室谷川駒形沢〜西の沢
- GPS
- 19:23
- 距離
- 18.7km
- 登り
- 1,019m
- 下り
- 994m
コースタイム
- 山行
- 10:55
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 10:55
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:00
2日目:ビバーグ地(700m)7:00−7:30大滝7:55−8:50ビバーク適地(500m)ー9:20室谷川出合滝上10:00ー10:40造形美ゴルジュ入口ー11:10出口ー駒形沢出合ー15:00駐車スペース
天候 | 23日 曇り時々雨のち晴れ 24日 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 食事:佐渡のすし弁慶 (イオン新潟青山店) |
写真
感想
念願の室谷川を遡行してきた。
この山域の沢は自分にとって気楽に足を踏み入れにくい条件が多く、ここ5年くらい毎年機会を伺っていた計画の一つだった。あまり余裕が無い難易度、遠路へのアクセス、害虫など・・・そんな折、haruさんからの誘いを受ける。
すでに週末にクライミングの予定を入れて、いくつか沢の誘いを断った手前うしろめたい、haruさんをフォローしきれるかどうかという懸念。少し悩みつつも、害虫が少ない時期での好天予報。念願のルートを遡行したい思いには勝てなかった。
下田川内山域にくるのはムサ沢以来なので4年ぶり。
関東21時発、津川2時着。道が空いてても遠い。行程に余裕が無いので5時起床、6時出発を予定していたが、睡眠を確保したくて6時30分出発となる。出発時の天気は小雨。スラブ登攀が心配だけれど、直前予報では11時からは好天なので決行。
駒形沢出会いまでは概ね河原歩き、徐々にトロ場が増え始め、2~3回泳いだ。駒形沢出会いでデポするのでウェット下を着てきたけど、積極的には浸かりたくない水温。途中でカムを落としてしまい泣く泣く潜水回収するはめになりタイムロス。
5m滝が見た目が難しく感じて空荷でリード。実際に登ってみると想定していたライン外にスタンス、ホールドが随所にあり比較的登りやすかった。この付近はすでに奇岩が増え始め、先の展開に期待が高まる。
駒形沢に入ると泳ぎはないが、小雨のせいか水線間際のすり鉢地形が滑り、足を取られて時間がかかる。次第にスラブ壁が周囲に目立ちはじめ、所々濡れているのを見ては不安になった。
幸いにも、桃尻スラブへ到着すると次第に晴れ間が見え始め、スラブの濡れ具合も気にならなそうな感じ。さっそく容易そうなお尻の割れ目を登り始めるが、溝の底が濡れていて意外と登りにくい、両脇のスラブは乾いているが堆積物が多く難しそうなので結局は溝を登った。haruさんが苦戦しているのでスラブ終わりまでお助け紐でコンテ&肩がらみ。
短いスラブ帯を抜けブッシュ帯へ。頭上の岩頭直下にでると悪いという情報があったので、岩頭左の沢筋を目指すが、どうしても岩頭真下にでてしまう。
途中、ブッシュ帯を抜けて風化した岩稜帯に入りロープ1P、再びブッシュ帯でさらに1Pだして岩頭直下へ。岩頭直下も少し悪かったが時間が押しているのでお助け紐を使って岩頭基部まで上がる。岩頭基部を左から上がると後は階段状のスラブで稜線まで。周りの山々のスラブが一望出来て気持ち良い。
稜線で16時。リミット18時として最短のビバーク地までは300m下らないといけない。スラブから染み出している水が確保できそうだったので、ビバークするか相談するが、下りならペースが上がりそうとのことなので西の沢へ下降する。
根曲がり竹の藪をかき分けるとすぐに沢型に入る。概ね3〜6mくらい滝が多く懸垂しなくても下れるが、ヌメってフリクションが効かず、下降ラインを考えさせられた。
しばらくすると大滝にぶつかり、30m×2懸垂1回でぴったり滝下まで。
大滝下降からすこし下り、ヘッデンを出すか出さないかの間際で右岸に畳1畳ちょっとの河原が見つかる。CO700m付近だったため、ここだろうということで行動終了。
薄暗闇の中、少し河原を増築して焚火スペースを作り、荷物は頭上の枝に吊るして、寝床を整地。二人分は快適に横になれるスペースが出来た。
薪は意外と集まり、焚き火で暖を取りながら地酒の麒麟山で一杯、辛口ですっきりしていて好みの味だった。この晩は冷え込み、火を離れると少し息が白いくらい。おかげで害虫に悩まされることはなく、服も乾いたので快適な一晩が過ごせた。
翌朝は5時半起床。シュラフをにくるまりながらお茶漬けをかきこみ、焚火で暖を取ってから7時出発。10mくらい下降すると畳2畳くらいの河原があり、増水したらアウトなのは同じだけどこちらは3人横になれそう。
滑る小滝を巻き下りながら、しばらく下ると2回目の大滝。これも30m×2懸垂1回でぴったり滝下まで。
2回目の大滝を下ると沢が開けはじめて、下降が容易になる。CO500m付近から広い河原が目立つようになり、大きいところは5人でも快適にすごせそう。左岸崩落地付近が一等地の河原だったが焚火跡がなかったので、初日でここまで下るのは難しいのかもしれない。
室谷川との出会いが近付くとナメ床が増えて渓相が良くなり、短いゴルジュを抜けると視界が開けて室谷川出会いの滝上に出た。ここは一枚岩で居心地よい。休憩を取りながら本流を上から見ると、奇岩が目立つ白いナメ床が美しい。
懸垂下降で本流に降り立ち、この山行のハイライトに入る。
谷を白い奇岩が覆いつくし、沢床にはエメラルドグリーン水が流れを止めたように満たしていて、鏡のような水面を続いている。空は快晴、日が高くなり岩盤の白さが際立つ。現実離れした景色のなか、ヒタヒタと沢をあるくのは癒しの極み。
先行しているharuさんが歓声を上げている。ここまでの景色でも圧巻だというのに、一体何が待っているのだろう。
視界を遮っていたリッジを回り込むと、途端に両岸の傾斜が強くなり谷がV字状地形になった。水路の先にはスラブ状岩壁。流れは止まっているかのようで、岩盤も白く威圧感は無いが、秘境感があって独特な雰囲気。こんな景色がどれくらい続いただろうか・・・・最高に贅沢なひと時。
次第に岩盤が少なると長い河原歩きが始まる。谷は開けているので景観は良いがとにかく長い。流木も十分にあるし、泊まったら気持ちよさそうな場所が随所にあった。黙々と歩いて駒形沢の出会いに到着。
ここからは往路を同ルート下降。最後のお楽しみ?5m滝下降は飛び込みでクリア。しばしば泳ぎはあるので冷えた体を日差しで温めながら入渓点まで下った。
室谷川は西の沢出会いの写真を見てから、何度もその情景に思いを馳せていた場所。実際に見た景色は、必ずまた訪れたいと思うくらい素敵な空間だった。(すでにどのルートで訪れようかと調べてはじめているけど、、)
山行内容は反省点あり。3級台の沢になると余裕が無いことは分かっていたのに、行きたい気持ちが強すぎて計画見積もりが甘めになってしまった。今一度、反省して気に留めていきたいと思う。
ともかく、抜群の天候で憧れの景色が見れて本当に良かった。このタイミングで誘ってくれたharuさんに感謝、ありがとうございました。
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