日高・神威岳(小雨の中、名山独り占め〜下りの沢筋でヒヤリ…)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 11.0km
- 登り
- 1,323m
- 下り
- 1,308m
コースタイム
天候 | 午前中雨降り、午後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
山荘からすぐのところでニシュオマナイ川本流徒渉(雨天後増水注意)。最初はなだらかな右岸の作業道、その後、尾根取り付き点までは支沢越えや右岸~左岸の徒渉を繰返し(要所に赤テープ)。尾根取り付き(通常はここで沢靴〈デポ〉→登山靴履き替え)からは頂上まで、途中1ヶ所のタルミ除きほぼ急登の連続。ロープ等もなく、特に雨天時・雨天後は下りの滑落注意。 沢歩きは滝も淵もほとんどなく、好天時は快適ながら、降雨後は一転急流と化し、悪魔の様相を垣間見せます(特に、飛び石伝いの徒渉点ではスリップ・転落注意!小生も帰路増水した沢で最後の一跳びに失敗、深みにドボン…)。 |
その他周辺情報 | 荻伏から静内方面に約5kmで日高三石温泉・蔵三あり。道の駅併設で夕食・宿泊・仮眠もでき、日高名山ハンターの力強い味方です。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テントマット
シェラフ
ヘルメット
クマ鈴
携帯予備バッテリー
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感想
シルバーウィークは、久々の北海道遠征。連休後半はフライトが取れず、金曜午後休を取り早めの出撃。当初は足慣らし的にニセカウ踏破の後、日高に分け入る予定ながら、運悪く連休前半の予報が悪く、沢の増水も懸念されたため、急きょ神威岳を最初のターゲットとしました。
前夜、日高ヤマラーの強い味方・三石道の駅温泉で「戦闘服」に着替え、腹ごしらえした後に荻伏から長い未舗装林道ドライブ。途中、度々突然出現する野生のシカに先導?されるように、ダート道の割に走りやすいコースを1時間余りかけ走破。懐かしいペテガリ登山口を見送り、夜9時過ぎに立派な神威山荘に到着してみると、予想に反して先着者はゼロ。大型連休とはいえ、天気予報が悪いこともあり、この山域のマイナーさを思い知らされます。
雨と風の音、そして甲高いシカの鳴き声に不安な一夜を過ごし、明るくなる中、小屋の外に出てみると、風は強いものの雨は小止み。日高地方の予報も昼前まで曇り、のち雨ということで、沢の増水を考えると本日が唯一の山頂アタックのチャンス!急いで朝食を済ませ、勇躍単身ニシュオマナイ川本流に分け入ります。またもシカさんのお出迎えを受け、雨天・早朝時に活動するというクマさんには遭いたくないな、とクマ鈴を振り振り、右岸の快適な作業道を進みます。いつしか沢筋に出ると、右岸‐左岸の徒渉を繰返し(どちらかというと左岸を歩いている時間が長かった感じ:気のせいでしょうか?)、雨は相変わらず振り続くものの、沢の水量はさほどでもなく、要所に分かりやすく付けられた赤テープに導かれるように、コースタイムを若干オーバーする程度で尾根取付き点到着。
雨中の急登に不安もありながら、ここまで来れば、撤退よりはアタック、ということで、沢靴をデポ、登山靴に履き替えてギアチェンジ。ここからが名にし負う日高の急登、木の枝や笹を両手で掴みながら、ほぼ山頂まで休む間もない急斜面が続きます。そろそろ心が折れそうになる頃、いつしか雨は小止み、空も少し明るくなって、向かいの尾根の稜線がうっすら見えてきます。木々のささやかな紅葉も雨中の一人山行の無聊を慰めてくれ、ハイマツのプロムナードをかき分けるように進むと、山荘から5時間半の難行の末、ついに難攻不落の神威岳山頂到達!風も弱く、日高の山奥に独り居ることを忘れさせる静寂が流れます。
とは言え、沢の増水も心配で、感慨に浸る間もなく早々に下山開始。山頂の「ご無事でお帰りを」のカンバンがシャレにならないぐらい、下りの急降下は疲れた身体にこたえ、両手足を駆使して慎重に歩を進めます。沢靴デポ地点まで辿り着くと、思わず「あとは楽しい沢歩きだ!」と気が緩みますが、どっこい油断大敵。朝方の穏やかな沢筋とは一変して、昨日来の降雨が結構な急流となって押し寄せ、往路は何でもなかった徒渉点が一転、スリル満点の石飛びアトラクションに…。
案の定、途中の徒渉点で最後の一ステップが及ばず、対岸の木を掴み損ねて深みにドボン!首まで水に浸かりながらも何とか這い上がり、ずぶ濡れのザック+ウェストポーチの浸水被害を確認すると、あろうことかレンタカーの電子式キー(金属のカギでなく、車中にはエンジンのオンオフのボタンしかないタイプ)にも若干の浸水が…。仮にキーが動作しないと、ケータイの繋がる20km以上先まで歩いて助けを呼ぶか、はたまた偶々神威山荘にやって来た他の登山者に下界へ連れて行ってもらうか、着替えも車の中だし、濡れネズミの臭い格好で長時間過ごすのは苦痛…いっそのこと車の窓ガラスを叩き割るか?と想像はドンドン悪い方へ傾き、ルンルンのゴールのはずが、ハラハラドキドキ状態で夕方になっても無人状態の神威山荘に帰着。車のキーを押すと、幸いにもちゃんと動作し、力が抜けて思わずヘナヘナとその場にへたり込みました。
ちょうど、昨夜来初めてのカップル登山者が車で到着、聞けば明日ペテガリへ向かう由。相変わらず神威岳は人気ないな、と苦笑しながら、沢が増水気味なのでお気を付けて、と声がけし、再び長い林道を走破。しのつく雨が降る中、ようやくケータイの繋がる荻伏のコンビニで浦河の今夜の宿(ビジネスホテル)を予約。今回のツアー唯一のベッド・布団付き宿泊地ですので、雨と沢水で濡れまくった身体と装備立て直しのためにも、多少の高コストはガマンです。
翌日は天候も回復、花の百名山・アポイ岳ハイキングという魅力的なプランもありましたが、沢スリップのダメージや筋肉痛もひどく、あっさり断念。ミーハーツアー客に混じり、アポイ岳ジオパーク展示館やえりも岬の観光を楽しみながら、次なるターゲット・北大雪のニセカウ登山口へと350km余りのロングドライブです。
それにしても、今回の神威岳ツアーでは、日高の山の奥深さ、降雨時の豹変ぶりを改めて思い知らされました。カムエクやペテガリはクマの恐怖もあってガイド付きツアーに参加しましたが、神威岳も日帰りコースとは言え、単独行はリスクも大きいことを実感しました。少なくとも、装備品(特にレンタカーなどのキー類!)の防水対策には抜かりなく!…というのが、今回一番の教訓でありました(汗)。
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