不帰2峰東面X状ルンゼ
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- GPS
- --:--
- 距離
- 13.1km
- 登り
- 835m
- 下り
- 1,841m
コースタイム
12:40 唐松岳
13:30 不帰II峰ドロップポイント 14:00
14:10 唐松沢合流点
14:20 堰堤
14:50 二股
過去天気図(気象庁) | 2015年01月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
2014-2015シーズンの目標としていた、不帰2峰東面をようやく滑走することが出来ました。
ルートは、通称キャットフェイスと呼ばれる面の「逆しの字」からX状ルンゼをスキーヤーズ・ライトです。こちらのホームページがわかりやすいので、リンクします↓
http://www.rakuseki.net/skimaps/gotate/huki2ho/huki2_mentsuru_a/huki2_mentsuru_a.html
「不帰」の名称は、天狗に挑んだ若者が向かったが、帰ってこなかった、というような伝承が由来だったと思います。いずれにしても「カエラズ」というのは不吉な名前で、行くのをためらわせるものがあります。去年からずっとここに行きたかったのですが、恐怖で唐松岳を越えられずにいました。そして、ついにこの日が来ました。
ここ数日まとまった降雪は無く、積雪の安定性は高いと考えられました。天気は、午後から崩れ始めますが、午前中は快晴、微風。今日というチャンスはそうそうないと考え、東山の翌日でしたが、八方尾根へ向かいます。登山中に雪崩ネットワークの掲示板を見たら、アルパインエリアまで「Moderate」でした。
朝9時半に八方池山荘を出発。快晴の八方尾根は相変わらず多くのバックカントリーユーザーで賑わっていて、顔見知りにもお会いしました。
少しの疲労感があったので、いつもより遅めのペースで歩きます。いつものポイントでスキーからアイゼン+ピッケルに替えます。ここでイタリア人二名に会いましたが、つぼ足の危うい感じで登って行きました。
12:20に八方尾根の終点ピークに到着、そこから目標の2峰を見ると、既に二名のパーティが滑走準備を始めていました。少し気が楽になると同時に、ノートラック斜面を滑れない(一人の滑走ラインと自分の予定ラインがほぼ同じだった)ことを残念に思いました。
唐松岳に12:40到着、そこからさらに稜線を歩き、13:30にドロップポイントに着きました。稜線もややルートファインディングが必要で、緊張するトラバースもあります。
二峰は、思っていたより急で、一気に切れ落ちた壁はなかなか恐ろしいものがあります。ソロだったので、アプローチ中は常に緊張感がありました。先行パーティのトレースが無ければ、ここまで来る前に心が折れていたかも知れません。
準備をして、14時にドロップ。浅いパウダーで、スラフも少な目。注意しながらも一気に下ります。ルンゼ手前にクラストがあり、一瞬吹っ飛びましたが、リカバリーし、ルンゼへ。
ここで最も危険な箇所を通過したと思い、緊張感がほぐれ、加速したのが間違い。ルンゼ内は狭く、一部氷化しており、数ターン切ったところで、板が両方とも吹っ飛びました。TLT Radical ST、解放値は8でした。前止めのレバーは上げてません。
身体が放り出され、回転する最中、故新井さんのyoutube動画を思い出し、あの止まらない滑落を想像しましたが(走馬灯はなかった)、幸い2、3回転して止まったようでした。
すぐに斜面をグリセードしようかと思いましたが、冷静になり、ピッケルを取り出し、クライムダウン。一本目の板を回収した後、そのまま横滑りでX状ルンゼの右へ入り、二本目を回収しました。フォールラインに素直にルンゼを落ちてくれたので、失くすことなく無事回収できました。これが亀裂に落ちて無くなっていたりしたら、、、かなりの脱出行になっていたでしょう。
そのまま唐松沢を滑り、帰宅しました。この日は、低温で、林道のアイスバーンが最高にスピードをくれました。私の前に滑っていた二名とは、二股で会うことが出来、スキー場の駐車場まで送って頂きました。一人が知り合いで、二人とも白馬ローカルだったことがわかりました。そのうち一名は僕とほぼ同じルートで滑走しています。
以下、動画です。途中転倒があるため、残念な感じになってしまいました。次行くことがあれば、ノンストップで滑り下りたいです。
コメント
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いやはや、すごい滑降ですね!
記録を読むのに、いつの間にか息を止めてましたよ。板が回収できて、ほんと、良かった!
まだ、若い頃、不帰曲をやったことがありますが、喫を見ても景を見ても、これから登ろうとする曲を見ても、皆、牙を丸出しにして、「来るなら来てみろ」と威嚇されているようでした。登る前から萎縮してしまったように記憶してます。
そんな所を滑降する事が信じられな~い!
ところで、「なまらこしった〜」って、日本語ですか?
mizuki
Mizukiさん、登ってたんですね!
流石です。
登山大系には載っていましたが、、、時季はいつ頃でしたか?アプローチはどこからですか?
登りも気になります
「なまらこしった」は、北海道弁で、「超ビビった」みたいな意味です
バカモノ…あっ、いやバケモノですね!笑
クラストでぶっ飛んでるし
曲は私もいずれはと思っているのですが、ちょっと怯みました(^^;;
先行していたパーティもいたようですが、Geldfelsさんも含めて
みんな困った人達ですね
いやぁ〜楽しかった、いや危なかったですね!笑
最初にクラストでぶっ飛んで、着地してから気が緩みました。
帰ってからエッジを研ぎ、解放値を締め直しました(遅いですねw)。
今シーズンは引き続き白馬中心に滞在するので、
もう一本くらいスティープな斜面を滑りたいと思っています
周りからすると、本当に困ったやつです。
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