明山 (奥久慈、竜神峡)
- GPS
- 04:55
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 871m
- 下り
- 859m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■明山山頂から巻き道を使って下山するときには道間違えに注意します。 明山山頂には補助ロープで若干の登はん要素がある直登ルートと、巻き道で登るルートの二つがあります。行きに直登ルート、帰りに巻き道ルートを選ぶ場合、歩きやすい尾根をずっとたどるとルートから完全に外れてしまい、道迷いから滑落の危険があります。 しかも悪いことに、この尾根道にもテープマークがあり、外れていることになかなか気づきません。そして狭いエリアで、かつ利用者が結構いる山であるため、GPSのトレースは(ログの誤差の影響で)エリア全体を覆っていてこれまた参考になりません。結局筆者は山頂に登り返し、直登ルートで分岐点まで降りた後に、巻き道を登り直して、自分がどこで巻き道から外れたのを確かめてきました。 正解はその尾根はほとんどたどらず、尾根から外れて分岐点への巻き道を進むのですが、尾根から見るとそこに踏み跡が続いているように見えないので、気をつけます。 尾根道を立ち木が若干通せんぼしているように生えている箇所があるので、その手前で右の斜面へ入ります。巻き道と言っても結構斜度があり、砂利などで滑りやすくなっているので用心して下ります。 ■亀ヶ淵から三葉(さんよう)峠までの沢道は滑落注意です。 特に亀ヶ淵を渡渉したあと、沢に入るまでの道が危険です。難度は高くありませんが、足を滑らせれば死ぬような高度のがけっぷちを歩くので、足元に注意しながら歩きます。特にこれから紅葉の美しくなる時期で注意が遠方や頭上に向きがちなので、複数で入山するときなど特に気をつけます。 亀ヶ淵まではアスファルトの林道ですが、天候によっては苔で滑りやすくなっているので用心します。 亀ヶ淵の渡渉は、淵から流れ出た水が砂利の下にもぐりこんでしまっていたため渡渉になっていませんでした。 |
その他周辺情報 | 竜神峡の林道沿いのイロハモミジの紅葉が見ごろには美しくなるのですが、それはあとしばらく先でしょう。 県道29号沿いにある和菓子屋さん「玉喜屋」さんのみそまんじゅうはこしあんのきめが細かく、上品な甘さで筆者のお気に入りです。 |
写真
感想
バリエーションルートも含めて何度も来ている山で道迷いするとは不覚であった。地図上の現在位置と自分のトレースを直ちに確認できて、歩く向きの修正が利くGPSと地図アプリ(筆者は山旅ロガー+地図ロイド)のありがたさを改めて確認した。
■とりあえず竜神峡から明山へ
今年はずっと体力が本調子にならなかった。体力をつけては調子を崩しの連続。さらには荷物の準備不足や寝坊(朝5時には歩きださないと汽車がやばい)で西金ー下野宮ハイキング延期の連続だ。
今回も結局延期でどこを歩こうかという段になった。迷ったときには奥久慈男体山なのだが、同じところばかり歩くのもどうも芸が無いし、登はん要素が出てくるかご岩方面も少し避けたい気分。
そういえば竜神峡のほうもご無沙汰ではないか。こちらは奥久慈トレーニングの初期にはずいぶんとお世話になったが、アプローチ/帰宅のドライブが若干地味なので敬遠しがちだったのだ。もっともこの地味さにも独特のよさがある。田舎を走るという気分にどっぷりつかりたいのであれば、観光地の要素が(若干)高い袋田を擁する118号よりも、竜神峡側のほうがいいのだ。
紅葉狩りを楽しむにはまだ半月から3週間ほど早い。ここのメインはイロハモミジだし、それを楽しませてくれるのは11月下旬から12月の頭にかけて。だけれども、体慣らしなら、林道を亀が淵まで往復して帰ってくるだけならばもはや登山ではないし、少し登山要素を入れることにして明やままで言ってくれば軽いハイキングになる。
朝、まだ薄暗いうちに竜神ダムに到着した。そろそろクリスマスの気配が近づいてきたというわけで、CDはヘンデルの「メサイヤ」を大音響でかけていた。おりしもクライマックスのハレルヤコーラスのトラックが流れていた。だれもいないからいいやってことで、CDを流したまま車のドアを開けて足ごしらえした。峡谷に響くハレルヤコーラスはいささか騒音公害なのだが、自分にとってはご機嫌なアウトドアクラシックだった。この高揚感、何年か前の残雪期に那須岳駐車場でかけたチャイコフスキーの弦楽セレナーデ以来だな。
CDを止めて、紫に染まる夜明け(パープルタウンならぬパープルキャニオン)を楽しみながら林道を歩きだした。紅葉というよりもモルゲンを楽しむ時間帯だった。竜神峡Hピーク(筆者勝手に命名、地形図上でHの格好をしているからそう呼んでいるが、H字の山容などそこらじゅうにあるのだが、、。ここの岩壁を見ているとどきどきするのでわざわざ名前をつけてみた)。右岸はマイ竜神槍(これも筆者勝手に命名)以来まるでやっていない。人気のちょっとレベルの高いおかめ山なんかもやっていない。などと思っているうちに亀が淵に到着。竜神川は土砂崩れの対策か、逆に土砂で埋もれてきた竜神川の掘削のためか、パワーショベルが亀が淵の少し下流に入っていた。
その亀が淵、通常ならば足を濡らすか濡らさないかの渡渉があるのだが、今回は川水が完全に砂利の中にもぐりこんでしまっていて、渡渉が無かった。今年は秋雨が少なかったような気がするが、その例峡が出ているのだろうか、それとも川砂利の堆積の影響だろうか。
亀が淵から一挙に高度を稼いでいく。右側は竜神峡の絶壁で、対岸には亀が淵山の南稜の壁が立っている。潅木のせいで恐怖感が低いのだがここはちょっとよろければ簡単に死亡事故につながりそうな場所だ。
そして木の根が作った天然のガーデンゲートをくぐってさらに進んだ。暫くがけっぷちを歩いたあとは、枯れた沢を遡行していく。ロックガーデンの中を軽く遊ばせてもらって気持ちがいい。湿っているからいろいろなキノコやシダ類、草本の類を見る。登山道に入ってからすぐに気がついたが、もう冬の便りという季節であるにも課かわず、ヨメナの類や黄色い草花が控えめに咲いていた。その様子は、うらぶれたようでもあり、落葉した山の中でそこだけちょっとぽかぽかしているような、不思議な気分にさせられて、なかなか楽しい。
三葉峠からひと歩きで明山ピークへの取り付きだが、その途中には憧れの岩稜北東尾根の横顔を眺望できる箇所がある。最近崩落のせいで難度が上がり、一方自分のほうは以前より臆病になっているから、果たして再訪できるかはわからない。あんな切り立った稜線を通過するなど信じられないという気持ちになりながら気分を高揚させる。そして明山へは直登コースを一息に這い上がって山頂にたどり着いた。
男体山方面を見るとすばらしい雲海。土曜日は男体山へ言って雲海を鑑賞してこようという気分になった。
一方明山周辺は朝日を浴びてまずまずの紅葉を楽しむことが出来た。亀が淵山から中武生山、そして篭岩山方面の竜神川源流地の紅葉の奥行きがたまらない。
■下山で不覚を取る
しばし竜神川源流の紅葉を堪能してから、下山はたまには巻き道を使ってみようと、急斜面のほうには行かず、大岩をまくようにして尾根筋に出た。朝日を浴びて明るい尾根が延びている。
でも巻き道なのだから、尾根を直進するはずはない。どこかで曲がっていくのか。それとも知らないうちにこの尾根が巻いているのか。テープマークはある。多少悪いことは前から知っていた。「巻くくらいなら直登するほうが難度の面からも良いのでは」と思ったこともある。だから多少の急斜面はありだろうと進んでいく。しかし斜度が上がる割には尾根筋ね合流するような踏み跡が現れず、これは間違えだろうということで斜面をトラバース。確かに薄い海跡のようなものがある。うん、こちらにもテープはある。しかし、あっという間に合流できるはずなのに、未だ三葉峠へ続く尾根筋は気配すら感じられない。
依然かすかなふみ跡は見て取れるし、巻き道も踏み跡が薄かったことを記憶している。だがこんなに延々と歩かされるわけはない。降参してGPSで地図上の現在位置を確認して驚いた。明るい尾根は本来目指すべき尾根とはほとんど正反対の方角に進んでいるではないか。
すみません。私が悪うございました。今見上げている稜線は自分が下ってきた尾根に違いないから、今まで歩いてきた道をそのまま戻るのではなくて、まず尾根まで上がってしまおう。来た道を戻らないこの行動も道迷いパターンだが、一応GPSで現在位置と今日のトレースとを確認したから大丈夫。
さて、この尾根のどこかに正解のまき道につながる降り口があるはずだ。左側の斜面を探すものの、それらしきものは見当たらないまま山頂まで戻ってきてしまった。とりあえず直登ルートは明快だから、そちらから降りて、登り口から巻き道を探してみることにしよう。
直登ルートをクライムダウンすると、当然のことながら向かって右側に陰気な谷を横切るようにして明瞭な巻き道が伸びているが、やがて踏み跡は薄くなり、奥久慈特有の礫岩質の岩場っぽくなる。うんうん、巻き道も結構面倒くさくて直登ルートの登下降のほうが安定している面もあるな、と思いつつ高度を稼いでいくと、いつの間にか、先ほど使った明るい尾根筋に飛び出した。正解は、その尾根筋をほとんどくだらないうちに巻くことだった。
しかし、今は下から登ってきたからここが降り口だということがすぐにわかるけれども、知らなければここから降りるのだということにはなかなか気づけない。尾根からは踏み跡の気配は感じられる。がれた岩場の急斜面はむしろ危険な匂いさえ刷るではないか。
かろうじて目印になるとすれば、尾根筋にちょうど桜か何かの立ち木が2本、少し通せんぼするかのように立っていることだろう。筆者はその通せんぼうの間をすり抜けて迷い込んだのだった。通せんぼうの木の間に長めの落ち枝を2本×印のように置いてきた。
答合わせをしてから、やれやれ一安心ということで亀ヶ淵を目指した。再度北東尾根の格好いい横顔を眼に焼きつけ、枯れ沢をちょっとした冒険気分で下り、竜神川源流の崖を左に見つつ、時折足もとに咲く晩秋のヨメナ、コウヤボウキが目に飛び込んで、うらぶれたような、ぽっと暖かい気分になる不思議な気分を味わっているうちに、亀ヶ淵へ下る湿って滑りやすい岩場に到着し、慎重に足を置きながら最後の危険箇所を通過し、亀ヶ淵の安全地帯まで降りてきた。木立を潜り抜けてやってきた朝日の光線が何本も林道に差し込んできている様を見るのは格好良かった。
竜神峡にも朝日が当たるようになってきた。右岸の山々の紅葉を楽しみながらダムを目指した。紅葉を楽しむには色づきの季節と同時に、山肌に差し込む光線の色と角度を考えて時刻を考えることも大切だということを思い出した。赤い効用を楽しむのであれば、できれば午後の光を使いたいが、午後に日陰になる斜面ではそれを望むこともできない。快晴の朝の光は竜神峡の紅葉をキラキラさせていた。
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