針ノ木谷と読売新道それから裏銀座
- GPS
- 80:00
- 距離
- 52.0km
- 登り
- 4,568m
- 下り
- 4,728m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
針ノ木峠から針ノ木谷出会いまでのくだりがハード。靴をぬらさずに遡行は不可能。 |
写真
感想
2015年のアルプス山行は北アでまだ歩いたことのない部分をつなげてルートをつくってみた。ずっときになっていた、針ノ木雪渓、針ノ木谷、読売新道を通って未踏だった水晶岳を踏むルートを設定し、後半は気分しだいで薬師方面か、裏銀座に折り返すことにする。
夏のアルプスのファストパッキングスタイルでの山行も今年で5年目でかなり装備もこなれてきた。今回のバックパックはpatagoniaのascensionist 25Lではじめてベースウェイトが4圓鮴擇辰3.75kg。
装備の変更としてはクッカーをフリーズドライ一食+スープの最小容量の350佞縫瀬Ε鵝エスビットの煤を嫌気して、はじめて燃料にutlity frameを使ってみた。
確かにクッカーの底面にあのべっとりとした煤がつかなくてよいが、なにもつかないわけではなく、白い埃のようなものが付着する。たださらっとしているので簡単におとすことができる。
かんじんの燃焼力だが、エスビットより少々劣る気がする。350佞錣すのにかなりの時間がかかる。そして
さらに寝具関係では、マットは山と道ミニマリストパッドにsolのescape lite bivyのみという最軽量の組み合わせ。今回は猛暑が続き、夕方くらいでも暑くかったので、
明け方の冷え込みが少しつらいくらいでまったく問題なかった。自分は寒さに強いのだ。
食糧計画もかなり考え方が変わった。以前は衣食住全てを背負っていくことにこだわりがあったが、最近は昼食のみならず、夕飯も山小屋のごはんのお世話になることが多い。自分はいつもテント泊なので、食事等の分だけでも山小屋にお金を落としていかなければならないと屁理屈をつけたりしていますが、おいしい山小屋飯になれるとまずいフリーズドライを食べるのが苦痛になってきたというのが実際のところです。
なので今回は毎昼食分と、ぎりぎり夕食二回分のみのフリーズドライをもっていった。フリーズドライのごはんは1食分の200gの個装をいくつか持っていく。その袋がそのままカップル―ドルリフィルをたべる容器として使用できた。
このごはん、チゲスープや、カップヌードルカレーなどの味の濃いスープをかけておじやにしないとのどを通らなくなってきた。
ためしに食べた、永谷園のお茶漬けではあの独特のにおいが消えず、完食がきびしかった。
day 1:扇沢−針ノ木雪渓ー針ノ木谷−奥黒部ヒュッテ
まいたびの夜行バスで4時扇沢着。暑くなりそうだ。
針ノ木谷の雪渓の準備として4本づめアイゼンをもってきた。4本では少々不安だったが、十分雪面に効いた。最後の方の斜度がきつくなってきたあたりではちょっと緊張したが、踏み跡を丁寧にトレースして切り抜ける。アイゼンなしで下っていく人をみる。すごい安定していた。雪山でも思うことだが雪面歩行ってセンスがでると思う。
おれは苦手だ。
針ノ木峠から針ノ木谷の出会いまでのくだりがかなりハードだった。まず全体的に荒れ気味の沢を何度も渡渉しながらアスレチックのように進む。くつをぬらさないで行くの不可能ではないでしょうか。こういう状況ではトレランシューズは強い。ぬらすあきらめがすぐできるから。
針ノ木谷にはいってからも渡渉が続く。一度靴をぬらせば飛び石でわたるより、川に入った方が早いし、安全だ。ただ身が切れるほど水は冷たいです。
遡行が終わり、黒部湖畔の道をいくがこのパートがまた木製の階段、梯子のオンパレードでかなりつらい。渡船場からヒュッテまでの二時間の行程はまったく短縮できませんでした。
15時くらいに奥黒部ヒュッテに到着。最近の夏の北アのテンバとしては信じられないがテント3張りのみ。濡れものを乾かしつつのんびりした。
ビール二缶、日本酒、ラム酒を痛飲して果てる。
day2:3時出発のつもりが、完全な二日酔いで二度寝してしまった。なんとか6時に出発したが、今日は読売新道登りの長丁場だ。途中水場もないので、2.5Lもっていった。水晶岳まではコースタイム9:50の長い登りだが、やることは一緒、ひたすらペースを保って登るだけ。途中、立山や五色ヶ原、薬師が岳などの大展望がひろがり疲れを忘れた。赤牛岳、水晶岳ともにぐるりの山々がみわたせて大満足だった。
水晶小屋に着くころにはかなりつかれていた。カップヌードルとオレンジジュースを飲んで、雲ノ平に向け出発。
テントを張り終えたころにはもう5時過ぎ、いそいでテンバから遠い小屋にいって、すべりこみで小屋ごはんにありついた。本日は石狩鍋だ。山小屋で鍋つつくのはじめてだ。もちろんおいしく、はらもはちきれんばかりにいただきました。
ツェルトに帰って速攻ねた。
day3:明け方少々寒さでつらかったがminimalist padとescape lite bivyで眠れてしまう。ただ濡れていない雨具を寝具としてつかっていることを忘れてはいけない。
本日の行程には朝まで悩んでいた。昨夜より、左膝が痛みだし、歩行に不安があったからだ。晴天はまだまだ続きそうなので、折立方面に最短下山はあり得ない。
当初予定していた、薬師をぬけて、立山方面にぬける長大ルートはムリそうだ。
考えた末、昨日、水晶からみてみごとだった裏銀座を久々にあるくことにした。
大町方面におりれば、下山後うまいそばもあるしね。
ロキソニンをのんで、ニューハレで膝をかためてゆっくり出発。今日はコースタイムどおりゆっくりあるけばいい。
水晶小屋から真砂の厳しいアップダウンをのりこえればあとは白砂の美しい裏銀座を堪能するだけ、今日も快晴絶好の登山日和だ。
野口五郎小屋で休憩し、ファストパッキングスタイルのランナーとギア談話を楽しんで、出発。そのあとすぐに左膝が痛み出した。ロキソニンが切れたか。すぐに追加で薬をのんでだましだまし歩くがかなり痛い。やばい。天気がいいので前進を選んだが、翌日以降の行程にかなり不安を覚えた。まずは烏帽子小屋につかなければ。
途中残雪を手ぬぐいで膝にまいたりして進む。なんとか膝をひきづって小屋につく。
ツェルトを張る気もおきず、小屋泊とした。
久々の夏のアルプスの山小屋は大混雑。なんとか畳一畳はあてがわれたのでよかった。
大喧噪のため、部屋にも、食事用のテーブルにも居場所を見つけられず、炎天下のヘリポートで展望をみて過ごす。がんばってツェルト張った方が休めたのではないだろうか。
ただ夕飯は最高だった、お肉ごろごろのボルシチ。もちろんおかわり込みの完食。
day4:本日は三大急登ブナ立尾根を下山。膝にかなり不安があったが、なんとか痛みはやわらいでいた。ただ、高瀬ダムからはタクシーで駅までいくことになる。なんとかほかの登山者について行ってぜひとも乗合で帰りたいところだ。いそがず、休まず、先行者にくらいついていった。
結局2時間ほどで下山。先行する3人の登山者にもおいつくことができた。
最終的には元金融関係にお勤めの山の大先輩と二人でタクシーに乗り、おごっていただいたビールを飲みつつ松本まで移動した。
松本で久々の蕎麦屋、弁天で野沢菜、そばでしめた。完璧だ。
膝のけがで結構なピンチにおいこまれたが、最高の天気のなか2015の夏山も無事終えられた。
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