ニセコアンヌプリ〜シャクナゲ岳
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- GPS
- 10:15
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 2,122m
- 下り
- 1,892m
コースタイム
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 2:04
- 合計
- 10:15
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
昨日の夕方から晴れて、ひらふスキー場の駐車場(標高約320m)から羊蹄山がほぼ全姿を現していた。そして今朝の羊蹄山も素晴らしい。太陽を背にスキー場の作業道を歩くとスキーリフトの下を何度もくぐった。標高450mの処に望羊荘という小屋がありスキー施設で夏は無人のようだ。名のとおり羊蹄山の眺めがよい。作業道はスキー場を離れ親父川の谷を高巻く道になった。軈て工事で土がひっくり返えされ非常に歩き難い道になり花園コースのゴンドラの駅へと達した。
スキー用の標識はあちこちにあるが、登山用の指導標はない。詳細に地図を検討すると方向違いのようで少し引き返すと左手に草生した踏み跡を発見した。比羅夫コースはあまり歩かれていないようでヤブ漕ぎ状態だ。やがて鏡沼からのコースと合流すると道が明瞭になった。分岐点には指導標も設置されていた。
標高は約784m、ニセコアンヌプリはまだ遠く傾斜は急になり登山道がジグザグになった。樹林を脱するころ笹原の斜面にエゾキスゲの群落が現れた。微妙な違いが分らないのでエゾカンゾウなのかもしれない。エゾシオガマやタケネグンナイフウロウ、ハクサンシャジンなどがお花畑を成していた。
ニセコアンヌプリ(1,308m)の山頂は小広くすでに2組の登山者が登頂していた。いずれも西側の五色温泉から登ったそうで、距離は比羅夫コースの半分しかないお手軽コースだ。そしてもっとお手軽なコースがある。それはニセコアンヌプリスキー場からの夏山ゴンドラで上がって来るコースでコースタイムはわずか1時間で登頂できる。9時に営業が始まると、こういった人達がわんさと押し寄せるのだろう。時刻はまだ6:30だった。今日は文句なしの快晴で山頂展望は素晴らしい。東には羊蹄山が真向かいに聳え、西には日本海に繋がるニセコの山脈、イワオヌプリ、小イワオヌプリ、ニトヌプリ、チセヌプリと「ヌプリ」の付く山が5つ連なる。「ヌプリ」はアイヌ語で「山」を意味するのでごくごく当たり前の名前と言うことか。そうそう羊蹄山も「マッカリヌプリ」と呼ばれていたので、“ヌプリ6連山”ということになる。
ヌプリの外に目をやると羊蹄山から右回りに洞爺湖、昆布岳、渡島駒ヶ岳、大平山、狩場山、ヌプリ連山の果てには雷電山、石狩湾には雲海が立ち込め雲の上には増毛山地の暑寒別岳、その右に昨日登った余市岳と360°の展望が楽しめる。ニセコアンヌプリは「絶壁・に向かって・ある・山」の意味、イワオヌプリは「硫黄の山」を意味するそうだ。
展望を楽しんだ後はヌプリ縦走路に入り五色温泉へと下る。折角登った標高を560mも下ってしまう。先に下って行った1組を追い越して急斜面をジグザグに下って行くと登ってくる10組程のパーティと次々にすれ違った。五色温泉は数件の温泉宿があり、そのうちの一つニセコ山の家はその昔JRが直営していたものだ。登山者用の駐車場もありアンヌプリ登山のメイン基地となっている。
五色温泉からは反対側のイワオヌプリへと進んだ。神社を過ぎると長い階段が続き樹林帯を抜けてガレ場に達するとイワオヌプリへの分岐点に達した。縦走路から分れ地肌むき出しの山体はアイヌ語そのもの名前、硫黄山とも言われ噴煙は無くなったもののかつての火山活動の激しさを物語っている。山頂域に達すると道は二手に分かれ左回りで山頂を目指した。ガレ場の足元を見ると黄色い小石が点在、恐らく硫黄の結晶なのだろう。ケルンの上にイワオヌプリ(1,116m)山頂標識があった。見渡せば360°の展望、中でもニセコアンヌプリが大きい。ヌプリ連山は大小の沼が多く山頂域の北の峰から大沼が見える。周回ルートを一周してガレ場を下り縦走路に復帰して小イワオヌプリの南麓を進んだ。小イワは屹立した山容で登山道がないのが残念だ。鞍部は湿原帯でイソツツジの群落が目立った。
ニトヌプリ(1,080m)はジグザグに泥濘んだ急斜面を登る。アイヌ語の意味は「森のある山」で縦走路から5mほど入ったところに主峰北峰の山頂標識があるが最高点はもう少し先でハイマツのヤブを漕いでピークに到った。登ってきたイワオヌプリ、ニセコアンヌプリの姿が美しい。しかしアンヌプリの山頂部には少し雲が掛かってきた。その後にある羊蹄山は完全に雲に覆われてしまっている。双耳峰の片割れ南峰には登路があるようだが、発見できずパスした。
この山域は縦走と言ってもそれぞれの山が単独峰のように屹立しているのでアップダウンが厳しい。比較的アップダウンの少ないニトヌプリからの下りですら250mもある。チセヌプリへの登り返しは300mを超え、岩場が多く等高線が詰まっている。チセヌプリ(1,134m)山頂には三角沼など沼が点在し、ニトヌプリから見えなかった羊蹄山が再び姿を現し出した。山頂には2等三角点「袴腰」があり、大休止を取り昼食にした。山名は「アイヌの伝統家屋の形をした山」の意味でどっしりした山容を示している。
五色温泉から西の縦走路では全く人の気配はなかったのにチセヌプリを西に下り始めたとき26人のツアーが登ってきた。こんなマイナーな山にまでツアーが入っているとは驚きだ。湯本温泉分岐(標高約870m)からさらに足を伸ばしてシャクナゲ岳(1,074m)に足を延ばした。泥濘んだ道を進むと長沼への下山路が分岐し、山頂直下では直進すると白樺山への縦走路が続いている。いつかはこの先も歩いてみたいものだ。急斜面を詰めシャクナゲ岳山頂に達した。西側には白樺山、目国内岳、雷電山の山並みを見ると益々登山意欲をそそられた。でも今日はここでお仕舞い。湯本温泉分岐付近を俯瞰するとさっきの26人のツアーが丁度湯本温泉へと下りて行くのが蟻の行列のようだった。
来た道を引き返し湯本温泉分岐からチセヌプリの南稜線を下り、26人のツアーの後を追うが時間差が30分あり追いつくことはなかった。下山路も酷く泥濘みツアーの靴跡が沢山付いていた。チセヌプリスキー場のリフトの横からはスキー場の作業道となりジグザグに下る。下りてきたところは湯本温泉(555m)で、バス待ちの間に紅葉音(あかはね)旅館の日帰り入浴(\800)で汗を流した。
湯本温泉からのバスは1日2本しかない。温泉でゆっくり過ごし16:23のバスでニセコ駅へ向かった。交通不便を承知で縦走したので比羅夫スキー場に帰り着くにはこの後まだ11劼瞭残がある。バスは連絡が悪くタクシーに乗った。バスなら\620、タクシーは\3,010も掛った。比羅夫スキー場から羊蹄山麓の半月湖駐車場に移動し今日も車中泊をした。
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