祖母山・傾山


- GPS
- 51:14
- 距離
- 37.8km
- 登り
- 3,149m
- 下り
- 3,302m
コースタイム
- 山行
- 3:20
- 休憩
- 2:11
- 合計
- 5:31
- 山行
- 7:15
- 休憩
- 3:18
- 合計
- 10:33
天候 | 1日目:曇りのち晴れ 2日目・3日目:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
祖母山直下と傾山では転滑落に注意。 *水場状況* 祖母山五合目小屋◎ いのち水× 祖母山九合目小屋◎ 丸山× 九折越下○ 登山道は全区間明瞭だが、神原からしばらくは地図に載っていないハイキングコースが通っていた。祖母山山頂付近は複数の踏み跡が交錯していた。九折越からの下山道は道が細くトラバース気味なので、下りでは使いにくいだろうと感じた。 |
写真
感想
【アプローチ】
大分駅付近の漫画喫茶に前泊し、始発のJR豊肥本線で豊後竹田駅へ移動。前日に予約した竹田市のバス「カモシカ号」で神原登山口まで連れて行ってもらった。正確には登山口までは行かず、県道と分岐するところまでだった。この日は利用者は私だけで、貸切状態だった。
ここから神原登山口までは車道を徒歩。途中で数台に追い抜かれた後、登山ポストや休憩所と駐車場のある登山口に到着。
【3/13】
カモシカ号終点09:49=10:10神原登山口〜10:47五合目小屋11:06〜12:41国観峠12:55〜13:32九合目小屋14:08〜14:14祖母山(空身)15:15〜15:20九合目小屋▲1(行動時間:4時間5分)
入山者数カウンターを押して登山開始。地理院地図には林道の表記がなされているが、実際には登山道である。橋を渡ると分岐点があり、地図に載っている登山道と地図に載っていない渓流沿いのハイキングコースに分かれる。登山道を選択するもすぐに合流し、沢筋を進む。
途中幾つかの滝を横目に見つつ緩やかに登っていくと、外側が石垣で装飾された祖母山五合目小屋に到着。中は綺麗に管理されている印象を受けた。20人くらいは余裕で泊まれそうな広さがあった。地図には水場表記があったもののどこかわからず、小屋の裏手の沢で汲んだ。枯れることがなさそうな水量だった。
五合目小屋を過ぎてもしばらく谷地形を進むが、橋を渡って尾根上に上がる950m地点あたりからは急登になってくる。1200mあたりからは岩がゴロゴロしてきて、難しくないがロープ場なども出てくる。途中にあるいのち水は全く出ておらず、少なくとも冬場はあてにできなさそうであった。
小ピークを越えると国観峠。広々としており、しかも平坦。テントを張ったら気持ちよさそうだが、すぐ近くに九合目小屋のテント場があるのでここで幕営する理由はあまりなさそうだ。
国観峠からは緩やかな斜面を登っていくが、かなりぬかるんでいた。また、踏み跡が錯綜していてどこを歩いても良さそうという感じだった。山頂への分岐を左に折れて、いくつか小さな枯れ沢を越えて祖母山九合目小屋につく。無人の小屋にザックをデポ。小屋の使用は有料制ではなくなっていた。
小屋からは空身で山頂へ、ここも踏み跡が錯綜している。雪はないが凍結箇所がいくつかあった。
山頂は360度の大展望が広がり、南〜東方向には明日以降歩く障子岳〜古祖母山〜本谷山〜傾山の稜線が一望できた。傾山のあまりの遠さに、明日同じ道を通って下山しようかと一瞬思ったが、せっかく3日間の晴れ予報なので行くことに決めた。南西方向には国見岳などを含む九州脊梁山地が見渡せ、さらにその奥には霧島連山の韓国岳が見えた。高千穂峰は市房山に隠れて見えなかった。さらに北西には噴煙を上げる阿蘇山、北には九重連山や由布岳、鶴見岳の姿が見えた。
たっぷり1時間景色を見て過ごしたところで、小屋に戻って夕飯の時間。途中で男性が入ってこられたので、この日の小屋泊は2人となった。小屋は薪ストーブ付きで、本棚にぎっしりの山岳書籍やBluetooth付きのスピーカーなど、山の夜を楽しく過ごすためのものがたくさんあった。外に出れば北には薄らと九重連山の輪郭が視認でき、麓にはまばらに灯りが灯っていた。もっと起きていたかったが、翌日は行動時間が長いので早めに就寝とした。
【3/14】
▲1九合目小屋05:55〜06:02祖母山06:55〜7:35天狗岩分岐〜08:03障子岳08:41〜09:22古祖母山09:57〜10:49尾平越11:05〜11:51丸山12:15〜13:11三国岩〜13:31本谷山13:59〜14:39笠松山14:54〜15:47九折越小屋15:57〜16:04見立水場(空身)16:14〜16:25九折越小屋▲2(行動時間:8時間5分)
4:30ごろ起き、ラーメンを食べて出発。2回目の祖母山山頂を踏み、日の出を待つ。日の出前の薄明の時間が一番美しいと思った。日の出は傾山の南からだった。影になった傾山の猫の耳のような姿が印象的だった。あまりに綺麗だったので、1時間もその場にとどまって景色を眺めていた。
あたりがすっかり明るくなってしまってから、再び歩き始めた。祖母山からはかなり急な岩を下っていく。ロープやハシゴなどが次々と出現し、気が抜けない。下り終えるとあとは平坦な稜線歩き。途中で見上げる天狗岩は、天を仰ぐ天狗の姿にそっくりだった。障子岳北側の鞍部付近では高木がなくなって視界が一気に開ける。
冬枯れの下草を踏み締めて障子岳への最後の登り。ここから振り返って見る祖母山は絶景だった。障子岳からは南側〜西側の眺望が開けていた。
障子岳からは、鹿避けの柵が度々出現し、ロープや金属のロックを解いて開閉する必要があった。ロープがある急なくだりもあるが、すぐに終わって平坦になる。ヒ素の公害で知られる土呂久への道は、半ば廃道化しているように見えた。
土呂久分岐を過ぎると古祖母山までは後少し、なだらかな斜面を登っていく。山頂は北側の眺望がないものの、南側の眺望は素晴らしかった。
古祖母山からは再び急な下りで、岩の割れ目に沿ってかけられたハシゴや細い橋などを通過していく。岩が目立つエリアを過ぎると、あとは尾平越まで単調な下りである。時折木々の隙間から北側に九重連山の姿を見ることができた。
途中すれ違った方から、もう少し進むとマンサクが咲いていると教えてもらったが、植物に疎い私は見つけられなかった。
落葉で足に優しい道をひたすら下ってたどり着く鞍部は尾平越である。この下を県道が通っており、エスケープルートが分岐する。北側のトンネル入り口へ降りる道は廃道化しているようだった。
尾平越からは小さなアップダウンを繰り返して水場にたどり着く。鹿避けの柵の向こうの沢に水場があったが、パイプから水は出ていなかった。ここからは本谷山へ登り基調の道が続く。1450m付近は展望スポットで、南の露岩上からは宮崎県側の眺望が素晴らしい。急ではないが緩やかでもない傾斜を登っていくと、本谷山に到着する。特に眺望はないが、疲労が溜まってきたので休憩。
本谷山を過ぎると左に水場があったが、確認していない。ここからはほぼ平坦で、歩きやすい道が続く。笠松山は山頂標識の上の急斜面を登ると本当のピークがあり、祖母山方面を望むことができる。
ここからは緩やかに下っていき、九折越小屋に到着する。ここに本ザックをデポして、宮崎県側の見立登山口につながる道を下りて水を汲みにいく。水場は登山道の西側にあり、周囲が開けているので見逃すことはない。水量も十分。明日の分も一緒に汲んで小屋にもどる。
小屋はとても綺麗に管理されていて、広々としている。20人は泊まれそうだ。利用者名簿を見るとかなり頻繁に宿泊者がいるようだが、この日は私1人だった。電波は入らないので特にすることもなく、早めに就寝。
【3/15】
▲2九折越小屋06:05〜06:19千間山〜07:01傾山(sub装)07:20〜07:48千間山〜07:59九折越小屋10:04〜10:38林道分岐〜11:32三ツ尾登山口〜11:59観音滝分岐〜12:05九折登山口〜13:04傾山登山口バス停(行動時間:4時間52分)
午前中のバスに間に合うよう早めに起床し、ラーメンを食べてサブ装で傾山へ。傾山手前のコルあたりで日の出。2日前祖母山にいた時はあんなに遠かった傾山がすぐそこに見えていた。
傾山本体の登りはかなり急で、手を使いながらロープ場を登っていく。後傾と本傾の鞍部は足元が絶壁になっているので気が抜けない。鞍部から東に回り込むようにして最後の急斜面を登ると傾山山頂(本傾)。
山行のフィナーレに相応しい大展望で、祖母山からの稜線が一望できた。北には九重、南に大崩山、西には祖母山の奥に阿蘇山が見えた。東を見ると太陽光を反射して眩しい海が見えた。
風が強くなってきたので早めに九折越小屋に戻るが、午前中のバスには間に合わないことがわかったので小屋でゆっくりすることにする。2食目のラーメンを食べ、ちょっとだけ昼寝(二度寝?)をする。
ちょうどいい頃合いになったので本ザックを背負って稜線を後にし、大分県側へ下る。結構急で、トラバース気味のところは崩れやすく慎重に歩く必要があり、ペースが遅くなる。
林道交点に到着するが、ここから先もこの登山道が続くと思うとペースが遅くなる一方なので、林道を辿ることにする。一箇所デブリが塞いでいた以外は歩きやすい道だった。
観音滝付近のトラバース道は崩落しやすく、注意が必要。沢を横切るところは飛び石で通過できた。青い金属製の橋を渡ると、休憩舎のある登山口に着く。
時間が押していたので、傾山登山口バス停まで急ぎ気味で歩く。なお電波は入らない。定刻をすこし過ぎてマイクロバスが来て、JR豊肥本線の緒方駅まで運んでくれた。
全日晴れを引くことができて、怖いくらい素晴らしい山行だった。
〈往路〉竹田市バス「カモシカ号」(豊後竹田駅⇔神原登山口)
https://www.taketa-businfo.jp/unesco/
〈復路〉豊後大野市バス長谷川線(尾平鉱山・傾山登山口⇔緒方駅)
https://www.bungo-ohno.jp/docs/2023031500019/file_contents/202304_ogatakiyokawa_jikoku.pdf
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