記録ID: 7055177
全員に公開
ハイキング
槍・穂高・乗鞍
御嶽山
2024年07月21日(日) ~
2024年07月22日(月)
体力度
3
日帰りが可能
- GPS
- 07:52
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 932m
- 下り
- 1,034m
コースタイム
1日目
- 山行
- 4:24
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 5:21
15:33
2日目
- 山行
- 2:09
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 2:23
9:10
ゴール地点
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
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アクセス |
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訪問者数:65人
木曽福島駅から七合目の田ノ原までは路線バスで移動。登山口には、御嶽山の成り立ちや火山活動に関する展示が充実したビジターセンターがあり、清潔なトイレが併設されていました。
登山口から遥拝所を過ぎてしばらくは平坦な道が続きますが、大江権現の前後から勾配がつき始め、金剛童子の像まで来ると、山肌が急に迫ってきました。
八合目避難小屋、九合目避難小屋が見渡せましたが、なかなか辿り着けません。時折涼しい風が吹くものの、日差しが照りつけると、なかなか足が思うように動きませんでした。
富士見石の辺りから、ガスが立ちこみ始めました。一口水からは一滴の水も滴らず、岩場ながら単調な登りが続きました。
大幅なペースダウンをしたものの、何とか王滝頂上に到着し、王滝村側を見ながら大休止。
御嶽神社頂上奥社本宮を参拝し、敷地から登山道に向かおうとすると、これまでの低木が点在する光景から一気に剣ヶ峰が目の前に。
平成26年9月27日、突然の水蒸気爆発により、多くの登山客が巻き込まれ、58名が亡くなり、今なお5人が行方不明になっている現場。
殺伐とした光景の真ん中を剣ヶ峰の山頂まで登り詰め、改めて眼下に広がる殺伐とした活火山の核心を眺めながら、火山から噴出した岩石や噴煙が飛び交う中で帰らぬ人なった方々のご冥福を祈らずにはいられませんでした。
山上の石碑には、被災者の救助捜索、再捜索には一ヶ月以上、延べ2万人の方々が従事されたと記され、改めてその労苦に思いを馳せることができました。噴火直後にこの地で行われた救助がどれだけ困難であったのか、思い起こすことができました。
二の池方面に下り始めた途端、午後3時の防災無線で「ふるさと」が山上に鳴り響き始めました。たった今祈りを捧げた人々のことを思い出し、滂沱の涙が出てしまいました。
旋律の最後が「アーメン終止」に編曲されていたのが編曲者の祈りが反映されたのではないかと想像を巡らせました。
気を取り直して下り続け、黒沢口十字路から二の池を眺め、残雪を残しながらもすっかり干上がった荒涼とした池の端の砂を踏みしめながら、山小屋に着きました。
山小屋からは綺麗な夕陽を眺めることができ、2日目の朝日に期待を寄せながら、眠りにつきましたが、夜半から天気予報では予測できなかった暴風雨が山小屋を襲い、朝まで強い風と濃い霧が残りました。
2日目の朝、山小屋の方からあと1時間も待てば、風は収まり、ガスも抜けるというアドバイスをいただいたものの、予定していた摩利支天や継子岳には行かず、直接下山することにしました。
黒沢口に下山する途中、覚明堂、石室山荘までは濃い霧の中を無心に歩きましたが、山小屋で受けたアドバイスどおり、八合目の前後からガスが抜け、青空が広がり、振り返ると御嶽山や継子岳の全貌が見渡せるほどになっていました。
黒沢口に至る登山道も古からの御嶽信仰を今に伝える碑銘や像が数多く残されていました。女人堂を過ぎ、樹林帯をゆっくり下り、ロープウェイの分岐に差し掛かると、またしても山頂と同様、深い霧に包まれました。
時間的には、中の湯まで下りてバスに乗ることもできましたが、火山活動とコロナにより、ロープウェイの利用者が急減していると聞いていたので、ロープウェイを利用しました。
七合目に当たる飯盛高原駅から鹿ノ瀬駅までは全長2,230m、およそ15分でしたが、とても名残惜しい気持ちになり、今回歩けなかった摩利支天や継子岳に再挑戦したいという気持ちが強まりました。
鹿ノ瀬駅から木曽福島駅までは路線バスを利用。その日は、東海道新幹線が終日運行を停止していたため、名古屋から塩尻に向かう特急は満員状態でした。
幸いに名古屋方面に向かう特急は、迂回する旅行客のピークではなかったため、混雑を回避できました。予定どおりの時間に下山していたら、混雑する電車に乗っていたかと思うと、予定を早めた判断も悪くなかったと思えてきました。
あの惨事の記憶が生々しく残る御嶽山を敬遠している人もまだおられると思いますが、火山の噴火や山体崩壊等により、これまで日本中で数多の人々が命を落としてきた歴史を知る意味でも、安全を心がけながら、活火山を登山する意味はあると改めて思いました。
今回は、富士山と並ぶ我が国の名峰に登ることができましたが、こうして記録を残しながら、またいつか訪ねたいという気持ちが強まってきました。
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