大和岳・三津河落山・日出ヶ岳
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
- GPS
- 03:48
- 距離
- 7.9km
- 登り
- 465m
- 下り
- 410m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
日出が岳までの踏み跡はおおむね明瞭。 |
その他周辺情報 | 入之波温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
---|
感想
全国旅行支援や復興支援は一旦終了したが、一部の地域で予算が未消化だったのか、再びその種の割引が適用されることになったのを娘が察知した。その一つは、川上村、下北山村、上北山村の民宿などを対象にしたもので、気づいた時にはほとんど埋まっていたのだが、かろうじて予約が下北山村の宿でとれた。娘は入之波温泉に行ったことがないので、この機会に行くことにして、後付けといっては何だが、山行プランを立てることになった。娘と孫には、大蛇瑤汎出ヶ岳を勧めて、自分たち二人は未知の領域である大和岳から日出ヶ岳を目指そうということになった。
自宅を6時前に出て、一路、大台ケ原に向かう。いつものように、湾岸助松から堺泉北経由で美原JCT、橿原、御所南と進んで、ようやく吉野の大淀に入った。すると道路脇に「下北山、熊野方面全面通行止」との看板。え〜!となって近くの消防署に駆け込み状況を確認。大台ケ原分岐の先で不通となって久しいことを知る。伊勢回りでしか行けない。慌てて民宿に電話すると、同様のトラブルがどの宿でも多発しているという。気持ちよく対応してくれて、あちらからキャンセルをsuggestしてくれた。というわけで、大幅に予定が狂ってしまったが、大台ケ原と入之波を日帰りでこなすことに変更だ。
我々は大和岳入口手前で車を降り、娘と孫はそのまま大台ケ原駐車場まで車で向かった。車道をわずかに大台方向に歩き、ガレ場の上の林道跡から左手の尾根に入る。温帯広葉樹林に覆われた稜線の緩やかな踏み跡を辿ると、やがて視界が開け、足元はササ原となってバイケイソウが目立つようになる。登るにつれて木々は下方に遠ざかり、広大な笹原に包まれるようになる。当然視界は大きく開けてくる。四国の剣山周辺に似た様相を呈して、思わずのんびりしたくなる雰囲気である。正面に、岩塊を山頂に配したササのピークが迫ってきた。これが大和岳であった。ほぼ360度に開けた眺望の頂である。ここから右前方へと続く尾根を行く。緩やかなアップダウンをくりかえしつつ尾根が左に曲がると、小屋が見えてくる。農水省の雨量ますが設置されているのだった。この辺りの雨量は全国屈指のはずで、この測定点の値がニュースなどに出て来るのかもしれない、などと思いつつ、先へ進む。次第に樹木があらわれ、木々に覆われた三津河落山の山頂に到着する。視界は遮られているが、大峯によくある苔むした岩が深山の雰囲気を醸成する。
このピークから踏み跡は右手に下っているものと思われるが、我々は少々ルートを外してしまい、軌道修正を図る。再び踏み跡を拾ってブナの大木の倒木に腰かけて昼食とする。ここまでの間、逆ルートを辿る3パーティーに遭遇した。この食事をとった後、大変なことに気付いた。機内モードをオフにしてラインを見ると、娘が車のキーを持っていないことを知らせてきていたのだ。幸い電波が通るところだったので、もう一人の娘とも連絡を取り、本人とも電話がつながった。我々を車から降ろしてしばらく走ったところで車の「キーがありません」表示の気づき、路肩でエンジンを切ったら、もうエンジンはかからないしロックもかからなくなった、というのだ。幸い、後続の車の方に助けていただき、30分以上を使って何とかロックをかけるのに成功し、さらにその方に駐車場まで乗せてもらって、今は大蛇瑤向かっているという。ああ、何とかわいそうなことをしてしまったのだろう。運転を代わる時にはキーを手渡しする、これを絶対に遵守しないといけない。肝に銘じた。
とにかく、善意にすがってなんとか無事にハイクをしているらしい。我々は計画通り、川上辻からそのまま稜線を日出ヶ岳へと向かうことにした。この稜線には左右を獣除けの柵が作られているが、左手(北)のものは脆弱で、複数個所で倒木によって倒されており、動物の自由移動が可能になってしまっているのだった。
温帯広葉樹林にシラビソ風の針葉樹を混ずる高原らしい雰囲気の尾根を緩やかに登っていくと小さなピークに達し、木には「巴岳」の手製山名板が付されている。今日のルートには基本的に道標やマーキングはないので、この山名板が唯一目にするその手のものだ。ここから右方向に延びる尾根を辿ると、進行方向にすっと伸び出たピークが目視できる。日出ヶ岳の山頂である。山頂はさぞ賑やかなことだろうが、その直下のこの尾根は静寂が支配しているのだった。今日一番の傾斜を一気に登ると、人々の声が聞こえ始め、休憩をとるいくつものパーティーが目には行ってきた。
賑わう山頂で一等三角点を確認して、すぐに下山する。ビジターセンターで娘たちと落ち合うためだ。さっきまでとはうってかわってガチガチに固められた遊歩道をひたすら歩く。途中からは水平道となり、山腹を巻いて進む。数年前、初めて来たときに、なんだか上高地みたいな雰囲気だな、と思ったのはこの辺りだ。近畿地方の山にはあまりない深山の気配が漂っているので、普段、山に来ることのない街の人々にとって、貴重な散策の場を提供してくれている。
ビジターセンターで娘たちと落ち合って、車道を駐車地へと向かう。果たして車は無事か。ドア、ちゃんと開くだろうか。エンジン掛かるか。いろいろと不安である。駐車場から1.6 km下だというが、なかなか姿が見えない。不安が嵩じてきたころ、やっと車が視界に入ってきた。一個ずつ不安は解消し、無事、出発する。なんせ、七転び八起きの今日、また何か起こるんじゃないかと心配だったが、入之波温泉にも無事入ることができ、帰路も地獄の渋滞となならずに帰宅したのだった。終わり良ければ総て良し、の盛りだくさんの一日であった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する