ペテガリ岳〜中ノ岳〜ニシュオマナイ岳〜神威岳


- GPS
- 80:00
- 距離
- 56.9km
- 登り
- 3,862m
- 下り
- 3,856m
コースタイム
- 山行
- 8:57
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 9:27
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 8:10
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 8:50
天候 | 6/19 曇り→雨 6/20 晴れ→時々曇り 6/21 晴れ 6/22 晴れ→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
修繕が必要な箇所があるとのことだが、四輪の通行に支障は無さそうな状態だった。 ゲートから神威山荘手前まで約12kmは自転車使用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【稜線上のテン泊できそうな所】 ペテガリ岳山頂 ・1573JP 1張 ・1469 1張 1170mコル 数張 中ノ岳頂上 1張 中ノ岳の南(ベッピリガイ山への尾根分岐) 数張 ニシュオマナイ岳の東肩 数張 神威岳山頂 |
写真
感想
日高主稜線で最後に残ったペテガリ岳〜神威岳の間を繋げるべく、3泊4日で藪漕ぎ縦走をしてきた。
この区間は入山地点と下山地点が同じなので周回縦走しやすそうに見えるが、実際には藪が濃いからだろうか、完全な無雪期に歩き通した記録はネット上に1件しか見つけられなかった。記録の少ない(無い)時期に行った方が面白い。そんな訳でこの区間を歩くなら無雪期しかないだろうと決めていた。
【1日目 6/19】
元浦川林道のゲート前で車中泊して早朝に自転車で出発。林道の路面状況は過去に何度か通った時と何ら変わらず、車で通れないような崩落も特にない。補修が必要な箇所とはどこのことだろう?と思いながら林道を進む。ペテカリ山荘への連絡路分岐に自転車をデポして尾根乗越へ。沢の水量は少なく、一回目の渡渉だけ靴を脱いで渡ったがその先は全て飛び石で問題無かった。
ペテカリ山荘で水を補給して西尾根へ。今回は軽量化のために水は2日分、5.6Lを担ぎ、途中で沢に下りて補給する計画にした。ザックの重量は最大でも19kgくらいに収まっていたので負担が少ないのは良かった。
西尾根コースはアップダウンが多いものの、部分的に笹刈りが入っていて快適だった。初日はペテガリ山頂泊にしようかな〜と思っていたが、昼から小雨が降りだしてきてあまり気が乗らず、・1301手前の登山道上で適当にテン泊。
夕飯を終えてテントでごろごろしていると、雨音に混じってケモノの足音が枕元から聞こえる。距離にして5mも離れていない。ガサガサ音がしなかったので登山道を歩いてきたのだろうか。ビクビクしていると、一瞬テントの張り縄に何かが触れたような感触があった。物音を出すと足音は離れて行った。足音の正体が何だったのかは分からないけど、熊だったら結構やばい状況だったかもしれない・・・。
【2日目 6/20】
ケモノが再来することもなく無事に朝を迎える。濡れた藪に備えて上下カッパで出発。しかし暑くてすぐに脱ぐ。笹被りの急登を登り切って快晴のペテガリ岳へ。コイカクからの縦走とか東尾根に比べれば楽だろうと思っていたけど、西尾根からでも十分遥かなる山だった。
ペテガリ岳から東尾根の・1573JPまでは2年前に一度歩いた道だ。山頂から薄い踏み跡を少し下ると北側に藪の薄い草地があり、その先1620mで南東に向きを変えるとハイマツと岩が混じって微妙に歩きづらい。・1573からは未踏の区間を中ノ岳に向かって南へ。・1469までは細い稜線にハイマツや灌木系の濃い目の藪が続き、稜線の直上かやや西寄りを漕いでいく。
・1469から下ると稜線は広くなり、中盤から笹藪が深くなってきて前が見えず、方向を見失いそうだった。笹藪に流されないように注意しながら下って1170mコルへ。鹿道が交錯している草地に良い感じの平場があったので2日目はそこでテン泊。
ヤマレコ上に分水嶺歩きをされている方の40年前の縦走記録があり、1170mコルから西に下ると水が得られたという情報があった。その情報を頼りに沢形を下ること7分、確かに水が流れていた。水流は細くて2L汲むのに5分かかるが、そんなことより日高の山が40年前から変わらないということにちょっと感動。持ってきたボトル類を全て満タンにして、翌朝まで水をたっぷり使って快適なテン泊を楽しんだ。
【3日目 6/21】
1170mコルを出発し、まずは・1314への登り。朝から踏み跡も無い濃密な笹藪を漕いでいく。・1314を越えたコルの窪地にはわずかな残雪があり、藪漕ぎの途中のクールダウンに最高だった。その先も笹とハイマツの混じった濃い目の藪が続く。1300mを越えて直下の登りに差し掛かる辺りでようやくハイマツが低くなり、踏み跡も出てきて歩きやすくなった。
中ノ岳は山名通り?ペテガリ〜神威のほぼ中間地点。その先も大きなアップダウンが続くが、足元には明瞭な踏み跡が続いていて非常に楽だった。部分的に多少の藪漕ぎになる所もあれど、何だかんだで・1219辺りまでは踏み跡が続いていた。ニシュオマナイ川から沢登りで中ノ岳に登った後にこの稜線を歩く人が多いのに納得。
ニシュオマナイ岳への登りは踏み跡は少なく、背丈以上の笹藪も出てくるがそこまで長くは続かなかった。1400mの西肩で踏み跡が出てきた後は少しの登りでニシュオマナイ岳に到着。日高の主稜線で最後に踏む山は、ピンテが1本結ばれただけの地味なピークだった。
ニシュオマナイ岳から少し下った東肩には鹿道の交錯した広い場所があり、西風を避けられる絶好のテン場があったのでそこでテン泊。神威〜ソエマツ〜ピリカの南日高三山が目前に並ぶ素晴らしい立地だった。
【4日目 6/22】
この日は神威岳までの最後の区間を繋げて下るだけ。ニシュオマナイ岳東肩からは低いハイマツと草地で、最初の1210mコルまでは難なく下れた。3ヶ所ある最低コルとその周辺はやはり笹藪が濃い。そこを何とか抜けて、神威岳直下の登りへ。ここも中ノ岳の北面と似た感じの藪で、1300mあたりから背の低いハイマツに変わって登りやすくなった。
岩場を越えると1450mでようやく神威岳の登山道に合流。神威岳には何度か登っているので、ここまで来れば目的は達成されたことになる。でもここで下ってしまうのは味気ないので、登山道を往復して神威岳のピークを踏んでおく。この日も快晴で、今まで歩いてきた主稜線が見渡せて感無量だった。
神威岳の快適な登山道を下り、沢歩きも終えて神威山荘まであと10分というところで右の方からガサガサと音がした。見ると熊がこちらの存在に気付いて20mほど離れた斜面に登って待避?していた。熊の住処を邪魔して申し訳ないなーと思いながらそのまま通過。最後まで油断はできないようだ。その後はデポした自転車を回収し、元浦川林道を下って無事にゲートまで帰着。
【まとめ】
元浦川林道が閉まっている上、稜線の藪がどれ程のものなのか、水が確保できるか…などなど、入山前は不安要素が多かった。しかし行ってみたら意外と何とかなってしまい、好天に恵まれたこともあって楽しい山行だった。
標高が低いのでハイマツよりも笹がメインの濃密な藪が多かったが、中ノ岳〜ニシュオマナイ岳を中心に踏み跡がある部分も多いし、藪漕ぎのしんどさはエサオマン〜ペテガリ辺りと比べても大差ないように感じた。
今回の山行をもって、19回に分割して繋いできた日高主稜線全山縦走(稚空知山〜襟裳岬)がようやく完結した。初めて日高の稜線を歩いたのが2019年7月の幌尻岳〜ピパイロ岳。それから4年もかかってしまったけど、奥深い日高の山は春夏秋冬いつ歩いても面白い。主稜線から外れた場所には未踏の山がまだたくさんあるので、今後はそれらの踏破を目標にしてみようかと思う。
初めましてプチ山キチです。
se11482さんのレコを、いつも興味深く拝見しています。
日高主稜線全山縦走(稚空知山〜襟裳岬)完結、おめでとうございます。
これからもレコを楽しみにしています。
初めまして、コメントありがとうございます。
主稜線の山はひと段落しましたが、それ以外の山をどう登るかが今後の課題でしょうか。
楽しみにしている方がいらっしゃると思うと励みになります。今後ともよろしくお願いします。
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