23.巻機山 「6月の雪」
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 1,332m
- 下り
- 1,311m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2006年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
○登った時期が早過ぎで、登山道に広い雪渓が残っていました。アイゼンを持っていないのと、登山道が雪渓の下ということがあって、危うく道に迷いそうになりました。 ○登山口の集落がある清水は民宿もあるのかないのか解らなかったので、キャンプ場を利用しました。でもシーズンが早過ぎて設備も充分に機能していなかったです。ですが設営料500円? はしっかり徴収されました(笑)。 |
写真
感想
第23座 6月の雪
6月に3連休がある。それも僕の誕生日周辺に狙ったようにある。会社の意向はさておき、会社側の粋な計らいと受け止めて、今回初めてこの時期に登山にいこうと思い立った。微妙なのが梅雨入りの時期でもあり、晴の不得意日であるという暗黙の了解があるらしく、今まではこの時期の登山は敬遠していた。しかし、会社からの粋な計らいを無にするのも惜しいと思い、登る山を巻機山に決め、6月9日夕方に巻機山麓キャンプ場に到着した。
巻機山麓の集落である清水にも民宿はあることはあるのだが、会社の意向で残業が出来なくなり、給料も数万円ダウンしてしまった。ということもあって宿泊費を浮かすためにテントなどを持参してキャンプ場に入った。
キャンプ場の管理棟には人気がなく、炊事場がひとつあるだけの設備であった。その炊事場の水道も蛇口をひねれば白い水が出てくるではないか! これははめられたのかも知れないと思いつつも、その水を煮沸して使えば安全だろうと思い、いつもとは多めにお湯を作り、料理で余ったお湯はペットボトルに入れて行動飲用水に充てた。テントは炊事場に近い場所に設営した。
6月10日、4時になると雨ながらも明るくなっていた。朝食を取った後、5時にキャンプ場を後にした。20分ほど歩いたところにある桜坂駐車場があるが60台駐車出来るスペースに5〜6台程度しかクルマがなかった。クルマが少ないのは天気が悪いと踏んで敬遠したのであろう。
桜坂駐車場から本格的な登山道に入った。登り坂の勾配はさほど厳しいものではなく、ウォーミングアップにはぴったりだった。五合目を過ぎたあたりから登山道は大きな雪渓が行く手を阻んでいた。それも予想以上に広そうだった。ここでアイゼンを持っていなかったのが悔やまれたが、ここはいくしかない。
雪渓は登山道を覆い隠し、赤いテープを頼りに登っていった。その赤いテープが途中で途切れて進退が窮まってしまった。このまま登れば稜線に出るのは判っていながらも登山道の入口が見当たらなかったのだ。これは危ない、下山しようと思って後ろを振り返ったら、登ってくる5人ほどの登山者と遭遇した。僕は彼らと合流し、後を付いていくことにより、登山道を発見して雪渓を脱出した。
その後も雪渓がいくつか横たわっていたが、滑って転びながらも何とか雪渓を通過した。その度に雪渓がこんなに恐いとは思わなかった。ここの雪渓は例年そうなのか? 今年は豪雪だったので特別そうだったのかは知らないが、やはりアイゼンを持ってこなかったのは迂闊としかいいようがない。ここからは帰り道も雪渓で苦しむと思うと、落ち着いて休憩も取れなかった。取ったとしても5分ほどだった。
「あのピークを越えれば山頂は目と鼻の先だ」
そう思って頑張って登ったら、本当にそこは山頂だった。何か苦しかった割には拍子抜けした感じで山頂に着いた。こういう時こそ三角点を踏みしめたいところだったが、残念ながら三角点はここにはなかった。僕は2006年のW杯サッカーが開催されたことにちなみ、キリンビールを飲みまくって得た「勝ちT」を広げて記念撮影をした。さぁ、僕も頑張った。日本も頑張れよと巻機山山頂からドイツに向かってエールを送った。
帰りは安全優先で来た道を戻るルートで下山した。雪渓はこの頃になると踏み跡があって労せずに通過した。問題はいきの時に迷った六合目と五合目の間にある雪渓だ。ここでも踏み跡をたどりながら降りたが、その踏み跡が途絶えていた。
「うあっ、しまった!」
そういえば、登りの時に出会った登山者達が向かって左側から登ってきたのを思い出した。取りあえずは左側の雪渓の縁を歩いていけば登山道が見えるだろうと思って、雪渓の縁を歩いていると木の枝に縛られた赤いテープを発見した。あそこが登山ルートだ。やった! 助かったぞ! こうして何とか登山道に復帰した。
雪渓を越えれば、桜坂駐車場までは問題なく下山した。キャンプ場に着いたのは15時で、丁度10時間の登山で誤差も約1時間以内となった。体重は変動がないだろうが、誤差が小さくなったのは大きな自信となった。
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