黒斑山
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- GPS
- --:--
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 878m
- 下り
- 878m
天候 | 晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2006年05月の天気図 |
アクセス |
感想
高峰高原ホテルのある車坂峠に着いたのはまだ薄暗い4:30頃。
車のドアを開けると冷たい空気が一気に流れ込んでくる。
車の中で、支度を整え、出発。
まだまだ雪はある!アイゼンも忘れずにザックへ。
土は霜がサクサク音を立てるほど。
霜をつぶしながら歩く。
小石も霜で持ち上がっている。
木陰や大きな岩陰には雪が氷に変身している。
昼間はもう暖かいから溶けてしまうが、夜、氷点下になるこのあたりではそれが再度氷となり固まっているのだ。
少し行くと、斜度のある下り。
アイスバーン状態。
ここで、適当な岩を見つけ、早速軽アイゼン装着。
道は下って、すぐに急登になる。
アイゼンが氷をとらえるのを確認して、ゆっくり登る。
背の低いハイ松を縫うように登る。
頑丈な作りの避難小屋や大きなドラム缶を横倒しにしたような避難小屋を過ぎる。
浅間山が噴火したら、火山岩を避けるためにあるのかなぁ。
疲れたと思った頃、目の前が突如開けて、雄大な浅間山が構えているのが見えた。
いい天気だぁ。すごくキレイ。
子供の頃、親父と登った浅間山。
あの時は、反対側の峰の茶屋から登ったから、こちら側から見るのは初めて。
暫く見とれた。
すぐ左手にはトーミの頭がある。
一度少しだけ下り、トーミの頭に登る。
相変わらず、浅間山がすぐそこに見える。
トーミの頭で一服した後、黒斑山に向かってすぐに浅間山方面へ下る、切り立つような道がある。そこを慎重に下りる。
さいしょは、ジグザグと下って行くが、何せ道幅は30cm位。
高所恐怖症のおいらにはツライ・・・
やがて、雪が深く残る地点まで来ると、トレースは下方に向かって一直線に下っている。
これなら転んでも大したことはあるまいと、須走りを下りる気持ちで、一気に駆け下りる。・・・3回は転がった・・・
振り返ると、トーミの頭はそり立つように見え、浅間山の山頂は見えない。
頭しか見えないクマザサを越え、樹林帯へ。
しっかりしたトレース発見。ここから前掛け山へ向かう人たちが残してくれたものらしい。
トレースの沿って北へ、北へ。
途中、木が無く開けている場所で、トレースを見失う。
一つだけあったトレースを辿っていく。
ところが、徐々に雪が深くなる。くるぶし、膝、腿、とうとう腰まで!
しかも、トレースは木々の間で迷走している・・・
いったん足を止めて、地図とコンパスで方向確認。
トレースを無視し、新雪をラッセルしながら我が思いままの方向へ。
やがて、樹林帯を抜け、広々とした雪の浅い場所に出た。
再度、方向を確認。
顔を上げると・・・空は、真っ青。いい天気だ。
目の前には、左から黒斑山から右の蛇骨岳の尾根がそびえ、連なっている。
後ろには、浅間山の雄大な裾野。
全く音がしない。車の音も、人の声も、鳥の鳴き声すらも聞こえない。
耳を澄ますと、「きーん」と無音
凄く嬉しかった。何の音もしないのに、最高の天気。
あぁ、来てよかった。
濡れたジーンズから、陽があたって湯気が上がっている。
蛇骨岳と浅間山のコルへ向け、北東に歩を進める。
道がない。地図を見ると、おいらよりずっと浅間寄りに道があるようだけど、そこに出るにはまた雪深い樹林帯を抜けなければならない。
このまま真っ直ぐ進めば、コースと自然にぶつかる。
左上の尾根を見上げると、時々歩いている人影が見える。
樹林帯から来るコースが見えた。
コースに戻り、蛇骨岳への急登を登る。
登りの最後は鬼押し出しに転がっているような岩が崩れ砂になっていて、どこがコースか分らない。
攀じ登るように上へ向かう。
尾根に出た。
尾根の向こう側はまた絶景!
田代湖、四阿山、草津白根までがすぐそこに見える。
ゆるやかになった尾根を南西方向に登る。
蛇骨岳山頂。
携帯の電源を入れると、つながった。
実家に電話。親父が出た。
「今、浅間山の目の前。蛇骨岳山頂だよ。すごくいい天気」
実況中継をして電話を切る。
また残雪をトレースを頼りに歩く。
左は、断崖絶壁。右は残雪が深い。
トレースは雪を行く。
シラビソの林をくぐり抜けるように歩く。
人の声がにぎやかに聞こえてきた。
シラビソ林を抜けると、黒斑山山頂だ。
日当たりのいい場所に座り、浅間山を目の前に定番の冷凍ちゃんぽんで昼食。
浅間山に見とれ、コーヒーもゆっくり一杯淹れた。
黒斑山からトーミの頭に少し向かった所で、車山方面に下る道を行く。
雪は残っているが、随分と踏み固められている。
スゴク楽しい山行だった。
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