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記録ID: 551531
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ハイキング
奥秩父

湯ノ沢峠-大蔵高丸-ハマイバ 〜かくも遠き峠〜 B20

2014年11月23日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
07:24
距離
19.8km
登り
1,446m
下り
1,322m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:41
休憩
0:27
合計
7:08
距離 19.8km 登り 1,446m 下り 1,322m
7:27
208
10:55
11:04
36
11:40
11:57
20
12:17
12:18
27
12:45
16
14:35
日川渓谷レジャーセンター
ハマイバ前BS7:25-旧道分岐付近8:15-(道を探し迷走)-9:15-(再び林道を北上)-湯ノ沢登山口9:55-10:55湯ノ沢峠11:05-11:40大蔵高丸11:55-12:20ハマイバ丸12:25-12:55米背負峠13:00-大蔵沢林道出合13:35-天目・日川分岐14:20-14:35日川渓谷レジャーセンターBS
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2014年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
往路 6:13高尾駅6:14-6:51大月駅7:00(富士急山梨バス、パスモOK、500円)7:24ハマイバ前BS
復路 15:41(定刻は15:33、栄和交通バス、300円)15:51甲斐大和駅15:56(5分延発)16:14大月駅16:16
コース状況/
危険箇所等
(様々な理由から登山口を誤り、約1時間道なき沢沿いや岩稜帯を彷徨い、疲労。反省は感想にて)
ハマイバ前BS〜湯ノ沢峠
林道を大峠方面へ進む。時折乗用車が上って行くが静かなウォーミングアップができる。およそ1時間10〜20分ほどで左手に湯ノ沢峠への道が現れる。暫くは自動車も走れるほどの広い道が続き、やがて2.5万分の1地形図の道へと合わさる。標識は豊富で迷うことはないがところどころ藪漕ぎを強いられる。
湯ノ沢峠〜大蔵高丸〜ハマイバ丸〜米背負峠
大菩薩連嶺の素晴らしき稜線の道が続く。日中は霜融で泥濘が続くのでスパッツ装着の必要あり。秀麗富嶽十二景である大蔵高丸、ハマイバ丸からは美しい富士に会える。
米背負峠〜大蔵沢林道〜天目・日川
北斜面の道は一部凍結しており注意が必要。何度も渡渉を繰り返し高度を下げる。踏跡が落ち葉に隠れてルートに不安を覚えたら標識やピンクテープを探せばよい。林道歩きは他のコースに比べれば長くはない。
ハマイバ前バス停まで乗車したのは2名。
5
ハマイバ前バス停まで乗車したのは2名。
林道は緩やかに上がって行く。
3
林道は緩やかに上がって行く。
山の紅葉も見納めだ。
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山の紅葉も見納めだ。
山の神に無事を祈る。
4
山の神に無事を祈る。
目指す湯ノ沢峠。
5
目指す湯ノ沢峠。
桑西駐車場を過ぎる。まさかこの後ここまで戻ってくることになろうとは。
3
桑西駐車場を過ぎる。まさかこの後ここまで戻ってくることになろうとは。
登山口が見つからずGPSに頼ると少し過ぎていた。戻って手がかりを探すもピンクのテープしか見当たらない。沢へ下り無理やり渡渉する。0815
3
登山口が見つからずGPSに頼ると少し過ぎていた。戻って手がかりを探すもピンクのテープしか見当たらない。沢へ下り無理やり渡渉する。0815
道はなくピンクのテープを追う。
2
道はなくピンクのテープを追う。
彷徨う。
悪戦苦闘の末、最早これまで、諦める。0905
3
悪戦苦闘の末、最早これまで、諦める。0905
意気消沈、来た道を引き返す。大峠へ向かう車と何台もすれ違う。さぞや情けない顔をしていただろう。
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意気消沈、来た道を引き返す。大峠へ向かう車と何台もすれ違う。さぞや情けない顔をしていただろう。
振り返れば青い空と飛行機雲。自身の不甲斐無さに呆れる。
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振り返れば青い空と飛行機雲。自身の不甲斐無さに呆れる。
このあと先ほどの駐車場で地元の方に会い、教えていただく。再び気力が充実。(なんという単純さ)
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このあと先ほどの駐車場で地元の方に会い、教えていただく。再び気力が充実。(なんという単純さ)
この分岐ではなく、
1
この分岐ではなく、
このテープでもなく、
1
このテープでもなく、
ここが湯ノ沢登山口。
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ここが湯ノ沢登山口。
新道にはこんな立派な標識、ゲートがあったのだ。
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新道にはこんな立派な標識、ゲートがあったのだ。
気持ちの良い道が続く。
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気持ちの良い道が続く。
車道と別れ登山道へ。ここからは地理院地図をほぼトレースしてゆく。
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車道と別れ登山道へ。ここからは地理院地図をほぼトレースしてゆく。
登山道には橋があるのだ。
2
登山道には橋があるのだ。
標識はいたるところに在り、作業道に迷い込む心配はない。
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標識はいたるところに在り、作業道に迷い込む心配はない。
ただ、ところどころの藪漕ぎは覚悟。
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ただ、ところどころの藪漕ぎは覚悟。
小さな沢を渡り振り返る。
4
小さな沢を渡り振り返る。
顔を洗い、目を覚ます。疲労はピークに達していた。
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顔を洗い、目を覚ます。疲労はピークに達していた。
峠直下の登り。
湯ノ沢峠、かくも長き道のりになろうとは。
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湯ノ沢峠、かくも長き道のりになろうとは。
昨年同日の13時30分、私はここに立っていた。
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昨年同日の13時30分、私はここに立っていた。
白谷ノ丸、峠を振り返り出発。
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白谷ノ丸、峠を振り返り出発。
鹿除けの柵はこの後幾度か現れる。
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鹿除けの柵はこの後幾度か現れる。
霜融けの道はぬかるみ歩きにくい。
3
霜融けの道はぬかるみ歩きにくい。
奥秩父の山々を望む。
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奥秩父の山々を望む。
のびやかな草原を行く。
4
のびやかな草原を行く。
白谷ノ丸と飛行機雲。
4
白谷ノ丸と飛行機雲。
大蔵高丸が近づく。
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大蔵高丸が近づく。
雪の残る北面を捲きながら山頂へと向かう。
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雪の残る北面を捲きながら山頂へと向かう。
今日も美しい富士に会えた。
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今日も美しい富士に会えた。
大蔵高丸山頂。
青空と飛行機雲。
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青空と飛行機雲。
ススキが美しい。
5
ススキが美しい。
ハマイバ山頂。
また会いましょう。
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また会いましょう。
大峠と雁ヶ腹摺山。
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大峠と雁ヶ腹摺山。
扇山、百倉山。
あの駐車場が見える。
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あの駐車場が見える。
天下石。
米背負峠。当然ながら計画よりも1時間以上遅い到着だ。エスケープルートを選ぶ。
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米背負峠。当然ながら計画よりも1時間以上遅い到着だ。エスケープルートを選ぶ。
北面ゆえにところどころ凍結しており慎重に下りる。
3
北面ゆえにところどころ凍結しており慎重に下りる。
小さな沢の渡渉を繰り返す。
3
小さな沢の渡渉を繰り返す。
谷状の道だが、標識は多く、テープも要所に存在するので迷わない。
3
谷状の道だが、標識は多く、テープも要所に存在するので迷わない。
沢が合わさり大蔵沢へと導かれる。
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沢が合わさり大蔵沢へと導かれる。
コントラスト、今日の私の行程のようだ。
3
コントラスト、今日の私の行程のようだ。
大蔵沢林道出合。
2
大蔵沢林道出合。
落ち葉の敷き詰められた舗道。
2
落ち葉の敷き詰められた舗道。
傾き始めた晩秋の陽に映える。
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傾き始めた晩秋の陽に映える。
何気ない景色に平穏を感謝。
5
何気ない景色に平穏を感謝。
林道の続く天目への道を分け、再び登山道へ。
4
林道の続く天目への道を分け、再び登山道へ。
林道始まりのゲート。
3
林道始まりのゲート。
日川渓谷レジャーセンターBS。
3
日川渓谷レジャーセンターBS。
バス停前の天目庵で遅い昼食。実に美味い蕎麦だった。
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バス停前の天目庵で遅い昼食。実に美味い蕎麦だった。

感想

 最大の敗因は最新の地図を確認しなかったことだが、参考にした最近投稿のレコ(湯ノ沢峠-雁ヶ腹摺山-奈良子)を信用してしまったこと、ピンクテープを追い続けてしまったことも大きな反省点である。そもそも前日にその記録を見てアプローチを変更したこと自体いつもと異なる行動なのだが、それにも増して他の情報を含め総合的に冷静に判断しなかったことが今回の大失敗の始まりだった。それにしても今後は地理院地図に記載されている道は、主要な登山道を除いて基本的に疑ってかからなければならない。

 井の頭線始発で吉祥寺へ。高尾での1分の待ち合わせは同じホーム上でスムーズに済んだ。ボックスに2名程度、大月発ハマイバ前行バスも乗客3名、幸先良い滑り出しである。岩殿山の紅葉が朝日に輝き美しい。
 だが、歩き始めてしばらくすると大きな勘違いをしていたことに気付く。コースタイムに関する極めて初歩的なミスを犯したことに、気持ちの切り替えを行おうと踠きながら林道を進んでいると、後ろからクラクションが鳴った。どこまで行くのか、の問いに同乗を促していることを察したが、クラクションを鳴らすこともあるまいと丁重に辞して歩き続けた。
 いつまで経っても登山口が見つからない。不安になりスマホGPSアプリを覗くと既に行き過ぎている。少し戻って道端にピンクのテープを見つけた。ガードレールを乗り越える、標識も何もない、それでもとにかく冷静さに欠けていた。沢へ下り、無理やりに渡渉してピンクのテープを追う。しかしどう見ても道がない、何度見ても踏み跡がない。確かに2.5万分の1地形図ではここが道の始まりだった。手元にはその地図情報しか無かった。事前の情報収集にも欠けていた。
 のちに思い出せばどう考えても道なき道を進んでいたはずなのに、実に45分も探し続け彷徨っていた。岩稜帯の上で行き詰まり、最早これまでと今日の登山を諦めることにした。林道を引き返しながら自身の不甲斐無さに呆れるとともに快晴のもと美しい富士の姿を望めなかったことが残念でならなかった。しばらくすると路上で地元の方を見かける。道に迷ったことを話すと、彼は、登山口は2勸幣綫茲僕ること、旧道は廃道になっていることなどを教えてくれた。とにかく峠まで行ってみよう、その先はそれから考えればよい、また林道を登り始めたが迷走タイムによるロスは予想以上に疲労をもたらしていた。
 何とか湯ノ沢登山口にたどり着き、しっかりした登山道に入る。小さな沢には橋がかかり、標識も豊富、いつもは辟易させられる藪漕ぎなど気にならない。けれども疲労はピークに達しようとしていた。何度も立ち止まる。GPSで現在地を確かめたい誘惑と闘いながら歩を進めるとようやく峠に着いた。
 昨年の同日午後、小金沢山から縦走してきた私はこの峠にいた。今日はこれから縦走だがあの時よりも遥かに消耗していた。計画の時間(といっても大きな読み違いによる時間だが)よりも2時間遅かったが、エスケープルートを確認し、南下することにした。
 やはり大菩薩連嶺の稜線は気持ちが良い。どこまでも高い空、東西に見渡す山々、ススキの美しい草原、諦めず登ることができ本当に良かった。大蔵高丸山頂付近で眼前に富士が現れた。均整のとれたその姿は息をのむほど美しい。いつしか疲れを感じなくなっていた。山頂では2組の方が休息を取っていた。結局今回の登山で出会ったのはこの4名だけだった。結果的には終始、期せずして静かな山歩きを楽しめた。
 ハマイバまでは富士に見守られながら快適な時間を過ごす。最も好きな季節に最も美しい富士の姿を見られただけで、十分感謝しなければならない。米背負峠では躊躇なく麓への最短ルートを選んだ。途中、北面の凍結箇所を慎重に下り、沢沿いの道では渡渉を繰り返しながらコースを外れないようルートを見極めながら進む。このまま行けば15時までには登山を終えることができるだろう。
 樹林帯に降り注ぐ光が小さな沢の水面に無数の輝きを生み出す。見上げれば木々に映し出されるその光と影が、美しく不安定なコントラストを描出している。帰るべき処へあたりまえのように帰る。そのために何が必要なのか、感じずにはいられなかった。

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