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Yamareco

記録ID: 6629048
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜

栂海新道(北又小屋→朝日岳→親不知)

2022年09月29日(木) ~ 2022年10月01日(土)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
32.5km
登り
2,939m
下り
3,629m

コースタイム

1日目
山行
4:35
休憩
0:00
合計
4:35
6:10
185
9:15
90
10:45
2日目
山行
9:04
休憩
0:11
合計
9:15
5:00
55
5:55
6:00
24
6:24
20
6:44
42
7:26
82
8:48
64
9:52
66
10:58
8
11:06
68
12:14
12:20
16
12:36
32
13:08
67
3日目
山行
4:15
休憩
0:00
合計
4:15
5:50
100
7:30
40
8:10
55
9:05
50
天候 3日間とも晴れ
過去天気図(気象庁) 2022年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車
 親不知観光ホテル前の登山者駐車場に車を停め、予約した黒東タクシーで北又小屋へ。タクシー代は1万3千円也。
 3年前(悪天候で敗退)は糸魚川駅前に駐車し、バスで蓮華温泉に移動して入山しました。しかし、朝日小屋への到着が15時を過ぎて小屋主のS女史の機嫌が悪かったので、今回は(タクシー代が痛いですが)北又小屋から入山することにしました。蓮華温泉に駐車すれば15時より前に朝日小屋に到着できますが、これだと下山後の車の回収のためにもう1日必要になるんですよね(車2台体制で行ける場合は別ですが。もっといい方法がないものか・・・)。
 北又小屋へは徒歩以外ではタクシーでしかアプローチできません。自分は前日夕方にヤマテンの最新の天気予報を確認してから黒東タクシーを予約しました。直前に早朝出発の予約をしたにも関わらず、快く引き受けていただけました。運転手もフレンドリーな方で、気持ちよく入山できました。
コース状況/
危険箇所等
 崖地等の危険個所はありません。
 ただ、白鳥小屋から親不知海岸までの間では、大きな糞を3か所で確認し、途中で獣臭を感じたり、重量感のある動物が去っていく足音が聞こえました。姿は見ていませんが、熊の可能性があったと思われます。
その他周辺情報 水場は朝日小屋と黄連の水場を利用。それ以外は確認していませんが、すれ違った方によると、北俣の水場とシキ割の水場は出ていたようです。
親不知観光ホテル前からタクシーで北又小屋へ。3年前の敗退時に泣く泣く下山した因縁の地です。小屋内に登山届の箱があります。
小屋前に工事業者の方がいて、登山口の場所を聞かれました。朝日小屋のトイレ改修を請け負った業者の方で、この日は朝日小屋まで現場の下見に行くのだとか。こうした方々のおかげで快適な登山ができるんですね。
親不知観光ホテル前からタクシーで北又小屋へ。3年前の敗退時に泣く泣く下山した因縁の地です。小屋内に登山届の箱があります。
小屋前に工事業者の方がいて、登山口の場所を聞かれました。朝日小屋のトイレ改修を請け負った業者の方で、この日は朝日小屋まで現場の下見に行くのだとか。こうした方々のおかげで快適な登山ができるんですね。
6時10分にスタート。小屋の裏手にある吊橋を渡り、イブリ尾根の登山道に入ります。
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6時10分にスタート。小屋の裏手にある吊橋を渡り、イブリ尾根の登山道に入ります。
イブリ尾根の途中で北又小屋を見下ろします。朝日小屋までのコースタイムは6時間40分。コースタイムどおり進んでも到着が13時前になるので、意識してゆっくりと登っていきます。
イブリ尾根の途中で北又小屋を見下ろします。朝日小屋までのコースタイムは6時間40分。コースタイムどおり進んでも到着が13時前になるので、意識してゆっくりと登っていきます。
イブリ山まではこんな感じの登山道が続きます。
イブリ山まではこんな感じの登山道が続きます。
途中で日本海が見えました。
途中で日本海が見えました。
9時15分にイブリ山に到着。一気に視界が開け、朝日岳が登場。
9時15分にイブリ山に到着。一気に視界が開け、朝日岳が登場。
イブリ山からさらに標高を上げると、草紅葉が美しい。このあたりで後方からものすごい勢いで駆け上がってくる青年がおり、あっという間に追い抜かれました。
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イブリ山からさらに標高を上げると、草紅葉が美しい。このあたりで後方からものすごい勢いで駆け上がってくる青年がおり、あっという間に追い抜かれました。
10時45分に朝日小屋に到着。相当ゆっくり登ったはずなのに、早く着きすぎました。朝日小屋のS女史に怒られたくない一心でスタートを早くしすぎたなぁ。まあ、その甲斐あって、受付時のS女史の機嫌はすこぶる良かったですが。
10時45分に朝日小屋に到着。相当ゆっくり登ったはずなのに、早く着きすぎました。朝日小屋のS女史に怒られたくない一心でスタートを早くしすぎたなぁ。まあ、その甲斐あって、受付時のS女史の機嫌はすこぶる良かったですが。
テントを張って、読書をしたりブラブラしたり。朝日小屋は白馬岳の絶好の展望地ですな。登山口にいた工事業者の方も無事に小屋に到着していました。
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テントを張って、読書をしたりブラブラしたり。朝日小屋は白馬岳の絶好の展望地ですな。登山口にいた工事業者の方も無事に小屋に到着していました。
陽が暮れます。明日の長い行程に備え、早めにシュラフに潜ります。
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陽が暮れます。明日の長い行程に備え、早めにシュラフに潜ります。
2日目。この日はコースタイムで13時間ほど先の白鳥小屋まで。行程が長いので、まだ薄暗い5時に朝日小屋を出発。少し進んだところで朝日小屋を振り返ります。
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2日目。この日はコースタイムで13時間ほど先の白鳥小屋まで。行程が長いので、まだ薄暗い5時に朝日小屋を出発。少し進んだところで朝日小屋を振り返ります。
5時55分に朝日岳に到着。3年前は雨でしたが、この日は快晴!
高妻山の上から御来光。その左には火打&妙高。
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5時55分に朝日岳に到着。3年前は雨でしたが、この日は快晴!
高妻山の上から御来光。その左には火打&妙高。
剱と立山も見えます。
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剱と立山も見えます。
これから進む栂海新道方面が朝日を浴びて真っ赤に燃えています。こんな稜線を歩くことができるとは幸せです。
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これから進む栂海新道方面が朝日を浴びて真っ赤に燃えています。こんな稜線を歩くことができるとは幸せです。
吹上のコルを通過。いよいよ栂海新道に入ります。
吹上のコルを通過。いよいよ栂海新道に入ります。
照葉の池と白馬岳。このあたりは天国のようです。
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照葉の池と白馬岳。このあたりは天国のようです。
黒岩平。まだまだ天国が続きます。山と高原地図にも現地看板にも幕営禁止と明記されていますが、確かにここでテントを張ったら最高だろうな。
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黒岩平。まだまだ天国が続きます。山と高原地図にも現地看板にも幕営禁止と明記されていますが、確かにここでテントを張ったら最高だろうな。
8時48分に黒岩山に到着。このあたりで栂海新道を登ってきた70歳前後と思われる男性とすれ違います。この後、下りにも関わらずヒーヒー言うことになる自分にとっては、70歳でこの道を登ってくるのは驚異的です。この方にこの先の水場の情報をいただき、安心して先に進みます。
8時48分に黒岩山に到着。このあたりで栂海新道を登ってきた70歳前後と思われる男性とすれ違います。この後、下りにも関わらずヒーヒー言うことになる自分にとっては、70歳でこの道を登ってくるのは驚異的です。この方にこの先の水場の情報をいただき、安心して先に進みます。
黒岩山山頂から犬ヶ岳を眺めます。右のピークの右側に栂海山荘の屋根が見えますね。
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黒岩山山頂から犬ヶ岳を眺めます。右のピークの右側に栂海山荘の屋根が見えますね。
1時間ほど歩いて、さわがに山に到着。
1時間ほど歩いて、さわがに山に到着。
この先は結構アップダウンがあります。
この先は結構アップダウンがあります。
10時58分に犬ヶ岳に到着。
10時58分に犬ヶ岳に到着。
山頂直下に栂海新道を拓いた小野氏の記念碑。
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山頂直下に栂海新道を拓いた小野氏の記念碑。
11時5分に栂海山荘に到着。まだ時間も早く、体力的にも問題ないので、ひとつ先の白鳥小屋を目指します。
11時5分に栂海山荘に到着。まだ時間も早く、体力的にも問題ないので、ひとつ先の白鳥小屋を目指します。
一番奥の山が白鳥山。ここの山頂に目指す白鳥小屋があるのですが、メチャクチャ遠くない?
一番奥の山が白鳥山。ここの山頂に目指す白鳥小屋があるのですが、メチャクチャ遠くない?
ここから先はアップダウンも多くなり、しかも親不知海岸までほぼ展望のない樹林帯歩きになります。体力と精神力が試されます。
ここから先はアップダウンも多くなり、しかも親不知海岸までほぼ展望のない樹林帯歩きになります。体力と精神力が試されます。
黄連の水場で水を補給。白鳥小屋の水場の情報が得られなかったので、明日の分も調達しました。
黄連の水場で水を補給。白鳥小屋の水場の情報が得られなかったので、明日の分も調達しました。
下駒ヶ岳への急登を登ります。このあたりで完全にスタミナ切れ。一歩一歩が重くなります。
下駒ヶ岳への急登を登ります。このあたりで完全にスタミナ切れ。一歩一歩が重くなります。
最後はフラフラになりながら、14時15分に白鳥小屋に到着。この日の後半から胃が食べ物を受け付けなくなっており、夕食は暖かいスープのみ。なお、この日は自分以外に小屋泊者も幕営者もありませんでした。
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最後はフラフラになりながら、14時15分に白鳥小屋に到着。この日の後半から胃が食べ物を受け付けなくなっており、夕食は暖かいスープのみ。なお、この日は自分以外に小屋泊者も幕営者もありませんでした。
3日目。5時50分に出発。朝起きてすぐに軽い嘔吐感に襲われますが、前日からほとんど何も食べられていないので、胃液しか出てきません。胃が何も受け付けないので、朝食抜きで出発。
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3日目。5時50分に出発。朝起きてすぐに軽い嘔吐感に襲われますが、前日からほとんど何も食べられていないので、胃液しか出てきません。胃が何も受け付けないので、朝食抜きで出発。
この日もひたすら樹林帯を下ります。前日に頑張って歩いたので、この日は長時間行動は不要なのですが、展望もなく地味なアップダウンが堪えます。白鳥小屋以降こそが栂海新道の真骨頂ではないでしょうか。下りなので、食べられていなくても何とか進んでいけます。
この日もひたすら樹林帯を下ります。前日に頑張って歩いたので、この日は長時間行動は不要なのですが、展望もなく地味なアップダウンが堪えます。白鳥小屋以降こそが栂海新道の真骨頂ではないでしょうか。下りなので、食べられていなくても何とか進んでいけます。
7時30分に坂田峠で久々の舗装路を横切ります。下界が近づいてきたと錯覚しますが、親不知海岸まではコースタイムでまだ3時間以上残っています。
7時30分に坂田峠で久々の舗装路を横切ります。下界が近づいてきたと錯覚しますが、親不知海岸まではコースタイムでまだ3時間以上残っています。
ヒーヒー言いながら下っていき、9時5分に最後のピーク・入道山を通過すると・・・
ヒーヒー言いながら下っていき、9時5分に最後のピーク・入道山を通過すると・・・
ようやく眼下に日本海が!
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ようやく眼下に日本海が!
9時55分に親不知観光ホテル前に下山。
9時55分に親不知観光ホテル前に下山。
まずはコーラでひとり乾杯。これは胃が受け付けてくれるので、生き返ります。
まずはコーラでひとり乾杯。これは胃が受け付けてくれるので、生き返ります。
そのまま親不知海岸まで下り、無事「summit to sea」となりました。
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そのまま親不知海岸まで下り、無事「summit to sea」となりました。

感想

 過去レポです。速報性はありませんが、同じ季節に同じ山域に行く方の参考になるかもしれませんので、備忘録を兼ねてアップします。

 令和4年9月の終わりに栂海新道に行ってきました。何と言っても北アルプスの山頂から日本海まで下る「summit to sea」というフレーズに惹かれます。
 実は3年前にも挑戦したのですが、天気予報が外れて悪天候となり、朝日岳から北又小屋へと途中下山しています。悪天候と言っても小雨程度だったのですが、栂海新道は人生で1度しか訪れない可能性が高いため、気持ちよく歩きたいので仕切り直すことにしたのです。
 そして3年後。3日間の好天に恵まれ、無事に歩き切ることができました。

 車の回収方法と並んで悩んだのは、2日目の宿泊地を栂海山荘にするか白鳥小屋にするかでした。
 初日に利用した朝日小屋でS女史に翌日の宿泊地を聞かれたので「栂海山荘」と答えたのですが、自分が北又小屋から朝日小屋までに要した時間を確認したS女史から「あんたの足なら、その先の白鳥小屋まで行ける。10組に1組しか白鳥小屋行きは勧めない」とおだてられ、浮かれ気分で白鳥小屋まで進むことを決めました。
 北又小屋から朝日小屋までの区間と同様に、朝日小屋から栂海山荘までの区間も山と高原地図のコースタイムはかなり甘く設定されており、栂海山荘に到着した時間が早かったのでS女史からの助言がなくても白鳥小屋まで進んでいたと思います。とはいえ、黒岩山以降はアップダウンも多くなるので、なかなか大変でした。その分、3日目が楽になりましたが。

 栂海山荘以降は展望もほとんどなくなり、精神的にきついですが、そのぶん達成感はすごいですよ。

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