【霜来作戦】木曽駒ヶ岳・中岳・宝剣岳・木曽前岳(上松A)【甲65.2】
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- GPS
- 11:07
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 2,965m
- 下り
- 2,965m
コースタイム
- 山行
- 9:34
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 11:09
天候 | 二日連続の快晴 午後風が出てきて下山後には雲も出てきた |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大人しい道で歩きやすい。五合目以降、岩が増えたが、断続的なもので苦にはならない。八合目以降、凍結・積雪箇所あり。 |
その他周辺情報 | 阿寺温泉 |
写真
感想
露往霜来というごとく、秋も深い信州の旅路。前日の北八山行で自信を得て、いよいよ本丸の中央アルプスへ。
【代理の代理で木曽駒ヶ岳】
観光客が来なくなって困っている王滝村・木曽町といった地域は中央本線沿線、御嶽山の東側、木曽山脈の西側にある。そこから歩けるところで、周回出来る所として、伊那川地熱発電所から空木岳〜越百山周回というのを当初の予定として考えていた。
しかし、北八の興奮冷めやらぬ間にも冷静に考えると、空木〜越百周回は日の出6時、日没17時の季節にやるものでもあるまい。できれば日の出5時、日没19時の季節にやった方が良いのではなかろうかと思い直した。
そこで、あまりピストンは好かないのだが、空木岳ピストンか、越百山ピストンを検討。結果、越百へ向かえば、状況に応じて仙涯嶺、南駒ヶ岳と戦果を拡大できると考え、越百山登頂を期して発電所方面へ車を飛ばす。
しか〜し、集落の出口に差し掛かったところで、「通り抜けできません」の看板が。これは予想外だ。どうしよう。まあ落ち着け。須原駅前に車をとめて暫し考える。
今から飯田方面に向かうのは時間の大幅なロスだし。木曽町側から歩いていけて、それなりの所は・・・、あっ!木曽駒ヶ岳か。早速コースタイムを調べると十分余裕を持って歩ける。
というわけで、紆余曲折を経て、空木岳の代理の越百山の代理として木曽駒ヶ岳を歩くこととした。
【アルプス山荘発】
アルプス山荘上手に駐車場があるというので車で向かう。幸い舗装道路だった。急いで入手した情報によると堰堤工事により迂回路があるとのこと。空木岳〜越百山周回の時は午前4時発を考えていたが、所要時間がそれよりも短く済みそうなこと、迂回路があることから明るくなってから出発することとする。おかげで出発まで7時間以上睡眠時間を確保できた。
翌朝起床して外に出ると遠くには雲海に浮かぶ山々、直上は快晴、これは今日も行けると確信した。駐車場脇の茂みに隠れている登山ポストに届出をして出発。
【木曽駒ケ岳まで】
堰堤公園から入山せよとのことだったが、駐車場を出るとすぐ堰堤公園入口である。看板や地図で迂回路を示している。地図では実感が湧かなかったが、実際に歩いてみると、一旦奥にある橋まで上って行って、橋を渡ったら手前に下ってくるという大迂回であり、敬神ノ滝小屋到着まで予定より20分多くかかった。
人気の無い敬神ノ滝小屋から山道となる。
山道は、あまり歩かれていないような感じだが、比較的緩やかな登りに時折平坦な道があり、また、半合ごとに道標があるのであまり疲れを感じない。
五合目で第一山人と遭遇。小屋の中から突然声を掛けられ驚く。どこから来たのかと問われ、当初空木・越百の予定だったことから「大桑から」と頓珍漢な答えをしてしまった。すぐに間違えたとわかったが、急に山行を決めたことから麓の名が出てこない。とりあえず指差して「あっちから」と答えておく。
御嶽山は距離的に近づいたからだろうか、前日に比べて噴煙が盛んなように思えた。
五合目以降は岩の塊が迫る。いつか必ず崩れるだろ!と突っ込みたくなるような岩のシェードを恐る恐る潜る。胸突八丁やラクダの背というのは急登の表現だろう。腹を据えて望む。が、登りは長続きせず、すぐに平坦な道になる。その方が楽と言えば楽だが、何だか拍子抜けだ。
八合目を過ぎると徐々に空が近づいてくる。ガイドブックでは木曽前岳経由ではなく大ナギ経由のルートとなっていたので、体力温存の意味も込めて大ナギへ下る。ガイドブックの所要時間を見て短すぎだろうと思ったものだが、巻き道ならこんなものか。大崩壊地を注意しながら渡り、降りた分を一気に登り返した後、斜面をトラバースする道を歩いていけば九合目の玉ノ窪に至る。
ここまでくれば山頂は眼の前。取り付きにある、恐らく開山の祖の像に一礼の後、斜面に鎮座する大岩(日蔭では若干雪が積もっている)の間を八艘飛びしていけば、木曽小屋を経て賑やかな山頂に至る。
ここまで5時間くらいか。農鳥岳までも5時間くらいかかったが、あの「もうダメだ」の頂と、この「まだ行ける」の頂の差は何だろう?気温や陽射しもあるだろうが、やはり睡眠の有無、これに限る。農鳥岳の睡眠時間が数十分、木曽駒の睡眠時間が7時間。パフォーマンスは段違いだ。
【木曽駒から宝剣岳まで歩を進め木曽前岳を経て下山】
前日に20km弱歩いたこともあり、木曽駒で引き返すつもりだったのだが、予定よりもかなり早く山頂に到達したこと、また、体力になおも十分な余力があることから宝剣岳へと足を伸ばすこととした。薄っすらと積雪の斜面を一旦中岳まで上り、向こう側へ下って一息ついた後、宝剣岳へ。山頂直下の岩場は、ただでさえ難所らしいのだが、積雪していることもあり皆慎重だ。それを横目に頂に立つ。もちろん数十cm四方の岩の上にも立つ。
行く所まで行き、見るべきものは見た。十二分どころか二十分くらい満足して、宝剣山荘で昼食。ちょうどお昼時で、山荘内はそれほどでもないが、外は多くの人達で賑わっている。あまりにも人がいるので何かあるのかと乗越浄土まで足を伸ばすが、ロープウェイでどんどん人が来ているようだった。足を伸ばした勢いで伊那前まで行けたかもしれないが、足るを知るも大事だ。木曽駒へと戻る。中岳は巻いたが、巻き道も崖っぷちの危険な岩道である。気を抜くなかれ。
再度木曽駒に登頂し、改めて遮るもののない快晴の青空と山々を見渡す。来た時に比べて若干風が出てきたようだ。このようなベストコンディションの週末は今日が最後だろう、そう思いながら名残を惜しみつつ山頂を下る。
木曽前は帰りに余裕があれば通るつもりだったが、余裕十分のため、もちろん立ち寄る。木曽駒側は大丈夫だが、山頂部は岩と藪で若干進むのに注意が要ると感じた。
木曽前を過ぎれば後は基本的に下り。上り易い山道は下りも易し。朝は逆光だった三沢岳や五合目当たりで最盛期の紅葉をゆったり愛でながら下山した。
今回の山行は非常にコンディションも良く、喜びと心地よさに包まれたものであったが、同時に、御嶽山および御嶽山噴火被災者(地元の方々含む)への思い、祈りを抱きながらの山行でもあった。
また、大した寄与もできなかったが、この山行記録が少しでも木曽を訪れる人を呼び戻すきっかけになればと願ってやまない。
〜おしまい〜
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