北横岳から亀甲池
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- GPS
- 04:42
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 737m
- 下り
- 734m
コースタイム
天候 | やっと来たブルー八ヶ岳 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
北横岳までは当然高速道路も、北峰から亀甲池の途中くらいから膝上のどラッセル。ルーファイも所々必要 |
写真
感想
カラマツの湯に長目に浸かりながら空を見上げていた。白駒池ピストンは意外にハードだったな...。八ヶ岳にしてはそれほどではないが、星がよく見えていた。この2日は真っ白けかつ降雪の中のゴールだったが、明日はブルー八ヶ岳が期待できそうだ。北横岳北峰でも行ってみるかな。
翌朝起きると、窓から見える空がやたらと青かった。天気予報よりもいい感じだ。妻からは「いい加減ゲレンデにいたら?」とは言われていたが、「ありえへん」と登山グッズをキトラパックに詰め込んだ。
どういうルートにしようかと考えた。北横岳だけ行くのも芸が無さすぎる。北峰の奥にある大岳に行って適当に周回でもするかな?と思い時間を見積もるも、意外に時間がかかる。「これだと北横岳から亀甲池経由で蓼科山行くのと変わらんな」。この天気なら蓼科山はサイコーだろうな😃と、ヤマレコで時間を計算すると、0.6以下のペースで歩ければギリギリピストン可能なことが分かった。前回は家族をピラタスに送り届けた後、別行動で女乃神茶屋登山口まで車で行き、クイックで蓼科山に登頂し、またピラタスに戻った。しかし、もう車を使っての別行動は禁止されてしまったので、ロープウェイ山頂駅からのピストンにせざるを得なかった。「北横岳から亀甲池へかけてトレースがあるかどうかだな...」。そして、そんな所にトレースなんてあるはずもなかった。
ピラタス蓼科スノーリゾートの駐車場に着くと、いきなり甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳が丸見えだった。少し目線を移すと、中央アルプスもめちゃくちゃ見える。「この駐車場こんなに眺望よかったんか」と何回も来ているのに、今回初めてそれを意識した。
家族みんなの手際がよくなり、今日は10時40分のロープウェイに乗ることができた。今日は時間勝負なのでこの20分がありがたい(この時期のロープウェイの運行間隔は20分)。山頂駅に到着し、装備変更の時間を短縮するため、最初からアイゼンとピッケルでスタートした。
最高の天気の中、坪庭を歩いていく。今回初めての二色を楽しむ。ものすごい白とものすごい青は相性がいいようだ。中央アルプスと南アルプスがバッチリ見えるのはもちろんだが、今まではあまり意識していなかった北横岳そのもの形も確認しながら歩いた。右手には縞枯山もきれいに見え、稜線の丸みを目に焼き付ける。奥には厳つい形の三ツ岳も見ることができた。
この日差しだけあって、汗をダラダラ流しながら早歩きする。樹林帯に入ってすぐの辺りで、恐らく北横岳ヒュッテのご主人が歩荷をしている所に追い付いてきた。彼は後ろにも注意を配り、まだ僕と彼の間には少し距離があったのに、いい所で立ち止まり先を譲ってくれる。ちなみに彼は恐ろしいサイズの荷物を背負っているのに、やたらと歩くのが速かった。こっちは軽荷で早歩きしているのに、ちょっと立ち止まり写真を撮っていると追い付かれそうだった。
北横岳ヒュッテの「狂い印」を確認し、すぐに北横岳南峰に登頂した。赤岳から阿弥陀岳の鉄板稜線が眩しい。八ヶ岳は南アルプス、中央アルプス、北アルプスがほぼ平等にきれいに見えるが、特に北アルプスがよく見えるのがお得に感じる。おまけに、甲武信ヶ岳、金峰山までスッキリだった。
北峰を目指し、気持ちのいいモンスター樹林帯を進む。中間くらいのところで北峰に登山者がたくさんいるのが目に入ってきた。「南峰より北峰のほうが人気なんかな?」。個人的には南峰の方が開放感が上な気がした。確かに、蓼科山の眺望は北峰からの方がいい。赤岳方面を見るなら、北峰から大岳方面に少し進むと、誰もいない展望台があっておすすめだ。
北峰から道標に従い、亀甲池方面に下っていく。あれだけ北峰には登山者がいっぱいいるのに、亀甲池へと下る人は殆んど見たことがない。物好きは今日も僕だけだった。強風のせいか、のっけはあまり雪が付いていない。しかし、すぐにたっぷりの雪斜面になる。いきなりトレースがあまりハッキリせず、かなりずぼりながら下っていく。ピンクテープを注意深く探し、ルートにしっかり乗ると、2、3日前とおぼしきトレースが出てきた。少し沈み込むも、しばらくはまだ0.6以下のペースを維持できそうなレベルだった。
この亀甲池への下りは所々道が分かりにくい。特に序盤でピンクテープがないのか見つけにくいのか、結構迷う人も多いだろう。それでもトレースの跡のお陰で、何とかルーファイせずに順調に進んでいたが、2250メートルを切った所で、トレースが乱れ始めた。「また、このパターンね...」。大体こうなると、もうトレースは信用してはいけない。このトレースの主はここでルーファイを諦め引き返したようだった。
ここからどラッセルとルーファイが始まった。膝上くらいのラッセルで下りなのでそれほど苦痛ではなかったが、所々道を見失った。幸いダメージは最小限でリカバリーできたが、「もう蓼科山は無理だな」と亀甲池を目標に切り替えた。
その後もラッセル・ルーファイを繰り返し、何とか無事に亀甲池を指し示す道標にたどり着いた。前には亀甲池の白いスペースも見える。時刻は1時前だった。北峰から450mも標高を下げたが、登り返しは自分のトレースもあり、長く見積もっても2時間というところだろう。ロープウェイの最終には余裕で間に合いそうだ。
そこから同じ膝上ラッセルで少し歩き、亀甲池の上に降り立った。亀甲池の池上標識が奥に見える。いい感じのこじんまりしたスペースだった。あまりにも非日常な幻想的な空間に思わず息を飲む。「これは無理しても来る価値あるわ😂」。湖面に座り込み、コーヒーを飲みながら暫く贅沢な独りの時間を楽しんだ。
(ちなみに登り返しは予想通り90分ほどだったが、かなり体には堪えた😓)
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