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Yamareco

記録ID: 6721967
全員に公開
アルパインクライミング
日光・那須・筑波

日光白根山 北面中央リッジ マイナーアルパインルートを深掘り

2024年04月28日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
09:54
距離
8.6km
登り
969m
下り
966m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
9:36
休憩
0:19
合計
9:55
6:18
10
スタート地点
8:37
8:39
306
13:45
14:01
60
15:01
15:02
64
16:13
ゴール地点
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2024年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
菅沼登山口駐車場に駐車しました。
コース状況/
危険箇所等
アプローチには冬道を使用しました、途中落石頻発個所が有ります。弥陀ヶ池から中央リッジ取り付きまではダイレクトに雪の急斜面を詰めます。中央リッジはUIAA/RCC競哀譟璽匹猫掘銑個度の登攀になりますが、不安定な岩によるホールドの欠損、落石に注意です。プロテクションはオールNPとなります。
菅沼登山口からスタート。
菅沼登山口からスタート。
沢沿いに冬道に入ります。この辺が落石多発地帯です。
沢沿いに冬道に入ります。この辺が落石多発地帯です。
三俣は一番右の沢へ入ります。
三俣は一番右の沢へ入ります。
急斜面の樹林帯を登ります。
急斜面の樹林帯を登ります。
標高2090mで左の尾根を越えて隣の沢へトラバース。テープの目印が有ります。
標高2090mで左の尾根を越えて隣の沢へトラバース。テープの目印が有ります。
更に急登を登ると弥陀ヶ池。
更に急登を登ると弥陀ヶ池。
弥陀ヶ池から北面中央リッジに向けダイレクトに詰めていきます。
弥陀ヶ池から北面中央リッジに向けダイレクトに詰めていきます。
急斜面の雪壁で踏み抜きもあります。
急斜面の雪壁で踏み抜きもあります。
振り返ると燧ケ岳もチラ見え。
振り返ると燧ケ岳もチラ見え。
途中にある慰霊碑に手を合わせます。
途中にある慰霊碑に手を合わせます。
慰霊碑の先に中央リッジが見えます。
慰霊碑の先に中央リッジが見えます。
中央リッジの取り付き付近は気持ちの良い草斜面で、休憩にも良い場所です。
中央リッジの取り付き付近は気持ちの良い草斜面で、休憩にも良い場所です。
正面の凹角から残雪を繋ぎ画面上部の岩峰を超えるルートが中央リッジです。3ピッチのマルチ、掘銑個度です。
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正面の凹角から残雪を繋ぎ画面上部の岩峰を超えるルートが中央リッジです。3ピッチのマルチ、掘銑個度です。
Oさんと1P準備中、私とOさん、kazumaさんkokubannさんの2組のペアに分かれました。
Oさんと1P準備中、私とOさん、kazumaさんkokubannさんの2組のペアに分かれました。
1P見上げ、離陸部は氷に覆われておりアルパイン感あります。
1P見上げ、離陸部は氷に覆われておりアルパイン感あります。
Oさんのビレイで1P離陸します。
Oさんのビレイで1P離陸します。
1P見降ろし、離陸直後、右側に小さい岩穴が有りスリングをピックで押し込んでガースヒッチで支点取りました。
1P見降ろし、離陸直後、右側に小さい岩穴が有りスリングをピックで押し込んでガースヒッチで支点取りました。
岩パートをクリアし藪の残雪パートを少し進んで左側の岩にカム2個で1P終了点としました。
岩パートをクリアし藪の残雪パートを少し進んで左側の岩にカム2個で1P終了点としました。
フォローするOさんを迎えてリード交代、2PをリードするOさん。
フォローするOさんを迎えてリード交代、2PをリードするOさん。
一方、kazumaさんは1Pリード終了して潅木で終了点構築。
一方、kazumaさんは1Pリード終了して潅木で終了点構築。
kazumaさん視点、2Pをリードするkokubannさん。
kazumaさん視点、2Pをリードするkokubannさん。
2Pリード後のkokubannさん。
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2Pリード後のkokubannさん。
私も2Pフォロー後Oさんとリード交代して3Pスタートします。スタート前に見上げる3P。
私も2Pフォロー後Oさんとリード交代して3Pスタートします。スタート前に見上げる3P。
3P下部は氷が残っていて楽しい。
3P下部は氷が残っていて楽しい。
氷の後は岩パート。真ん中の岩の左右にルートが取れそうに見えます。今回も左を登って検欅漫右は恐らく鍵幣紊妨えるのでパス。
氷の後は岩パート。真ん中の岩の左右にルートが取れそうに見えます。今回も左を登って検欅漫右は恐らく鍵幣紊妨えるのでパス。
3Pリード中見降ろし、本日のハイライトで楽しすぎます。
3Pリード中見降ろし、本日のハイライトで楽しすぎます。
3P終了点は岩にスリングで。位置が低いのでセカンドビレイに癖が有ります。
3P終了点は岩にスリングで。位置が低いのでセカンドビレイに癖が有ります。
五色沼をバックに3PフォローするOさん。
五色沼をバックに3PフォローするOさん。
3P終了点の眺め、景色最高で素晴らしい充実感。
3P終了点の眺め、景色最高で素晴らしい充実感。
3Pリードするkazumaさんが見えました。
3Pリードするkazumaさんが見えました。
3Pリード終了しピナクルで終了点構築するkazumaさん。
3Pリード終了しピナクルで終了点構築するkazumaさん。
3Pフォロー中のkokubannさん。
3Pフォロー中のkokubannさん。
クライミング終了の解放感からkokubannさん応援モードになってます。
クライミング終了の解放感からkokubannさん応援モードになってます。
kokubannさん来ました。
kokubannさん来ました。
ナイスクライミングでした!
ナイスクライミングでした!
3P終了点は広いテラス状の草斜面で景色も良く素晴らしいロケーション。一服タイムで寛ぐOさん。
3P終了点は広いテラス状の草斜面で景色も良く素晴らしいロケーション。一服タイムで寛ぐOさん。
のんびりと景色を楽しむkazumaさん。
のんびりと景色を楽しむkazumaさん。
五色沼も美しい。
五色沼も美しい。
ひと休みしたので山頂に向かいます。
ひと休みしたので山頂に向かいます。
北峰から山頂が見えました。
北峰から山頂が見えました。
登頂〜。
中禅寺湖に男体山、女峰山と素晴らしい眺め。
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中禅寺湖に男体山、女峰山と素晴らしい眺め。
帰りの最初はノーマルルートから。
帰りの最初はノーマルルートから。
西面3ルンゼがちょい見え。
西面3ルンゼがちょい見え。
ノーマルルートから草付きを歩き1P取り付きまで降りてきました。登ったルートを見返せるのも魅力。
ノーマルルートから草付きを歩き1P取り付きまで降りてきました。登ったルートを見返せるのも魅力。
登って来た雪壁を適当に辿り下降します。
登って来た雪壁を適当に辿り下降します。
この辺は剥離した雪面が自重で滑り落ちる位に急斜面です。
この辺は剥離した雪面が自重で滑り落ちる位に急斜面です。
午後になり弥陀ヶ池の氷も大分溶けてきました。
午後になり弥陀ヶ池の氷も大分溶けてきました。
振り返る白根山。今回もありがとうございました!
振り返る白根山。今回もありがとうございました!
日光白根山北面中央リッジ。オブザべ資料として大サイズでアップしました。
日光白根山北面中央リッジ。オブザべ資料として大サイズでアップしました。
同じ画像にルート図を書き込んだバージョンです。
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同じ画像にルート図を書き込んだバージョンです。

感想

日光白根山北面中央リッジはこの時期近場で積雪のアルパインクライミングを楽しめる希少なルートです。2015年に初めて登って以来、今シーズンで4回目の訪問となります。

タイミングは金精道路冬季通行止め解除直後の土日、天気の良い方のという事で日曜日に菅沼登山口に集合しました。皆さんとお会いするのは3月のアイス合宿以来。4人パーティとなったので中央リッジのクライミングはyamamossan、Oさんペアとkazumaさんkokubannさんペアの2組に分かれて登りました。

登る度に印象の変わる1Pですが4度目となる今回は、その理由を解明することを個人的な目標としていました。過去の画像による検証を今回のオブザべと付き合わせた結果、1Pに凹角左右の壁を辿る2つのラインが確認できました。

< 1P 検40m >
yamamossan、kazumaさんリード
前回は左壁、今回は右壁を登りました。スタート地点の凹角から見ると左右の壁のどちらも行けそうに見えて、来る度に違う方を登っていたらしく、その為「なんか前と違う」と感じていたようです。難易度的にはどちらも犬魎兇犬泙垢、それぞれ別の個性があるのが興味深いです。

・1P右壁
凹角真正面から離陸し、一段上がって右壁を辿ります。右壁は浮いた岩も有り傾斜も相まって相応のプレッシャーを感じますが、少しずつですが丁寧にホールドを拾いスタティックなムーブでジリジリ登っていきます。コツコツとじっくり登って行く派向けです。

・1P左壁
凹角左側の岩へ離陸します。最初は比較的登り易いですが徐々に傾斜が増し上部で凹角を右へ渡ります。ここは上に岩がせり出していて、凹角の外に身体が露出する上に、大股での一歩がデッド的な動きになり怖い所です。ファイト一発なメンタル強い方向けです。

岩パートを越えた後は、残雪のルンゼ状の藪を少し進んで左の岩にカムで終了点としました。一応テスティングして使用しましたが、水平クラックなので過信は禁物にも思えます。kazumaさんが使用した灌木での終了点も有効です。

< 2P 供25m >
Oさん、kokubannさんリード
雪の残るルンゼ状の藪を進んで3Pの基部でピッチを切るのが理想的です。今回はやや手前の灌木で終了点としていました。

< 3P - 45m >
yamamossan、kazumaさんリード
最初の氷パートは普通にダブルアックスでアイスパートとして楽しめました。続く岩パートは卵型の大岩の左右に凹角が有り左凹角を登ります。ちなみに右側は上下ダブルのCSにより足が乏しく、恐らく鍵幣紊妨えます。左側の方は1Pよりも岩が安定しておりクライミングとして楽しく、また広がる景色が素晴らしくこのルートのハイライトといえるピッチです。

岩パートの先は直進すると藪っぽい急斜面になるので、左側から草付きを巻きあがりました。終了点は岩にスリングで取りました。

3P終了点は大きなテラス的な草斜面となっており、景色も良く休憩に最適なまったりポイントです。山頂では岩とドロドロ地面で落ち着きにくい事もあり、この場所でクライミングの余韻と景色を楽しみつつの休憩をお勧めします。

また、適期はやはり金精道路冬季通行止め解除後すぐが良さそうです。アプローチ中、雪の量は多い方が藪につかまりませんし、クライミング中もザレが残雪に覆われている事で幾らか落石し難いと思います。

皆さん今回も楽しい時間をありがとうございました。3ピッチ終了テラスのひと時は思い出に残る良い時間でした。また宜しくお願いします。

前回2023年の記録はこちら。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5430838.html

2回目2018年の記録はこちら。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1444931.html

初回2015年の記録はこちら。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-623751.html


以下再訪に備えた備忘録です。
-----------------------------------
<ロープ>
50mダブルロープを各自持参。

<ギア>
以下の通りで多分最低量だと思う。カムとスリングを主に使用、ナッツは1箇所だけ、ピトンは不使用。ヌンとアルヌン各1本と120cmスリング2本追加すると尚良いが、リード時に相方から借りる前提でも良いかも。カムは相方が#1以下を4〜5本持っていると心強いが無くても1セットで何とかなる。

カム キャメロットC4 #0.3〜#3 計7
カム キャメロットX4 #0.1〜#0.2 計2
ナッツ ストッパー #1〜#7 計7
ナッツキー 1
スリング ダイニーマ120cm 2
スリング ダイニーマ120cm(細) 1
スリング ダイニーマ180cm 1
スリング ダイニーマ240cm 1
捨て縄(自作スリング兼用120) 1
フリクションヒッチ用細引き 2
ヌンチャク 1
アルパインヌンチャク 1
クロモリピトン #3〜#4 計2
軟鉄ピトン兼用型 2
PAS 1
ビレイ器+カンツキ 1
終了点セット 1
アセンダー(ダック) 1
スパサ 1

<無線>
特定省電力トランシーバーを各自持参。ビレイポイントがブラインドになり風が強いと声が届かなくなるので必要。また登攀中パーティ全体の意思疎通にとても便利。

<ウェア>
当日の平地の気温は30度越えの予報で、この時期としては暑い。スタートからニュウモラップフーディにハーネス装備で行動し1日この服装で行動した。アプローチ中は暑くもあったがベンチレーションで対応できる程度、クライミング中は標高も上がり涼しい風も有ったのでベンチレーションを閉じて対応した。

・頭部
キャップにメットだがニットキャップとネックゲーターは一応持つ。あとサングラス。

・グローブ
コメリ軍手にオーバーグローブ。ウインドシェルグローブとBDグリセードとインナーも一応持つ。

・上半身
クライミング用ロンTと半袖T、ニュウモラップフーディ、からしストームクルーザー。インサレーションとしてナノパフベスト、レッドポイントベリーライトジャケットを一応持つ。レッドポイントはストクルの上から着られるサイズ感なのでビレイパーカ的運用も可能。

・下半身
下着の上にライトトレールタイツ、ストームゴージュアルパインパンツ、クロコゲーター。カッパズボンは一応持った。

・ブーツ
冬用ウールソックスにトリオレプロ、セミワンタッチのサルケン。チェンスパは要らない。弥陀ヶ池でブーツ増し締め。

<その他>
ストックは薮で引っ掛かるので不要。雪壁の登降でダブルアックスは有効。クライミング時は片方は忍者差しで。

グローブはコメリ軍手だが雪に触れる状況では上にオーバーグローブを付けて軍手の濡れを防いだ。クライミング中でも氷パートをダブルアックスで登る時はオーバーグローブを付け、岩パートでは外してラッキングする用法が良い感じだった。

サングラスを使用したが特に1Pクライミング中、凹角の中は暗くクラックを探したりカムを決めるのが見辛かった。登攀中はサングラス外しても良いかもしれない。

時期的に午前5時には十分明るいので、もっと早くにスタートすると雪も締まっていてアプローチも楽かもしれない。

水は500mlで足りた。お湯も500ml持ったが丸々残った。

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