涸沢カール/パノラマコースは通行できず
- GPS
- 32:00
- 距離
- 31.7km
- 登り
- 1,135m
- 下り
- 1,116m
コースタイム
涸沢小屋7:30-7:48涸沢ヒュッテ8:30-9:57本谷橋10:02-11:02横尾山荘11:15ー11:55新村橋11:59-12:12徳沢ー12:49徳本峠分岐ー13:06明神ー13:46河童橋
天候 | 曇りのち晴れのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
http://sawayaka.alpico.co.jp/ 上高地BTから沢渡まではシャトルバス。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは上高地バスターミナルと横尾山荘にあります。 危険な個所はありませんが、唯一本谷橋と涸沢の間で道が崩落。 涸沢の雪渓はアイゼンがあった方が楽。 今年は雪が多くパノラマコースは不通。 |
写真
感想
昨日は焼岳→ http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-70915.html
に登ったので、昨夜は河童橋のたもとの「ホテル白樺荘」に泊まった。
夜中に強い雨が降って、その雨音で目が覚めたが、疲れているのでまた直ぐに寝た。
朝、起きたら雨は止んでいたが、晴れてはいなかった。
河童橋を渡り、涸沢に向かった。
今日は涸沢小屋に泊まる予定だ。
明日は涸沢からパノラマコースで多少危険だが屛風の耳から屏風の頭へ登り360°の
パノラマを楽しんでから上高地に下りる予定だった。
しかし、涸沢に着いてから知ったのだが、今年は雪が多くて危険だという事で登山道は
まだ通行禁止なのだそうだ。残念だが仕方ない。
今年は8月に入ってから通れるんじゃないかという事だった。
これで涸沢のピストンが決定した。
とは云え、涸沢は初めて行くので、知人からも良いところだと聴いているし期待は
膨らむ。
今日のメンバーも、昨日焼岳に登った山仲間のTちゃん。
Tちゃんはサポートタイツを履いているのだが、今朝になったらひざの内側が痛いと
訴えていた。
とりあえずそのまま歩き出したが、明神と徳沢の間でやっぱり痛いと言うので、
ひざにテーピングをしてあげた。したら何とか歩けそうなので良かった。
ま、今日は急いで登らなくてもいいので、ゆっくり歩こう。
横尾では昼食を摂った。
休憩は明神でトイレ休憩を取っただけで、休憩らしい休憩をしていなかった。
また弁当も持参していなかったので、横尾で40分ほど早めの昼食にした。
横尾大橋を渡り、左に屏風岩を眺めながら暫く歩いていくと岩の途中に滝がある
ことに気がついた。
高さは20mだろうか・・・30mだろうか・・・屏風岩が余りにも巨大過ぎてその滝の
大きさが判断できない。もしかしたら10mかもしれない。
でも確かに屏風岩の真ん中あたりに滝はある。
その滝を正面にまわって見たとき、山の頂上方面から川が流れていて、それが
屏風岩で滝になっていることがわかった。
次の日、涸沢からの帰り道そこを通ったら、その滝がなくなってる。
て、ことは前の日に降った雨でできた滝ってことだ。
雨が降った時だけ現れるこの滝の名前を「幻の滝」と命名させてもらった。
その「幻の滝」の右横の緑色に草が生えている斜面にはたぶんニッコウキスゲであろう
オレンジ色の花が一面に群生していた。
それはまるで、宮崎駿の「天空の城ラピュタ」を連想させた。
そういえば、後で登場する岡山の三人衆のお一人Mさんはその滝を「天空の滝」と
呼んでたっけ。
本谷橋を渡ったところで、これからの急登に備えて休憩していたら、雨がパラパラ
降りだした。
歩きだしても雨は降ったり止んだりを繰り返しながらしばらく続いた。
途中、涸沢ヒュッテが見えた。
小屋が見えてから、登っても登っても涸沢に着かないと知り合いから聞いたことがある。
「あぁ・・・これね」って、我々ははやる気持ちを抑えながら登っていく。
Tちゃんもゆっくりだが一定のリズムで一歩一歩脚を前に運ぶ。
良かった。
心配していたひざも大丈夫そうだ。
息を切らせながら更に登っていくと雪渓が現れた。用意していた軽アイゼンを履き、
雪渓に足を踏み入れた瞬間、冷たい風が熱くなった身体を全体に包み込んで心地
良かった。
もう夏だというのに冬の間に降った雪がこんなに沢山あるなんて、自然の大きさに
改めて驚かされる。
気がつくと、いつの間にか雨は止んでいて、また青空が戻ってきていた。
Tちゃんは珍しい雪渓と近づきつつある涸沢カールとそれを取りまく山々を見ながら
足を止めて何度も景色を撮りまくっていた。
釣られて私もシャッターを切り続けた。
そんなことをしなが歩いていたら、遠くにあった筈の涸沢小屋がいつの間にか
目の前に現れたが、すぐそこにありながも私達は余韻を楽しむようにゆっくりと
登っていくが、それも程なく到着した。
着替えをし、早速テラスで生ビールを飲もうとしていたら、涸沢まで来るまでの
途中何度か話を交わした岡山の3人組の方々と一緒に杯を交わすことになった。
夕飯までの数時間、山談議に花が咲いた。
楽しい会話、美味しいお酒、きれいな景色。なにもかもが素敵な時間だった。
夜中に起きて夜空を見上げたら、満天の星空だった。
子供の頃、父親に上高地に連れられて、夜、眠い目を擦りながら見せられた時以来
のきれいな星空だった。
寒かったが、そんな昔の事を思い出しながら暫くの間、天体ショーを楽しんだ。
朝は早めに目が覚めた。
東の空が明るくなりはじめて、今日も天気が良くなることを予感させた。
更に空が明るくなってきた。
モルゲンロートを見たくてテラスにでる。
前穂や奥穂の山頂が赤く染まり始めた。ほどなく吊尾根も赤く染まり、それが下に
下がってきた。
やがて見える山全体が太陽によって明るく照らされた。
朝食を食べて、昨日ご一緒した3人の方々は北穂に登るということでお別れをして
三人の縦列が小さくなるまで見送った。
我々も出発することにした。
心配してたTちゃんのヒザも大丈夫そうだ。
涸沢小屋をあとにし、まだ涸沢に浸っていたいと思って涸沢ヒュッテに寄った。
コーヒーとソフトクリームを頂いた。
ヒュッテの展望テラスから見る穂高の山々も小屋から見るより更に雄大に感じた。
暫くは見れないこの景色をしっかりと脳裏に焼きつけようと貪るように細部に至る
まで眺めていた。
そして、沢山の画像を撮った。
涸沢ヒュッテからの雪渓の下りはあっという間に下ってしまった。
途中、振り返ったらすでにヒュッテも小屋も見えなくなっていた。
それでもカールは伺いしることができたので、惜しむかのように何度も振りながら
降りてきた。
本谷橋も近くなってきた頃、早朝に上高地から登ってきた登山者とすれ違うように
なってきた。
三連休の初日なので今日はたくさんの登山客が訪れるのであろう。
本谷橋でたくさんの登山者が休んでいたので、我々はそのままスルーする。
本谷橋と横尾との間で、沢山の登山者とすれ違った。
500人だろうか・・・800人だろうか・・・それ以上かもしれない。
全部が全部ではないだろうが、8割の人達は涸沢のどちらかの小屋に泊まるのだろう。
布団一枚で何人が寝るのだろうと想像するだけで可哀そうで仕方ない。
その位の人たちが細い登山道を登ってくるものだから、その度に待っていなくては
ならず、なかなか進まないが仕方ない。
でも、悪いことばかりじゃなく、さすがに一度にそれ程の登山者と遭遇したことは
初めてで、その人たちの着ているものや、身につけている小物や、ザックやウエア―
の色の使い方など色々と参考になった。
そんなことをしていたら通常のコースタイムをはるかにオーバーしながらも、
山のファッションショーを見ながらなのでおもしろかったし、あっという間に
横尾についてしまった。
横尾はたくさんの登山客が休憩をしていた。
私達もトイレ休憩をし、すぐに出発。
徳沢も通過し、白沢出合の徳本峠の分岐近くまで来たとき突然スコールのような
雨が降り出した。
取りあえず、カッパの上着だけ着て、明神に着いたらカッパのズボンとスパッツを
履こうと思ったのだが、観光客や登山者で明神館やトイレの軒先まで人がいて、
着替えをする余裕などなかった。
仕方なくそのままトイレだけ行き上高地へ。
途中、道が水浸しになった所が何か所もあり、一緒に前後して傘をさしながら歩いて
いた観光客の女性などは、最初は水たまりを気にして歩いていたが、最後には諦め
たのか足首までバシャバシャ浸かって渡っていた。
そんな感じの雨なので、上高地に着いても、五千尺ホテルや土産物屋は人でいっぱい
だった。
どうしても風呂に入りたかったので、駄目元で一昨日の夜泊まった、ホテル白樺荘
のフロントの男性に伝えたら、私達の事を覚えていてくれて快く「お風呂をお使い
下さい」と言ってくれた時には涙がでそうなくらい嬉しかった。
だって、そこだって、観光客一杯いたし、その対応で大変だったろうに、登山客
なんてかまってられないといった感じだったのだ。
風呂から上がって生ビールが最高に旨かったのは言うまでもない。
あれだけ降っていた雨もバスターミナルに着く頃には嘘のようにあがっていた。
バスは16:00出発だが30分近く遅れて、シャトルバスで沢渡へ出発。
そこからさわやか信州号に乗り換えて一路新宿へ。
カメラに写した大量の画像を見ながら、焼岳と涸沢を振り返って気がついたら
寝ていた。
2回のトイレ休憩を含め、遅れて出発したにも拘らず定刻の21:00に4時間30分で新宿に
到着した。
自分で運転するより数段楽をすることができて大変有難かった。
バスを降りたら「暑い」と感じた。
湿気を大量に帯びたものすごい暑さだ。
帰ってきたばかりなのに涼しい涸沢が恋しくなった。
この日、関東地方は梅雨明け宣言をしたそうだ。
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