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Yamareco

記録ID: 601067
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
白山

天候にらんで 野伏ヶ岳

2015年03月15日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
11.9km
登り
1,071m
下り
1,078m

コースタイム

3:50自宅―5:55大進橋駐車地―6:05大進橋出発―7:56ダイレクト尾根取りつき―10:47野伏ヶ岳頂上11:06―12:46和田山牧場―14:45大進橋駐車地
天候 晴れ時々曇り のち 曇り時々晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
東海北陸道各務原ICから白鳥ICまで、とくに問題はありません。
白鳥ICから国道156号線もスムースです。
県道314号線、桧峠の手前に一部ブラックバーンがありますが大したことはありません。ウイングヒルズスキー場からの下りも除雪され、石徹白から白山中居神社までも全く問題はありませんでした。
中居神社のトイレ前の駐車場は半分ほど車が停まっていました。大進橋手前の駐車スペースにはわたしの車だけ。

帰り、スキー帰りのラッシュは避けられました、東海北陸道美並ICから美濃ICまでの区間、故障車の影響で少し渋滞。4時半に帰宅することが出来ました。
コース状況/
危険箇所等
 大進橋を渡ると、2m以上の雪の壁、除雪された道にも少し雪が積もっています。登山道に入るとたっぷりの雪道、朝の冷たい空気に冷やされて固くなった雪、その上をツボ足で進みます。忠実に林道を歩きますが、そのうちトレースは林道から離れ、右手のショートカット道に入ります。
 和田山牧場へのショートカット道は右手、右手と現れる筈なんですが、暫くすると左手にトレースが現れました。怪しげな感じは無く、しっかり踏み固められたトレースです。これはひょっとすると。期待をこめてこちらのトレースを辿る事にします。森の中、軽いアップダウンを繰り返してトレースは西へ向かっています。静かな森の中、昨年迷い歩いた時とは大違い、しっかりしたトレースがわたしを導いて呉れます。急登ののちトラバース気味に進むと、見覚えのある場所に出ました。そうです、ここは昨年さまよい込んだ谷の入り口、ここから悪夢のズボズボが始まったのです(拙文、大間違いの野伏ヶ岳を覗いてみて下さい)。そこには3張りのテントがあり、このヒト達がトレースをつけたのでしょう、きっとこの辺りを熟知された方なんでしょう。ひょっとするとと思って辿ったトレースですが、大正解でした。

 トレースはダイレクト尾根の末端に続いています。これはラクチン。昨年悪戦苦闘して尾根に登り着いたことを思い出しながら、楽々と尾根に上がりつきました。緩やかにダイレクト尾根を登ります。尾根の上にも一本のしっかりしたワカンのトレースがあり、アリガタヤ、ありがたや、わたしはそれを辿ってツボ足で登ります。
 林の尾根の急登、トレースはジグザグに上手くつけられています。木がまばらとなった所で雪の上に座ってひと休み。上の方からヒト声が、9名程のパーティーがもう下ってきています。「早いですね」と声を掛けると、「昨晩はテン泊しました」との事。3張りのテントの主はこのヒト達、トレースを使わせて頂き、大変お世話になりました。

 林はまばらとなりますが急登は続きます。ゼイゼイ、ハアハア、休み休み。いつもは見られる頂上近くのクラック、今年はまだ無く、急登終わりの目標が掴めません。ここら辺りにクラックがあったんだが。ジグザグのトレースは直登となります。頂上は雪庇で囲まれています。その雪庇が一部切り崩され、あたかも門のように見えます。その門を通って山頂に到着しました。結局頂上までツボ足でしたが、とくに危険を感じる事はありませんでした。

 下りはスノーシューを装着。トレースは辿らず、処女雪の急斜面に突入します。重い雪ですが気持ち良く下ります。靴底とスノーシューの間に出来る雪玉をストックで叩き落とす必要があり、時々止まらなければなりません。林の中の急坂も下り終え、暫く緩やかに尾根を下ります。池に向かって左の斜面を下ります。下り終え、トレースを辿って和田山牧場に向かいます。広い和田牧場にはトレースが一本だけ。この無垢の雪原に入りこむのは恐れ多いと、トレースを外さず丘に上がりました。

 和田山牧場を後にし、林道とショートカット道を下ります。登山口にほど近い林道で、ショートカットしようとしましたらズボッ、腰まで埋まります。スノーシューが雪に埋まり抜け出すことが出来ません。ストックでつついたり、手で雪を掻き出したり、暫しもがいていました。もうショートカットはしないと林道を下り、無事、大進橋の駐車地に戻る事が出来ました。

 
石徹白川を渡って登山口に向かいます。
2015年03月15日 06:06撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 6:06
石徹白川を渡って登山口に向かいます。
登山口に上がります。今年は雪が多いです。
2015年03月15日 06:10撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 6:10
登山口に上がります。今年は雪が多いです。
目指す野伏ヶ岳、朝日に染まっています。
2015年03月15日 06:50撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 6:50
目指す野伏ヶ岳、朝日に染まっています。
しっかりしたトレースがついています。
2015年03月15日 06:59撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 6:59
しっかりしたトレースがついています。
左手のトレースに入りました。
2015年03月15日 14:04撮影 by  NEX-3N, SONY
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左手のトレースに入りました。
静かな森の中、軽いアップダウンを繰り返し、
2015年03月15日 07:09撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 7:09
静かな森の中、軽いアップダウンを繰り返し、
急な尾根を登ります。
2015年03月15日 07:27撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 7:27
急な尾根を登ります。
見覚えのある地点に出ました。昨年はこの谷に入り込み、悪夢が始まりました。
2015年03月15日 07:56撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 7:56
見覚えのある地点に出ました。昨年はこの谷に入り込み、悪夢が始まりました。
ダイレクト尾根の端から尾根に取りつきます。
2015年03月15日 07:56撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 7:56
ダイレクト尾根の端から尾根に取りつきます。
立派なトレースがあり、楽チンちん。
2015年03月15日 08:04撮影 by  NEX-3N, SONY
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立派なトレースがあり、楽チンちん。
尾根に上がると小白山が見えます。
2015年03月15日 08:55撮影 by  NEX-3N, SONY
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尾根に上がると小白山が見えます。
急な尾根を登ります。
2015年03月15日 09:16撮影 by  NEX-3N, SONY
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急な尾根を登ります。
もう下って来るヒト達がいます。このパーティーが作ってくれたトレースのお陰で随分楽をさせていただきました。
2015年03月15日 09:47撮影 by  NEX-3N, SONY
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もう下って来るヒト達がいます。このパーティーが作ってくれたトレースのお陰で随分楽をさせていただきました。
晴れたかと思うと、雲が。
2015年03月15日 10:23撮影 by  NEX-3N, SONY
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晴れたかと思うと、雲が。
今年はクラックがまだ出来ていません。
2015年03月15日 10:28撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 10:28
今年はクラックがまだ出来ていません。
結局ツボ足のままでした。
2015年03月15日 10:38撮影 by  NEX-3N, SONY
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結局ツボ足のままでした。
頂上入口には雪庇を切り崩して門が出来ていました。
2015年03月15日 10:44撮影 by  NEX-3N, SONY
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頂上入口には雪庇を切り崩して門が出来ていました。
頂上に着きました。
2015年03月15日 10:48撮影 by  NEX-3N, SONY
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頂上に着きました。
セルフタイマーで。
2015年03月15日 10:49撮影 by  NEX-3N, SONY
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セルフタイマーで。
赤兎山、大長山です。
2015年03月15日 10:52撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 10:52
赤兎山、大長山です。
経ヶ岳です。
2015年03月15日 10:53撮影 by  NEX-3N, SONY
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経ヶ岳です。
荒島岳です。
2015年03月15日 10:53撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 10:53
荒島岳です。
大日ヶ岳です。御嶽も見えます。
2015年03月15日 11:02撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 11:02
大日ヶ岳です。御嶽も見えます。
本命白山は雲の中、20分ほど待っていましたが姿を見せて呉れませんでした。
2015年03月15日 11:02撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 11:02
本命白山は雲の中、20分ほど待っていましたが姿を見せて呉れませんでした。
急な尾根をスノーシューで下ります。
2015年03月15日 11:07撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 11:07
急な尾根をスノーシューで下ります。
自分だけのトレースをつけて真っ直ぐ下ります。
2015年03月15日 11:32撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 11:32
自分だけのトレースをつけて真っ直ぐ下ります。
雪の帽子を冠ったヤドリギです。
2015年03月15日 12:21撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 12:21
雪の帽子を冠ったヤドリギです。
和田山牧場です。
2015年03月15日 12:46撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 12:46
和田山牧場です。
和田山牧場の丘の上から。
2015年03月15日 13:12撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 13:12
和田山牧場の丘の上から。
白山禅定道の山並みですが、生憎の天気です。
2015年03月15日 13:12撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 13:12
白山禅定道の山並みですが、生憎の天気です。
野伏ヶ岳に別れを告げます。来年も来れるかな?
2015年03月15日 13:12撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 13:12
野伏ヶ岳に別れを告げます。来年も来れるかな?
大新橋に帰り着きました。
2015年03月15日 14:45撮影 by  NEX-3N, SONY
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3/15 14:45
大新橋に帰り着きました。
撮影機器:

感想

 3月第2週末の天気予報、土曜日は曇り、日曜日は雨マークも。土曜日に大日ヶ岳に登ることにしました。朝5時に起き、天気予報を見てみると、日曜日は晴れマークに変わっています。3月は野伏ヶ岳、天候を狙って登ることにしていましたが、これはチャンス。大日ヶ岳は中止とし、翌日の日曜日に野伏ヶ岳に登ることにしました。久し振りの雪山登山です。
 
 白山中居神社のトイレでスッキリ。昨日は1日休養し、体調も気分も良好。道すがら、除雪がきっちりしてあったので気が付きませんでしたが、大進橋の駐車地には2mを超す雪の壁。この辺り、今年は雪が多いようです。

 登山道は良く踏み固められた一本のトレースが続きます。入り込んだ静かな森の中の見知らぬ道、和田山牧場へ向かっていない事は判りましたが、しっかりしたトレースなので安心です。たとえ間違っていても引き返せば良い。西へ向いているので、ここは昨年間違えて遭難寸前まで行った場所に近いようです。そして見覚えのある場所に出ました。やはりそうでした。このトレースをつけて呉れたヒトは、余程この辺りを知っているのでしょう。来年もう一度この道を辿れと云われても、わたしには出来ません。

 ダイレクト尾根の末端から尾根上部に登ります。これは楽だ。緩やかな尾根道が急登に変わります。ここはいつもと同じ、シンドイな。でも、ジグザグにトレースが付けられているのでその分、助かります。尾根の両側に広がる谷にはまだ雪の亀裂はできていません。尾根のクラックも見当たりません。やっぱり今年は雪が多いんだ。そう云えば、森の中を歩いていた時も、根開きを見かけなかったもんな。頂上直下は真っ直ぐ上を目指して登ります。ここ、去年はこんなにしんどくなかったような気がします。

 頂上にはわたし一人だけ、そよ風、この野伏ヶ岳の上空だけ青い空、周りの山々には雲が掛かっています。20分ほど頂上に居ましたが、その間、姿を現す山もありましたが、お目当ての白山だけはとうとう姿を見せて呉れませんでした。

 トレースがしっかりしていたのでツボ足で登りましたが、下りはスノーシュー。処女雪の急斜面、気持ち良く下る事が出来ました。途中、お昼にとカップラーメンを頂きます。最近はまっている激辛ラーメン、むせますが身体が暖ったまります。帰りは和田山牧場に寄ります。なんだか今日はこの雪原を荒らす気にはなりません。綺麗な雪原をそのままに、つけられている一本のトレースを辿って和田山牧場をあとにしました。

 夏は藪に覆われ、雪山の時にしか登れないという野伏ヶ岳。わたしの好きな山のひとつです。昨年は大間違いの野伏ヶ岳でしたが今年は大正解、快晴とまでは行きませんでしたが、今年も登ることが出来て大満足の1日となりました。ノブセガタケさん、アリガトサ〜ン、でした。 

 

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コメント

勉強になりますね〜。
こんにちはOnisan。いつも勉強させていただいてます。

ウイングヒルズやイトシロへのスキーは数えきれないくらいに、夏はツーリングで九頭竜へ抜けたりして大好きなコースですが、こんないい山があったんですね。
単独行(山友がいない )の初心者の私にはマイナーコースは危険すぎて無理ですが、いい雪山ですね。
2015/3/16 16:23
Re: 勉強になりますね〜。
 shige1966 さん、今日は。

 野伏ヶ岳は200名山に入っていて、決してマイナーではありませんよ。れっきとしたビッグな山ですので、雪山の時期は山スキーやらボーダーやら、登山者も多く、トレースも出来ています。天候の良い日を選んで、普通に登れば迷うことはないと思いますが、ホワイトアウトだけは要注意です。いい山ですので一度登ってみて下さい。わたしが利用しているクラブ岳に頼めば連れて行って呉れると思います。
2015/3/16 16:52
Re[2]: 勉強になりますね〜。
大変失礼しました、自分の無知さをさらしてしまいました。
私の「いかねばリスト」(ヤマレコの某ユーザーさんの真似) に是非入れておきます。
ありがとうございました。
2015/3/16 20:01
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