馬場島から早月尾根の剱岳日帰り-登りの自己最速記録達成
- GPS
- 08:55
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 2,417m
- 下り
- 2,397m
コースタイム
天候 | 雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ガイドブック、豊富な記録にある通りで、特記事項はなし。馬場島から標高2400m辺りまで樹林帯で木の根を伝うような急坂が多く、上部稜線の道は岩場、鎖場あり。道迷い箇所も特になし。 |
写真
感想
今週末天気はあまり良くなく、日曜日には台風が前線を押し上げて雨になりそうだが、土曜日だけは持ちそうだ。先週白山で体調良好だったので、日帰りなら剱岳早月尾根のタイムアタックをやってみようと思った。
2008年から毎年何らかの形で剱岳早月尾根を登っており、これまで登山口から山頂までの登り所要時間の最速は2010年の4時間54分だった。軽装日帰りでは5時間前後、テント装備および残雪のあった時は6時間位だった。タイムを狙って登るなら新記録を出すことが最低線、4時間半なら良好、4時間切れれば大成功と考えた。白山の時には、登り道だけなら1時間に標高差600m登っていた。標高差2240mの早月尾根では、単純計算で3時間45分で登れることになる。しかし一部には下り、岩場もあり、なによりも4時間もペースを保てるかが問題だ。
自宅を車で朝4時過ぎに出て、上市を通り馬場島に5時半頃到着、登山届を提出した。タイムを狙うならヘッドランプが要らなくなってからの方が良いと思い、これまでで一番遅い6時出発と設定した。しかし馬場島では雨、皆しっかり雨具を着けて歩き出している。しばらく躊躇したが、9時以降は雨ではない予報を信じて出かけることにし、階段道の始まる登山道入口での実際のスタート6:10となった。
国内最高級の急登早月尾根であり、出だしは確かにいきなりの胸突き八丁で始まるが100mほど登ると松尾平を挟んで標高1100m近くまでは緩い。緩い所は早足で、特に平らな所は小走りで急ぐ。途中の標高1000mのベンチで雨具を脱いだ。気温は20度以下位だろう、汗だくにならず記録狙いには丁度良い。その後本格的に急登となり、標高2200mの、早月小屋直前の小ピークまで続く。
目標ペースが1時間に600mの標高差だから10分で100m、200m毎に案内板があるので20分間隔だ。但し表示板は50m位ずれている所があり、GPSの方が正確だ。今日は給水はHydro Bakに、行動食をウエストポケットに詰め込んで荷を下ろさずに済むようにし、1000mベンチと、時たま写真を撮る時以外は一切立ち止まらずに、目標ペースを保って早月小屋まで行けた。早月小屋までを標高差1440mとすれば目標タイムは2時間24分、それを6分上回って小屋前に着いた。剱本峰が見えて青空も出ている。もう雨の心配はなさそうだ。
早月小屋でも休まずそのまま進む。ここまでは調子良いが、そろそろ少し足が疲れてくる気配はしていた。これから岩場が増えて来るので、2400mの案内板の所にストックをデポした。2500m位に傾斜の緩い区間があり、2614mのピークを過ぎて30mほどの下りがある。そして鎖やロープのかかった岩場があり、ガレ場もある。これらの要素に加えて、やはり足が重くなって来て200m辺り20分は守れなくなって来たが、予想の内であるのでめげずに、また焦るあまり危険なことにならないように十分注意しつつ頑張る。別山尾根ルートとの分岐にある指導票が十字架の様に見え、目標がはっきりする。それが次第に近く大きくなって来て、一旦道が右に回り込んで見えなくなるが、溝状の岩場を攀じ登ると道標が目の前に現れる。道が合流して間も無く10時になった。所要4時間までは残り10分、もう余裕だ。後は山頂までの大岩のガラ場を、黄色のマークを辿って、今年2回目の剱岳登頂となった。
意外なことに、剱岳山頂には人が少なく3人くらいしかいない。これまでいつも、早月からあるいは長次郎谷から登ると山頂で突然に人で一杯になるという経験をしていた。今日は土曜日で昨日は雨だし明日も雨予報、一泊を要する別山尾根の登山者が非常に少ないのだ。雲が出てはいるが眺望はなかなか良く、見えるべき山は概ね見えている。富士山も、先週登った白山も見える。乗鞍岳はかすかに見えるが御嶽は見えていない。一番の目標達成に感慨一入である。
下りはもう急ぐ気はない。一旦体力を使い果たした登りの後なので、バランス感覚と踏ん張る力も尋常ではないかも知れず、岩場の下りは特に慎重を期す。登りで抜いてきた人たちが続々と登って来て、すれ違うたびにこちらがのんびりと待つ。上から早月小屋が見えて、その下はまた雲の下になると解る。山頂と早月小屋の間の所要時間が、登りは95分だったが、下りに2時間位かけて下りて来た。早月小屋前で今日2回目の、腰かけての休憩。
登りの頑張りの結果、山頂で脚の筋肉痛が出始めていた。だから下りでそれが進んで辛くなる心配をしていた。大腿の前面よりも後面のハムストリングを積極的に使う下り方は普段より訓練しているが、それを徹底する。ストックを最大限に使って、決してショックを受ける着地をしない。これらが上手くいったか、筋肉痛は殆ど進まず、辛いと感じることはなかった。むしろ記録を達成した喜びの気持ちが大きく、最後まで上機嫌で下ってくることが出来た。
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