湯ノ沢峠-大蔵高丸-ハマイバ 〜かくも遠き峠〜 B20
- GPS
- 07:24
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 1,446m
- 下り
- 1,322m
コースタイム
- 山行
- 6:41
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 7:08
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路 15:41(定刻は15:33、栄和交通バス、300円)15:51甲斐大和駅15:56(5分延発)16:14大月駅16:16 |
コース状況/ 危険箇所等 |
(様々な理由から登山口を誤り、約1時間道なき沢沿いや岩稜帯を彷徨い、疲労。反省は感想にて) ハマイバ前BS〜湯ノ沢峠 林道を大峠方面へ進む。時折乗用車が上って行くが静かなウォーミングアップができる。およそ1時間10〜20分ほどで左手に湯ノ沢峠への道が現れる。暫くは自動車も走れるほどの広い道が続き、やがて2.5万分の1地形図の道へと合わさる。標識は豊富で迷うことはないがところどころ藪漕ぎを強いられる。 湯ノ沢峠〜大蔵高丸〜ハマイバ丸〜米背負峠 大菩薩連嶺の素晴らしき稜線の道が続く。日中は霜融で泥濘が続くのでスパッツ装着の必要あり。秀麗富嶽十二景である大蔵高丸、ハマイバ丸からは美しい富士に会える。 米背負峠〜大蔵沢林道〜天目・日川 北斜面の道は一部凍結しており注意が必要。何度も渡渉を繰り返し高度を下げる。踏跡が落ち葉に隠れてルートに不安を覚えたら標識やピンクテープを探せばよい。林道歩きは他のコースに比べれば長くはない。 |
写真
感想
最大の敗因は最新の地図を確認しなかったことだが、参考にした最近投稿のレコ(湯ノ沢峠-雁ヶ腹摺山-奈良子)を信用してしまったこと、ピンクテープを追い続けてしまったことも大きな反省点である。そもそも前日にその記録を見てアプローチを変更したこと自体いつもと異なる行動なのだが、それにも増して他の情報を含め総合的に冷静に判断しなかったことが今回の大失敗の始まりだった。それにしても今後は地理院地図に記載されている道は、主要な登山道を除いて基本的に疑ってかからなければならない。
井の頭線始発で吉祥寺へ。高尾での1分の待ち合わせは同じホーム上でスムーズに済んだ。ボックスに2名程度、大月発ハマイバ前行バスも乗客3名、幸先良い滑り出しである。岩殿山の紅葉が朝日に輝き美しい。
だが、歩き始めてしばらくすると大きな勘違いをしていたことに気付く。コースタイムに関する極めて初歩的なミスを犯したことに、気持ちの切り替えを行おうと踠きながら林道を進んでいると、後ろからクラクションが鳴った。どこまで行くのか、の問いに同乗を促していることを察したが、クラクションを鳴らすこともあるまいと丁重に辞して歩き続けた。
いつまで経っても登山口が見つからない。不安になりスマホGPSアプリを覗くと既に行き過ぎている。少し戻って道端にピンクのテープを見つけた。ガードレールを乗り越える、標識も何もない、それでもとにかく冷静さに欠けていた。沢へ下り、無理やりに渡渉してピンクのテープを追う。しかしどう見ても道がない、何度見ても踏み跡がない。確かに2.5万分の1地形図ではここが道の始まりだった。手元にはその地図情報しか無かった。事前の情報収集にも欠けていた。
のちに思い出せばどう考えても道なき道を進んでいたはずなのに、実に45分も探し続け彷徨っていた。岩稜帯の上で行き詰まり、最早これまでと今日の登山を諦めることにした。林道を引き返しながら自身の不甲斐無さに呆れるとともに快晴のもと美しい富士の姿を望めなかったことが残念でならなかった。しばらくすると路上で地元の方を見かける。道に迷ったことを話すと、彼は、登山口は2勸幣綫茲僕ること、旧道は廃道になっていることなどを教えてくれた。とにかく峠まで行ってみよう、その先はそれから考えればよい、また林道を登り始めたが迷走タイムによるロスは予想以上に疲労をもたらしていた。
何とか湯ノ沢登山口にたどり着き、しっかりした登山道に入る。小さな沢には橋がかかり、標識も豊富、いつもは辟易させられる藪漕ぎなど気にならない。けれども疲労はピークに達しようとしていた。何度も立ち止まる。GPSで現在地を確かめたい誘惑と闘いながら歩を進めるとようやく峠に着いた。
昨年の同日午後、小金沢山から縦走してきた私はこの峠にいた。今日はこれから縦走だがあの時よりも遥かに消耗していた。計画の時間(といっても大きな読み違いによる時間だが)よりも2時間遅かったが、エスケープルートを確認し、南下することにした。
やはり大菩薩連嶺の稜線は気持ちが良い。どこまでも高い空、東西に見渡す山々、ススキの美しい草原、諦めず登ることができ本当に良かった。大蔵高丸山頂付近で眼前に富士が現れた。均整のとれたその姿は息をのむほど美しい。いつしか疲れを感じなくなっていた。山頂では2組の方が休息を取っていた。結局今回の登山で出会ったのはこの4名だけだった。結果的には終始、期せずして静かな山歩きを楽しめた。
ハマイバまでは富士に見守られながら快適な時間を過ごす。最も好きな季節に最も美しい富士の姿を見られただけで、十分感謝しなければならない。米背負峠では躊躇なく麓への最短ルートを選んだ。途中、北面の凍結箇所を慎重に下り、沢沿いの道では渡渉を繰り返しながらコースを外れないようルートを見極めながら進む。このまま行けば15時までには登山を終えることができるだろう。
樹林帯に降り注ぐ光が小さな沢の水面に無数の輝きを生み出す。見上げれば木々に映し出されるその光と影が、美しく不安定なコントラストを描出している。帰るべき処へあたりまえのように帰る。そのために何が必要なのか、感じずにはいられなかった。
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