坊主岳 〜 山歩きを始めるきっかけになった山 〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 4.7km
- 登り
- 892m
- 下り
- 876m
コースタイム
頂上12‥13→登山口13‥26
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所等はないですが、一部を除いてそこそこの急登が最後まで続きます。 登山届けボックスは駐車地に。 |
写真
感想
中央アルプス帯のほぼ北端に位置する坊主岳。
最近はネット等で紹介されて、遠方から訪れる人も少なくない坊主岳だが、小生の子供の頃は「坊主山」と呼んで、それこそ地元の人くらいにしか知られていないようなマイナーもマイナーといった山だった。
生まれ育った実家の庭から見上げる坊主岳は、端正でバランスのとれた山容が美しい。(多分にひいき目もある)
子供の頃からずっと、いつかは登ってみたいと思いながら家の前から眺めていたものだが、でも、いざ登るとなると当時はこれといって定まった道があるわけでなし、しかも、標高が2,000m近いとあって、村の遊び仲間と冒険気分で登ってくるというにはちょっとハードルが高かった。
そんな長年の思いが叶ったのが、この地を離れて数十年。今から7年前のこと。
山国育ちとはいえ、山の歩き方もろくに知らずに、息せき切って登ったその頂きからは、子供の頃に思い描いていた世界とはまるで違った世界が広がっていた。
私の山歩きが始まったのはこのときからだった。
その坊主岳も今回で3回目。
今回は、盆に帰省したついでに(というのもなんだが)久しぶりに登ってきた。
実家から、5、6分も車を走らせると、奈良井ダムの県道493号沿いに、最近になって新しく設置されたらしい登山口案内板が見えてくる。
ダム湖に注ぐイノコ沢を少し奥に入ったところに、車数台が止められるスペースがある。
6時30分、駐車地にある登山ボックスに登山届けを入れて出発。
登りはじめて数分後。場所的に御嶽山に関する祠だろうか。幾つか並んで鎮座している。今日の無事を願って手を合わせる。
半直登、半九十九折りの急登を登ることおよそ50分。小坊主と言われる辺り(だと思う)でその急登も一段落して一息。
それまで、主に唐松林が続いていた登山道もこの辺りからは白樺やナラ、ブナといった木々が多くなってくる。
そして、ササもこの辺りから徐々に現れてくる。
以前はこの後、何カ所かで背丈程もあるササ薮漕ぎに苦労したものだが、今回はそのササも苅られていて、すっかり歩きやすくなっていた。感謝。
小坊主で一息ついた後は、すぐにまた急登が始まる。
なにしろ、登山道はほぼ頂上まで右も左も木々の枝葉に遮られてまったく展望が効かないのがこの山の特徴。楽しみは最後まで取っておけという、この山の粋な計らいと受け取っておこう。
それでも、後半になると一カ所、突然前方が明るくなって左右開けた場所に出る。
ここには、左に御嶽山、右後方に木曽駒ヶ岳が現れていきなりの大展望が待っている。が、今日の御嶽山はあいにく頂上付近にガスがかかって、眺めはいまひとつといったところか。(結局、御嶽山からはこの後もガスがはれることはなく、ここでの写真一枚が今日のベストということになってしまった)
そこからさらに登ること30分近く。最後の灌木帯を抜けると前方が一気に開けて、頂上はもう目の前(といっても見えないが)。
日射しの少ない樹林帯から、突然、まばゆいササ原の世界へ飛び出した。
坊主岳頂上(1961m)到着、8時53分。
天気は申し分ないのに、まっ先に目に入ってくる御嶽山は、途中で眺めたときよりも更にガスが増えている感じだ。
北西方面の乗鞍岳も、東の八ヶ岳も、北アルプスの穂高、槍も微妙にガスがかかっている。そんな中、南方向の木曽駒ヶ岳だけはガスに遮られることなく、全景を見せてくれている。
下界に目を移せば、我が実家のある集落もよく見える。(ちなみに、現在は引っ越して空き家)
山頂広場は風もなく、暑くもなくて、なんとものどかな世界が広がっている。
何頭(羽)ものキアゲハが、時には同じ蝶同士戯れたり、時には じゃれるようにトンボを追いかけたりして、ひっきりなしにササ原の上を飛び交っている。
先程までガスがかかって望めなかったアルプスの山々も、次第にそのガスも取れて(粘った甲斐があった)山頂部分が見えないのは御嶽山だけになった。
頂上に着いてから4、50分ほど後に登ってきた名古屋からという単独男性と、その男性が帰った後に登ってきた、諏訪からという単独男性、お二人と話しなどしているうちに、時間はあっという間に過ぎて、頂上にくつろぐこと3時間。
後は御嶽山だけが心残りだが、これだけのどかな時間を過ごすことができて、そこまで望むのは贅沢というもの。
まだまだゆっくりしていたい気持に踏ん切りをつけて、12時13分、重い腰をあげた。
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