日高山脈全山縦走
- GPS
- 464:00
- 距離
- 196km
- 登り
- 16,226m
- 下り
- 17,214m
過去天気図(気象庁) | 2024年03月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
3/17 Day1 十勝清水(10:40)日勝峠(12:50)日勝ピーク(14:00)ペケレベツ北コル(16:00)=C1
[ガス後雪]
桃井氏に見送られ、7時58分札幌発の列車に飛び乗る。列車内で最後のパッキングを済ませる。十勝清水のセブンでアイスコーヒとチョコを買い、余った小銭はこれからなんの役にも立たないので全て募金箱に投げ入れ徳を積む。ヒッチハイクをしつつ無理だったら峠まで歩くつもりで出発。車の音が聞こえるたびに右手の親指を掲げアピールしつつ歩く。30分ほどでヒッチに成功。運悪く高速に乗り札幌に向かう車だったが、高速の乗り口までは乗せていただいた。十勝清水インター入口ちょっと先から再び歩き出す。その後、車通りは結構あるがなかなか乗せてもらえず、日勝峠の1合目まで着いてしまった。天気も悪くなってきて、もう覚悟を決めて峠まで歩くしかないかと思い出したところでヒッチ成功。札幌の若いカップル。1台目もそうだが、若い人の方がヒッチハイクに寛容なのか。当たり前だが歩いていたら相当しんどいことになっていた。入山前に人の優しさに触れ、山行を無事貫徹し自分も人に優しくしようと思った。峠の駐車場にはすでに滑り終えた山スキーヤーが何人かおり、そのうちの一人と一言二言会話をする。その人がぼそっと言った「自分も若い時に全山縦走すればよかったなあ」という言葉が頭に残る。自分もまさにそう思いたくなかったから今回挑戦した訳だ。そう言った意味では入山できた時点で山行の成否は関係なく、目的の一部は達成できたと言えるのかもしれない。とはいえ貫徹し岬に行きたいので、今日中に少しでも進めておく。峠からはスキーヤーのトレースを使わせてもらう。天気が悪く視界無いなか何も考えずにトレースを登ってしまい気づいたら行く気のなかった日勝ピークに。いきなりやらかし反省。先は長いので疲れを溜めないようゆっくり歩き、ペケレベツの北コルにてC1。風雪の夜。
3/18 Day2 C1(4:30)ペケレベツ(5:30)ウエンザル(8:30)1654(11:30)1318コル(12:00~13:30)パンケヌーシ北尾根Co1600(15:00)=C2
[雪後曇り]
前夜の風雪で30cm程吹き溜まっており、1日中ラッセル脛〜膝。朝から気温高いし風もなく靴とズボンがびしゃびしゃになる。その後ペケレベツを越えた辺りで風が吹き出し、今度はとても寒くなる。ラッセルと寒さにヤラレ1318コルでテントを出して大休止。カムチャッキースタイルである。まだ体が山に順応しておらず休んでもいまいち回復せずこのままテンバりたい欲求に駆られるが、ここで泊まると明日以降が厳しくなるので奮い立たせてもう一頑張り。パンケヌーシ北尾根Co1600付近の尾根陰で若干風の弱そうな斜面を整地しC2。
3/19 Day3 C2(8:00)芽室岳(9:10)・1504北コル(9:40)1633(11:00)雪盛山(13:10)ルベシベ分岐(15:00)=C3
[晴れ後地吹雪]
夜中風が吹き荒れ、テントもみくちゃ。テントごと飛ばされんじゃ無いかと不安になる程。起床時間になってもビュービューなので風が弱まるのを待ってから出発。昨夜の強風で雪が飛ばされ少し歩きやすくなっていた。稜線上に出ると振られる風、ふらふらになりながら芽室岳ピークへ。ピークから池のある・1504北コルまでは雪が締まっておりサクサク行けたが、そこからはコルのたびに吹き溜まりがあり昨日から続いてのズボズボ膝ラッセルで辛い。雪盛山からルベシベ分岐間は特に風が強く、吹雪にもなっておりかなり消耗。ルベシベ分岐のコルでC3。冷え切って消耗した体にココアが沁みる。
3/20 Day4 C3(6:00)ルベシベ(6:30)チロロ(8:30)C3(10:30~12:00)1696(13:00)1712(14:10)ピパイロ分岐手前Co1560コル=C4
[晴れ]
今日も風ビュービューで寒い夜だった。チロロは夏冬含めて未踏だったのでせっかくなので行くことにした。5時頃風が弱まり出発しようとしたが、ラテルネが不調で出発遅れる。ルベシベ先にちょっとした雪稜があるがスノーシューで通過。あとは地味なアップダウンの多い単調な尾根。ピークまで結構遠くこんなことせず先に進むべきだったかと思ったが、チロロピークからは日高の主稜線のみならず十勝大雪まで見渡せる大パノラマ。やっぱりきて良かった。帰りは来た道でテン場まで。天気が良いのでシュラフ干したり、茶をしばいたりして大休止。シュラフがふっくらしてきたので再出発。1696まで無風快晴で汗滴る。1712付近は細かったり岩出てたりしたが、上行ったり東側から巻いたりでスノーシューのまま通過。ピパイロ分岐の登り手前のCo1560コルにてC4。1967を望むビューテン場。
3/21 Day5 C4(4:20)ピパイロ分岐(5:25~5:40)ピパイロ(6:15)ピパイロ分岐(6:40)1967(7:55)北戸蔦別(9:55)戸蔦別(11:10)Co1830(11:30)幌尻岳(13:20)Co1830(14:40)戸蔦別(15:00)1803西コル(15:50)=C5
[快晴後ガス]
今日からの好天周期に乗って一気にカムエクあわよくばヤオロまで行くために頑張る日。出発するとすぐにピパイロ分岐までのコンタ差300の急登。わかっちゃいたが朝一のズボズボ急登はつらい。分岐に荷物デポしEPアタック装備でピパイロへ。小動物達のトレースに誘われ進むと、通過しやすい安全で的確なルートをとっており野生の力を思い知る。戻って荷物を回収し急登手前までスノーシューで行く。1967直下は氷化した急斜でふくらはぎぱんぱんになった。1967下りの岩陵帯は西側から巻いたが、カチカチの斜面をバックステップでトラバースをする羽目になりおっかなかった。そこからは特に難所なく、心地よくアイゼンを軋ませ戸蔦別まで。戸蔦別から幌尻側に下り傾斜が少し緩くなったCo1830付近に荷物デポして幌尻岳アタック。吊り尾根の東側には今にも落ちそうな雪庇がへばりついていたが、西側は氷化しており歩きやすかった。吊り尾根先の急登も一部夏道がでており歩きやすかったが、真正面からの太陽の熱烈歓迎と無風とでかなり消耗した。頭ではわかっているが偽ピークに何度か騙される。ピークで写真撮ってすぐに戻る。荷物デポ地に戻ったころにはガスり出す。デポ地から戸蔦別をネグって直接戸蔦別の西コルに行こうと思っていたが、幌尻側から見た時に真っ白だったのと視界が無いのとで戸蔦別を登り返すことに。カチカチの登りで足が攣りそうになりながら登りきる。下りも結構急で硬く、視界なく風も吹き出すなかなんとか下りヘロヘロになって1803の西コルまで。カンバボーボーのテン場。
3/22 Day6 C5(5:40)カムイ岳(8:30)Co1480最低コル(9:50)エサオマン(12:20)札内ジャンクションピーク(12:50)1760南西コル第一デポ地(13:50)=C6
[快晴]
前日の疲れがあり少し遅めの出発。しかし、アミノバイタル(パチモノ)を飲んでいたおかげか筋肉痛なし。結局本山行中、アミノバイタルを飲み続けた結果攣ることも筋肉痛になることもなかった。出発してすぐにズボズボのしんどい登り。大汗をかいてポコに出ると、一面の雲海に浮かぶ太陽。あまりの美しさに疲れも吹き飛ぶ。1764から1753北西ポコ間は細く雪庇も張り出しており、通過に時間がかかった。1753からは快適に歩きカムイピークまで。カムイからはデポ設置時に歩いた区間だが、2月に来た時より雪が増えているように感じた。融雪によりデポが露出して動物に食い荒らされることを危惧していたのでそれはなさそうで一安心。最低コルまでは歩きやすく、これは楽にデポ地点まで行けるかと思ったが、人生そんなに甘くはない。最低コルからは膝まで沈むズボズボ+無風+猛烈な日射で激しくバテる。Co1660付近で硬くなってきたのでEPに換えエサオマンピークへ。札内JPまでは強烈な日射で雪が腐っておりサクサクとはいかない。もうしんどいのでネグって1751北コルに直接行こうかと迷ったが、ピークは踏んでおきたかったので気合いで札内JPへ。そこから1760南西コルのデポ地までは概ね雪締まっており歩きやすかったが、最後に横着して1760ポコを西側からネグろうとしてズボズボ地獄にハマる。結局真面目が一番。デポ地点に着くと、デポを埋めた目印の木がほとんど雪で埋まっていた。2月のデポ設置時より1.5m近く積雪が増えたようだ。これは掘り出すのに時間がかかるなと思い、濡れ物を干し、茶をしばいてから作業にかかる。途中硬い氷の層ができていたりし、結局掘り出しに1時間ほどかかった。無事物資が補充できたので、余剰食料をできるだけ喰らい、焚き火でゴミ燃しをし軽量化を図る。一度荷物が軽くなった体に再び10日分の荷物の重みが戻り、日高の核心部を安全に抜けられるか心配になり、デポしていた酒も山に捧げ軽量化する。酒なんて下山してから浴びるほど飲めばいいんです。夜はフカフカに戻ったシュラフで快眠。
3/23 Day7 C6(4:20)ナメワッカ分岐(4:50)春別(5:45)1917(7:20)1903分岐(9:10)カムエク(10:10)ピラミッド(12:00)ピラミッド東コル(12:30~13:40)1807(14:00)
[快晴]
月明かりの中出発。荷物の増加で動けないことを危惧していたが、杞憂だった。ナメワッカ分岐まではスノーシューでサクサク。分岐から春別間はこれ迄の稜線とは比べ物にならぬほど切れ落ちており、いよいよ日高の核心部に踏み込んだことを実感。EPに換え気分を落ち着け慎重に進む。稜線の状態が良く意外に快適に春別についてしまう。この感じなら一気に1823まで乗っ越せるかと思ったが、春別から1903分岐間はズボズボ+無風+朝っぱらからの強日射で時間かかる。分岐からのカムエクはただの太い尾根で見た目も微妙。スノーシューに換えサクッとピークへ。再びEPに換え下る。ピラミッドまでの下りは氷化した急斜でカール側は切れ落ちており緊張した。ピラミッド峰の登りはズボズボ急斜面で直下は岩場チックで精神的肉体的に消耗。1807間も細く切れ落ちており、加えて雪が腐っていて数歩歩くごとにアイゼンについたダンゴをはたき落とさないと危なくて歩けない。コルについた時には疲れ果てていたし、風もないので茶を沸かししばし山を眺め佇む。休憩後1573コルまで行くつもりで動き出す。1807ピークについてその先の状況を見ると、陵上は岩が出ており難しそうで、西側斜面を降りるにしても雪が腐っており、今の疲れた体では安全に下り切る自信がなくなる。明日の朝、雪が締まった時間に通過することにし、1807を北側に少し下ろした斜面を開拓しC7。
3/24 Day8 C7(4:20〜5:00)1602コル(5:30)1737(8:15)1823(8:50)1643ピラトコミ分岐(10:00)1444コル(10:40〜11:40)コイカク岩稜手前(12:20)岩稜手前Co1600(12:30)=Ω8
【快晴】
月明かりのなかラテルネをつけて出発。1807から岩稜沿いの残雪を下る。数十m進んだ所でふと下を見ると、岩々した急斜面が真っ暗な谷底まで続いていた。その瞬間、バランスを崩して滑落し谷底でくたばる自分の姿を想像してしまった。恐怖で体が動かず危険なので一旦テン場まで撤収。瞑想し気持ちを落ち着け、チョコと温かいお茶を飲み明るくなるのを待つ。その間、八ノ沢右岸尾根を降りて下山してしまうか、もしくはこの区間をカットしてコイカクの夏道尾根を登り再入山するかという考えも頭をよぎる。が、ここで逃げたらもう二度と立ち直れなくなる気がしたので心を奮い立たせる。明るくなってルートをよく見ると、コルの方に少し下れば雪が繋がっており、稜線沿いを行くよりかは安全に行けそうに見えた。しかし、滑落したら止まらなそうだったので慎重にバックステップで下りて行く。雪は蹴り込んで前爪が刺さり切るぐらいの硬さで安定していた。コルまでバックステップで下りきりしばし休憩。やはり逃げなくて良かった。無理そうに見えてもやってみたらなんとかなるものだ。コルでスノーシュー+片手ピッケル片手ストックに換える。稜上は雪庇が大きく張り出しておりアップダウンも多いため、1573コルまでは多少ズボるが西側のカンバパヤパヤ斜面をトラバースして行った。1737の登りCo1620付近の岩場手前でEPに換える。岩場を正面から行ってハマりかけるが、なんとか戻り西側斜面をトラバースして行く。しかし、西側はバリズボで下にはサラサラグラニュー糖雪が詰まっており、どこまでも沈み大変消耗する。1737まで行くと邪魔なブッシュも無く、雪も締まっており歩きやすくなる。1823ピークでコイカクがとても近く見え、今日中にヤオロまで行けるんでないかと思い先を急ぐ。1643とのコルまでは快調であっという間に着くが、1643の登りは急で細くて雪庇張り出してズボズボという四重苦でこってり絞られる。1643から1444コルまでもズボるが下る分には問題ではなかった。1444コル付近からナナシの吹上なのか風が強まる。1444コルの風陰で休憩してからコイカク岩稜に取り付く。西側の岩稜基部を登りだすが、風が凄まじく体が振られてしまいうまくバランスが取れず身の危険を感じ撤退。今日中のコイカク乗っこしを諦め、Co1500付近の吹き溜まりでΩ8。雪が少なく、ハイマツアロマ漂い月明かりの差し込むイグルー。
3/25 Day9 Ω8(9:20)コイカク(10:40)ヤオロ(12:40〜13:00)ヤオロ東Co1720(13:10)=Ω9
【快晴】
風が強まる予報だったので停滞するつもりで自然起床。朝起きてダラダラお茶を飲んでいると昨日より風が弱まっていることに気付き、急いで準備をし出発。イグルーを出ると、多少風が吹いているが昨日より弱く天気も良いので行けることを確信する。コイカク岩稜は、西側の岩稜基部の灌木の生えた雪壁を登って行く。硬く締まっていると予想していたが、まったくそんなことはなく終始ズボズボ。しかも昨日はあんなに強かった風も今日は無く、日射も強烈。稜上は風が強そうだったので汗をかきたくなかったが、ビッショリかかされる。バテながら肩にでると稜上は微風。天気予報はあてにならん。あわよくば今日中に39をアタックしてしまおうと急ぐ。肩からコイカクまではハイマツがでており雪もグサグサでペースが上がらない。ケルンで黙祷を捧げ、安全を祈願しヤオロへ向かう。Co1560コルまでは雪少なく所々夏道露出。Co1580付近から氷化部が多くなってきたためEPに。このあたりから振られる風になるが、気温高く天気も良いため消耗する感じではなかった。ヤオロピークに着いた時点で、39に行くには微妙な時間だったので今日のアタックは中止することにした。あと2時間早く出ていればいけていた。備えよ常にってやつか。仕方が無いのでヤオロ直下の吹き溜まりでイグルー製作を試みるが氷の層に阻まれ断念。1599方面に降ろしCo1720付近の吹き溜まりでΩ9。掘りやすく良いブロックも取れたので、快適かつ頑丈にできた。暖かいし風の影響も受けないしやっぱりイグルーは良い。
3/26 Day10 Ω9(4:20)1839(7:00)Ω9(9:10〜10:10)1569東コル(12:30)=C10
【快晴】
イグルーを這い出ると巨大な月。月光に照らされた39を早く見たく、息を切らし稜線まで駈け上がる。月は39の真上におりラテルネも要らぬほど煌煌と輝いていた。1781西コルまでは快調。そこからは雪庇張り出しておりナイフリッジ状の所も。対処が面倒なので、北側のブッシュ帯を行った。ズボズボでブッシュもうるさいが荷物が軽いので無問題。ピーク直下は急だがズボズボで怖くなかった。39ピークで無風快晴のなか360°の大パノラマをしばし堪能する。帰りはトレース辿ってテンバまで戻る。イグルーでココアを飲んで一服し出発。Co1650付近までは快調に降りられたが、その先ズボりだし、ダンゴもできるのでスノーシューに換える。が、雪が腐りきっておりズルズル滑り滑落しそうだったので、すぐEPストックに戻した。無風快晴強日射のなかズボズボラッセルで地獄の苦しみ。1599先まで行く予定だったが、こんな天気で行動しても消耗するだけであまりに非効率なので、明日のことは明日自らが思い悩むの精神で1569の東コルで泊まることに。
3/27 Day11 C10(3:00)1600(4:30)ルベツネ(8:00)Cカール(8:30)ペテガリ(10:30)1573(11:30)=C11
【快晴】
昨日の失敗を活かし雪が締まっている午前中にガッと動いてしまおうと、1時に目覚ましをセットする。疲れで二度寝をしたが、なんとか1時20分に起きて、急いで準備。テントを出ると、今日も月光が山脈を照らしていた。冷たい風が吹く中動きだす。放射冷却で気温低く雪が締まっており、昨日の半分以下の労力で歩けている気がする。稜上はCo1680ポコ付近まで雪庇が大きく張り出していたので、踏み抜きを警戒してほとんどカンバ帯を行った。カンバ帯内は膝ラッセルだったが、雪がサラサラで地面に足が着いたのでそこまで辛くなかった。そこからも、依然として雪庇が張り出していたが、雪庇と山との境界部に氷化したハイマツが露出しておりその上を歩いて行けた。ルベツネ直下は氷化して硬い急斜で少し緊張した。ピークまで雪庇がたっぷり。ルベツネ北峰から南峰は太い尾根でハイマツもでておりスタスタ。Cカールまでも快適。Cカールからの登りに入った頃から今日も今日とて無風快晴強烈日射に襲われる。暑すぎて頭クラクラ意識モーロー状態でペテガリ岳ピークに。ピークではここまできた感慨に耽り、これまでの道のりとこれからの道のりをしばらく眺めやる。風が吹き出して汗冷えして来たので動きだすが、明らかに体調が悪く熱中症の様相。フラフラしつつCo1600付近までEPで下り、そこからはスノーシュー。1573までは太く歩きやすいが、その先から少し細く雪庇も出だす。中ノ岳との最低コルまで行く予定だったが、体調が悪いのと、ここまでくれば明日中にほぼ確実に神威中間尾根頭のデポ地まで行けそうだったので、1573で泊まることにする。1573ちょい下のカンバパヤパヤ斜面を整地してC11。今日も濡れものを乾かし快適な睡眠。
3/28 Day12 C11(4:00)1469(5:20)最低コル(5:50)中ノ岳(7:40)ニシュオマナイ(10:30)神威中間尾根頭デポ地(10:50〜11:30)Co1240(11:40)=C12
【快晴】
1573から南のポコまでは快調。そこから1469までは岩や雪庇が出ていたり細かったりで対処が必要だが、これまでの稜線よりは歩き易い。スノーシューでも行けそうだったが、まだ暗いのと単独なのとでリスクは取らずいつものEPストックスタイルで行った。1469で本日も感動的な日の出。太平洋から少しずつ登ってくる太陽がペテガリを真っ赤に染め上げるのをしばし見入る。1469から最低コルまでは雪が締まっており駆け下りる。最低コルは木がたくさん生えていて良い所だった。昨日頑張ってここで焚き火をすれば良かった。コルでスノーシューに換え中ノ岳へ向かう。稜線は太く雪が締まっており歩き易かった。最低コル南のポコにペテガリ岳を望む絶景テンバ跡。これまでも先行者の痕跡がわずかに残っており薄々感じていたが、ここで全山縦走している人間がいる事を確信した(下山後中川だと判明)。中ノ岳から1372のミニ八剣まではスタスタ。ミニ八剣は遠くから見たら切れ落ちており厳つかったが、十勝側はブッシュがでており問題なかった。その後も細かったり雪庇出てたりでスノーシューで行くのは微妙な感じで地味に面倒。ニシュオマナイの最後の登りがしんどく、ネグって行きたかったが意志の力でなんとか登り切る。ニシュオマナイからの下りはハイマツがかなり露出しており、昨日Cカールで山親爺の足跡が有ったこともありデポが心配になる。ドキドキしながら中間尾根の頭まで下ると、すぐに見覚えのあるブルーテープを発見。デポ設置時とほとんど様子が変わっておらず、食い荒らされた形跡も無いので一安心。まずはココアの準備をし、その後掘り出しにかかる。こちらのデポ地は、積雪増えておらずほとんど埋めたときのままで5分ほどで発掘。ココアを堪能しパッキングを済ます。その後、まだ時間が早く天気も良いので神威岳だけでも越えておこうか悩んだが、ここまで12日間停滞も休養日も無く疲れが溜まっており、明日から天気が荒れそうだし神威の先で頑丈なイグルーを掘れるか不明だったため、中間尾根Co1100の平坦地でテン場り明日は停滞する方針とした。しかし、中間尾根のズボズボの急斜面を下っていると、登り返しがしんどそうでコンタが惜しくなってしまう。結局弱い心に負けて、Co1240付近の木が生えた少し緩い斜面を整地してテン場ってしまう。後々この弱さのツケを払わされることなどは知りもせず、午後は焚き火をしたり余剰食料を食べたりしてゆっくり過ごした。天気が良く全ての装備がカリカリに乾き快適に眠りにつく。
3/29 Day13 C12=C13
【みぞれ雪】
就寝後20時頃から風が強まりだす。谷底から暴風が恐ろしい唸り声をあげ何度も何度もテントを襲う。その度、小さなテントは前後左右あらゆる方向に揉みくちゃにされる。風が弱まるのを願い、目をつむり眠ろうとするが不安と恐怖で眠れない。なぜこんな所にテン場ってしまったのかと過去の自分を恨む。日付を越えたあたりで、暴風にみぞれのような雪が加わり、もうワヤ。テント内もビチャビチャになりだし、加えて少しずつ雪でテント内が圧迫され出したが、どうすることもできず唯耐え忍ぶのみ。結局、あまり眠れずうつらうつらし朝を迎える。朝になると完全に雨になり、テント内に水溜りができだす。1時間でコッヘル三分の一ほどの水が溜まり、不快極まる。昼過ぎに、テントの圧迫を解消しようと除雪に出ると、ものの数分の作業で全身びしょ濡れになる。こんな日に稜線に居なくて本当に良かった。午後は濡れものを乾かし、荷揚げした本を読む。家に有った本の中から、未読かつ薄いという選考基準だけでカフカの変身を持ってきてしまったが、この状況で読むものではなかった。暗い気持ちになり、ご飯の時間までテントの黄色い天井を見つめただただ時間が過ぎるのを待った。結局風雨は17時頃から弱まり出した。明日は行動できるのか、早くこのテン場を離れたい。
3/30 Day14 C13(12:00)Co1250(13:30)=C14
【ガス後雪】
天気予報では晴れだったので出発する予定で朝4時に起きるが、依然として風が強く湿った雪もぱらついているのでゆっくり朝食をとる。6時頃外に様子を見に行くと、真っ白く濃いガスが立ち込め、その間を樹木が不気味に揺れ動いていた。なんだか漠然とした不安で、出発する気になれない。目標を神威岳乗っこしまでにし、出発リミットを11:30として天気が快復するのを待つことに。シュラフに入りラジオを聴いていたら、いつの間にか眠ってしまっていた。ふと目が醒めると風が弱まっており太陽の気配も感じ、急いで準備。設定していたリミットは過ぎていたが、冬山の掟的にはギリセーフだったので行く。1244北コルまでトラバース気味に行く。雨を含んだズボズボの重雪。稜線に出ると、気になる〜振られる風。コルにはブロックが削られ朽ち果てたイグルーが有った。やっぱり無理して稜線でイグルー泊しないで良かった。稜上は特に無くスノーシューでテクテク進む。Co1300付近より上は濃密なガスに包まれており入ったら全身びしょ濡れになりそうだったので、Co1250付近の東側の木が生えた斜面を整地してC14。テント設営中から発泡ビーズのような雪がばらばらと降り出す。まったく天気予報はあてになりませんなあ。まぁ少しだけでも行動出来て良かった。これで明日ピリカまで乗っこして行けるかもしれない。何よりあのテン場を離れられたのが嬉しい。
Day15 3/31 C14(5:45)神威(7:15)靴幅山(9:00)ソエマツ(12:00)ピリカ(15:00)・1338北コル(15:45)=C15
【ガス吹雪後晴れ】
朝4時に出発する予定で準備するが、風雪強く断念。明るくなるのをシュラフ被って待った。明るくなり風も弱まってきた気がするので出発。テントの外には黄色味を帯びてパサパサしたクリープみたいな雪が積もっていて気味が悪かった。ラジオで言っていた黄砂の影響か。最初は視界100〜200気になる風位だったが、夏道尾根と合流するあたりでほぼ視界0振られる風に。雪が硬くなり傾斜もキツくなってきて強風でバランスを崩し滑落しそうだったのでEPストックに。ほぼなにも見えないのでコンパスを頼りに傾斜のある方向に慎重に進んでピークまで。風も強いので写真をとってさっさと下る。靴幅山方向への下りも真っ白で、地図とコンパスを見ながら恐る恐る進む。少し進むとカンバが増えてきて一安心。最初のコルでスノーシューピッケルストックに。依然として風強く視界もないので慎重に進む。Co1350付近で尾根陰だからか風が弱まり凍り付いていた雪や氷が溶けて全身びしょ濡れに。靴幅リッジはハイマツでており、幅も肩幅位あり、先行者が歩いた跡も微妙に残っていたため、通行料に命を要求されている感じはしなかった。結局スノーシューのまま通過。靴幅山に着くと再び風強まり濡れものが凍り付いて身体が冷え冷えブルブルに。ソエマツ岳までのルート上は特になかったが、なんせ風が強く吹き飛ばされて滑落しないように常に踏ん張っていたため疲れた。特に西峰と東峰の間は風が強く稜線も細かったため緊張し、生きてることを強く感じさせられた。ソエマツ岳先のGapは良くわからず通過。1529の南東ポコから北東に延びる尾根が快適そうだったのでテン場ろうかと思ったが、南東ポコに着くとガスが晴れだし今迄見えなかったピリカが見えてしまう。こうなってしまっては行かざるおえない。ガスは晴れたが、依然として風が強くとてもシンドい。風に流されつつ這々の体でピークに着くとここだけ穏やかだった。来し方行く末丸見え。試練に耐えた者だけに与えられる祝福か。しばし堪能し下る。ピークからコルまでは急で、西側は切れ落ちた沢で東側は雪庇張り出しており気が抜けない。ヘトヘトになって1338北コルの東側パヤパヤカンバ帯でC15。
Day16 4/1 C15(5:20)トヨニ北峰(7:30)野塚岳東峰(11:55)オムシャ(14:15)オムシャ西峰東峰間コル(14:30)=C16
【ガス後晴れ】
今日もガスガスで冷たい風が吹いている。昨日よりは幾分マシだがずいぶん寒い。昨日の内にピリカを乗っこしておいて良かった。やはり動けるときに動かないといけない。先延ばしにして良くなることなんて何一つないのだから。トヨニ北峰までは視界100以下で気になる風、昨日風に吹かれ過ぎたのか体調が優れない。稜線は歩き易く核心部を抜けたことを感じる。トヨニ南峰に着いたあたりで視界出てくる。スタスタ歩いて野塚の方へ。雪が少なく岩やハイマツがでており下りで若干足首が痛くなる。最低コル近くでピリカに向かう単独行者と会う。16日振りの人間で、一言二言交わし別れる。うまく喋れず落ち込むが、元からそんなものだったことを思い出して気を取り直す。1268付近から体調が悪化。テントを出して昼休憩をしたかったが。良い場所無く断念。屍の様に步って野塚ピークへ。東峰へのたかだか100位の登り返しが非常にツライ。オムシャとのコルの岩陰、風が当たらない場所で休憩をとる。身体が冷え切っており余剰食料のラーメンを食してもあまり回復しない。仕方が無いのでそのまま気合でオムシャへ。1月にオムシャ西峰東峰間のコルでイグルー泊をしていたので、今日もここでイグルーを掘ろうと思っていたが、期待していたような良い吹き溜まりなどもう無かった。しかし、バタついて寒いテント泊は嫌だったので、ちょっとした吹き溜まりでイグルー製作を試みるが、雪が硬すぎて15分くらいで断念。オムシャの先にも良さそうな場所は無さそうに見えたので仕方無く、東峰寄りにちょっと下げたチョロカンバ帯にてC16。四方から風を受ける。しっかりブロックを積みたかったが、雪硬くブロックを取るのがキツイ。ヘロヘロになりながらなんとか風の強い二方向にだけブロックを積めた。久々に寒さと疲れで内臓から顎先までがしびれた。もう楽古岳で下山したい気分になってしまう。
Day17 4/2 C16(5:20)オムシャ東峰(5:40)十勝岳(7:05)楽古岳(9:20)ピロロ(12:05)994コル(13:20)=C17
【地吹雪後吹雪後雪】
苦労してブロックを積んだお陰でテントもそれほどバサつかず良く眠れた。充分な睡眠のお陰か、体調が良く、絶対に岬まで行くという精神力も回復した。しかし、今日も今日とて冷たく暴力的な風が吹いている。オムシャからピロロまでは振られる風で、風に抗いときに身を任せて進む。雪が締まって歩き易いことが救い。十勝ピークはガスガスで風ビュービュー。楽古岳に向かう途中一瞬だけ太陽が姿を現す。神々しい。99%の苦痛に対して1%の喜び。それで十分なのかもしれない。楽古岳の登りは特に風強く、吹き飛ばされそうな風でかなりシビアだった。最後のメジャーピーク楽古岳もガスガス地吹雪で視界0。人生こんなもんさね。こんな所にいても削られるだけなので感慨に耽ることも無く、写真とってさっさと下る。楽古からの下りは白く太い尾根で、視界無く地図とコンパスを頻繁に見ておりる。風に吹き飛ばされ滑落しそうで結構おっかなかった。1274コルあたりから吹雪になる。風雪にしばき倒されてヘロヘロでピロロへ。ピロロ先で風雪弱まるが、しばかれて結構消耗していたので994コルでお昼休憩。回復したので広尾分岐まで行くつもりでテントを撤収し再出発するが、歩き出した所でドサドサと雪が降り出しやる気が萎える。コルが快適そうだったしびしょ濡れになるのは嫌だったのでテン場ることにする。テントを設営し中に入ろうとしたあたりで雪が止み青空。行くか悩んだが今日は上手く行かない気がしたので、天気に悪態をつきテントに入った。
Day18 4/3 C17(4:30)広尾分岐(5:50)広尾岳(6:05)広尾分岐(6:30)国境稜線(8:30)936(10:15)706南東ポコ(12:10~13:05)780と768の間コル(14:00)=C18
【快晴】
ミスドのポンデリングとオールドファッションを食べる夢を見た。特に思い入れも無いが無性に食べたくなった。テントを出ると久々に風もガスも無い。星空と漁火を眺めながら登って行く。気づけばずいぶん海の近くまで来たみたいだ。広尾岳分岐手前で日の出。太平洋から昇る太陽が山々を真っ赤に染める。ザックを降ろししばし見入る。少しすると完璧な太陽が現れ、太平洋に光の道ができる。心に焼きつける。分岐で広尾岳をアタックするか迷うが、今行かなかったら一生行かない気がするし、行けばよかったと後悔したくもないので広尾岳にも行くことにする。分岐にザックデポし空身で広尾岳へ。ピークからは360°の大パノラマで良い眺め。やっぱり来て良かった。分岐から先も歩き易くサクサク進む。国境稜線の直下だけは少し急だった。ここから936手前のコルまでは本当になにも無く、天気が良く風も穏やかなので弛緩した気分でダラダラ歩く。936の登りあたりから太陽が張り切り出し雪が腐りだす。936の登りは急登と腐れ雪でバテる。936から次のポコの間は少し細く雪も少なくスタスタとは行かない。840から640コルまではほとんどまったく雪が無く完全な笹薮斜面。獣道も無く藪漕ぎしながら転がり下る。横着してスノーシューのまま下り少し足首が痛くなった。このあとも南側斜面は雪が無く藪漕ぎを強いられ消耗。バテたので706南東ポコで昼休憩。お茶を沸かし行動食を食らい、行動水を補充。780と768の間のコルに風が当らず眺めの良い平坦地があったのでテン場ることに。快適なテン場で干物をして、焚き火でゴミを燃し山を眺めて過ごした。夜は恐ろしく静かで、自分の呼吸音と心音が気になりなかなか寝付けなかった。
Day19 4/4 C18(3:50)869(6:10)1009(6:40)1005(7:30)922(8:05)二点鎖線分岐Co940(9:35)964(10:45)豊似(12:30)オキシマップ北コル(13:30)=C19
【高曇り後雨】
今日は昨日より暖かい予報なので雪が腐る前に行動したく早目の出発。テントを出るとまだ真っ暗。威厳を失ってしょぼくれた月が弱々しく光るだけ。月もこうなってはなんの役にも立たない。ラテルネを最大光量にして歩きだす。歩きだしてすぐの752の下りで雪無く藪漕ぎ。夏でも躊躇するような濃密な藪に真っ暗ななかダイブ。滑り転がり朝から大汗をかかされなんとか下り切る。コルから見返して見ると、暗くてルートをミスっただけで南寄りに下っていればもう少し楽に下りられたぽかった。その後も869の登りまでは雪少なく、雪の残り滓を繋いだり藪漕ぎしたりして進む。途中真新しいヒグマの足跡有り。稜線上を自分の方に向かって延びており、ニアミスしてたのやも。その後Co750位から雪安定して有。869の手前で採ってくださいと言わんばかりの位置に上質なチャーガ有り、荷物を増やしたくなかったがこれを見逃したらチャーガハンターでなくなってしまう気がしたので頂く。1009次のポコからその次のポコ間は少し細く雪少なくハイマツがでており歩きづらかった。その後も一部ハイマツが出た稜線を行く。922からの下りは、雪がまったく無くハイマツ笹灌木喬木倒木石ころ等の歩行を妨げるあらゆる障害物が密に配備されておりうんざりしながら下る。922はネグって直接コルに降りるべきだった。940の登りは急でへたばるが、その次のポコで一瞬ガスがはれ今山行初の岬を視認し息を吹き返す。964までは雪少なくハイマツがでており雪庇のキワキワを歩く。豊似ピークに着くと、ガスが晴れ神の愛を感じた。ピークで今まで歩いてきた稜線と岬を眺め感慨に浸る。ピークで迎えを頼み、まだ時間があるので、林道まで降り上歌別川の河原で泊まることにする。Co1000付近までは快調に滑り降りる。その先からハイマツ増えだす。Co960から雪無く獣道を下る。スノーシューでは下りづらいのでツボにした。ついでに休憩し行動水を作っていると、雨が降り出してきた。最後の夜にびしょ濡れで惨めな気分を味わいたくないので、オキシマップの北コルで泊まることにするが、雨と雨粒が着いた笹の藪漕ぎですぐにびしょびしょになってしまった。Co760の斜面を降りきってすぐの所にちょうど一張分の乾いた平坦地があったのでテン場る。テントを建て、ふと腕を見ると蠢くマダニ。一気に気分が萎える。急いでテントを雪の上に移動させ、雨も降っているのでさっさとテントに入る。テント内でダニチェックをすると、計7匹ものマダニがへばりついていた。幸い食い付かれてはいなかったが、それからは全てのゴミがマダニに見え、身体も痒く感じだす。最後の夜にアジールを失い不安な夜を過ごす。
Day20 4/5 C19(5:00)オキシマップ(5:20)690(5:50)Co400林道(6:10〜6:25)国道336(7:30)道道34(9:15)第2展望台(10:15〜11:20)襟裳岬(12:10)
【快晴】
コルからオキシマップは雪が残っておりサクサク登る。ピーク手前で今日も素晴らしい日の出。最終日に相応しい好天のなかラストピークオキシマップへ。ピークには小さな手作りの看板。太陽に見送られ山脈に別れを告げる。オキシマップからの下りは、これまでの感じから雪無く苦労させられるかと思ったが、Co740付近までは雪が有り、その先は背の低い笹原に鹿道が整備された登山道の様に着いており快適だった。雲一つ無い快晴で岬が良く見える。昨日の雨はこの景色を見せるためだったんだと納得する。末端まで尾根沿いを下る予定だったが、・670から南東に延びる尾根が快適そうに見えたのでこちらを下る。Co570付近までは背の低い笹に鹿道の一本道。そこからCo430付近までは、笹に侵されていない健全で美しい雑木林で気持ち良く下る。そこからは皆伐と植林地。木々が無残に打ち捨てられており歩き辛い。Co400付近で林道にのる。林道を少し歩くと泉のような小川があったので、休憩し20日ぶりに顔を洗う。生まれ変わったかの様な爽快感。あまりに気持ちよく、この20日間はこの為にあったんじゃないかと錯覚する。その後、一息ついて体のダニチェックをすると6匹発見。昨日は見つけ次第擦り潰していたが、今日は気分が良かったので全員恩赦で解放する。朗らかな気分できれいな林道をスタスタ下る。上歌別川で洗顔した時の爽快感が忘れられず、水垢離をして全身の汚れを落とせば更なる爽快感が得られるのではないかと思い立ち、ワクワクして入水するが、雪解けの沢水はあまりに冷たく、爽快感なぞ得られず刺すような痛みだけが残った。やはり強欲は良くない。その後は小春日和のなか整備された林道を国道336まで。道路にでてしばらく歩くとすぐに膝と足裏が痛くなった。やはりアスファルトは人が歩くためのものでない。えりも方面に少し行き、苫別川沿いの道へ。孵化場先で砂利道に戻り足も癒える。車も通らず静かで穏やかな道。ちょっとした小川のせせらぎや鳥の囀りが愛おしく感じる。迎えの時間まで余裕が有ったので、ギョウジャニンニクを探しながら歩いてみるが、結局見つからなかった。道道34号線に出て再び単調な道路歩き。旅が終ってしまうのが寂しく百人浜第2展望台で山脈を眺め黄昏れる。ずっとこうしていたかったが、迎えの時間もあるので、終わらせるために歩きだす。寂れたえりもの町を抜け約束の地襟裳岬に。
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