ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 6541765
全員に公開
アルパインクライミング
八ヶ岳・蓼科

【バリエーション】旭岳東稜 [滑落事故発生]

2024年03月09日(土) ~ 2024年03月10日(日)
情報量の目安: B
都道府県 山梨県 長野県
 - 拍手
TAKA10project その他1人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
17:12
距離
14.8km
登り
1,083m
下り
1,124m
歩くペース
ゆっくり
1.51.6
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
6:59
休憩
0:03
合計
7:02
距離 6.6km 登り 647m 下り 15m
13:25
13:28
4
16:02
宿泊地
2日目
山行
10:02
休憩
0:04
合計
10:06
距離 8.2km 登り 436m 下り 1,109m
7:26
461
宿泊地
15:25
15:27
91
17:30
17:32
0
17:32
ゴール地点
初日
兵庫から美しの森Pまで約6〜7時間掛かる事もあり、安定の寝坊(笑)
先週の教訓を活かし、全装でも稜線で寝た方がいい考え予定を変更せずにスタートしたけど、やはりペースが上がらず、、、。
更に、今季最後かもしれない降雪の影響で先週のトレースは消えておりラッセル、、、。
結局、予定していた泊地よりもかなり手前で時間切れとなった。
この日は予報通りの極低気温でテントの中で調理したらあっという間にテント内壁に着いた結露が凍り付いた。

二日目
予定では3時起き4時スタートとしたものの、予報通りの強風で出発を遅らせた。
俺たちだけと思っていたけど、2人組、3人組と泊地前を通過していった。
おかげでトレースがしっかりと出来たのでとてもありがたかった。

登り始めるも全装は疲れる。
まぁのんびり行こうと決めて昼頃このルート最大のクライマックスである”五段の宮”に到着した。
2人組は五段の宮の1〜2段目を登攀し、3人組は五段の宮左手の草付き側を登攀していた。
2人組が3段目の登攀準を始めて間もなく『うゎっ!』と叫んだ。
登攀準備を始めていた我々が声に振り向くと、2人組が滑落してきた。リードとフォローがロープに繋がったまま回転しながら落ちてきた。
1段目にぶつかって止まるかと思ったがその勢いのままさらに下に吹っ飛んでいった。
その先には3人組のフォローが居たが間一髪当たらなかった。あと、2〜30cmずれていたら間違いなく激突していた。

吹っ飛んでいった2人組は、たった一本あったダケカンバの巨木に激突したものの、その木にロープが絡まり滑落が止まった。

登攀準備をしていた我々はそのまま2人組の停止地点までロープを延ばし、絡まっている木でFX固定し、彼らのセルフを取って確保した。

絡まったロープとアックスをほどき回収することができた。

登攀の順番、3人組のフォローに激突しなかったこと、ダケカンバにぶつかったこと等々いろんなタイミングの重なりで大事に至らなかったことは不幸中の幸いと考え、この日は全員(2+3+2人=計7人)下山することとした。

「ハーケンが2枚抜けた、、、」と言っていた。恐ろしい、、、。
天候 1日目小雪極寒
2日目快晴
過去天気図(気象庁) 2024年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
美しの森駐車場、我々は深夜2:30に到着したのでそのまま駐車。

しかし、この日は除雪で駐車禁止停められなかったらしい。

因みに我々は除雪が始まっても出て行けと言われず停めさせてくれました。
ありがとうございました。
コース状況/
危険箇所等
ラッセル…辛かった…
雪が緩くて渡渉が怖い
2024年03月09日 13:34撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/9 13:34
雪が緩くて渡渉が怖い
五段の宮がまだ遠い
2024年03月10日 07:33撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 7:33
五段の宮がまだ遠い
プチ岩稜など楽しい
2024年03月10日 07:41撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 7:41
プチ岩稜など楽しい
お隣の天狗尾根。大天狗とか小天狗とか。
2024年03月10日 08:44撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 8:44
お隣の天狗尾根。大天狗とか小天狗とか。
ここが地味に急登。
2024年03月10日 08:52撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 8:52
ここが地味に急登。
見た目じゃわからんな。。。
2024年03月10日 09:00撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 9:00
見た目じゃわからんな。。。
2024年03月10日 09:08撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 9:08
権現東稜
2024年03月10日 09:25撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 9:25
権現東稜
富士山
2024年03月10日 09:25撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 9:25
富士山
ここは右からも巻けるけど直登が面白い。トレースをご参考に。
2024年03月10日 09:52撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 9:52
ここは右からも巻けるけど直登が面白い。トレースをご参考に。
このルートに来る人ならどうってことないはず。
2024年03月10日 10:07撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 10:07
このルートに来る人ならどうってことないはず。
2024年03月10日 10:07撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 10:07
最後の急登。
2024年03月10日 10:51撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 10:51
最後の急登。
赤岳と阿弥陀
2024年03月10日 11:12撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 11:12
赤岳と阿弥陀
2024年03月10日 11:12撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 11:12
2024年03月10日 11:12撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 11:12
五段の宮
2024年03月10日 12:20撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 12:20
五段の宮
ここから落ちてきた。
2024年03月10日 12:20撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 12:20
ここから落ちてきた。
この木がフォローのビレイに向いているらしい
2024年03月10日 12:20撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3/10 12:20
この木がフォローのビレイに向いているらしい
皆で下山です。無事で何より。
2024年03月10日 12:45撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
1
3/10 12:45
皆で下山です。無事で何より。
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル タイツ ズボン グローブ アウター手袋 予備手袋 防寒着 ゲイター ネックウォーマー バラクラバ 着替え ザック サブザック アイゼン ピッケル ビーコン スコップ ゾンデ 昼ご飯 行動食 飲料 水筒(保温性) コンロ コッヘル 食器 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 携帯 時計 サングラス ナイフ カメラ シェラフ ヘルメット
共同装備
ガスカートリッジ 調理器具 ポール テント テントマット

感想

初日
兵庫から美しの森Pまで約6〜7時間掛かる事もあり、安定の寝坊(笑)
先週の教訓を活かし、全装でも稜線で寝た方がいい考え予定を変更せずにスタートしたけど、やはりペースが上がらず、、、。
更に、今季最後かもしれない降雪の影響で先週のトレースは消えておりラッセル、、、。
結局、予定していた泊地よりもかなり手前で時間切れとなった。
この日は予報通りの極低気温でテントの中で調理したらあっという間にテント内壁に着いた結露が凍り付いた。

二日目
予定では3時起き4時スタートとしたものの予報通りのやや強風で出発を遅らせた。
俺たちだけと思っていたけど、2人組、3人組が泊地前を通過していった。
おかげでトレースがしっかりと出來たのでとてもありがたかった。

登り始めるも全裝は疲れる。
まぁのんびり行こうと決めて晝頃このルート最大のクライマックスである”五段の宮”に到著した。
2人組は五段の宮の1〜2段目を登攀中で、3人組は五段の宮左手の草付き側1P目を登攀していた。
2人組が3段目の登攀準を始めて間もなく『うゎっ!』と叫んだ。
登攀準備を始めていた我々が聲に振り向くと、2人組が滑落してきた。リードが滑落し、リードに引っ張られたフォローと共にロープに繋がったまま回転しながら落ちてきた。
1段目にぶつかって止まるかと思ったがその勢いのままさらに下に吹っ飛んでいった。

その先には3人組のフォローが居たが間一髪當たらなかった。あと、2〜30cmずれていたら間違いなく激突していた。

吹っ飛んでいった2人組は、たった一本あったダケカンバの巨木に激突したものの、その木にロープが絡まり滑落が止まった。

登攀準備をしていた我々はそのまま2人組の停止地點までロープを延ばし、絡まっている木でFXを張り、彼らのセルフを取って確保した。

絡まったロープとアックスをほどき回収することができた。

登攀の順番、3人組のフォローに激突しなかったこと、ダケカンバにぶつかったこと等々いろんなタイミングの重なりで大事に至らなかったことは不幸中の幸いと考え、この日は全員(2+3+2人=計7人)下山することとした。







「ハーケンが2枚抜けた、、、」と言っていた。恐ろしい、、、。

2人組の滑落はハーケンが2枚抜けたことが原因らしい。

自分たちで打ったのか、先人の残置ハーケンなのかまでは聞いていないが、どちらにしても良く確認することだけでなく、残置ハーケン信用しないこと、バックアップを取ること、大前提として落ちないこと等、今後の教訓となった。

https://taka10pj.com/blog-entry-240309/
お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:368人

コメント

TAKA10project さん

旭岳東稜で滑落したパーティのCL久保田です。

事故の際には絡んだロープの処理や取り付きに戻るための確保、痛み止めも頂き、
さらに下山にも付き添っていただき、大変ありがとうございました。

また、私達の事故対応のために計画を中断させてしまい大変申し訳ありませんでした。

事故の詳細は記録や動画に上げようと思いますが、色々と助けていただいたおかげで、
二人とも怪我の状態は大事には至らず骨や靭帯等には問題はありませんでした。

映像データについてもありがとうございます。別途ご連絡させていただきます。

コメント欄でのご連絡となり失礼いたしますが、心より感謝申し上げます。
2024/3/13 13:10
wetcradleさん

もしかしたら私たちの登攀中に事故が発生したかもしれませんのでお互い様のおかげ様です。
ケガも軽度のようで安心しました。

https://taka10pj.com/contact/

からメアドなどご連絡いただければ、ギガファイル便で生データを送りますねgood
2024/3/13 14:39
いいねいいね
1
いつもYouTube見させてもらってます
そこから今回ヤマレコにきました
TAKA10さんの事故後の行動が素早さに驚きました
よく見てるYouTubeではユーモアたっぷりな人だなぁと思っていましたがこれからは見方を変えようと思います
これからも頑張って下さい
2024/3/28 23:20
びわこのぽんたさん

ありがとうございます。
けどYouTubeで演じているわけでもないので見方変えなくてもいいです(笑)
2024/3/29 5:45
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら