坂巻温泉→【安房山、十石山、硫黄岳、乗鞍岳往復】→位ヶ原・乗鞍高原スキー場
- GPS
- 56:00
- 距離
- 1.0km
- 登り
- 217m
- 下り
- 217m
コースタイム
- 山行
- 3:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:30
- 山行
- 2:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:30
天候 | 雪風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
スコップ+のこぎり
スキーストックシール
アイゼンピッケル
ビーコン+プロウブ
その他冬山宿泊個人装備
携帯電話
|
---|---|
共同装備 |
ナベ
非常用ザイル30m8.5mm
ツエルト
ガソリンストーブと燃料
ラジオ
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感想
高校5組の三人は、その後30年冬山を続けていた。三日休みをとって、東京、大阪、甲府から集合して、乗鞍岳北方稜線20キロをという計画。三日間風雪が続きそうなので、一泊イグルーして下る。坂巻温泉から安房山への尾根は記録無し。下部の取り付きをなんとか抜ければ行けるかなと思って取り付いた。
【安房山東尾根下部】
最下部は、トンネル周りはほとんど絶壁+のり面工事してあって駄目。古い方の第二の橋を渡って旧林道を100mほど進んだところに、崖の切れた取り付きポイントがあった。急斜面をスキー担いで登る。稜線に出ると凍って雪が飛んで硬くてアイゼンが楽。急な尾根をラッセルしながら登ると、岩のギャップが二カ所あった。一つ目は右の雪面に回り込んで全体で20mほど急斜面を超えて岩の上に出る。雪の状態が悪かったりして落ちると下は崖で、場合によってはザイル使った方がよいところ。二つ目は岩のくびれ目に3mほどの段差があり、空身で木登りして上から荷物をロープで引っ張り上げる。その先は傾斜が急だが樹林があるので安心感はある。登りはただただラッセルするのみ。三つ目の障害は尾根が左に向きを変えるところで巨大セッピを掘って抜けるところ。オーバーハング気味なので空身でピッケルシャフトを上の方に打ち込み、腕力使って乗り越える。上から雪を崩して階段を作り後続が登るが、腕力消耗で苦労する。ザックを引っ張り上げる。
1400mになると、やや傾斜が落ち、スキーでも行けそうだが、細く凍った尾根なので、そのままシートラで行ってもよい。標高差200mほどしか上がっていないがイグルーできそうなところも出て来たし、泊まる事にする。
【イグルー作り】
標高1400mはちょっと標高が低くて、中段に使う軽量堅固な雪層があまり無いかも、と思いながらもまた直径でかく作り始めてしまった。3人中に入って始めると、いつもデカくなってしまう。デカく作るにはちょっと標高が足りない。やはり中段の後半、無理が来て、一回大崩落する。少し直径を縮めてやり直し。それでも後半投げやりな積み方をしたので2回ほど崩落し、嫌になって枝とストックの補助線を入れてさっさと作ってしまった。
今回イグルー初めてのシンドはブロックの積み方がいい加減すぎるのを見て不安そうである。タツヨシはもっとゆっくり作った時があって、その時はこんなにスキマだらけではなかったとのこと。山で実用にするにはちゃっちゃと作らなければ駄目なので。とはいっても、二度も崩落させて2時間以上かけていたので意味は無いか。早く作りたければ枝を渡してしまえばよい。標高の低い所のイグルーは割り切ってしまえばよいのだが、つい粘ってしまった。
【天気駄目そう】
晩は麻婆豆腐餅スープ。サケ各種。スキマから粉雪が吹き込む。風がある。
強い寒気団が居座り、低気圧は北海道沖で発達している。強い冬型が二日間は続くはずだが、タツヨシのスマフォで見る予報や支援図では三日目も松本でさえ降雪。乗鞍岳3000m地帯への縦走は無理そうだ。
タツヨシはスマフォやカメラのデザインが仕事で、よく使いこなしている。今は充電用電池の軽いのもあり、一週間持つらしい。ビリー缶に置くと音響スピーカーになる。ブラックアンドブルーのハンドオブフェイトがかかってゴキゲンだ。こんなところでいい音で聞けるなんてなあ!寝がけにホテルカリフォルニア歌ってる。全然30年経ってないじゃん!
横になると天井の井桁構造が目に入る。建築家のシンドーによれば、これはガンダーラ建築に見られる、ラテルネンデッケ構造っていうんだって。ローマ建築のアーチ構造は、イグルーでやるには難しい。ラテルネンデッケ。いい言葉を聞いた。
朝から吹雪。期待の三日目も吹雪みたいなので、下山する。朝はピーターバラカンのウィークエンドサンシャインが、ネットラジオなのでラジオなんかよりバッチリ入る。ローザンキャッシュの歌声聞いてチーズリゾット食べて下山だ。
下りにとると、こんなに急だったかというくらいの急斜面を時にバックステップしながら下る。温泉が絶壁の下によく見える。トレースが消えていて、尾根の曲がり目などでルートを考えるところもある。
坂巻温泉の露天に雪見ながら浸かる。登った尾根が全部見える。ビール飲みたいのをこらえて、乗鞍に車とりに行き、松本のウチの実家にお惣菜とビールとゴイチワイン買って帰って、同級会やる。学生のとき山の帰りに山岳部の友達連れて家に寄った。入山前は天気待ちで三日も四日も5人ぐらいゴロゴロして毎日一升飯炊いた。お母さんが近所から電気釜もうイッコ借りて来た。老父母はそんなことも思い出して楽しそうだった。野沢菜漬けも出して来てくれた。切り干しダイコの煮物も出て来た。
天気図上は、三日目は西高東低だがこのあたりでは等圧線が緩んでいる。でも寒気が強く、松本市内でも雪が降った。甲府へ帰る途上、北アも八ツも、南アも全部雪雲の中だった。富士山だけは霞空に仄かに見えた。ずいぶん前から支度した計画だったが、周期が完全に駄目だった。でもよい同級会が出来た。帰宅したら、こどもとかみさんから、手作りのネコのチョコレートもらった。
コメント
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ラッセル隊長とイグルー隊長、お疲れさま!
冬山の色んなものがぎゅっと詰まった200mだったね!面白かったよ!
親父さんとお袋さんも高校の山仲間が突然やってきて、びっくりしながらも楽しそうだったね。ホントにお世話になりました。
次の元五山行はいつにしようか・・・?
お疲れさん、お世話になりました。イグルー快適でした。雪の積みかたを色々と研究してみたいですね。
今回、スキーはほとんど使えませんでしたが、山スキーが今回の同級会山行を結びつけたとすればやはりオー!シーハイル!ですな。
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