十和田湖から南八甲田北進縦走・櫛ヶ峯まで
- GPS
- 08:47
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 798m
- 下り
- 880m
コースタイム
天候 | 晴れのち高曇り 視界は常に無限大 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年04月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
御鼻部山への自動車道は先週開通。 猿倉温泉の除雪も先週完了、営業は4月25日からとのこと 今年は春の低温で最終的な残雪が多い。 |
写真
感想
今週はずっと低温、昨夜は山に雪さえ降った。
猿倉温泉に車を置き、oosawaさんの送りで十和田湖湖畔最高点の御鼻部山へ。絶壁の下に十和田湖。気持は北を向いているのであまり湖は見なかった。標高1000mがスタート。延々20キロを北上して櫛ヶ峰まで。櫛ヶ峰はまだ未踏。僕にとっては最も敬意ある計画に思える。岩木川と奥入瀬川の分水嶺を延々行くこのルートは、戦前、公共事業で県道工事が行われ、その石溝跡などが残っているとのこと。ヤブヤブ縦走のハードコースとして敢行する記録も時折見る。
この季節は全部雪の上。さしたる難所もなく、十和田から八甲田という山域を連続して味わう良いルート。点在する湿原群、樹林帯も美しい。
はじめはゆるい下り。昨夜の雪で一面のブナ林は白い霧氷に覆われている。青空、日差しに映えて美しい。視界の果てまで白い枝のブナ林が続いている。地形が読みにくく少々不安になるがこんなところは大胆に磁石を切ってすいすい進むのがよい。樹間右手に大幌内牧場が見え、ときおり見える乗鞍岳南面の白い山肌が目印になる。ばらりばらりブナから落ちる白い氷の雨が風流。
1時間ほどで△954の「ヂネカ森」。この上からようやく行く手の遠景が望まれる。遠い。しかし広い樹林帯の海の上に南八甲田の山を南から眺めるという最高の展望台。ここからしばらくの低地帯は稜線の地形も明瞭ではない湿地帯。磁石を頼りに樹林内をずんずん進む。シールを張ったスキーでも快適に前進する。遠く樹林の上に時折見える駒ヶ峯の方向を印に目指す。このあたりの湿地は「ソデカ萢」、「前谷地」といった名前が成田さんのまとめた「南八甲田縦走路」という資料にあった。地図上の県道マークではなく、・933の太い南尾根を目指して直進する。この尾根が唯一顕著なランドマークだ。この尾根で初めての急登50mほどがあり、右側に見える深い沢型の脇を行くと、広い湿原「大谷地」に出る。横断するのに1.5キロほど。アオモリトドマツの小さいのが生え、黄瀬萢と同規模の湿原だ。
大谷地のはずれから急な尾根に取りつき200mほど上がると、黄瀬川源流の深い谷をはさんで黄瀬沼のくぼ地が見え、いよいよ奥の院の黄瀬萢湿原がトドマツ林の向こうにどどーんと見えてきた。櫛ヶ峰は東面の傾斜が実際以上に急に見える。登りやすそうな南東尾根に下のほうで取りつきたいので、早く対岸に渡りたいのだが、田堰沢源流のこの谷が結構深い。まあまあ浅くなり、壁も登れそうに緩くなったあたりで対岸にわたって登り返す。
最後に真っ白な櫛ヶ峰の壁の上の南東尾根をひたひた登って山頂。笠松峠方面からの山スキーヤー2名あり。
遠い十和田湖からの道程がすべて見える。遠く見えるが、スキーを履けばわずか6時間で人はこんなに進むのだ。やっぱり雪山はスキーに限るよ。
山頂からの滑降。文句なしの春スキー斜面で標高差200mを堪能。マルさんはスキー久し振りのため大事をとって脱いで下る。コルでチキンラーメン小パックなど食べたあと猿倉温泉へ向かう。駒ヶ峰とニセ駒を北側からまいて、僕はシールを付けずに標高1300ラインをトラバースする。駒ヶ峯北の大湿原も素晴らしい場所だ。八甲田の魅力の一つはこの数えきれない湿原の多さだろうな。これがあるから遠景の丸い山も映える。笠松峠に下るいくつかのトレースを横切り、猿倉岳北東尾根を目指すが、この下りの地形がいま一つ読みにくい。頻繁に地図を見て時間をかけ温泉に当てる。スキーは、棒立ち、居眠りでも楽しめる文句なしの春雪。
猿倉温泉は明日から営業だそうな。残念。でも、八甲田には温泉がわんさかある。おとなりの谷地温泉でぬる湯、あつ湯につかり、脱力。天気もよくて良い仲間も来てくれて幸せな一日だったなあ。
山頂から見た櫛ヶ峰の南東尾根(田堰沢右岸尾根)、末端の大谷地まで、邪魔者無しの真白いスロープが伸びていた。あれを滑り降りて御鼻部山まで帰るという逆コースも楽しそうだ。
御鼻部山は木々の枝に霧氷がまとい、春の風景と思えないほど綺麗でした。
風もなく真っ青な空に霧氷の白い枝がよく栄えていたと思います。
シチュエーションはバッチリ。
しかしスキーに慣れていない私は、靴ずれが痛く2度も足止めをさせてしまいました。でもその都度米山さんが待っていてくれたのでとてもありがたいと思っています。
おかげで、櫛ヶ峯の長い斜面もなんのその。今回のメインイベント櫛ヶ峯登頂を達成できて良かったと思います。
私、櫛ヶ峯の素晴らしい斜面をスキーで滑走出来きず歩いて降りてきのは残念でしたが・・・。私はスキーが大の苦手。上手く滑れないのです。
得したこともありました。南八甲田の限りない展望をゆっくり眺められ、とてもいい気分でした。
米山さんは上機嫌です。いい斜面で雪の状態もいいとあれば・・・。上手く滑れる人が羨ましい〜。
猿倉への下りもコンパスをほとんど合わす事がなく、読図だけで山を歩く米山スタイルはともかく凄いです。ピンポイントで猿倉に着きました。
まあー今回は米山さんと一緒なので、私は出発の時から、「遭難」する気はありませんでしたけれど。
下山後谷地温泉で、ゆっくり温まったので筋肉痛もすっかり治りました。
広大な南八甲田をスキーで縦走。お腹も心も満腹の楽しい一日でした。
コメント
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citrusさん、はじめまして。yoneyamaさん、山行記録でははじめまして。
山を知り尽くした二人の、本物の山歩きですね。楽しさと本気と伝わってきます、いつもだけど。
早池峰でお会いするのが楽しみです。
kiyoshiさん、コメントありがとうございます。
長い距離を歩くには、やはりスキーが早いという実感でした。米山さんがいつもスキーを勧める訳が分かりました。私はモドキですが、米山さんは本物です。
では、早池峰でお会いしましょう。
kiyoshiさん、citrusさんこんにちは
きょうはよく晴れ、駒込川にかかる甲田橋の上から白い八甲田が見えました。櫛ヶ峯の白い山頂が青森からも見えるのはとても久しぶりです。登って楽しみ、見てまた楽しむ。山のある町はいいですね。そういえば櫛ヶ峰の上から甲田橋が見えたなあ。
yoneyamaさんの視力はマサイ族以上なんですね
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