会下山から荒地山、道畔谷北尾根経由で芦屋川
- GPS
- 04:41
- 距離
- 8.7km
- 登り
- 718m
- 下り
- 721m
コースタイム
- 山行
- 5:08
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 5:33
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
芦屋川右岸道は南端部で工事の為通行止めとなっており、鷹尾山経由か本道の谷側に回り込むかして回避することになる。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
土曜日は一日雨ふりで、山に行くなら日曜日しかない。日曜日の午前中は晴れる予報だが、午後には大陸の高気圧が寒気を送り込んで天気が不安定になり、ところによって雨が降るという。となると、サッサと登って天気が崩れる前に降りてくるしかない。雲の分布予想では、兵庫県東部の海寄りが一番晴れ間が期待できる。となると、やはり行き先は六甲だろう。先週の孫連れ山行、瑞宝寺谷から六甲最高峰に登り住吉川へ下ったが、雨後の増水で孫を抱えての渡渉を何度となく強いられ、さすがに腰にきた。今回も雨が上がってすぐの山行となる。計画段階では孫のS君がついてくるかどうかはわからなかったが、その場合にも対応できるように、渡渉なしで楽しめるコース、それもasakinuにとって未踏区間を含むようなものにしたい、さらに、雑踏は好まないので人の少ない静かなルートがいい。ということで無い知恵を絞って考えたのが、これだ。起点は阪急芦屋川駅。目指すところは岩と眺望の荒地山だ。込み合う高座の滝からのアプローチは避けて、今までなぜか未踏の「会下山遺跡」尾根からとりつき、横池の先から潤い満ちた高座谷源流へ、そして南から荒地山山頂に登る。その後、眺望に優れた道畔谷北尾根を下り、芦屋川右岸道へ。通行止め区間を回避すべく巡視路を使って鷹尾山に出、芦屋川駅に下山。なんだかやる気が出て来た。
芦屋川駅に降り立つと、たくさんの登山者が仲間と待ち合わせをしている。昨日が雨だったからか、今日はいつもの週末より混みあっている印象だ。我々は西に会下山に向かって進んでいく。案の定、一人の登山者の姿もない。川沿いの街並みにも増してお屋敷度の高い地域を抜けていく。そんな時、決まってasakinuには、人生、お金には縁がなかったな―、との思いが湧いてくるのだった。だが、同時に、なぜかすっきりといい気分でもあるのが不思議と言えば不思議だ。
そうこうしているうちにお屋敷街の果てに達した。右手に「会下山遺跡」という大きな標柱がたつ。その奥の金属フェンスの扉を開けて登山道に入る。道はよく整備され、適度に間伐されて明るく眺望も得られる気分のいい道だ。先日まで主役だったコバノミツバツツジに代わってモチツツジがいたるところに咲き、早くも春から初夏へと季節が移りつつあるのを感じるのだった。
しばらく登ると周囲が開けて整地されているところに出る。ここが会下山遺跡らしい。各所に説明版がたち、古代の住居を模した建物もある。山道に入っても相変わらず”ひとけ”がなく、わずかに単独行の高齢者2−3名とすれちがうのみ。そのうち、明らかに「ローカル」と思われる方と言葉を交わし、荒地山に行くというと、探検やね、とのお言葉。そして荒地山の正しい発音が「あらちやま」であることを確信する(『分県登山ガイドに「あらちやま」と「あれちやま」とが併記されているのを記憶していたので、ローカルの発音こそ本物と理解した)。
派生する尾根ごとに登山道が合流して徐々に道は広くよく踏まれたものとなる。相変わらず人通りは少なく、なだらかで気持ちのいい道が続く。やがて人々の声が聞こえてくると正面に風吹岩の威容が迫ってくる。その横を擦りぬけるようにして高座の滝からの道と合すると、縦列通行の雑踏に早変わりだ。しばし繁華街を人々と共に歩く。ちらりと横池に寄り道してみる。池の端はコバノミツバツツジがなおも鮮やかで、少し標高があがったなと実感する。この少し先で、幹線道路に別れを告げ、荒地山の懐にひろがる高座谷源流に入っていく。ここは静かだ。小道が交錯して何度来ても自分のいる場所がはっきり自覚できないところだ。例の五差路で一旦方角を誤って進んでしまうが、一旦交差点に戻って木に括られた小さなルートマップを見て軌道修正する。そして荒地山に向かて進む。すぐに窪に降りる。光を反射して清流が足元を流れ、目を上げると周囲はコバノミツバツツジの紫が山肌をすっかり覆っている。これは見事。もう終わってしまったと思っていたコバノミツバツツジが満開で、秘密の花園に入り込んだようである。ここでタカノツメの新芽をちゃっかりとゲット。さらに進むと見覚えのある道標の地点に飛び出した。そう、今来た方向に「進入禁止」と表示のある道標。侵入は禁止でも、出てくるのはOKだろう。ここで古くからのコースに入り、まっすぐに荒地山山頂を目指す。途中、黒岩と呼ばれる大岩が立つ。この岩に上に乗り、下界を俯瞰する。そしてシロバナウンゼンツツジの咲く岩、岩、岩の道を一気に上り詰めて、荒地山の山頂に飛び出した。
登る途中が楽しいわりにこれと言った呼び物のない荒地山山頂を素通りして、芦有ゲート方向に進む。岩梯子方面を分かち、芦有ゲート方向に下るとすぐに次の道標がある。ここから芦有方面と分かれて道畔谷源頭へと向かう。谷に降りないように注意して道畔谷北尾根へと進む。ここは終始眺めが得られ、岩の続く気持ちのいい尾根だ。一気に下って芦屋川右岸道に出る。あちこちにコバノトネリコの白い花が咲く。この木はウラキンシジミの食草だが、まさかここには生息していないだろうな。
芦屋川右岸道を南に進むが、この先工事中で通行できない。前回は無理やり突破しようと試み、結構やっかいだったので、今回は高圧線巡視路を使って鷹尾山の稜線に上がり、そこから順当に尾根道を下ることとする。ちょいと登ればすく稜線、とたかをくくっていたのだが、これが今日一番の激急登。涸れたルンゼ登りの末に巡視路特有の化成品階段となり、しっかりしぼられたところで稜線に出た。鉄塔直下からの眺めがまた見事だ。そして北を見ると、今日登って来た荒地山が大きな山容で目前に聳えていた。ここからは散歩道をゆらりゆらりと下って、芦屋のお屋敷街を抜け、芦屋川駅に到着したのだった。不安だった空模様もほぼ晴基調で推移し、変化にとんだ山行をプレゼントしてくれた六甲に感謝して家路を急ぐのだった。
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