御嶽古道で行く御嶽山登拝

2023年09月30日(土) ~ 2023年10月02日(月)

• GPS: 37:28
• 距離: 48.2km
• 登り: 3,525m
• 下り: 2,784m

コースタイム

1日目

• 山行: 9:42
• 休憩: 0:58
• 合計: 10:40

7:12 道の駅 木曽福島 木曽市場
7:17 御嶽遙拝所
13:22 13:27 王滝小中学校
13:31 13:37 王滝バス停
13:52 御嶽神社里宮入口
14:00 14:08 御嶽神社里宮
14:16 御嶽神社里宮入口
14:21 14:22 普寛堂
14:31 14:32 くんざ
14:35 一心堂
14:39 二合目
15:02 三合目
15:42 16:16 清滝
16:45 花戸普寛堂
16:52 16:53 十二権現
17:03 17:05 御岳高原
17:52 おんたけ休暇村

2日目

• 山行: 5:51
• 休憩: 0:50
• 合計: 6:41

17:52 おんたけ休暇村
9:06 9:08 八海山下
9:27 八海山下
9:38 旧八海山
9:55 10:21 八海山神社
11:53 田の原駐車場
12:26 田の原登山口
12:31 田の原大黒天
12:36 遥拝所
12:56 大江権現
13:00 あかっぱげ
13:15 13:18 金剛童子
13:34 13:40 八合目避難小屋
13:57 富士見石
14:06 14:11 一口水
14:20 14:26 九合目避難小屋
15:07 王滝頂上山荘
15:11 八丁ダルミ
15:16 15:17 御嶽教御神火祭斎場
15:31 15:32 黒沢十字路
15:37 覚明堂休泊所
15:47 石室山荘

3日目

• 山行: 2:49
• 休憩: 1:26
• 合計: 4:15

6:55 石室山荘
7:00 7:09 覚明堂休泊所
7:42 8:22 剣ヶ峰
8:36 黒沢十字路
8:48 9:00 石室山荘
9:45 9:50 黒沢口八合目・女人堂
10:40 11:00 黒沢口七合目・行場山荘
11:10 飯森高原駅

天候

晴のち雨・雨のち曇り・晴

アクセス

利用交通機関：

バス 自家用車 ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）

往路:道の駅　木曽福島木曽市場に自家用車を駐車
復路:御岳ロープウェイ・鹿ノ瀬駅前からおんたけ交通・木曽福島駅行きのバスに乗車し自家用車回収

コース状況／危険箇所等

●林道沢渡線から山道に入る箇所が分かり辛い
●踏み跡は薄っすらあるが山道はとても荒れているため通過には時間を要する
●沢渡峠手前の尾根道から道が明確になり、沢渡峠〜"交差点"まで良い道が続く
●が、子熊2頭に遭遇。熊は確実にいるようなので熊鈴必携し注意深く歩く
●"交差点"〜崩越まではやや荒れ気味
●王滝口一合目〜飯森高原駅まで危険箇所なし

その他周辺情報

久しぶりに鹿ノ瀬温泉へ行きたかったが、2日は休館とのことで車回収後に二本木の湯へ
木曾福島の"田ぐち"で御嶽もなか・栗子餅＆リンゴの時期限定販売(だと思う)のアップルシュトゥルーデルを購入

写真

9/30 7:12

御嶽登拝の山旅はここからスタート

9/30 7:21

国道19号から離れて水色の鉄橋を渡って

9/30 7:31

渡った先を少し行けば、御嶽山木曽本宮に辿り着けます

9/30 7:43

参拝後に林道台ヶ峰線(舗装路です)を歩いていくと峠らしき場所に霊神碑がありました

9/30 7:51

林道上から御嶽山を遥拝。あのてっぺんまでまだまだ距離があります

9/30 7:54

舗装路から地道に入ってみましたが...最後が激ヤブになって舗装路に戻るのに苦労しました。以降林道沢渡線に入るまでずっと舗装路歩きです

9/30 8:27

途中、道の駅三岳横を通過します。以降王滝村の公衆トイレまでトイレは無いのでここで済ませておくのが良いです

9/30 8:36

赤い常盤橋の手前で左折し

9/30 8:49

大喜泉手前の分岐で右折し道なりに進み

9/30 9:10

林道沢渡線を歩きます

9/30 9:13

えっここー？入るの？と躊躇しましたが、薄っすら道がついていたので谷沿いに進みました

9/30 9:35

おっ、情報通りの小屋が出てきましたよ。小屋の先を行くとすぐに左手に祠が見えてきました

9/30 9:37

その祠がある場所が八幡滝跡(今は水が無いけれど古い写真にはしっかりと"滝"が写っていました)のようでした

9/30 9:38

修験の行場なので不動明王様が鎮座されています

9/30 9:56

歩きにくい谷筋をそのまま直進。砂防堰堤手前で林道沢渡線に復帰します。脆い足元だったので林道に上がるのに苦労しました

9/30 10:07

林道を暫く歩き

9/30 10:12

山の法面が途切れたところから山道に入ります。再び砂防堰堤が現れるので堰堤右手を這い上がって進むと良く踏まれた山道が出現します

9/30 10:56

尾根道に上がって暫く進むと二子持への分岐(右折して下って行く模様)が現れますが、沢渡峠方面は直進します

9/30 11:00

沢渡峠の御嶽山遥拝所に到着。手水鉢と石灯篭の間から御嶽山が姿を現しました。今はもう存在していませんでしたが鳥居も建っていたようです

9/30 11:08

雲がかかってしまっていたので残念でしたが、御嶽山全容を拝める遥拝所でした

9/30 11:09

石灯篭に弘化二年の文字が見えます

9/30 11:28

良い感じの山道が続きます。が、沢渡峠から先で子熊2頭に遭遇し、唸り声も聞こえてめちゃくちゃビビりました。熊鈴携帯していなかったので、兎に角大きな声を張り上げてストックを打ち鳴らしているうちに、熊さん達はどこかへ走り去っていきましたが...怖かった...

9/30 11:31

ここの場所名は"交差点"と言うそうです。明確に各方面への山道が交差していました

9/30 12:19

民家の横を通って崩越集落に無事着地出来ました

9/30 12:24

崩越の観音堂。参拝して御岳湖沿いの舗装路を歩きます

9/30 12:32

その道沿いにあったコレ...何ですかね...ちょっと怖いんですけど

9/30 12:33

牧尾ダム建造で沈んでしまった鞍馬峡という天下の絶景があったそうな。その渓谷を渡る吊り橋が崩越付近から架かっていたらしい

9/30 13:13

王滝川を渡って

9/30 13:32

ようやく御嶽古道・王滝口一合目に到着。ここまでで6時間ちょいかかってしまっている...休暇村まで行けるかしらん？

9/30 13:39

泊まって見たかった滝旅館

9/30 13:46

霊神碑も再びお目見え

9/30 13:52

御嶽神社里宮到着

9/30 14:08

良い雰囲気の参道だけど...階段、キッツーイってぇ〜

9/30 14:01

御岳の溶岩壁。迫力あるなぁ

9/30 14:05

参拝して御嶽のご神域に入ったことを実感しました

9/30 13:54

神社境内のあった御嶽山の案内図です。今日は頑張って(欲張って)八海山手前まで行きます...

9/30 14:19

くるみ澤旅館

9/30 14:23

普寛堂横に人口の滝。水行用かな？

9/30 14:36

一心堂。一心行者が祀られている王滝口の聖地、とのこと

9/30 14:41

二合目の鳥居。ここからも御嶽山が見えるそうだけどすっぽり雲の中でした

9/30 14:43

卯野薬房。かつては登山客の茶屋として賑わっていたそうな。その先は

9/30 14:46

ちょいと地道を歩く。再び舗装路に出て

9/30 15:03

大又三社から一二大権現まで地道を歩きます

9/30 15:11

頂上までの距離10,100m、ですって。10kmと書かれるより心理的負担は軽い気がする

9/30 15:38

分岐から清滝・新滝を拝みに行く。写真は車道に面した清滝入口の説明板です

9/30 15:45

その清滝。明るい雰囲気の滝行場ですね〜

9/30 15:47

清滝と新滝はセットで訪問がベター

9/30 16:00

清滝からハイキング道を使って新滝へ。新滝は幽玄な雰囲気でした

9/30 16:01

お堂横から

9/30 16:03

滝の裏へ行くことが出来ます

9/30 16:38

分岐に戻って、地道を直進。花戸普寛堂に到着するも17時近くになっていたので、参拝そこそこにして先を急ぎます

9/30 16:44

新滝からのハイキング道と合流

9/30 16:52

車道に出て十二大権現へ。時間無いため鳥居外から参拝しました

9/30 17:05

おんたけスキー場の敷地内に

9/30 17:06

御嶽古道の道標あり。地道を直進します

9/30 17:08

この道もたくさんの霊神碑が建立されていました

9/30 17:22

ん？この先立入禁止とは？聞いてないよ〜もうとっくに日が沈んでしまっていたため、1日目はここで終了

9/30 18:07

予約しておいたおんたけ休暇村で夕食を頂き、

9/30 18:07

入浴したところで力尽き、爆睡

10/1 7:03

2日目。雨模様。今朝もお櫃のご飯を完食し

10/1 8:48

小雨になった頃を見計らってお世話になったおんたけ休暇村を後にします

10/1 9:16

昨日の立入禁止まで下って、

10/1 9:17

霊神碑を眺めつつ

10/1 9:27

車道に戻りました。

10/1 9:27

あれっ？こっち側には車両通行止としか書かれていないよ？

10/1 9:29

車道⇔地道を行ったり来たりしながら

10/1 9:58

八海山神社に到着

10/1 10:02

神社の位置は王滝口五合目になります

10/1 10:09

その先は道があるのかどうか不明だったけれど御嶽古道の標柱を見つけてスキー場内を進もうとしたら『スキー場内は入れない』と関係者に言われて車道を歩くことに

10/1 10:22

何故入場禁止なのかというと、夏期のスキー場はオフロードバイク用コースとなっていたからでした...

10/1 11:14

ずっと車道歩きはシンドイので途中ちょっとだけショートカットでスキー場内を歩きました

10/1 11:29

晴れてきたけど下草が茂っていて歩きにくいわスキー場

10/1 11:39

10/1 11:52

田の原まであと30分という所で力尽き、バスに途中乗車させてもらって

10/1 11:55

田の原にワープしました(運賃は八海山バス停から乗車と同料金の400円也)

10/1 11:56

バス停近くには飲料自販機が設置されてました

10/1 12:26

御嶽山ビジターセンター。飲食・休憩スペースもあるけど、御嶽山の成立ちや噴火時の様子を伝える展示など、知らなくてはいけない情報が盛りだくさん。少し見学したけどもう一時間程欲しかったなぁ。時間切れで残念でした

10/1 12:27

田の原登山道入口は王滝口7合目にあたります。黒沢口の行場山荘から登る感覚ですかね？

10/1 12:29

全く山頂が見えないです

10/1 12:30

田の原大黒天

10/1 12:31

剣ヶ峰まで3kmちょい。この日は強風のため10時から八丁ダルミの通行が規制されてるようですが...果たして？

10/1 12:55

大江権現。黒沢口の女人堂にあたります。昔はここまでしか女性の登拝は許されていませんでした。

10/1 13:33

中央にイノシシ〜摩利支天さんの乗り物なのでそのことから神の使い、とされているようです

10/1 13:35

その猪に乗った摩利支天さん

10/1 13:38

八合目

10/1 13:47

で少し登った先に八合目の避難小屋があります

10/1 13:56

三笠山と田の原が遠くになりつつあります

10/1 13:59

10/1 14:09

富士見石ってなっているけど晴天だったら富士山が拝めるのかしら〜

10/1 14:19

九合目

10/1 14:25

急登が続く...

10/1 14:39

まだ九合目の避難小屋かーい

10/1 14:48

中央不動さん。お顔は拝見せず

10/1 15:05

王滝頂上山荘の跡地に建てられた避難施設。有事の際は140人収容出来る規模だそう。パトロール員の詰め所にもなっているので心強い施設だと思います

10/1 15:06

あーっやっと着いたーっ王滝頂上は初めて登拝するのですごく楽しみだったのです

10/1 15:07

天気はイマイチだったけど、十合目の文字に心躍らせました

10/1 15:07

"御嶽神社頂上奥社本宮"です。こんなに標高高い所なのになんとまあ立派なお社！地獄谷に近い奥之院は残念ながら立入り禁止です

10/1 15:09

通行規制は解除されていましたが、風が強くて寒かったので剣ヶ峰は明日のお楽しみってことで...

10/1 15:13

10/1 15:13

一つ目のシェルター右手からトラバース道に入り、

10/1 15:30

黒沢口十字路を右折して

10/1 15:46

本日のお宿、石室山荘にお邪魔します

到着後、宿帳も書かずに名物おしるこを注文。だってお腹空いてたし寒かったんだもーん...これで生き返りました！

天候不良でキャンセルが出たようで、何と本日のゲストは私一人。だからなのか...角部屋個室をあてがっていただきました！感謝です！

夕食は18時から。アツアツの天ぷらに出汁の効いた冬瓜のお吸い物、他のお料理もその美味しさときたらっ！山小屋の食事とは思えない内容です♡もちろん完食致しました。標高高い所なのにご飯がこれほど美味しく炊けるのは何かコツがあるのでしょうか？

御嶽山に来るたびに石室山荘に泊まってみたい、という思いがあったので、写真撮りまくり。グッズの日本手ぬぐいもゲット

これよ、この雰囲気よ、憧れたのは〜

3日目。ピーカンの天気でご来光を堪能

贅沢なことに泊まった部屋からご来光を望めました。もうこんなこと一生無いわ...

朝食は6時から。ご来光ショーが終わったところで舌鼓を打つ。何なのこの玉子焼きは〜フワフワなキッシュのようではないのぉ〜今日も美味しくいただきました。ごちそうさまでした♡

山荘でアタックザックをお借りして、荷物は預けて剣ヶ峰へ

覚明堂にて参拝

昨晩冷えたので手水鉢の水が凍ってました

剣ヶ峰到着。紺碧の空だったので信者の方の白装束が映えていました

地獄谷と奥の院。左奥は恵那山かな？

あーっ夢のような景色！手前が木曽山脈、奥に赤石山脈。更に奥に鬼ヶ城のような角が生えた富士山

ウキウキが止まらずチョーシこきポーズで撮影してもらいました

剣ヶ峰は黒沢口の頂上奥社のようです

山頂標に御嶽古道の文字

すっかり埋まってしまった二ノ池。継子岳の奥に乗鞍岳。更に奥には飛騨山脈の山々が見渡せました

白山まで見えるとはさすがに思ってませんでしたが♪

今回の御嶽山は中々歩きごたえがありましたよ

そろそろ戻りましょ

忘れてはならない痛ましい記憶がここにはあります。きっとあの日もこんな目に染みるような青空だったんですよね？

今はシェルターが完備されて安心して頂上に近づくことが出来ます

次は二ノ池本館に泊まってみようかな

ゆっくり時間をかけて下って行きました

山荘内の通路が登山道になっていることでも有名ですけど

石室山荘は山荘内に居ながらこんな美しい景色を眺めることが出来る最高のお宿でした

さあ、まずは八合目・女人堂まで降りていきましょ〜

先程山頂におられた白装束の信者の方です。とても絵になるので許可を得て撮影させて頂きました

今年は紅葉が少し遅いのかな？

どうも八合目付近が紅葉の見頃のようです

八合目到着。ここから見る御嶽山は大好きなので毎回撮影してしまう

実は赤くなっていますね

紅葉1

紅葉2。信者の方とは結局鹿ノ瀬駅までご一緒させて頂いたのでした。この場を借りてお礼申し上げます

10/2 10:39

七合目・覚明社

10/2 10:39

同・行場山荘にて休憩

10/2 10:45

で、やっぱり注文したのがちからもちぜんざい。相変わらずウマウマでございました〜

10/2 11:03

秋季は中の湯までのバス便が無いため、ロープウェイで下って鹿ノ瀬駅でバスに乗ります

10/2 11:09

飯森高原駅付近で木曽山脈ほぼ全山拝めて感激しますた

10/2 11:12

駅のデッキから見た御嶽

10/2 11:15

ロープウェイに乗車して

10/2 11:33

15分で鹿ノ瀬駅に到着。信者の方とお別れし、駅前から木曽福島駅行のバスに乗車して御嶽登拝の旅が終了しました

撮影機器：

Pixel 6a Google

装備

個人装備

長袖シャツ Tシャツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 着替え 靴 ザック ザックカバー 行動食 非常食 飲料 地図 ヘッドランプ 予備電池 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 スマホ 充電器 時計 タオル ストック ヘルメット

感想

dxf

御嶽古道を歩きたいと何年か前に黒沢口の御嶽古道から御嶽山に入山しましたが、王滝口からは未踏だったのでいつかは歩きたいと願っていました。
いつもは思い立ったら吉日とばかりに突撃するのですが、今回の王滝口はもう一つ歩いてみたい道があったのである程度調べてから登拝にこぎつけました。

私の敬愛する東山魁夷先生がまだ学生だったころ、友人と共に8日間のテント旅行で木曽路を旅し、御嶽山に登ったという、その様子を日記に記していました。
先生は中山道から王滝口に至り、御嶽山登頂後は黒沢口から下山したようなので、王滝口一合目までの道もトレースしたい、との思いが膨らんだのです。

先生一行は上松から森林鉄道沿いに進み、鞍馬渓に架かるの鞍馬橋を渡って王滝村に入って王滝の宿屋に宿泊したそうですが、森林鉄道がどこを通っていたのか今一つ不明でした。
ただ、御嶽古道を調べていくうちに、王滝川の対岸に行場の八幡滝や沢渡峠の遥拝所が存在した、と知り得てからはこの遥拝所経由で王滝口一合目に入るのも面白いかもしれない、と考えて今回の登山計画となりました。

因みに御嶽山頂付近の石室で先生は夜を明かしたそうなので、名前に"石室"の文字が入っている石室山荘で一泊することにしました。
この山荘自体、明治時代には規模が小さいながらもすでに存在していたようなので、その歴史を鑑みても最適と考えて予約を入れました。