べようもない。
2度ほど登り返しを挟んで、前トム平に到着。先にトムラウシ山を下ったグループが数人固まって昼食を摂っている。そこで、昨晩ヒサゴ沼避難小屋に泊まった父娘に、短縮登山口車を停めてあるから、一緒に下れば東大雪荘まで乗っけてあげると言われる。それまでは東大雪荘まで歩くつもりであったが、そのお誘いの余りの魅力的さに頭から「短縮登山口」の5文字が離れなくなる。
私の方が歩くスピードが遅いので、休憩もそこそこ一足先に出発。岩場を下り、コマドリ沢の雪渓上部に出る。雪渓には苦手意識があったのだが、ここは幅も狭く一気に滑落するような命の危険は感じないので、思い切って進む。慣れれば、凸凹の多い山道よりは歩きやすい。
そうこうするうちに、どんどん暑くなる。コマドリ沢の雪渓の下、水流がほとばしっている所で手ぬぐいを水に濡らして頭に被り、一瞬の涼しさを得る。出来たら持ってきた簡易浄水器を使って雪渓の水を飲みたかったが、時間が無くて浄水器の出番は無かった。
登山道はしばらくコマドリ沢沿いに進むが、右手に道が折れ、登り返しが始まる。この最後の登り返しが辛かった。ここまでの登りは岩場が多かったが、ここは樹林の中の地道の登り。じめじめしているし、暑いし、傾斜もきついし。噂に違わぬきつさ!残り少ない貴重な水をしょっちゅう口にせずにはいられない。
30分以上登りが続き、ようやく登山道に切り株状の腰掛け(?)が4、5個ほど現れ、ここがピークだろうと気が抜けたように放心する。しばらくして、車に同乗させてくれると言ってくれた父娘も現れたので、その到着に合わせて出発。
その後も、登りは無くなったものの、行けども行けどもぬかるみ道。水溜まりを避けようとして道の脇を歩いていたらバランスを崩して手を突いて傷を作ったり。カムイ天上までが遠い遠い。カムイ天上からは父娘と共に進む。これまでずっと一人歩きだったから、他人に付いて歩くというのも、気楽で良いなと思う。皆、水切れでフラフラ。
短縮登山口への分岐から登山口への0.7km、最後の15分も長かった。ようやく出口の看板が見え、助かったー!泥だらけの靴で気が引けたが、ビニール袋を貸してくれて靴を丸ごとくるんで乗せてもらう。
短縮登山口の駐車場からの道は悪路に次ぐ悪路。後部座席で跳ね飛ぶ。楽な体勢ではないけど、歩かずに運んでもらえる事のありがたいこと。パンクもせず無事に東大雪荘に到着し、同乗させてもらった御礼を言って別れる。
チェックインを済まし、早速ビールをと思ったが、今飲んだら確実に倒れてしまうと我慢する。靴の泥を落としたり、最低限の後片付けを済ませて、いよいよ大浴場へ。露天風呂が工事中で入れなかったのが残念だったが、それでも広々とした内風呂に浸かって、心底天国であった。
2時間近くたっぷり入り、食堂へ。同じルートを歩いた義理の兄妹組と同卓にしてもらい、ビールで乾杯。この一杯目のビールの美味かったこと。これ程美味いと思ったビールは、ここ10年は記憶にない。あのクリーミーな泡は当分忘れられそうにない。料理も、数日山に入り、下って来た身には眩いばかりのご馳走であった。
ただ、安心し過ぎたのか、急に体が冷えてきて震えがし始めてくる。そこで一足早く失礼して、再度大浴場へ。酔いが回り過ぎる危険があったが、体を温め直して大部屋に戻り、ちょっと気分が悪くなるまま布団の中へ。
疲れ過ぎて眠れないのではないかと言う心配をするまでもなく、7時過ぎ床に就いた後、翌朝4時半過ぎまで一度も目を覚ますこともない爆睡であった。
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