日光白根山 北面中央リッジ マイナーアルパインルートを深掘り
- GPS
- 09:54
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 969m
- 下り
- 966m
コースタイム
- 山行
- 9:36
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 9:55
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
アプローチには冬道を使用しました、途中落石頻発個所が有ります。弥陀ヶ池から中央リッジ取り付きまではダイレクトに雪の急斜面を詰めます。中央リッジはUIAA/RCC競哀譟璽匹猫掘銑個度の登攀になりますが、不安定な岩によるホールドの欠損、落石に注意です。プロテクションはオールNPとなります。 |
写真
感想
日光白根山北面中央リッジはこの時期近場で積雪のアルパインクライミングを楽しめる希少なルートです。2015年に初めて登って以来、今シーズンで4回目の訪問となります。
タイミングは金精道路冬季通行止め解除直後の土日、天気の良い方のという事で日曜日に菅沼登山口に集合しました。皆さんとお会いするのは3月のアイス合宿以来。4人パーティとなったので中央リッジのクライミングはyamamossan、Oさんペアとkazumaさんkokubannさんペアの2組に分かれて登りました。
登る度に印象の変わる1Pですが4度目となる今回は、その理由を解明することを個人的な目標としていました。過去の画像による検証を今回のオブザべと付き合わせた結果、1Pに凹角左右の壁を辿る2つのラインが確認できました。
< 1P 検40m >
yamamossan、kazumaさんリード
前回は左壁、今回は右壁を登りました。スタート地点の凹角から見ると左右の壁のどちらも行けそうに見えて、来る度に違う方を登っていたらしく、その為「なんか前と違う」と感じていたようです。難易度的にはどちらも犬魎兇犬泙垢、それぞれ別の個性があるのが興味深いです。
・1P右壁
凹角真正面から離陸し、一段上がって右壁を辿ります。右壁は浮いた岩も有り傾斜も相まって相応のプレッシャーを感じますが、少しずつですが丁寧にホールドを拾いスタティックなムーブでジリジリ登っていきます。コツコツとじっくり登って行く派向けです。
・1P左壁
凹角左側の岩へ離陸します。最初は比較的登り易いですが徐々に傾斜が増し上部で凹角を右へ渡ります。ここは上に岩がせり出していて、凹角の外に身体が露出する上に、大股での一歩がデッド的な動きになり怖い所です。ファイト一発なメンタル強い方向けです。
岩パートを越えた後は、残雪のルンゼ状の藪を少し進んで左の岩にカムで終了点としました。一応テスティングして使用しましたが、水平クラックなので過信は禁物にも思えます。kazumaさんが使用した灌木での終了点も有効です。
< 2P 供25m >
Oさん、kokubannさんリード
雪の残るルンゼ状の藪を進んで3Pの基部でピッチを切るのが理想的です。今回はやや手前の灌木で終了点としていました。
< 3P - 45m >
yamamossan、kazumaさんリード
最初の氷パートは普通にダブルアックスでアイスパートとして楽しめました。続く岩パートは卵型の大岩の左右に凹角が有り左凹角を登ります。ちなみに右側は上下ダブルのCSにより足が乏しく、恐らく鍵幣紊妨えます。左側の方は1Pよりも岩が安定しておりクライミングとして楽しく、また広がる景色が素晴らしくこのルートのハイライトといえるピッチです。
岩パートの先は直進すると藪っぽい急斜面になるので、左側から草付きを巻きあがりました。終了点は岩にスリングで取りました。
3P終了点は大きなテラス的な草斜面となっており、景色も良く休憩に最適なまったりポイントです。山頂では岩とドロドロ地面で落ち着きにくい事もあり、この場所でクライミングの余韻と景色を楽しみつつの休憩をお勧めします。
また、適期はやはり金精道路冬季通行止め解除後すぐが良さそうです。アプローチ中、雪の量は多い方が藪につかまりませんし、クライミング中もザレが残雪に覆われている事で幾らか落石し難いと思います。
皆さん今回も楽しい時間をありがとうございました。3ピッチ終了テラスのひと時は思い出に残る良い時間でした。また宜しくお願いします。
前回2023年の記録はこちら。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5430838.html
2回目2018年の記録はこちら。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1444931.html
初回2015年の記録はこちら。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-623751.html
以下再訪に備えた備忘録です。
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<ロープ>
50mダブルロープを各自持参。
<ギア>
以下の通りで多分最低量だと思う。カムとスリングを主に使用、ナッツは1箇所だけ、ピトンは不使用。ヌンとアルヌン各1本と120cmスリング2本追加すると尚良いが、リード時に相方から借りる前提でも良いかも。カムは相方が#1以下を4〜5本持っていると心強いが無くても1セットで何とかなる。
カム キャメロットC4 #0.3〜#3 計7
カム キャメロットX4 #0.1〜#0.2 計2
ナッツ ストッパー #1〜#7 計7
ナッツキー 1
スリング ダイニーマ120cm 2
スリング ダイニーマ120cm(細) 1
スリング ダイニーマ180cm 1
スリング ダイニーマ240cm 1
捨て縄(自作スリング兼用120) 1
フリクションヒッチ用細引き 2
ヌンチャク 1
アルパインヌンチャク 1
クロモリピトン #3〜#4 計2
軟鉄ピトン兼用型 2
PAS 1
ビレイ器+カンツキ 1
終了点セット 1
アセンダー(ダック) 1
スパサ 1
<無線>
特定省電力トランシーバーを各自持参。ビレイポイントがブラインドになり風が強いと声が届かなくなるので必要。また登攀中パーティ全体の意思疎通にとても便利。
<ウェア>
当日の平地の気温は30度越えの予報で、この時期としては暑い。スタートからニュウモラップフーディにハーネス装備で行動し1日この服装で行動した。アプローチ中は暑くもあったがベンチレーションで対応できる程度、クライミング中は標高も上がり涼しい風も有ったのでベンチレーションを閉じて対応した。
・頭部
キャップにメットだがニットキャップとネックゲーターは一応持つ。あとサングラス。
・グローブ
コメリ軍手にオーバーグローブ。ウインドシェルグローブとBDグリセードとインナーも一応持つ。
・上半身
クライミング用ロンTと半袖T、ニュウモラップフーディ、からしストームクルーザー。インサレーションとしてナノパフベスト、レッドポイントベリーライトジャケットを一応持つ。レッドポイントはストクルの上から着られるサイズ感なのでビレイパーカ的運用も可能。
・下半身
下着の上にライトトレールタイツ、ストームゴージュアルパインパンツ、クロコゲーター。カッパズボンは一応持った。
・ブーツ
冬用ウールソックスにトリオレプロ、セミワンタッチのサルケン。チェンスパは要らない。弥陀ヶ池でブーツ増し締め。
<その他>
ストックは薮で引っ掛かるので不要。雪壁の登降でダブルアックスは有効。クライミング時は片方は忍者差しで。
グローブはコメリ軍手だが雪に触れる状況では上にオーバーグローブを付けて軍手の濡れを防いだ。クライミング中でも氷パートをダブルアックスで登る時はオーバーグローブを付け、岩パートでは外してラッキングする用法が良い感じだった。
サングラスを使用したが特に1Pクライミング中、凹角の中は暗くクラックを探したりカムを決めるのが見辛かった。登攀中はサングラス外しても良いかもしれない。
時期的に午前5時には十分明るいので、もっと早くにスタートすると雪も締まっていてアプローチも楽かもしれない。
水は500mlで足りた。お湯も500ml持ったが丸々残った。
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