【京都北山】久多川・樋の谷遡行〜針畑川・染ヶ谷下降
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- GPS
- --:--
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 896m
- 下り
- 904m
コースタイム
- 山行
- 8:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:30
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※ 染ヶ谷は完全に滋賀県の流域なので,正確には京都北山ではないですが,単純化のためタイトルを「京都北山」でくくっています。滋賀県民の皆様すみません…。 【久多川支流・樋の谷(左俣)】 ・ 久多中の町付近からP909(カラ滝山)の南側に突き上げている小さな谷。最初は植林の中の凡流だが,二俣を左俣へと入るとトチや天然スギの巨木を含む美しい自然林となり,20mほどの斜滝を筆頭とした連瀑帯が現れる。大きな滝を含め,ほぼすべての滝がホールド豊富で,直登できるのでなかなか楽しめる。 ・ 中ほどに,滝身から木(カツラ?)が生えた珍しい滝がある。樹木と滝の岩肌で形成された凹角をシャワークライミングするという,他ではなかなか味わえない?不思議な登りを味わえる。 ・ なにぶん小さな谷で水量が乏しいので,水量が多いときがおすすめ。大雨の後くらいがちょうどいいと思う。 ・ なお,樋の谷の右俣も覗いてみたが,植林が長く続くうえ,左俣と比べて滝も少ない(かなり登ったところで30mほどの多段ナメ滝と15mほどの2段の滝が出てくるくらい)なので,それほどおすすめできない。 【針畑川支流・染ヶ谷】 ※ 谷名について…「山と高原地図」では「染ヶ谷」,「北山分水嶺トレッキングマップ」では「柳ヶ谷」となっており,どちらが正しいのか悩ましいところですが,地元の協議会が発行している文化財に関するパンフレットでは「染ヶ谷」となっており,出合に掛かる橋の名前も「染ヶ谷橋」と言うようなので,この記録では「染ヶ谷」を採用させていただきます。 ・ 朽木の小川集落からP909(カラ滝山)の東側に突き上げている谷。林道が入っておらず,出合からしばらくの区間を除いて大半が(二次林ではあるものの)自然林に包まれており,植林の多いこの山域では稀有な谷。 ・ 序盤に2段20mほどの美滝,源頭部に10mほどの滝あり。また全体的にナメが多く,穏やかな中にも変化に富んだ表情を見せる。がっつり沢登りしたいという向きには物足りないと思うが,深い緑の谷をゆったり逍遥したいという人にはぴったりの谷だと思う。 ・ 樋の谷と同じく,水量が多い時期の訪問がおすすめ。 【装備について】 ・ どちらの谷もほとんどの滝が直登(≒クライムダウン)可能で,それが無理でも概ね簡単に巻けるので,遡行は難しくない。ロープも不要で沢足袋or沢靴さえあれば大丈夫(もちろん,ロープも持っていたほうがより安全なのは言うまでもないが)。 |
写真
(樹種はカツラっぽいが,逆光であまり良く葉の形が観察できなかったので,間違ってたらごめんなさい)
感想
この土日は台風が接近していることだし,家でおとなしくしていよう…と思っていたのに,フタを開けてみれば台風の移動速度が遅すぎて,全然雨が降らない。結局,台風が近づく前に,近場の京都北山周辺の谷をちょっとだけブラつくことにした。
向かったのは,久多川支流の樋の谷と,針畑川支流の染ヶ谷。どちらも,地形図で何となく気になっていた谷だ。ちなみに,どちらの谷も,ネットでは全く記録がヒットしない(正確には,樋の谷は一件だけ渓游会さんの記録がヒットするが,古い記録のため,リンクが切れていて閲覧できなくなっていた)。まあ,西尾寿一先生の「渓谷」とかには載っていそうな気もするが,不肖hillwanderer,恥ずかしながら未だに拝読の栄に浴しておらないのです(京都北山の谷を徘徊するものとして失格?)。台風の影響でここ数日断続的に雨が降っていたし,水量もいい感じに増えて,京都北山の小さな谷でも見栄えが良くなっているのでは,と期待して行ったのに,むしろ普通に減水状態でややがっかり。それはまあ仕方ないとして。
樋の谷左俣の軒並み直登可能で爽快極まりない斜滝群,そしてトチとカツラの巨木の森も素晴らしかったが,どちらかというと,今回は下降路とした染ヶ谷のほうが個人的に大きな収穫だったような気がする。植林の多いこの山域において,これだけ穏やかな谷であるにもかかわらず,林道が入っていないうえに流域の大半が自然林のまま保たれているというのは,なかなか稀なことではないだろうか。それだけでもちょっとしたレアものなのに,等高線も緩み切ったような,予想も付かない地点で現れた2段20m滝には驚かされた。高さはもちろん姿の美しさという点でも,針畑川流域ではトップクラスの滝と言えるのではないだろうか。もちろん,針畑川の滝を全部見て回ったわけではないので,あんまり勝手なことは言えないですが。
近場で時々こういう谷に出会うと,身近な山の知られざる意外な一面を垣間見たようで,何となく嬉しい(もちろん,ハズレも多いけれど)。遠くの大きな谷に求めるものと,近くの小さな谷に求めるものは,それぞれ何だか違う気がする。久多川や針畑川には行ってみたい地味な谷がまだいくつかある。密かな楽しみです。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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渓游会のHPのリンクですが、yahooブログの閉鎖で切れているものばかりで申し訳ございません。
当時の会員が遡行した時の記録です。(yahooからアメブロに引っ越ししてます)
https://ameblo.jp/masaharu222jp/entry-12558610595.html
彼はもう退会しましたが、この当時よく北山界隈や芦生方面の谷を企画してくれました。
hillwandererさんの記録のお陰で彼と遡行した事を色々思い出し、懐かしさに浸れました。有難うございます。
うわー、わざわざURLを教えていただき、恐縮です! 貴重な記録を拝見させていただき、ありがとうございます。
この方の他の記録も拝見させていただきましたが、京都や芦生のいろいろな山・谷に行かれていて、大変参考になります。
京都北山は、大きなウエイトを占めていた芦生の谷に事実上入れなくなってしまったので、近年は沢登りの対象とするのが難しくなっているのが残念ですね。もちろん、他にも面白い谷がたくさんあるはず!という思いで歩き回ってはいるのですが。
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