梅雨明けの槍ヶ岳と南岳縦走
- GPS
- 31:09
- 距離
- 32.4km
- 登り
- 2,519m
- 下り
- 2,560m
コースタイム
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 7:35
- 山行
- 8:10
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 8:48
天候 | 7月20日 はれ 山頂部は時々ガスが濃い 7月21日 はれ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
3連休の中日に到着した駐車場は満杯状態で、なんとか入場出来たこの日の朝の最後の1台でした。 昨年から路上違法駐車の取り締まりが厳しく成っておりますので、必ず駐車マナーをお守りください。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全ルート明瞭で、道迷いの心配は有りません。 南岳新道の一部に雪渓が残っていますが、滑り止めは必要ない範囲です。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
6月上旬に中央アルプスの南駒ヶ岳に登って以来、近所の低山の登り降りと朝のランニング位しかやって無かった体は、槍ヶ岳への登りで根を上げて肩の小屋まで8時間もかかってやっと到着、なまった体に自分自身で腹立たしかった。
途中で何度も引き返そうなんて思ってしまった自分が情けない。
前日の19日は北アルプス周辺はどこも荒れ模様な天気の様で、槍平までに数々ある沢の状態が心配だったが、現地へ来てみたら蒲田川の水量は平水で、心配したほどの雨量では無かったようでほっとした。
それでも昨晩までの雨に濡れた登山道は良く滑る、木の根っこの露出した所なんかでは、氷の上でも歩いて居るかの様に足をすくわれる。
大汗をかきながらやっとの思いで槍平小屋に到着、出発から塩飴をなめ、他には水しか飲んで居なかったので、コーヒーとカロリーメイトを食べる休憩とした。
大休止を取ったら体から汗がひいて、体温が下がって来たようだ、これなら何とか歩けるかな?
槍平小屋を後にして「最後の水場」に到着する頃には、再び熱を持った体は大量の汗を噴き出し始めた、この5週間でヘタレに成った大腿四頭筋が恨めしい。
振り返ると笠ヶ岳が見える飛騨沢の急登を、登山道に沿ってジグザグに登って行くが、途中で何度座り込んでしまった事か。
気が遠く成りそうに成るのを、ゆっくり歩きでごまかしながらやっと辿り着いた飛騨乗越。
肩の小屋のテント場はもう目の前なのは分かっているが、その最後の坂がきつくてきつくて。
テント場は平日前と有って何処も空いてる状態だった。
この日南南西の風が強く吹いていて、その風を避ける良い場所は無いかと探したら、14番のサイトが一番の適地の様だった。
小屋の受付にテント泊の申し込みをして、14番のサイトを指定して場所を確保できたのは幸いだった、なぜならこの晩、大きくテントが揺さぶられる事も無く眠る事が出来た。
アルミ缶に小分けして担いできた「黒霧島」の20度を、ミネラルウォーターで割りながら、ちょびちょび飲んでたらすっかり酔っぱらった様で眠くなってしまった。
テントの中で横になったらそのまま30分程夢の中をさまよった様だった。
お腹もすいたので、本山行のスペシャルメニューの「ふすまパンカレー」を食べる。
なぜふすまパンなのかと言うと、先日の検査でヘモグロビンA1Cの値が自分の想像以上に悪くショックを受けたのと、食後2時間の血糖値も異常では無いが高めの数値を記録してしまったので、糖質制限食をこの数週間食べて居るわけだ。
ふすまパンは、白米に比べると糖質がかなり低くて、それでも穀物の仲間なので腹持ちも良くて、満腹感が得られる都合のよい物なのだ。
しかし、数週間も食べてると飽きるのは事実だ、湯気の立つ白米を思いっきり食べて見たい!
簡単な晩ご飯と、黒霧島の酔いでまたまた眠ってしまった。
この晩は凄く暖かな晩で、モンベルのダウンシュラフ3番でも、胸から上はシュラフを被ると熱くて眠れない程だった。
午後8時過ぎに一旦目が覚める、ついでに小屋のトイレに行き星空を見上げた。
夕方ころは穂先が見え隠れする様なガスが走っていたが、この時間にはすっかり雲も取れた様子だった、明日の朝の御来光が期待できそうだった。
更に深夜に目が覚めた時には、天の川まで見えて山で寝る様に成ってからの内で最高の星空だった!!良かった山に来て。
外が少しざわざわして来て目が覚めた。
日の出にはまだまだ早い時間だが、早立ちする人、穂先で日の出を見たい人、それぞれが動き始めた様だった。
私も朝ご飯の用意に取りかかりながら、シュラフやその他の荷物を、何時ものように手際悪く片付ける。
朝ご飯も済ませ、御来光を見るためにテントの外に出てその瞬間を待つ。
回りにはそんな人が一杯で、槍ヶ岳の人気の程が伺えた時間だった。
朝陽が当たって山が朱に染まるアーベンロートもたっぷり楽しんで、どうしようかなと考えた。
槍の穂先は何度も登ってるし、今日は登らなくてもいいやって思っても居たのだけど、楽しそうにヘルメットを被って穂先に向かって行く人を見てたら「やっぱり登っておこ」って気が変わってしまった。
かわいい女の子が歩いて行ったからでは無いですよ!!
槍ヶ岳から新穂高の往復は、昨年の秋に一度日帰りでこなして居るので、今回は槍ヶ岳から南へ伸びる稜線を歩いてみる事にした。
大キレットが歩けたら良いななんて思っても見たけど、奥穂高小屋まで行くにはどれほどの時間が必要なのかさえ知らずに来てしまったから甘い考え過ぎて危ない。
南岳まで2時間、キレット越えて北岳小屋まで3時間、そこから更に奥穂高小屋まで3時間、白出沢が下りに利用できたとして、白出沢出合まで2時間半・・・やっぱり時間が足りそうにない、淡い期待と希望はすぐに捨てました。
南岳まで行き、そこから南岳新道を使って槍平まで下り、そこから登山道を歩いて新穂高まで戻ろうと決めた。
南岳新道があんなに辛い登山道だとは後から知る事に成るのだが、今はまだ稜線を浮かれ気分で歩いて居るgraveltrekだった。
天狗原に下る分岐で雷鳥の親子を見つけた。
この梅雨の間に孵化したヒナが5羽ほど、母鳥の近くを自由に歩き回っている。
こんな天気の良い日に、見晴らしの良い稜線で、ちょっと危ない雷鳥の親子だった。
ワシタカ類から見たら格好の獲物に違いない。
南岳小屋の先の大キレットの降り口に、獅子鼻と言う展望岩が有る。
恐ろしい程の高さの断崖なのだが、キレットを一望できる展望地だ。
獅子鼻の先端に腰をおろして、何時か歩くであろうキレットを見つめた。
目の奥にキレットを歩いて居る自分が見えた・・・重症である。
南岳新道を泣きながら、何度も尻もちをつきながら下った。
こんなに厳しい道は初体験だった、浅い経験の私には事の他厳しく感じたルートだった。
二度とこんな道歩くか!と思うが、天邪鬼な私はきっと近いうちにまた此処を歩いて居ると思うし、歩くだろう。
槍平小屋に到着する頃にはすっかり泣き虫に成って、べそをかきながら歩いて居た。
腹が減ったし疲れて居たのだ。
またまたこの小屋の前の樹のテラスの上でコーヒーとカロリーメイトの休憩を取った。
スタッフは人を見れば挨拶してるし、笑顔が絶えない様子で、小屋の全体が見える気がした、きっと良い小屋に違いないと思う。
槍平小屋からは、長い長い登山道を少しづつ高度を下げながら新穂高まで下って行く。
いつもながらこの下り登山道は嫌に成る、長い長い道のりに感じる修業の道だ。
なんとか車に到着し、5週間ぶりの登山も無事に終了した。
しかし疲れた・・・・。
追記(7月25日)
下山時の白出沢出合の休憩テントで、ヤマレコユーザーのtiggerさんとお会いした。
そこから新穂高の駐車場まで、山の話をしながら一緒に歩いた。
聞くと、新穂高から平湯までバスで行き、さらに平湯からもバスを利用するらしい。
私は自家用車で、平湯は通り道なので、良かったらご一緒しますか?と言う事で、平湯まで同乗し、バスターミナル3Fの温泉に一緒に入った。
その際は、乗せてもらったお礼と言われ風呂代を出してもらっちゃった、tiggerさんどうも有難うございました。
graveltrekさん、お疲れ様でした。それにしても5週間ぶりの3000m越えはキツいですね、高度順応ほぼZERO?まあ経験と根性でクリアですよね。
大キレットや長谷川ピーク、はたまた北穂の登り返しという「血沸き肉踊る」ステージを目前にしての分岐を、右に曲がる勇気は相当のものですね(笑)
もっとも、幕営フル装備では避けたいステージでもありますね。
「ジャンダルム」が手招きしませんでした?
あ〜大槍小槍の縦走(笑)がしたくなってきました。
ダン之助でした。
ダンの助さんお久しぶりです、コメント有難うございました。
日程に余裕が有れば、または体がもっと強靭で有ればキレットに向かって歩いたでしょうね。
と、「たら・・れば」の話に成ってしまう初老のgraveltrekです。
久しぶりの山行はなかなか辛い物が有りました。
涸沢岳の右に延びる稜線の向こうにジャンダルムのドームが見えて居ました、北穂高〜奥穂ジャンダルムは魅力的なルートですね、ほれぼれしてしまいました。
盆までに体調を整えつつ、槍から西穂までの稜線を通しで歩こうと思いました。
graveltrek
槍ヶ岳登頂おめでとうございます!そして大変お疲れ様でした!
かなり試練の登山だったことが窺えます。僕も三連休に槍ヶ岳を計画していたのですが、台風に邪魔され中止になりました。新穂高から登るルートはかなりしんどそうですね!いつか歩いてみたいと思いました。
ゆっくり身体を休めてください!お疲れ様でした(^^)
psmaruさんコメント有難うございます。
私の体調へのお気づかいも重ねて有難うございます。
psmaruさんの予定はキャンセルに成ってしまったんですか?18日ころから入山した方に聞いたら、暴風雨で散々だったと口をそろえて言って見えましたので、中止は正解だったんだと思います。
飛騨沢を登り詰める、新穂高〜槍ヶ岳へのルートはお勧めですよ!振り返ると笠ヶ岳から双六岳方面がドーンと目に飛び込んできますし、少し北に目をやれば薬師岳をはじめとする北アルプス深部から立山剣岳まで見えます、どうぞご存分にチャレンジください。
私は調子こいて北アルプスに足しげく通おうと思って居ます。
graveltrek
一泊と聞いていたので、槍沢かな?と思ってましたが(^O^)南岳縦走の新穂高コースでしたか。そう言えば僕は、飛騨沢の登りで去年、泣きました(実話)
何はともあれ、御無事でよかったッス(・ω<)よーく身体を休めて下さいNE!
osamu310さんお久しぶりです、体へのお気づかいも有難うございます。
上高地から入山する槍沢は、私の様な貧民には駐車料気やバス料金当のハードルの高い問題が山積しますので・・・笑
新穂高からの入山が一番手っ取り早いので、いつもこのルートに成ってしまいます。
どうやら体調も戻りつつ有る様なので、この夏も頑張って歩くつもりです。
osamu310に負けない様にね<爆
graveltrek
短い時間でしたが山の話ができまして、楽しい林道歩きでした。
また、どこかのお山でお会いしましょう。
tiggerさん、そのせつは大変ありがとうございました。
平湯では、お風呂の支払いまでして頂いて、申し訳ありませんでした。
8月初めの北アルプス山行が楽しい物で有ります様に、願って居ます。
graveltrek
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