それでも僕はヤブに登る 津軽半島 浜名岳
- GPS
- 12:46
- 距離
- 17.1km
- 登り
- 895m
- 下り
- 886m
コースタイム
天候 | はれ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
長川林道: 車はもちろん入れないが、そこまで藪化も進んでなく、普通に歩くことは出来る。ところどころ崩落や倒木はあるが、歩く分にはあまり気にならない。 登山口〜戸山分岐: 最初は一瞬笹の激ヤブだが、それを越えるとヒバ林となりヤブも少なく歩きやすい。地形図上の戸山分岐へ行こうとするとヤブなので少し左をショートカットする感じで尾根に乗るとヤブを回避できる。 戸山分岐〜山頂: この辺りから本格的な笹薮となり、山頂まで激藪が続く。植生は基本的に笹。小ピーク手前に少し樹木交じりの藪もあった。藪の濃さは濃淡あるが、基本的には背を越える高さのヤブでそれなり強さもあるので、手でかき分けながら進まないといけないレベル。視界が開けるのは稀。また何ヶ所か茶色化した非常に屈強なヤブもある。往復2km程度だけど時間は3時間掛かり、自分の足の限界ギリギリだった。 登山口から山頂まで踏み跡らしきものは一切なし。 |
その他周辺情報 | 電波状況: docomo:54% / au:42% / softbank:32% https://chizroid.info/denpa/ex/map?tid=ow0oZ2b34v 林道が山の陰に入るあたりから圏外となるが、山の稜線に登れば再び繋がる。 |
写真
感想
東北百名山の本には2つのバージョンがある。1990年版の旧版と2000年版の新版だ。ヤマレコのリストは新版のほうを基準にしているけど、旧版から新版に改訂されるにあたって、実は山が10座ほど入れ替えられている。その落選してしまった山の中には、十和田山、釜臥山、五ノ宮嶽、稲庭岳、猫魔ヶ岳など非常に魅力的な山も多く、東北百名山を目指すのであれば是非ともこれらも登りたいなーと思っていた。
そしてヤマレコ東北地方のリストには他にも「みちのく120山」というものがある。福島キヤノン山の会が1991年に刊行した書籍をベースにしたリストで、先ほどの旧版の東北百名山にしか載っていない山々もこのみちのく120山に多く登録されているということに気付き、どうせ登るのであればついでにこっちのリストも狙っちゃおうかなーと軽い気持ちで考えていた。ちなみに旧版の東北百名山の1年後にこの本が刊行されているので、この本が東北百名山の影響を受けたのか、それとも同時期に選定したらどうしても似たような山々が選ばれてしまったのかは分からない。
しかし、このみちのく120山も東北百名山と同様にやはり情報が古く、今はすっかり荒廃してしまった山もいくつかあり、それらは青森県の津軽半島、下北半島に集中している (増川岳、浜名岳、袴腰岳、丸屋形岳、桑畑山など)。もしみちのく120山を目指すのであればこれらのヤブ山を登らないといけないけど、幸いにして (?) 自分は東北百名山その他モノ好きで登った山などもあり、あとは津軽半島の増川岳、浜名岳の2座を踏破すればみちのく120山リスト達成も夢ではなくなることに気付き、今年の大きな目標としてこの2座を目指すことにしてみた。
で、まずは浜名岳。ヤマレコでも過去8件、YAMAPではたった1件しかレコが上がってないという激マイナーな山。分県登山ガイドにも2004年版と2010年版には掲載されているけど、初版の1993年版と現行の2017年版には掲載されていない。ちょうど地元のお山参詣が再開された頃に一時的に掲載された感じもする。
山頂へ向かうルートは、大きく3つ。分県ガイドでは東側の長川林道を車で行き、登山口から往復3km、1時間50分のお手軽ルートとして紹介されていた。しかし、時と共に長川林道の崩壊が進み、過去レコを見ると新しいレコほど林道歩きの距離が長くなっていき、現在では往復14kmほどの林道歩きが必要。そのため近年では西側の増川側から残雪を利用して登られるパターンが多く、これだと林道歩きはかなり縮められる。実は自分もそのルートで今年3月にチャレンジしようとしたけど平日だったため工事業者に止められ進むことが出来なかった。3番目のルートは北側。みちのく120山の本文ではこのルートを辿っている。黒崎川沿いの林道を行き、そこから尾根に乗って山頂を目指す。今回も試しにこの林道を途中まで車で行ってみたけど、意外にも先の方まで進むことが出来た。今回は落石のために途中で引き返したけど、オフロードバイク等であればもっと先まで行くことが出来るかもしれない (今回最終確認地点: https://maps.gsi.go.jp/#15/41.163448/140.453706)。ちなみに余談だけど、さらに別のルートとして地形図上は山頂から尾根をずっと通って浜名の集落まで伸びる破線があって、かつて長川林道が出来る前はこのルートを通ってお山参詣が行われていたという話をどっかた見た記憶はあるんだけど、どこで見たか忘れてしまった、、。
で、今回は季節的にヤブ漕ぎ山行になるので、1番目の長川林道コースをチョイスした。基本的に自分の場合、ヤブルートだとしても多少の踏み跡があるかないかで体力消耗は全然違うと思っているので、かつて分県ガイドで紹介されたルートに薄い踏み跡でも残っているのではないかということに一縷の望みを託したわけだけど、残念ながらその望みは完全に打ち砕かれた。まー見事に何も残ってなかった。
またこのルートで一番の自分の課題は、体力。前回3月の残雪歩きの際には、全く登山をせず林道歩き往復だけで内もも完全崩壊し翌日以降の山行はすべてキャンセルという苦い思いをしているので、たとえ無雪期とは言え日帰りでの長距離林道歩き+ヤブ登りは絶対に不可能だと思っていた。そこで思いついたのが、前日に登山口近くまで歩いて一泊し、翌日に登るというパターン。それでも結果的には体力ギリギリだったけど、何とか安全に下山まで行うことが出来た。また想定はしてなかったけど、帰りの林道歩きの前にテントでゆっくり体を休めて体力回復できたのは結果的に大きかったかもしれない。
というわけで、いろいろと苦しかった浜名岳。何とか登頂を果たしました。ありがとうございます。また来るね (社交辞令)。
※「浜名岳入口」看板の謎
登山口の手前約500m、歩いて約10分ほどの距離にある林道分岐に「浜名岳入口」と書かれた看板がある。登山口でもないのになぜここに看板があるのか、もしかしてここを右に曲がるのが本来の登山道なのか、疑問に思っていた。しかしピークハンター4138さんのレコではここを進んで道が無いと言っていたし、分県ガイドのルートも何度見直してもやはりここが入口ではない。ではこの看板の意味は?? 今回自分が辿り着いた結論は、これは「駐車場入口」の看板だということ。分岐を右に入り、200mほど行くと少し広めのスペースが数カ所ある。合計すれば10台以上は車が停められそうだ。また今回ここにテントを張ったがペグが刺さらないほど地面が固かった。逆に登山口周辺にはほとんど駐車スペースが無い。そう考えると色々と納得が出来る。というわけでこの看板はあくまで駐車場入口で登山口ではなく、登山口はあくまでピンクテープがある地形図の入口と考えたほうが良さそうだ。
※前回の撤退レコ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6611170.html
コメント
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しかし、踏破するとはスゴいです。
戸山分岐から先は踏み跡はあるだろうと考えていましたが、波線の道は現存していませんでしたか…
踏み跡は袴腰岳でもずいぶんと助けられたので、こっちも期待したんですが、残念ながらゼロでしたねー。藪の濃さとしては中の上くらいでしょうか。死ぬほど激藪ではないけど、決して楽ではない感じ。自分は2kmで限界、これ以上長かったらヤバかったです。今回はスノー@YSTさんはじめ、先人の方々の情報に心底助けられました。改めて御礼申し上げます。
でもチャリのタイヤ痕はあんなくっきり残っててビックリでしたね。歩いてるときはてっきり数日前に登頂されたのだと思ってたんですけど、いつまで経ってもレコ上がってこないし。まさか半年前のだったとは。(笑)
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