大船山 - 紅葉&星を求め男池から夜討ち
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- GPS
- --:--
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 1,108m
- 下り
- 1,116m
コースタイム
- 山行
- 5:03
- 休憩
- 9:01
- 合計
- 14:04
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ソババッケ〜大戸越は「特に夜間において」ルートが判り難い所があると思います(笑 |
その他周辺情報 | 下山後の温泉『筌ノ口温泉(入浴料200円)』に行くつもりでしたが、 事情が変わり『九重町立みはらしの湯(300円)』を利用しました。 男池登山口前の『おいちゃん家』の鴨の炭火焼(500円)はなかなかの美味でした。 |
写真
感想
「紅葉と星を一緒に写したい!」というのが今回の夜討ちの発端。
写せる技量の有無は置いときます(笑
16:00頃、男池の駐車場に到着。
すぐ、車中泊の準備に取り掛かります。
駐車率は4割といったところでしょうか。
帰り支度をしている方々もいます。
私は登山口に近い一番端っこに停めました。
隣には白い普通乗用車が1台。
なんとなく気になる車でした。
準備を済ませ、夕食&晩酌です。
いつものように地鶏刺身を肴に呑みます。
この段階では出発予定時刻は01:00だったので、3本呑む予定でした。
しばらくしてほとんど全ての車が居なくなっても、隣にはまだ車が。
法華院温泉にでも泊まるのかな?
ビールを2本呑んだらお腹が一杯になったので、残りの1本は持ち帰ることにして、
18:00頃、早めに寝ることにしました。
それから1〜2時間した頃でしょうか、外が騒がしくなってきました。
しばらくは努めて寝るようにしていましたが、気になって外を見ると警察車両が3〜4台。
近くにいた警察官に事情を聴くと「60代の夫婦が下山途中に日没を迎え、動けない状態になったため、これから捜索に入るところです」とのこと。
場所も定かではないようで、警笛を吹鳴しながら警察官が10名近く山中へ入って行かれました。
しばらくすると警笛の音も聞こえなくなりました。
「かくし水を越えたかな?」「冷え込むだろうし、早く見付かるといいけど」
そんなことを考えていると眠れなくなり、辛うじて目を瞑っているだけでした。
21:00頃、再び外が騒がしくなってきました。
笑い声も聞こえてきます。
どうやら無事に発見され、戻って来られたようです。
外に出てみると、隣の車が無事に保護されたご夫婦のものでした。
「お怪我はなかったですか?」と聞くと「はい、大丈夫です」とのこと。
「良かったですね」などと少し会話をした後、警察官に「ご苦労様でした」と声を掛けると、安堵の表情で「ありがとうございます」との返事。
お疲れさまでした。
最近、男池からの山行で、このパターンのプチ遭難が増えているそうです。
当たり前のことですが、ヘッドライト、フラッシュライト、予備電池をちゃんと用意しなければいけないなと感じました。
特に秋は「つるべ落とし」と言われるほど暮れ始めてからが早いです。
コースによっても日が陰るのが予想以上に早い場合もありますもんね。
さて、無事に遭難騒ぎは終わりましたが、私の目は冴えてしまい寝つけません。
仕方なく、予定を繰り上げて出発することに。
最終準備をして、22時過ぎに暗闇へと足を踏み入れました。
かくし水までは順調。
ソババッケも比較的スムーズに通過しました。
暗闇に対する恐怖もそこまで強くなく、心は平穏です。
ソババッケの分岐を大戸越へと進み、徐々に傾斜がきつくなると、ここからが不安視していたエリア。
おどろおどろしい雰囲気が私の心を支配したら...
一度恐怖に支配された心はなかなか元通りにはならない。
しかも、疲労も蓄積してきた。
足元が暗いと石や岩の状況が掴み切れずに石車に乗ったり、躓くことも増える。
その辺が明るい時よりも疲れやすい理由だろうか。
しかし、上を向くと時々明るい星が見える。
すぐそこに星空があることで、なんとか恐怖に支配されることなく大戸越へ出た。
ここまで来れば(暗闇を理由とする)精神的に厳しいエリアはもうない。
疲労もスッと引く感じがして、気力も再充填された気がした。
その大戸越から北大船山への急登はガレ場に苦しめられた。
足元がよく見えず「3歩進んで2歩下がる」ことを何度も繰り返した。
転ぶことまではなかったが、ずるずると。
この時に受けた疲労感は大戸越でのリフレッシュを帳消して余りあるほど。
昼間と夜間でこれほどまでに違うのか。
大戸越から北大船山まで50分、少しペースが速すぎたのかもしれない。
段原を通過する時には疲労はピークに達しており、足元もふらつく有様。
ここから先は更に慎重に進まないと、もし山頂直下で転びでもしたら...
あの警察官たち(だけじゃない多くの人)に迷惑をかけてしまう。
01:09、無事に大船山山頂に到着。
誰も居ない。
何枚かの写真を撮った後、御池に向かうことにする。
時々、池の畔に光が見える。
既に誰かが同じ様な写真を撮ろうとスタンバってるのだろうか?
だとしたら、私の放つ光は邪魔者でしかない。
ヘッデンを手で覆い、足元だけを照らすようにしながら、御池へ降りて行く。
途中で「どなたか居られますか?」「灯りを付けても大丈夫ですか?」と
何回か叫んで確認をとろうとするも、池からの返答はない。
ちょっと怖くなる。
数分後に池の畔まで降りたが、やはり誰も居ないようだ。
対岸の岩の上には、これまた瞬くような満天の星。
水面が時々キラッ...キラッ...と光る。
山頂から見えた池からの光の正体は、水面に反射した星明りだった。
美しい光景。
しかし、静寂に満たされた深夜の池畔はちょっと怖い。
10分ほど畔で写真を撮ったら山頂へと戻って星を撮る、そして遊ぶ。
気温はさほど低くなく、風もほとんどない。
体感的には7〜8℃といったところか。
さすがに03:00を回った頃から眠気が出て来た。
岩の影で平らになっている場所に横になって仮眠をとる。
最初は平気だったが、徐々に気温が下がってきたのか目が覚める。
エマージェンシーブランケットに包まって再び眠った。
どれくらい経ったか、御池の方から声が小さく聞こえてきた。
そのうち、山頂へその声の主たちが登って来た。
ライトで照らされた瞬間、驚かれる前に存在をアピールしておこうと「おはようございます」と声を掛けた。
が、少なからず驚いていたようだった。
空が白み始める頃に起き上がって活動再開。
気温は随分と下がったようで、体感的には1℃前後。
明るさが増えるにつれて、御池の周囲に色が戻る。
モルゲンロートに染まる久住山系。
雲海に浮かぶ祖母山系。
美しい景色が360度に広がる。
完全に夜が明けて御池に降りてみると、水面が鏡面のように。
正直なところ、紅葉の状態は数日前にピークを過ぎているようだったし、
色付きや発色も、昨年と比べるとイマイチといった感じであった。
が、この鏡のような水面を前にして「本当に今日来てよかった!」と感じた。
当初、昼過ぎまで滞在し、午後の陽射しに照らされた御池を見ようと思っていたが、疲労の蓄積で下山になんらかのトラブルが発生した場合を考え早めに下山することにした。
ザックを背負い、そろそろという時に中岳の方にヘリが飛んできた。
旋回しているところをみると、あっちで何かあったのかな?
...と思っていたら、こっちへと飛んできた。
そして、飛んで行った。
なんだったんだろう?
下山する時に思った。
明るいと周囲の状況、足元の状況が手を取るように分かる。
「あそこに足を置いたら危ないな」「枝が出っ張ってるな」とか。
色付いた木々や景色、足元の小さな花、面白い形の石が見えるだけで興味や好奇心が疲れを軽減してくれる。
それだけでどれだけ楽に歩けるか。
逆に言えば暗いとどれだけ疲れるか。
もちろん、見えないことで研ぎ澄まされる感覚もある。
見えない物が見えちゃうのは遠慮したいけど(謎
夜討ちは単独じゃないほうが精神的に良いと思った山行でした〜。
ちなみに登山届は大分県警のHPからオンラインで届け出しました。
なお、下山後の連絡は不要とのことです。
http://www.pref.oita.jp/site/keisatu/new/tiiki/tozan.html
参考【昨年の大船山の紅葉レコ】
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-360573.html
コメント
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遠征ナイトハイクお疲れ様でした!
大船山…九時間もおられたんですね
遊びすぎた写真19、自分は好きですよー
大●山は”崩”だけでなく”船”も好きなのですね
omiさん、こんばんは。
星がとても綺麗に見えた夜だったんで、朝までの時間は充実してて楽しかったです
そのせいもあってか、トータル9時間も意外と短かったような気がします。
さすがに途中で眠くなって横になりましたが、
予備電池があればもっとイッパイ「ぐるぐる写真」を撮りたかったです。
No,19、ありがとうございます。
まさかここまで沢山写ってるとは思いませんでした(笑
大○山...次に当てはまるのは...大雪山!?(いやいやいや、ないないない
星空と大船山はなんだか新しい感じです。
湖面にうつる紅葉もキレイですね
男池からのルートでのナイトハイク、
私なら怖くて泣きながら歩きそうです
60代のご夫婦のお話も、
なんだか身につまされるお話でした。
場所によっては日没前でも暗いですしね・・・。
cafe_mochaさん、ありがとうございます。
「新しい感じ」
お褒めの言葉、感激です
あと、水面に映る紅葉を目の当たりにした時にはホントびっくりしました
昨年の紅葉シーズンに「午後になれば、さざ波が消える」という話を
常連っぽい&凄腕っぽいアマチュアカメラマンさんから聞いていたので。
男池からのナイトハイク、実は決行するまで何度も躊躇を繰り返しました
結果、星と御池の紅葉を一緒に収めるんだ!というワクワクが打ち勝ちましたが、
ホントは怖かったですよ(極力変なことを考えないようにしました。
プチ遭難騒ぎも無事に保護されたので「良かった」で済んだのですが、
もし、携帯電話がつながらない山域だったら...とか色々考えました。
警察官に「私はこれから大船山へ登ります」という話をして言われた
「気を付けてくださいね」の重みを下山するまで忘れないようにしました。
その重みで疲労が通常よりも大きかったのかもしれません
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