天子山地西稜線縦走
- GPS
- 11:12
- 距離
- 33.9km
- 登り
- 2,307m
- 下り
- 2,950m
コースタイム
- 山行
- 9:47
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 11:12
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
自転車
十島駅から富士宮駅まで電車、富士宮駅から猪ノ頭までバス |
コース状況/ 危険箇所等 |
1049.6m三角点先の道の脇がややナイフリッジ気味 登りの標高1020m前後、1152m標高点の登り、その先の1090m圏ピークの登りがとても急 最後の発電所の処理 あとはGPSをよく見れば危険はないです |
写真
感想
富士山と富士川を隔てる天子山地。一昨年竜ヶ岳から白水山までの主稜線縦走をしたが、その西にも、熊森山から派生する大きな尾根が走っている。今回の計画で計算したコースタイムは15時間35分。1日だとぎりぎりどうかというところだ。そこで、翌朝に富士吉田で用事のある家族にお迎えと車の回収をお願いし、1泊1.3日くらいの予定で計画を立て、朝霧高原に向かった。
今朝は今シーズン一番の冷え込みになり、途中の精進で気温5℃、朝霧高原では6℃だった。体を温めようと早足になる。
20分ほど車道を歩き、尾根先端に取り付く。薮も段差もほとんどなく、穏やかな取り付きだ。等高線が詰まっている標高1020m前後の急登が心配だったが、ただの急な斜面で、問題なく通過できた。
ハンググライダーの離陸場を抜け、一瞬林道に出る。この先の尾根上は道で削られた南側がややナイフリッジ気味だが、北側はトラバースできるくらいの斜度なので特に問題ない。
1161m標高点の先でまた林道に出るが、その先の尾根に登る階段には「ハンググライダー離陸場所につき関係者以外立入禁止」と書いた看板が建っている。そこ以外は擁壁かまあまあな薮だ。気に食わないが、これしきの薮に負けて引け目を感じるほど私も弱くない。階段脇の薮に突っ込み、離陸場を避けて登った。離陸場所の周囲のギャップに蔓延ったスズタケの薮がうざったい。
所詮陸上移動を車輪に縛られた現代人類、林道から少し離れればもう影響はなくなった。あとは特に何も問題なく、変哲のない尾根を辿って熊森山に着いた。
懐かしい看板だ。ここから西稜線が派生するので当然だが、一昨年に主稜線を縦走したときにもここを通過した。短い休憩を取り、西稜線に進んだ。
一旦下り、樹間から右手に毛無山〜五老峰、正面に五宗山を見据えて登り返す。甲斐百山にしていてはもったいないくらいの、どっしりとした山容だ。見た目どおりに広い五宗山山頂は、尾根の出合から少し北に入る。甲斐百山によくあるいつもの看板が出迎えてくれた。ここが西稜線の最高点であり、今回の山行の最高点でもある。
ここから方角を南に変えて長い下りに入る。ところどころ急登や岩場もあるが、斜度がゆるい下りの区間が多く、歩いていて気持ちが良い。景色の良い伐採地もいくつかあり、主稜線に隠れると思っていた富士山も意外と頭を出してくれた。
三石山の登山道に合流すると踏み跡が格段に濃くなった。快適に歩かせていただき、三石山に着いた。巨岩に見守られた社屋のすぐ裏に山梨百名山の看板があったが、ここも最高点は少し奥にある。最高点にはひっそりと小さい祠が置いてあった 。
この先は町境が分水嶺かと思いきや、登山道が付いている小尾根が分水嶺になる。これは25000地形図からは読み取れない。
林業が盛んなようで、稜線上にも林道が伸びており、伐採地も何ヶ所かあった。ちょうど切り出した木を運んでいるのも見かけた。大抵の登山は他人の土地、他人の仕事場に無断で立ち入っている訳だが、普段は普通にやっていることが平日だと何だか申し訳ない。
ゆるやかだが大きめな登り返しがいくつかある。そろそろ今日中に家に帰れそうな気がしてきたので気合を入れて歩いた。佐野峠からは東海自然歩道になり、また良い登山道が復活する。最後の大きな登り返しをこなして、思親山に着いた。公園のようにベンチが整備されていて癒される。冠雪した富士山や色付いた木々に秋を感じつつ、しばらく休憩した。
東海自然歩道を八木沢集落へ。八木沢峠からは林道を辿り、尾根を乗り越すところで薮っぽい森に飛び込む。下草が多いうえに倒木も多く、これまでの歩きやすい森と比較して格段に歩きづらい。
城山天神社の参道に束の間の天国を感じたが、その神社の裏からは発電所との闘いが始まる。過去の記録に、鉄塔の巡視道を下ると柵にぶつかるとの記述があったため、尾根の西側を歩いて回避しようとしたが、薮がひどく、斜度も大きい。結局諦めて巡視道を下った。尾根先端には確かに噂の柵があったが、まあそもそも薮山なので、やや緊張する岩場だと思えば許容できた。ハンググライダーや林業もだが、人間がはっきり経済的に利用している山はどうもやりづらい。
ジェイルブレイク後、西側に回ってみると、長いハシゴが設置されていた。しっかり確認はしていないが、その先に柵はないように見える(あったらごめん)。この先端に出るのが正解だろう。そうでなくても、尾根先端付近の崖は高々10mの懸垂下降で下りられそうだ。
発電所の前を通って十島駅へ向かう。今日中に車の回収ができるバスに間に合う電車まで時間がなく走っていると、町営タクシーの方が声をかけてくれて乗せてくれた。ありがたく利用させてもらい、富士宮からバスで車まで戻った。
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