明神岳・桧塚《関西百名山》
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- GPS
- 06:58
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 880m
- 下り
- 880m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
京都駅で全員集合しT堂車、Y本車の2台で大和路を目指した。高見山トンネルで三重県に入り、松阪市飯高町青田の山深い木屋谷川に沿って走る千秋林道を奥へと入った。舗装が途切れダート道になると、水逃がしの坂阜が小山のようで藤堂車は腹を擦りそうで越えるたびに同乗の2人が降りて車体を軽くして通過し漸く万年橋手前の駐車スペースに辿り着いた。
登山口付近には登山者と思われる車が5台止められていた。同じようなコースを目指しているのだろう。千秋林道は万年橋で木屋谷川左岸に渡ってしまうが、橋の袂から登山道が始まり右岸を進んだ。急峻な谷、高巻きの道で険しく傾いた丸木橋は慎重に通過し、崩れやすいガレ場は足を下ろす場所を慎重に見極めて進んだ。体験山行のH野さんは、北アルプスや中央アルプスの経験はあるが、こんな危ないところは初めてと云う。枝沢のワサビ沢は深く切れ込み流量もそこそこあった。渡渉し対岸の斜面をどんどん登り、川面は遥か下になってしまった。
地形図では高巻きのまま奥山谷に入るが、現実には河原に下り本谷(ウシロ谷)と奥山谷が合流し木屋谷川となるところに下りる。旧道? 方向にも明確な踏み跡があったがだんだん薄れて来たので引き返し急峻に切り立った斜面を合流点へと下降し、奥山谷を渡渉した。昭文社地図(2003年版)には此の地点に「桟道欠壊」と赤書きされているが、人工物の痕跡などは一切なかった。過去のwebの記事によると残骸があったと云うのもあったが全て流されたようだ。そして安全な状態でないことは明らかだった。
休憩の後、奥山谷左岸の登山道を行くが何度か右へ左へと渡渉を繰り返し、高度を稼いだ。枯木にオレンジ色のキノコが沢山付いているのを見つけたが何だろう? 今年の夏が暑かったせいかキノコが豊作、松茸も安いと云うが世間を騒がす毒キノコを間違って売らないようにして欲しいものだ。標高1,200mあたりで左岸前方に現れた大岩では下を行くか、上を巻くかの思案があったが、安全そうな上を巻くことにした。右手の斜面を這い上がるが踏み跡は薄い。上に出ると明神平を思わせるなだらかな部分で先に見える鞍部が明神平であろうと見込みを付けトラバースしていくと天理大学の小屋が見えてきた。しかし正しい道は大岩の谷側にあったようだ。
明神平は多くの人達が休憩中で大半が大又川から来たのだろう。樹木が少なくシダ類や、刈り込まれた芝生のような笹原に高原の長閑さがあって気持ちがよい。しかも緩い斜面で競り上がる水無山と前山の斜面は紅葉が始まりオレンジ色になって秋色真っ盛りと云う感じだ。天理大学の小屋は古びて廃屋のようだが、天王寺高校あしび山荘はしっかりしていた。どちらも非公開で一般登山者には門戸を閉ざしている。
原っぱで休憩した後は今日読図ポイントに挑戦するT堂さんを中心に、読図講習、コンパスで進路を合わせて地形の変化に注意しながら真南に進み三ッ塚(約1,400m)に登る。途中で前山から薊岳へ行く道が分岐し、左手に岩峰を見て三ッ塚山頂に達した。北の方に一部展望があり大台ヶ原の日出ヶ岳まで望むことができた。明神岳を目指し東南東に進路を変えると枯枝に15僂魃曚┐覽霏腓併韻鮃げたキノコを見つけたがこれまた何だろう。素人鑑定は事故の元、N田さんがいたらたちどころに教えてくれるのになあ。
三ッ塚から稜線の縁をなだらかに歩いていると突然山頂標識が現れ、明神岳(1,432m)に到着してしまった。山頂標識が、其れと知らせてくれるだけで展望もなく、関西百名山としては何とも味気ない。しかし痩せても枯れても関西百名山、山頂標識を囲んで皆で記念撮影をして敬意を表した。明神岳からは主稜線を離れほぼ西へ続く尾根に入った。西へとは云うがかなり入り組んだ地形だ。この間の地図読みはポイントgetを目指すT堂さんには丁度良い教材だ。進行方向の変わり目ごとにコンパスを合わせ、地形の変化と地図を照らし合わせていると既にポイントget済みのO崎さんが「これは面白い」と地図読みに嵌り込んでいた。2つ目の無名ピークに判官平と云うプレートが切株に置かれていた。此れも山頂として数えよう。
次のピークは、赤山(あかくらやま1,394m)と名があるが、残念ながら山頂を示すものはなかった。一つピークを挟んで桧塚奥峰(1,420m)に達するが手前の鞍部は明神平のように笹原で展望が利いた。男性二人組が追い抜いて行った。山頂域に乗り上がった処から10m分岐した所が山頂で展望は素晴らしい。台高山脈は大台ヶ原まで一望、大峰山脈も主要な山が全部見える。イーゼルに立てた新しい山頂標識が誇らしげでその向こうに桧塚の本峰が佇んでいる。先行した若い男性二人が休憩中でどうやら登山口で会った人達のようだ。
さて恒例のミッションは、「1:迷岳を山座同定」で配布の20万図を使いコンパスを合わせ、地形を見て西微南方向に迷岳同定成功。次は「2:桧塚までの所要時間を予想」、これから向かう桧塚本峰までは直線距離で400m、歩行距離は600m、15分から25分の予想タイムが出された。ゆっくり休憩した後、桧塚に向かうと何と所用時間は僅か11分だった。こういう場合どうしても多めの予想をしてしまうのは仕方がないのか。結果は15分を予想したT堂さんとH野さんが最も近かった。
桧塚(1,402m)山頂に展望はないが、2等三角点「蓮2」があり今日唯一の三角点峰で皆点標にタッチし山頂を味わっていた。来た道を引き返し、鞍部を登り返した所から北に延びる尾根は笹原で明るく気持ちが良い。北の方には高見山が大きく聳えているが、こちらから見るとあの特徴的な円錐形はかなり平べったく、どっしりした感じに見えた。やがて樹林帯に突入しジグザグに下っていると、林道が現れ登山道がなくなった。さてどっちに進めばいいのか偵察を繰り返し、取敢えず林道を東へと進んだ。関西百名山地図帳に掲載されている作業小屋らしきものを発見、小屋の前に再び登山道を見出しひと安心、実は林道に出くわす前に道を間違ってしまっていたようだった。
この後何度も林道を横断し右手にマナコ谷が近づいて来て水面が見えだすとすぐに千秋林道に飛び出した。T堂車に乗ってきたI坂さんとO崎さんはT堂車の腹摺り防止のため林道を歩いて下りだした。Y本車は4人乗っても問題なく舗装道路まで走り切れた。帰途、高見トンネルを越え東吉野村平野の“たかすみ温泉”に立ち寄り汗を流した。茨木に帰るT堂車にはH野さんが同乗し桜井付近で自然解散しY本車は京都駅へと向かった。
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