二上山《関西百名山》
- GPS
- 06:14
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 699m
- 下り
- 693m
コースタイム
- 山行
- 4:53
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 6:14
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
下山口:近鉄南大阪線当麻寺駅 |
写真
感想
屯鶴峯(どんづるぼう)は白い岩肌が、遠くから眺めると、松林に多くの鶴が屯しているように見えることから“屯鶴”と名付けられた。数億年前、太古の春日山が噴火し火山岩屑が水底に沈積して凝灰岩層を形成した。長い年月の間にそれが隆起して露出した岩石群が風化、浸食により特異な風景を現出したものである。石器時代はこのカヌサイトが1万年に石器として利用されその遺跡が残る。戦時中は岩磐を穿ち陸軍航空部隊が戦闘指令所を置いたことがありその遺跡も残っているそうだ。また建設の際に犠牲になった霊も残っているのか心霊スポットとしても知られている。屯鶴峯入口にあったトイレには幽霊が出るとか・・・
地形図を見ると国道165号線から道路が分岐し谷筋の道から登山道が描かれている。最も縦走に相応しい道として関屋から計画したが現状通れないとの情報だった。登山に道など重要なものではなく、今日のミッション1に「屯鶴峯への登路をルートファインディング」を設定した。近鉄大阪線関屋で最終集合して交通量の多い国道165号線に出た。智弁学園の施設を見てその分岐点に達すると奥村組のロゴの入ったゲートがあり進入を阻めていた。通りたかったルートだが此れを強行突破する訳にもいかず、山腹に取り付ける所を探しながら国道を歩いた。山と国道の間には水の流れるしっかりした谷がありなかなか取り付き点を見いだすことができない。やがて国道は田尻峠の方に反れて行くその地点に踏み込めそうな道のようなものがあり偵察すると笹原を漕いで山麓に到る事ができた。見上げると登り易そうな斜面が待っていた。コンパスを合わせると南西方向に130m行くと屯鶴峯に達する筈だ。國領さんを先頭に尾根に取り付くと、大した藪もなく難なく稜線に達することができた。しっかりした踏み跡があり、反対方向に行くとこの道は何処に達するのだろう?
屯鶴峯(154m)の山頂は何の表示もなく、送電鉄塔と壊れたコンクリートのベンチが転がっているだけだった。西の方に一部展望があり寺山(294m)と思しき山体が見えた。山頂は屯鶴峯たる奇観はなく樹林が覆っているだけの極普通の山頂だった。“屯鶴”を求めて南へと進むと屋根の抜けた東屋があり、これも心霊スポットなのか余り心地よくはない。先頭で歓声が上がると出てきました凝灰岩の稜線、将に奇観だ。谷越しに反対側にも屯鶴が舞い降り天然記念物を堪能できた。地形図の点線道と真逆に行ってしまったようで東に向かって岩の稜線を下った。桜の植林のある道路? に降り立ち反対の峰に登り返し岩のピークに達した。時刻は11:30、二上山まで達するのは無理なのでここで大休止を取り、景色を見ながら昼食にした。
岩場を下りると広い遊歩道となり階段を下りるとすぐに県道に達した。例のトイレと屯鶴峯入口の看板、その横には屯鶴峯の説明書きの看板もあった。反対側を見ると「ダイトレ起点」の石のプレートが埋め込まれていた。現状からするとダイヤモンドトレイルは此処を起点に屯鶴峯をピストンし南へ向かわせるようだ。県道を南西に進み穴虫峠で奈良県から大阪府へと入り西側を見上げるとP264の山麓に広がる葡萄畑のハウスが見事、ダイトレの標識に導かれ二上山への縦走路に入った。展望はないが小ピークが幾つもあり結構急傾斜が続く。しっかり整備された丸太階段は段差が大きい。二上山は前方にあると云うより横に見え尾根が違うように感じた。左に回り込んだ送電鉄塔のピークで展望があり二上山や岩橋山、反対側には信貴・生駒も見ることが出来た。
S字型に稜線を歩くとN田さんが綺麗に開いたツチグリを見つけた。花のない季節に唯一の収穫か。二上山雌岳に近づいて来ると広い道に出て山麓を巻くように馬ノ背に達した。先ずは主峰の雄岳(517m)を目指した。山頂には二上神社の祠があり多くの碑伝が置かれ、大峰山の靡(なびき)のような神聖スポットだった。山頂標識はその端にあり少し東に下った処には大津皇子の墓があるが今回は遠くからそれらしき屋根を望んだだけで引き返して雌岳へと向かった。雌岳(474m)山頂は明るい広場で大きな日時計のような十二支の方位板が設置されていた。大休止を取りT堂夫人手作りの和菓子やK領さんの洋菓子が振る舞われお腹一杯。一息つくと西の方角が開けた山頂でミッション2:「音羽山(852m)を山座同定」を行った。20万図では微妙な所が分からず一番高い所と皆思ったが実はそれは経ヶ塚山(889m)でその左のピークが音羽山だった。
山頂を後にしてダイトレ縦走路を南に進み岩屋峠へと下った。途中樹林が途切れ大和葛城山がズバッと見える箇所があった。その後ろには金剛山も見え隠れしていた。関西百名山シリーズ初参加のM澤さんには読図講習をしながら歩き、今日の要注意箇所万才山への分岐を見逃さないように地図と首っ引きで歩いた。もう少し迷うような分岐を期待していたのだがしっかりと指導標があり一寸がっかり? 万才山(約390m)は何の表示もなく地形図の点線道を少しずれて稜線を登山道に沿って忠実に進むと原岳(約380m)に達した。小さな山頂標識が掲げられているが展望はなかった。ほんの少し進んだ広場から二上山の展望が得られた。
最後のミッション3は「4等三角点『皿ヶ谷』(215m)を探す」でこれは難しかった。登山道の途中にあると思っていたのに麻呂子山への縦走路が左に折れて行ったその先にあった。もうそろそろだと気にしながら歩いていたのに縦走路は谷間に下りて行く。どう考えても三角点と離れてしまいそうなので偵察に行くと思った通り分岐から30m程先に行った所にあった。此れでミッションは全てクリアし分岐に戻り麻呂子山へと向かった。谷に下りるかと思った道は再び稜線に乗りイボイボの木に括り付けられた山頂標識に迎えられた。「麻呂子山」の「麻」の字の下に「石」を誰か付け加えたようだが地形図には「麻呂子山」となっているので「麻」で正解なのだろう。廃屋の前を通り當麻寺境内に下り立った。重要文化財の奥の院楼門を見上げ曼荼羅堂と呼ばれる国宝の本堂に参拝し当麻寺駅へと向かった。悔しいことに駅に着くと同時に16:27発の準急が行ってしまった。駆け込むことも出来たが女性陣はそんなことより名物の「中将餅」を買うことの方が重要で18分後の電車になってしまった。大阪駅で忘年会、帰ったら選挙速報は自民党の大勝と民主党の惨敗を告げていた。
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