【御坂山地】上九一色-寺川-女坂-王岳-根場(バス山行)
- GPS
- 08:25
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,212m
- 下り
- 815m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
甲府07:16発 → 07:24南甲府着(JR身延線)190円 徒歩30分 甲府市立病院8:20 →上九一色支所8:55(富士急行路線バス)810円 帰り 根場16:14→富士急行河口湖駅16:50ころ(富士急行路線バス)630円 富士急行河口湖駅17:28→甲府駅18:40ころ(富士急行路線バス)1470円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
阿難坂(女坂)峠までは所々道無し。積雪はくるぶしからスネ。 精進湖トンネル脇ルート、阿難坂(女坂)峠〜王岳間は先行トレース無し。 |
写真
装備
個人装備 |
補助ロープ6mm×10m
ノコ
ツエルト
非常用焚き火セット+積雪期個人装備
足は軽登山靴+12アイゼン
|
---|
感想
突然の晴天休日で、作り置きのバス登山計画を実践。上九一色から阿難坂へ、徒歩で登って、以前の続きの御坂山地稜線を行けるところまで西へのばそう。北側への下山は、ルートもバスもいくらでもあるから。
上九一色行きのバスは郊外の市立病院が始発の路線だけなので、そこまで徒歩含む鉄道で行く。南甲府駅初めて降りた。駅舎がなかなかよい。地下道くぐって住宅街を歩き、通学小学生の列とおはよう挨拶しながら病院目指す。盆地を囲む白銀の山々がシャープに見える。
市立病院は田畑をつぶしてできた郊外のピカピカ病院だった。バスまで20分ある。ホテルのロビイみたいな立派な待合室で朝ドラのマッサンを見る。バスは3人だけ。中道往還道を、右左口(うばぐち)の集落を抜け、くねくね道を上がって行く。運転手斜め後の特等席に座り、プロの運転ぶりを堪能する。
上九一色は20年前のオウム事件の時に有名になったけれど、阿難坂の北と南ではもともと地形的にも別の区域。その後、北半分のこちら側が甲府市に合併してしまい、今上九一色の名は無い。本郷集落は二列の御坂山地に囲まれた芦川流域では特別に平地が多く、日当りのよい山里だ。御坂山地を横切る三本の街道の一つで、駿河からの最短ルート。武田家を滅ぼした後、徳川家康もここを徒歩で通っている。
車でよく通る国道358から外れる本郷集落は、良い雰囲気のまま残っていた。甲州式の大屋根の養蚕建築の家多数。1912年築の、下見板張りの洋館郵便局を発見。感動する。坂道の多い小集落を抜け、寺川沿いに登って行くと道はやがて林道へと変わる。芦川グリーン公園というキャンプ場のようなところで二股になっている。橋を渡ってザドウ沢左岸に渡るが、あまりにヤブヤブで、しかも堰堤が連発しているのが見え、一気に沢を行く気が無くなる。わりと登り易そうな尾根を150mも登れば国道358なので、そっちに行く事にする。
アイゼン付けると楽に登れて30分。国道は車の脇を600mほど進む。途中自転車に抜かれて驚いた。あんな狭くてコワいトンネルを行くのだろうか。トンネル手前で、捨てたてホヤホヤと見られるエロ本を拾う。トンネル脇の隠れたところでこっそり中身をみたが、趣味が違うので立ち木に載せておいて来た。
トンネル左側には登ってみてよく見ると立派な道があった。雪はくるぶしほどのラッセル。電信柱と電線が延びている下に、ジグザグ道がある。踏み跡は無い。阿難坂徒歩ルートは生きていたんだ。家康も超えた道だ。昔の将軍は今の総理大臣と違ってちゃんと足で諸国を超えた。
阿難坂の峠の踏み跡は、三方分山方面と精進湖方面に多い。阿難坂峠の東のポコに登ると初めて富士山や精進湖が見える。進むに連れ冬枯れの雑木越しに南アルプスの白銀が見え始めた。悪沢も赤石も、白根の山も全部。富士山山頂部には雪煙などが無い。きょうなら山頂に行けるだろう。ここから先は雪の上に踏み跡なし。先週木曜に雪が降ってから、誰も歩いていないんだ。王岳は思ったより遠い。ヒザ下までの雪が笹を押しつぶし道が不明瞭になるところも少しあるが、先行のカモシカトレースが頼もしい。山頂への急登では速度が落ちた。サクサク式お湯ボトル保温バッグに入れた冷たくないおにぎりを食べながら登る。
山頂は富士山側の眺望がよい。反対側も眺めが良ければもっとよいけど。朝に夕に、甲府の町から眺める王岳に、ようやく登って来た。これからは王岳を見る気持ちが違う。本当は節刀ヶ岳まで行く計画だったが、もう時間になってしまった。雪の季節は、ラッセルが深くなくても、夏のようには飛ばせない。それにガツガツ荒稼ぎせず、一山行一ピークでいい。きょうのメインは王岳だ。風格もあり、良い山だ。地形図には無い王岳南西の谷に降りる登山道を降りる。ここにはトレースがあった。尾根から谷に入ると、寒い日陰だ。カラマツの大斜面に延々ジグザグ道があった。
下に降りると根場(ねんば)といって、茅葺き屋根のテーマパークみたいなところの脇を通る。中華語や東京っぽい格好の観光客がたくさん歩いている。エスケープルートだったのでバス停の場所も時間も詳しくは調べていないのでちょっと胸騒ぎしながら探す。通りがかりの中学生少女に聞いてみてもバス停わからず、青年に聞いて分かった。この通りには、3種類の観光バス+路線バスがあって、間違うと置いて行かれそうだ。ちょうどバスの来る3分前に行き着いた。ぴったんこだ。例によって貸し切りバスで、運転手の左後ろの特等席に座って、世間話しながら河口湖まで。富士に夕日、御坂山地に夕日。河口湖駅で甲府行きバス発車まで40分あったので、駅前の土産物屋の二階食堂でラーメン食べる。台湾からの家族旅行組と、東京あたりからの行儀の悪い若者組がいたけど、元気のいいおばちゃんが給仕していた。垢抜けしていないのに客はたくさん来るからつぶれていないところが、山梨県観光サイトのレトロっぽいところかな。ラーメンは意外にもいい味の560円だった。この食堂からは大きなガラス窓に富士山がズド〜ンと見えるのが良い。でも電線にからめとられているところが日本的景観だ。駅前には渋谷や池袋直行の奇麗なバスがバンバン発着している。東京っぽい格好の人がたくさん行き来している。
甲府行きのバスもほぼ貸し切り。また運転手の左後に乗って宵闇の御坂道を甲府へ。途中河口のどこかで芸能人とそのロケ組が10人ぐらい撮影しながら乗り込んできた。バス旅モノかな。石和温泉で降りた。きょうはバスに3本のった。バスはいいなあ。
ちなみに今日のコースは甲府市の南界。北界の金峰国師と合わせて里から延々歩いた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
作り置きのバスの登山計画
素晴らしい
作り置きの登山計画は沢山あるが、バス登山計画は無い
私も作っておこう
考えただけでワクワクしますね
ネットで全国どこのバス時刻も調べられそうなので、楽しみが増えました
ありがとうございます
ヤスさん
バスの運行時間と路線は前もって調べておかないと、前日ではなかなか調べがつきません。それから、平日のみ運行という路線も穴場で、平日突然休みなら、これは狙い目です。通学の人と一緒になることもありますけど。ジョンさんの作ったバスルートのサイトは新しい可能性も広がって、楽しいものです。
http://www.yamareco.com/modules/diary/12422-detail-88616
yoneyama さん、こんにちわ。
yoneyama さんならではの、バス山行プランですね。感服しました。
王岳は御坂山塊の中でも存在感のあるいい山ですね。
自分も行きたかったんですが、たぶん機会がないです。
女坂峠までは昔の中道往還でしょうか。こちらも歩いてみたいルートです。
かたやまさん
ありがとうございます。中道往還道に近いと思います。国土地理院の地図では女坂の峠から、途中まで道が書いてあってトラバースしてちょん切れていますね。これの上半分がそのままでした。トンネルから下、グリーン公園までの区間は失われてしまっているようです。案外、今回の国道への直上ルートは良かったと思います。ザドウ沢の左岸(対岸)には、地図にはない林道跡が見えました。堰堤の工事で作ったものかもしれません。
考えてみたくなりました。
がおろさん
能號白山、樽見鉄道、能郷上原、むかしかみさんとバスで行きましたよ!あ、これはバスが合わなかったのかな、樽見の駅でタクシーですね。でも帰りはいいバスで帰ってます。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-21255.html
それから金糞山も。これはオーバーワークで帰りはタクシー呼んでますね。でも入山のバスはすごく良いところでしたよ。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-21151.html
バスルート」で見ると、岐阜駅前から門原行きの路線が、平家岳周辺に行っていてにおいますね。
来月は高校の同級生山岳部で、乗鞍岳の北、安房峠との間を歩こうと思っていますよ。
yoneyamaさん、こんばんは。
なかなか登山で使いづらいバスを使った山旅、さすがですね。自分も旅をしている気分で読ませてもらいました。やはりバスを使うと、山以外でも楽しみが色々とあって楽しいですね。
王岳は私の好きな山です。3回泊まったことがありますが、また行きたくなってきました。
yonayamaさんに教えてもらった「スバらしきバス」、今読んでいる途中です。知らない行き先のバスに、ふらりと乗ってしまうというのは、相当なバス好きでないと分からない感覚ですね。とても面白い。
「バスルート」、助かってます。みているといろいろな山行アイディアがうかびます。
いろんな山登りがありますけど、ハイキングでも行ける山には、バスで行って山麓風物もまるごと楽しむのがとても好きです。王岳3度も泊まりましたか。この季節は雪があるから、水の心配が無くていいですね。
「スバらしきバス」は、大ヒットするような本ではなさそうですが、テツオでもバスオでもない普通の人でもこんなバス人生があるんですねえ。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する