記録ID: 5988665
全員に公開
ハイキング
ヨーロッパ
ドイツ最高峰・ツークシュピッツェ
2023年09月26日(火) [日帰り]
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
- GPS
- 16:00
- 距離
- 0.8km
- 登り
- 23m
- 下り
- 21m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 1:17
- 休憩
- 3:33
- 合計
- 4:50
1:30
17分
Eibsee駅
1:47
3:05
15分
Zukspitze山頂駅
3:20
3:45
15分
Zukspitzeピーク
4:00
4:40
0分
Zukspitze山頂駅
4:40
5:40
0分
Zugspitzplatt駅
5:40
5:50
30分
Zukspitze山頂駅
6:20
Eibsee駅
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
https://zugspitze.de/en/Service-information/Facilities 一日券、周遊チケットなど多岐にわたり、ICカード(2Euroデポジット含)で乗車する仕組み。 駐車場、ロープウェイ、レストランすべてクレジットカードでの精算可能(VISA/MASTERカード可、JCB不可でした)。 上記WEBサイトでの事前購入も出来ます(ICカードの代わりに携帯でチケットをかざして乗車)。 私はツークシュピッツェに加え、アルプシュピッツェでハイキングも出来る『2 peak pass Ticket』 (Zugspitze and a Garmisch-Classic ticket) を購入、81Euroでした。今回は車を持っていたため、アイブゼーEibseeからロープウェイを使って往復。なので、ガルミッシュ・パルテンキルヘン Garmisch-Partenkirchenからの登山列車ツークシュピッツェバーン ZugspitzBahn (cogwheel train) は乗車していません。 けっこうな高額なので、事前にライブカメラで山頂のお天気チェックをしてから購入するのもよいかもしれませんね。 ⚫︎BERGWELTEN https://www.bergwelten.com/ ドイツ・オーストリア・スイス3カ国のドイツ語圏版の『山と渓谷』です。 ヤマレコのように62万人の登録者のポッドキャストやハイキングコースガイド、地図などのダウンロードも出来る。Google翻訳でも十分活用できる情報源です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●ツークシュピッツェ山頂まではロープウェイ山頂駅建物から目の前の岩峰を往復するだけですが、トレッキングシューズは最低限必須。 槍ヶ岳を肩から往復する感じで垂直の鉄ハシゴ、ケーブルあり。すれ違う人を待つ時間が全くなければ片道10分程度で登れてしまいます。実際はかなり人が多く、凍ってツルツルの箇所があるためすれ違いに苦労し、往復30分以上かかる上、狭い山頂で記念写真を撮る人待ちもある。 いくら注意していても、相手が足を滑らせてこちらへ落ちてくるのは止めようがないです。人の少ない時期・時間を選ぶのが最適。 ●日本のハイマツと同じく高山に生息するムゴマツが生えている高度がおよそ2,000m。2,400m以上は完全な岩と雪の世界です。服装などの参考に。 |
その他周辺情報 | このあたりまでくるとドイツというよりは雰囲気はほとんどチロル(オーストリア)です。このツークシュピッツェ付近だけでもハイキングコースが数えきれないほどあるので時間があれば是非歩いてみてください。リフトやロープウェイが充実しているのでコース選択も自由。 私は朝からツークシュピッツェ往復のあと、午後に車で15分ほど移動してアルプシュピッツェで短時間ながらハイキングを楽しみました。 【ドイツアルプス・アルプシュピッツェ】 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5988330.html |
写真
海抜998.5mの山麓にあるアイブゼー Eibsee 駅から、一気に2,943.8mの山頂駅までを繋ぐロープウェイ、Seilbahn Zugspitze 線。
ガルミッシュ=パルテンキルヒェン Garmisch-Partenkirchen から来るバイエルン・ツークシュピッツェ鉄道の鉄道の駅もある。
8時30始発ロープウェイに乗るため1時間前に到着。
ガルミッシュ=パルテンキルヒェン Garmisch-Partenkirchen から来るバイエルン・ツークシュピッツェ鉄道の鉄道の駅もある。
8時30始発ロープウェイに乗るため1時間前に到着。
海抜998.5mの山麓駅から、写真にも見えている 2,943.8mの山頂駅までを繋ぐロープウェイ。支柱は見えているこの1本だけ。
中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイの2倍近い標高差なのにそれを感じないのは山が大きすぎるからでしょうか。
中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイの2倍近い標高差なのにそれを感じないのは山が大きすぎるからでしょうか。
正面の山はSchneefermerkopf (2,874m)。
その彼方がスイス・イタリア国境に展開する東部アルプスの山並み。唯一の4,000m峰で最高峰のピッツ・ベルニナ Piz Bernina (4,049m)が一番遠くに見えています。
その彼方がスイス・イタリア国境に展開する東部アルプスの山並み。唯一の4,000m峰で最高峰のピッツ・ベルニナ Piz Bernina (4,049m)が一番遠くに見えています。
この高度感、すごい!
高度的には北アルプスの常念岳あたりから安曇野、白馬岳から白馬の街を見下ろしているのと同じだと思いますが、こちらは山麓の街がほぼ真下に見える… それだけ急峻です。
見えているのはオーストリア側、レルモース Lermoos の街。
高度的には北アルプスの常念岳あたりから安曇野、白馬岳から白馬の街を見下ろしているのと同じだと思いますが、こちらは山麓の街がほぼ真下に見える… それだけ急峻です。
見えているのはオーストリア側、レルモース Lermoos の街。
Schneefernerkopf (2874m)の下、眼下の比較的なだらかな氷河の源頭部が見えます。
豊富な積雪が絶え間なく氷河に供給される場所ですが、氷河に完全に覆われたのは19 世紀初頭が最後との事。
豊富な積雪が絶え間なく氷河に供給される場所ですが、氷河に完全に覆われたのは19 世紀初頭が最後との事。
1年で7ヶ月間雪が残っている高山に、理想的なスキーバーンが広がるツークシュピッツェプラッツ Tugspitzplatt。
標高2,000mから2,720mの間に広がるのは、13の滑走コース、2本のリフトと3本のTバーがあるスキー場(雪不足なのか最近は全部稼働しているわけではない様子)。と言ってももちろん整地するわけでもなく、天然のピステですが。
標高2,000mから2,720mの間に広がるのは、13の滑走コース、2本のリフトと3本のTバーがあるスキー場(雪不足なのか最近は全部稼働しているわけではない様子)。と言ってももちろん整地するわけでもなく、天然のピステですが。
オーストリア側から今一度足元を見てみる。
ヴァクセンシュタイン山 Waxenstein の下に広がるのはガルミッシュ=パルテンキルヒェン Garmisch-Partenkirchen の街。
ヴァクセンシュタイン山 Waxenstein の下に広がるのはガルミッシュ=パルテンキルヒェン Garmisch-Partenkirchen の街。
オーストリア側 Tiroler Zugspitzbahn 線の山頂ロープウェイ駅。
正面の三角の山はアマガウ・アルプス Ammergauer Alpen の最高峰、ダニエル山 The Daniel (2,340m)。
正面の三角の山はアマガウ・アルプス Ammergauer Alpen の最高峰、ダニエル山 The Daniel (2,340m)。
オーストリア側から見たSeilbahn Zugspitze 線ロープウェイ。
乗車中には感じなかったけど、こんな急角度だったのか!
北壁側はこの時間 (9時半)になっても太陽が当たらない。
奥に見える三角錐の山はガルミッシュ=パルテンキルヒェン Garmisch-Partenkirchen からはツークシュピッツェよりも目立って見えるアルプシュピッツェ Alpspitz (2,628m)。
乗車中には感じなかったけど、こんな急角度だったのか!
北壁側はこの時間 (9時半)になっても太陽が当たらない。
奥に見える三角錐の山はガルミッシュ=パルテンキルヒェン Garmisch-Partenkirchen からはツークシュピッツェよりも目立って見えるアルプシュピッツェ Alpspitz (2,628m)。
ヘレンタール Höllental の谷がたどりつく氷河源頭部 Höllentalferner が足元に見えるように。
いつか山麓から自分の足でこの谷を歩いてこの山頂を再訪したい!
いつか山麓から自分の足でこの谷を歩いてこの山頂を再訪したい!
ヴァクセンシュタイン山 (Waxenstein)の稜線下はガルミッシュ=パルテンキルヒェン Garmisch-Partenkirchen。80Km彼方、この方向にミュンヘンの街があるはず。
山頂から峻険な稜線がドイツで一番名高いジュビリー稜ジュビロイウムスグラートが行きつく先の三角形の山頂が、午後に行く予定のアルプシュピッツェ Alpspitz (2,628m)。ただし山頂への道はヴィア・フェラータである上に半日コース、さすがに時間なく無理です。
ガルミッシュ=パルテンキルヒェン Garmisch-Partenkirchen の街はもともと別々の街。1936年開催の第3回冬季オリンピック誘致条件をクリアするためにナチス政権が当時合併させたそうです。
『ネバーエンディングストーリー』のミヒャエル・エンデの出生地でもあります。
『ネバーエンディングストーリー』のミヒャエル・エンデの出生地でもあります。
後で知りましたが、このあたりにも日本のハイマツのようなムゴマツの植生があり、その標高は2,000m付近。2,400m以上は岩と雪のアルピニストの世界。日本の感覚の『登山』はこの高さまで。
子供も老人も安全に山に登れ、頂上からの景観を楽しめることは素晴らしい。
頂上での滞在時間が短いため、富士山のようなトイレの汚染水問題はないとの事。
一概にロープウェイが環境破壊かというと欧州ではそうではなさそうです。
頂上での滞在時間が短いため、富士山のようなトイレの汚染水問題はないとの事。
一概にロープウェイが環境破壊かというと欧州ではそうではなさそうです。
ちなみに日本一の中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイは、標高1,662m しらび平駅から2,612mの千畳敷まで高低差950mを7分30秒で登ります。
ロープウェイもこちらのものは日本のイメージは霞んでしまう桁違いのスケール。利用者は年間50万人ほど。
ロープウェイもこちらのものは日本のイメージは霞んでしまう桁違いのスケール。利用者は年間50万人ほど。
1981年に建てられたツークシュピッツェ教会。
当然ながら、ドイツで最も高い場所にある教会… と思いきや、これは『礼拝堂』とされるそうです(バイエルンアルプスのヴェンデルシュタイン山のヴェンデルシュタイン教会が最高所)。
残念…。
当然ながら、ドイツで最も高い場所にある教会… と思いきや、これは『礼拝堂』とされるそうです(バイエルンアルプスのヴェンデルシュタイン山のヴェンデルシュタイン教会が最高所)。
残念…。
Gletscherbahn線車窓から。
ラインタール Reintal を登ってこの源頭部をへてツークシュピッツェへの長い登山ルートがあり。
https://www.bergwelten.com/t/w/4066
ラインタール Reintal を登ってこの源頭部をへてツークシュピッツェへの長い登山ルートがあり。
https://www.bergwelten.com/t/w/4066
お昼ご飯の時間ももったいないと食事もせずに山麓にもどったのは午後1時。『2 peak pass Ticket』 (Zugspitze and a Garmisch-Classic ticket) を買ったのでアルプシュピッツェに向かうことにします(これは別レコにて)。
シュトットガルトへ戻る途中通ったオーストリア側、レルモース Lermoos の街から見えたツークシュピッツェを含むヴェッタースタイン連山 Wettersteingebirge 。頭上から落ちてきそうなほど高く、そして大きい。
オーバーモース村 Obermoss からツークシュピッツェに登るロープウェイ・ティローラー・ツークシュピッツバーン Tiroler Zugspitzbahn線と山頂駅が左の稜線に小さく見える。
オーバーモース村 Obermoss からツークシュピッツェに登るロープウェイ・ティローラー・ツークシュピッツバーン Tiroler Zugspitzbahn線と山頂駅が左の稜線に小さく見える。
感想
ドイツ最高峰へ!
とはいっても標高は2.962mと日本アルプス3,000m峰と比べてそれほど変わらない。しかもロープウェイがかかっている。仕事の合間のわずか1日で行けるのは有難いのだけれども、あっけなく終わってしまうのでは、とも思っていました。
ところがいい方向に期待を裏切ってくれました。本場アルプスの片鱗を見せられて、そのダイナミックな景観に圧倒され、ノックアウト、というのが本音です。
いつも登っている日本の山々とは比べ物にならない険しさは、アルプスに踏み込むことイコール完全にアルパインの世界であって、ハイカーの領域ではないことを痛感しました。
北鎌尾根、穂高の岩場、剣の岩と雪… が束になってもかなわないスケールの岩が、壁がどこを見渡しても普通にあるのが、アルプス。それでもツークシュピッツェには氷河はほとんど残っていません。そして万年雪の王国があるアルプスの山々はさらに500m以上高いのが実情。
高みをめざさなくても無数にハイキングコースがあることが分かりました。
チロルはあこがれていた海外トレッキングの目的地の一つ。そのチロルのすぐ裏側にあるドイツ最高峰はまさに描いていたイメージそのものでした。
次のチャンスには山麓から自分の足でこの山の頂を踏んでみようと思います。
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:654人
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
とても楽しかったです
思い出していただけて幸いです。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する