秋山二十六夜山〜朝日山
- GPS
- 07:51
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,074m
- 下り
- 1,072m
コースタイム
- 山行
- 6:26
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 7:51
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
宿泊した石和のビジネスホテルを午前3時に出立 国道20号〜139号〜県道35号で上野原市秋山のあおげらの森キャンプ場へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
◎アオゲラの森キャンプ場 二十六夜山の北西部、県道35号から林道を150メートル入ったところにあり、秋山二十六夜山や立野峠経由で倉岳山への登山の起点となっている。 アオゲラの森キャンプ場は管理棟前の駐車スペースに駐車可能。また隣接する給食センター奥の観光スポーツ広場の駐車スペースも利用可能である。 トイレは観光スポーツ広場入口にあり水洗、ペーパーあり 地元の方の話ではアオゲラの森キャンプ場は利用者がほとんどおらず実質的には休眠状態である。 キャンプ場上には別荘地があり定住者もいることから夜間のエンジンのかけっぱなしは自粛したい。 ◎アオゲラの森キャンプ場〜二十六夜山 別荘地を抜けると尾根筋の急登が続き標高差約350メートルを一気に登る。 登りはいいが、下りは落ち葉で滑りやすく、雨後などは留意したい。 登り終盤に一ヶ所巨岩を乗り越える場所があり、北側が切れ落ちているので注意したい。 終始照葉樹の中を歩き展望はないが、これぞ道志周辺の山の神髄だろう。 ◎明星平〜朝日山(赤鞍ヶ岳) 棚ノ入山への標高差約250メートル、朝日山への標高差200メートルの登りはそれぞれ尾根の直登で厳しい登りとなっている。 棚ノ入山の手前、サンジョ平の北側にそれぞれ崩壊地があり登山道わきが崩壊している。 前者はロープが張ってあるが後者は何の対処もしておらず滑落に注意したい。 前者は北西が開け倉岳山や高畑山の先に大菩薩連嶺が望める。 朝日山(赤鞍ヶ岳)は道志山塊の最高峰だが、照葉樹に囲まれ展望はないが、これもまた道志の山の特徴である。 |
写真
感想
23日に杓子山で富士の絶景を堪能したのちは、石和のビジネスホテルにチェックイン。宿で翌日どこに登るかの算段を立てた。
天気予報は朝方曇りの後昼頃から晴れ、眺望を楽しむ山行は23日に満喫したので、晩秋の山を静かに楽しめる場所を検討した。
結果は二十六夜山から朝日山。
道志方面の山は今倉山〜菜畑ノ峰を昨年歩いているがいわゆる「秋山の山」はまだ歩いたことがなく、倉岳山と道志の線つなぎという意味も含めてこのコースを歩くことに決めた。
ところで二十六夜山という名前は何ともロマンチックな名前である。
調べてみると二十六夜は十五夜や十三夜と並ぶ月見の一つで旧暦7月23日の月見のことである。この時期は月の出が遅い時間となり、月が出るのを待つので『二十六夜待ち』とも呼ばれた。真夜中に月が出るのを待ちながら、飲んだり食べたりして楽しむ納涼イベントだったようだ。
もともとは月待講の一つで、この夜の月光のなかに阿弥陀、観音、勢至の三尊の姿が現れ、それを拝めるという信仰でだったのが、江戸期に入り月を待ちながら飲み食いして楽しむというイベントに変化したらしい。
十三夜や二十六夜の風習は明治期に入り廃れてしまったが山梨には秋山のほか都留にも二十六夜山があり、この地域の人々は山に登り月が出るのを待っていたのだろうか?
24日は3時に起床し4時にホテルをチェックアウト、5時前に登山口となる上野原市旧秋山村浜沢にあるアオゲラの森キャンプ場に到着した。
空がやや白み始めた6時前にキャンプ場を出立。
別荘地を抜けると尾根上の急登がこれでもかと続く。
落ち葉が積み重なった急坂はむしろ帰りが思いやられる。
赤鞍ヶ岳への巻き道を分けると痩せ尾根の登りとなり、登り切ったところが明星平。
広い尾根を東に向かうと二十六夜山の入り口となり5分ほどで山頂に着く。
樹林に囲まれ展望もない山頂だが、これこそが道志や秋山の山なのだ。
二十六夜山入口から少し東に行くと二十六夜塔がある。
明治初期の銘がある石塔で当時は付近の人はここまで上がってきて月を待って飲んで食べて楽しんだのだろう。
三日月峠を越え棚ノ入山の登りまでは小さな登降が続く。
棚ノ入山の手前、西側が崩壊した場所では高畑山や倉岳山の彼方に大菩薩連嶺が望める。
棚ノ入山へは標高差200メートル強の急登でここもかなりきつい。
振り返れば二十六夜山から晴れていれば奥多摩や高尾の山が見える。
棚ノ入山で一息ついた後は、もう一つの崩壊地を通過して朝日山(赤鞍ヶ岳)への最後の登り。
ここも標高差200メートルの急登だが、この登りの途中で雲が切れ陽射しが入ってきた。
登りついた朝日山山頂も樹林に囲まれ落ち葉が積もるいかにも道志らしい山頂だ。
山と高原の地図では朝日山(赤鞍ヶ岳)となっているが、山頂の標識も国土地理院地形図でも赤鞍ヶ岳となっている。
ちなみに東にある1257メートルの三角点峰も赤鞍ヶ岳になっておりこのあたり名称がややこしい。
奥多摩や高尾など人が多い山なら名称も統一されるんだろうが訪れる人の少ない道志だからこそごちゃごちゃした名前が混在してるのかもしれない。
道志らしいといえば道志らしい。
山頂で食事を作り1時間ほど大休止。
この間道志役場から登って来られたソロの男性が通過したのみ。
帰路は往路を戻るが、三日月峠から二十六夜山を巻く道は足元が細く滑りやすいトラバース道で通過に気を使った。
アオゲラの森への急降下もスリップしないように気を使ったがこっちは懸念したほど苦労はなかった。
連休最終日にもかかわらず山中で出会ったのは件のソロの男性のみ。
取り立てて景色が素晴らしい場所があるでもない。
だた落ち葉を踏みしめながら静かな山を淡々と歩く山行はある意味究極の贅沢ともいえる。
ミーハーなハイカーにはお勧めできないが、相応の登山経験を過ごし枯れた山行を求める方には道志や秋山はこれ以上ないフィールドである。
はっきりいって癖になる。
下山後はみきーたさんの運転で甲府のドーミーインへ。
翌日は雨の予報で登山はせず宿でのんびり過ごすことにした。
ドーミーインは天然温泉で屋上に下手な旅館よりも立派な大浴場と露天風呂がある。
カテゴリーはビジネスホテルだが今回は和室に泊まったがこれも癖になりそう。
11月末から12月初めにかけてみきーたさんはドイツにお出かけ。
次回の山行は12月7日になるが、この日は早明戦…
今年は秩父宮でチケットはとれなかったが久しぶりに明治優位の下馬評。
テレビ観戦したいな。
マッチさん、ミキータさん、こんにちは。
ほんとに色々お詳しいですね〜
山頂からの眺望を楽しむ山ではなくても、崩壊地近くから見える二十六夜山、倉岳山、高畑山と大菩薩などは素晴らしいですね!
特に倉岳山の形には惚れ惚れしました
落ち葉が積もる急坂を下りるのは怖いですよね。
木の根が張り出していたり、浮石があったり。
前日に再発していた腰痛や足の痛みは大丈夫でしたか?
今回も素敵なレコをありがとうございます。
お疲れ様でした
マコトさん、おはようございます
葉が茂るころはたぶん蜘蛛の巣地獄だと思うので、葉が落ちた今の時期がお薦めだと思います。
高畑山や倉岳山を裏側から見ることはめったにないので新鮮ですよ??
ここの急坂、たぶん奥多摩や高尾なら間違いなくトラロープが設置されるようなところです。
落ち葉に埋まった木の根に乗ったら一気に滑り台です。
前半のちょっと長めのウンチク、そして後半の客観的なコース説明と時折入る感想。ユニークなmatch1128さんのレコ。私のようなミーハーなハイカーでもつい行きたくなってしまいます。23番を見ていると、現地に引き込まれそうで「癖になりそう」がなんとなくわかる気がします。
mtkenさん、いつもコメントありがとうございます。
うんちくは大事だと思っています。
登る候補の山についてはコースや登山道の状況だけじゃなく山名の由来や生成の歴史、地質などは事前に予習しています。
ただ登るのじゃなく知ってて登ればより楽しくなりますし。
ところでmtkenさんがミーハーなハイカー??
西上州など歩かれている山を見たらコテコテのマニアックなハイカーですが・・・笑
この付近の赤鞍や菜畑は、公共交通機関利用者にとってはなかなか縁遠い山です。
しかし、実際には、よく目にしている山ですね。
高尾山山頂から富士山を見ると、左裾には大室山が端正な佇まいを見せていますが、その逆の右裾に鎮座してるのがこれらの山々ですよね。
で、いつも気になりながら・・・縁遠い
山と高原地図を見ながら、
●上野原からのバス利用かなぁ
●でも、帰りは何処に降りるかなぁ
●バスに乗れる処に降りなくっちゃなぁ
と面倒くさくなって、はい、終わり・・・ってパターンです。
赤鞍ヶ岳も二つありますが、二十六夜山も今回の上野原だけでなく、都留にもありますね。
●ムギチロ→朝日山(赤鞍ヶ岳)→菜畑山→今倉山→二十六夜山(都留)
歩き応えがありあそうだな
隊長
隊長、こんにちは。
公共交通のみだと陸の孤島状態のエリアですからね。
ま、それが静かな山の最大の要因でもあるんでしょうが。
我が家はちょっと嵌ってしまったので、この冬シーズンは道志から甲相国境辺りを重点的に歩こうかと考えています。
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