戸隠山
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 911m
- 下り
- 905m
天候 | 曇り後時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・ささやきの小径の入口は分かりにくい。あらかじめ戸隠キャンプ場のホームページ(これも分かりにくい)の場内マップを見ておくと良い。 ・八方睨から九頭竜山の間の東側は崖が続く。路肩に笹がかぶっているところもあり、ストックで笹ヤブと思って宙を突いてバランスを崩さないように注意。 |
その他周辺情報 | キャンプ場入口の反対(東)側に登山者用の無料駐車場あり。奥社入口の駐車場は有料なので、周回するならこちらを使うのが良い。 |
写真
感想
戸隠キャンプ場5:30〜奥社6:50〜八方睨9:00/9:25〜一不動避難小屋12:05/12:15〜キャンプ場14:00
夜半まで雨が降っていたが、朝起きた時には上がっていた。キャンプ場の中の左寄りの通路を登っていくと、左へと「ささやきの小径」の道標が立っている。熊が出るとさんざん脅してくるので、鈴を鳴らしながら朝の森を心地よく散歩する。下り気味になると奥社への参道に合流。随神門をくぐり、森閑とした杉並木の道を辿る。奥社はせっかくのパワースポットなのにコンクリ造りで勿体ない。
社務所の脇から登山道に踏み込む。のっけから岩や木の根をよじ登る急登だ。ほどなく尾根上らしい所に出るが、なおも急登は続く。森の空気はたっぷりと湿気を含み、左右の山肌には雲がまとわり吹き上がっていく。鎖が現れたり、地面に岩が露出していたりで、この尾根は巨大な岩の剣に薄皮の土壌がへばりついているようなものと感じさせられる。薄暗く、他の人の姿も見えず、ちょっと心細い。
眼前に岩塔?が霧の中に浮かび上がってきた、と思うと、その基部が堀り削られた五十間長屋。さらに巨大岩壁の百間長屋と奇勝が連続し、実に面白い。ここから尾根はさらに立ち上がり、鎖場の嵐となるが、いずれも手掛かり足場は豊富で危険なほどではなく、楽しんで行ける。そしていよいよ蟻の塔渡りの登場だ。霧に煙る姿は不気味で、あえてザックを下ろし撮影して気持ちを落ち着ける。取り付いてみれば、四つん這いにならざるを得ないが、足場は豊富にあるので、焦って蹴つまづかないことを心に言い聞かせながら一歩一歩を慎重に進めた。霧で下が見えないので高度感を感じなくて済んだのが良かった。続いて剣の刃渡りもクリヤし、難所を終えてホッとする。リンドウの花に癒されながら進めば、すぐに鎖のぶら下がったガリー(またはチムニー)が現れ、抜けると唐突に道標の立つ小平地に飛び出した。これが八方睨で、八方とも真白だったが、ようやく安堵を味わうことができた。
休憩して緊張をほぐし縦走に出発する。すぐに「戸隠山」頂上の標柱を見るが、気の抜けたビールのようだった。秋の気配の漂う尾根道をやっとハイキング気分で歩く。鋸歯状の稜線は厳しいキレットの連続かと思っていたが、上下はあるものの岩場はなく、右手に次々と現れる険しい崖の印象的な眺めは飽きることがない。ゲレンデを抱えた飯縄山のスロープや、眼下の大森林の広がりも雄大だ。雲も上がり始めて、左手は高妻山のスラブをめぐらした威容に圧迫を感じる。先ほど登ってきた尾根の全貌も見え、塔渡りの部分の切り立っているのに改めて驚く。この辺りから、前日と同様に左脚の付け根が痛み出し、ペースが落ちる。それもあって、九頭龍山までは結構長かった。次のピークは麓からは大きな山塊と見えていたので、覚悟をして取り付いたが、一ヵ所の鎖場を越すと、珍しく稜線西側のトラバースとなり、樹の根をからんで上下するうちになんとなく通過してしまう。五地蔵山を正面に、鞍部に向かう急下降をびっこを引きながら下っていると、初めて人の声が聞こえた。
避難小屋を覗いて、牧場への最後の下りにかかる。最初は笹ヤブの中を、次第に水が出てきて沢そのものを下るようになる。ガレの段差で左脚が踏ん張れず、右脚ばかり使うので疲れる。一枚岩のトラバースや滑滝は、足場をカットしてくれてあるので歩きやすかったが、濡れていると嫌な所だろう。水量が増えてくると、道は何回も沢を左右に渡り返し、中々終わりの気配が見えない。ようやく傾斜が緩み、周りが山麓の森の様相になってからも、いつまでも谷間の雰囲気が続き、うんざりした頃になってやっと牧柵が見えてきた。キャンプ場から眺めると、下山の苦労が信じられないほど、稜線は一投足のように見えるのが不思議だった。
幸い雨にも降られず変化に富んだ面白い山行だったが、また体調面の課題が残ってしまったのが残念だった。
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