【奥日光納涼散歩】小田代ヶ原〜戦場ヶ原〜中禅寺湖〜華厳の滝【丁23.3】
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- GPS
- 07:23
- 距離
- 23.5km
- 登り
- 235m
- 下り
- 421m
コースタイム
- 山行
- 5:51
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 7:23
天候 | 快晴 気温は20度台前半で酷暑の都心より10度近く低かった。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:東武バス中禅寺温泉バス停〜JR日光駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
小田代ヶ原および戦場ヶ原は、片側交互通行せざるを得ない箇所がたまにあるが、木道が整備されている。 中禅寺湖畔は車道の脇に人気のない散策道がある。 |
写真
感想
友人と山形に行くのが日帰りになり、その一方で土曜の天気予想も好くなってきたので、今後の参考のために日光界隈を歩くこととする。
日光というと、どうも観光地、混雑、渋滞というイメージを持っていたのだが、実際に歩いてみると上高地よりも落ち着いた感じである。
猛暑の東京より10℃近くも低い気温と、厳しい陽射しを和らげる緑、清く流れる沢水のために終始快適な散策となった。
【湯滝&湯ノ湖】
いかにも観光地といった日光の表側と異なり、湯元の辺りまで来ると静かなものだ。
湯滝の流れ落ちる勢いは凄まじく、硫黄の匂いを撒き散らしている。その一方で湯ノ湖まで上がってみると、そこには静寂の湖面が広がる。こんな所で週末を過ごせたら、さぞかしリフレッシュできることだろう。滝も湖も「湯」が付いているが、手を付けてみると水だった。
【小田代ヶ原&戦場ヶ原】
小田代ヶ原は草原、戦場ヶ原は湿原といった感がある。釣り人が棹糸を垂らすのを横目に木漏れ日と沢の流れを楽しむ。大展望の開けるところでは、東の男体山から北の太郎山、西の外山と周囲の山々を見渡すことができるが、視線を落とせば色とりどりの花が此処彼処に咲いている。西側はどこにも特段記載が無かったので白根山は見えないのだろう。外山が近くに迫っているので隠れてしまうのだ。
ラムサール条約に基づき保護対象の湿原だが、釣りも許可しているわけで、どこまで釣りができるのか、どこから立ち入ってはいけないのかの線引きが曖昧にされているように感じた。
時間が下ると、いかにも観光客然とした集団が増えてくるが、メインルートを避ければ、なお落ち着いた感じが残っている。
【赤沼&竜頭ノ滝】
戦場ヶ原はかつて男体山の神と赤城山の神が戦ったバトルフィールドなわけだが、その際に赤城山側の大ムカデが矢で射抜かれ、その血で朱に染まったというのが赤沼である。即物的に言えば、7000年前だか14000年前だかにおきた男体山の噴火が戦場ヶ原を形成し、赤沼が赤いのは鉄分のせいなのだが、そうした自然を当時の人々が彼らなりに解釈して神話が生まれ、語り継がれてきたというのは非常に興味深い。神話は史的事実を詩的表現にして口承しやすくしたものだと考えるので、もしかしたら戦場ヶ原の形成には本当に赤城山も一役買っているのかもしれない。
竜頭ノ滝は最下部に茶屋があって、その店内から眺めることができ、また遊歩道が上に伸びて流れ落ちる滝を見ながら歩いていけるのだが、そこまでしか行かない人は損をしている。さらに上手でも小さな滝が連続している。
【中禅寺湖畔】
中禅寺湖は、いろは坂から上ってきた入口部分には土産物屋等が軒を連ね、観光客で賑わっているが、西の端はかつての避暑地の静かさを今もなお漂わせている。
こうした所を歩いていると外国人も良い所に目をつけたものだと感心する。そういえば軽井沢もそうだ。今、観光立国を志し、日本全国で外国人観光客の誘致合戦が繰り広げられているが、いかにもな観光地や箱物には飽きてくるものだ。日本の原風景の美を飽くまでも自然に提供できるかどうかが今後大事になってくるのではないか。日本の人口が減り続ける以上、地方創生の鍵は外国人が握っている。
一方で日本では、歴史的建造物が取り壊されたり、岡倉天心の時代には五重塔が売り飛ばされそうになったり、最近では1980年代以降の京都の街並みや銀山温泉の藤屋の例など、古からの美を疎かにするような話が聞かれる。
これは単に普段身近にあるものの重要性を感じず、隣の芝生が青く見えるというだけの話なのか、それとも、式年遷宮に見られるように一定期間で建て直す木造建築の日本と、数百年かけて石積の大聖堂を建てる西洋の精神性の違いから来るものなのか、といったことも興味深い。もっとも日本においても古来の美を守ろうとする人が多くいると信じるものであるが。
【華厳の滝】
華厳の滝といえば藤村操だが、やはり身投げした人のことなど大っぴらに喧伝しているはずもない。外国人も含めた観光客で賑やかだが、滝音はそれ以上に大きな音を立て、その迫力は遠めに見ても十分過ぎるほどだ。さすがに日本三名瀑というだけある。本日の散策を締め括るに最適だった。
【総括】
今回は今後日光周辺の山々を歩くための参考として戦場ヶ原から中禅寺湖畔を歩いた。冒頭にも書いたとおり「日光といえば混雑」という思い込みがあったのだが、意外と快適な散策を楽しむことができた。
また、当初は男体山や太郎山のことを考えての日光訪問だったが、社山等、中禅寺湖南岸の山々にも心惹かれ、まさに今後の参考となる散策となった。
今まで避けてきた日光は今後ニューフロンティアとなる可能性を大いに秘めている。
〜おしまい〜
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