二百名山196座目:朳差岳&飯豊連峰大縦走
- GPS
- 86:49
- 距離
- 131km
- 登り
- 4,737m
- 下り
- 4,736m
コースタイム
- 山行
- 11:48
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 13:01
- 山行
- 7:19
- 休憩
- 5:15
- 合計
- 12:34
- 山行
- 6:32
- 休憩
- 3:12
- 合計
- 9:44
- 山行
- 12:25
- 休憩
- 3:36
- 合計
- 16:01
天候 | 雨→曇→晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
24.09.02
長らく迷走する台風10号が温帯低気圧へと変わった。
予報は不安定だが山形に仕事が無くなりつつあるし
北アルプス攻めることを考慮するともう待ってられん。
東北最後の二百名山・朳差岳、イクシカネェ!!
新潟の大石ダムに車を放置し5:00スタート。
長い林道を歩き続けて身体にエンジンをかける。
2時間で林道終点に達し飯豊連峰稜線への登りが始まる。
標高300m、台風が運んだ熱波、過去最大級の装備重量。
死の三重奏によりまだ7時だというのに滝のような汗が噴き出る。
下半身までビチャビチャになったの初めてなんだが?
体力が付きかけてペースが落ちてる所で
今度は台風の残った雨雲が襲来。
雨で全身ビチャビチャになり心まで完全に折れる…
もうマヂ無理…('A`)
息も絶え絶えで千本峰に辿り着いた時、
木の裏にクワガタを発見!
この顎の形状・・・オオクワガタじゃね?( ゜∀ ゜)
(あとで調べたらヒメオオクワガタでした)
人生初エンカウントに大興奮!
少年の心を取り戻した俺に不可能はねぇ!←
気合が漲り一気に山頂へと足が進んだ!
辿り着いた山頂は笑っちゃうくらいの暴風雨。
こんなに盛大に外したの何年ぶりだろw
逆に新鮮で楽しくなってきたわ。
素早く山頂直下にある小屋に避難。
この天気で平日なんで誰もいるはずがないので
好きに使わせてもらうぜ。
ズブ濡れになった装備乾燥&カレーでカロリー補給&
山形で買った高畑ワイナリーのワインを飲んだくれる
という山小屋生活の贅を極めるw
…こうでもしなきゃやってられねーんだよ( ´Д`)
明日、飯豊の神は俺に微笑むのだろうか…?
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24.09.03
深夜まで小屋を揺らした嵐は去ったようで
翌朝には凪が訪れていた。
周囲に雲は多いが遠望は十分利いている。
ワンチャン夜明けを狙えそうなので
朳差岳に再登頂し太陽を迎え撃つことに。
日の出時間から遅れること10分。
僅かな雲の割れ目から待ちに待った太陽が姿を現した!
その瞬間、背後にある朳差小屋、二王子岳、
これから歩く縦走路が陽光に照らされ
同時に上空には虹の架け橋まで出現。
別方角には昨日歩いた急登尾根や吾妻連峰まで見えてくる。
山の雰囲気を一瞬で変える太陽のパワーに驚愕!
更に稜線を少し下ってみると
穏やかな草原と池塘群が出現。
東北らしさと新潟らしさを兼ね備える
素晴らしい山じゃないか!
あの嵐のままだったら要リベンジだったけど
これだけ景色拝めれば朳差岳の良さはしっかり伝わったぜ。
やはり山は努力したものには褒美をくれる。
マジで頑張って良かった…
これで心置きなくこのセリフが言える。
二百名山196座目・踏破!!
絶景をオカズに山頂で朝食を摂り心と体の元気満タン。
命を繋いでくれた朳差小屋に死ぬほど感謝して発つ。
さぁ行こうか。
東北のアルプスと呼ばれた、至高の稜線へ!( ゜∀ ゜)σ
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24.09.03
『飯豊連峰全山縦走』
これが今回の山旅の真の目的。
二百名山の朳差岳だけ日帰りで取るなんて俺には容易いこと。
目の前にこんな魅力的な山脈が広がっていて
その先には飯豊山があるんだぞ?
歩かない理由がねぇ!!/ ^o^\
まずは最初の稜線ピーク鉾立峰を目指す。
草原をたたえる朳差岳が少しづつ離れていき
なだらかなその全容が明らかになってくる。
離れると結構印象違うんだなぁ。
次の大石山を経て頼母木小屋で小休止と水分補給。
炊事場があって水がジャブジャブ出ている有能小屋!
朳差岳で汲んだ水は茶色かったので全交換w
進む先にはさらに巨大になる飯豊の山塊が聳え立つ…
300mほど登りが続き頼母木山→地神北峰→地神山と続く。
稜線の紅一点となる頼母木小屋とおわん型の朳差岳が遥か彼方に。
進む先には胎内山の幅広い山体と畝がメチャカッコいい!
頂上に着くころに急に霧が襲来し雨が降り出してしまう。
視界の無い中歩くのは流石に勿体なさすぎるぞ…
丁度昼だし次の門内岳避難小屋にピットインすることにした。
再び濡れてしまった装備を乾燥させてる間ちょっと昼寝。
夕刻になると霧が晴れたので太陽を見送りにすぐ上の門内岳へ。
歩いてきた稜線、歩いていく稜線を
日本海に沈む夕日が美しく照らす。
こんな絶景独り占めしていいのか…?
今日もご褒美くれてありがとう。
明日も俺の進むべき道を照らしてくれ!
本日登頂は7座、十分縦走は楽しんだ!
さて、小屋は電波無いし暇だな〜と思ってうろつくと
奇跡的で窓際に電波三本立つべスポジを発見!
宮城峡をお供に井上尚弥の試合を生観戦し
二つの意味で熱い夜を過ごした🥊
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24.09.04
縦走3日目スタート。
まずは夜明けを迎え撃つべく4:45に避難小屋を後にし門内岳登頂。
昇りくる太陽と共に残っていた雲は蒸散し
これから歩む稜線を輝かせる。
山頂は快晴・無風。
この時を待っていた…2日間我慢した甲斐あったぜ!
今日は最高の一日になることを確信し次の頂へと発つ。
しばらくギルダ原の平原を歩いた後、
急登で身体を目覚めさせつつ1時間程度で
次なるピーク北股岳へ登頂した。
鳥居の立つ立派な山頂。
標高はついに2000越えで
吹き抜ける風は少し秋を感じさせる。
周囲は遮るものの無い超絶景!
前後に伸びる飯豊の雄大な稜線に加え
昨日は見えなかった朝日連峰の姿まで!
もうタマンネェゼ…( ´Д`)
最高に気持ち良い稜線なんだけど
最高に気持ち悪いのは靴がずーっと濡れてること。
初日に雨喰らったのもあるが
登山道幅が狭く草の朝露が常に降りかかる状態で
ゴアテックスがほぼ仕事せず靴下までグチャグチャ('A`)
幸いスペア持ってきたので定期的に履き替えて水分を絞り
濡れたやつをザックにぶら下げて干すという
地味にストレスなルーティンを繰り返さねばならない…
そろそろ不快になってきたので次の小屋でやるか。
北股岳を下り切った所にある梅花皮小屋で絞り休憩←
ここ内部がかなり広くトイレも小屋内にある!
更に水場でビール&コーラを補給できる!!
呑んじゃおうかな‥‥いや、ダメだ。
登山中にこんなの飲んだら身体が都会化されてしまう!w
誘惑を断ち切って次なる梅花皮岳に登頂!
酒よりもっと気分いい稜線が待ってんだよぉ!( ゜∀ ゜)σ
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24.09.04
次の烏帽子岳に登頂すると真正面に異様な山が見えてくる。
深い畝が刻まれたアルプスのような
周囲の山とはあからさまに違う出で立ち。
あれは…飯豊連峰最高峰、大日岳!
カッコいいけど左に見える飯豊本山より低く見えるような…
山の形状もフラットだし最高峰の割には地味系?
更に稜線を進むと御手洗の池に出る。
少し大きめの池塘で背後に映る北股&烏帽子との青緑コントラストが良い!
この付近から2日ぶりに登山者とすれ違うことが多くなり
皆様々な周回や往復ルートで朳差岳を目指す
縦走にチャレンジしている様子だった。
やっぱこの稜線は絶対歩きたくなるよなぁ。
同志に沢山合えて嬉しいぞ!
次の天狗ノ庭は池塘湛える美しい草原。
反対側にある大日岳を見ると…あれ、デカくね?
なんか鋭さ増して威圧感出てる!
御嶽山とか伯耆大山みたいに稜線がフラットな山は
方角で全然印象違うし大日岳も同じようだ。
先に進み天狗岳を迂回していくと
正面には本山に続く美しすぎる稜線…!
モウダメ…オナカイッパイ…シアワセスギル( ꒪﹃ ꒪)
贅沢な景色に包まれながら御西小屋に到着!
ここから有人小屋のようで中では管理人さんたちが
昼からビール飲んで仕上がっていたw
俺もここでうまい酒飲むためにも、
今日最後の仕上げに行くとしようか!
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24.09.04
御西小屋に余計な荷物をキャストオフ!
これから向かうのは最高峰・大日岳!
ギリギリ昼までは天気が持ちそうなので今日のうちに獲るぞ。
横から見るとフラットな稜線だし簡単そう…
と思いきや正面から見ると意外と高低差があるという燕岳現象。
特に後半は急登の連続で軽量化したのに普通にバテるw
背後には歩いてきた稜線が見えるものの
同時に雲も襲来…間に合うか…?
なんとか12時前に山頂到達したものの
景色半分、雲半分といったところで飯豊本山は見えず…
1時間ほど粘ったが霧は濃くなるばかり。
うーん、全ての頂で完璧には行かないか。
でもさ、
初めて飯豊山に登った時、
大日岳のカッコ良さに度肝を抜かれてさ、
次来るときは絶対全山縦走して
この頂を獲ろうって心に決めたんだよ。
8年越しの夢…叶ったぜ!!!
また来る理由ができたってことで今回は下山しよう。
小屋に戻るとガスガス。
本日はここでピットインだな。
が、夕刻が迫るにつれ霧は消え次第に快晴にw
…行く時間完全に間違えたやつやん('A`)
折角なので近くのピークに登って太陽礼拝。
周囲には北股岳、大日岳、飯豊本山への3本の稜線が茜に染まる。
南方の磐梯山・安達太良・吾妻の姿を拝みながら
太陽を見送った(-人-)
太陽が落ちれば空には宇宙が迫る刻。
満天の星空の元、Star burst extreme nightを過ごし
文字通り最高の一日を終えた。
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24.09.05
縦走最終日の4日目スタート。
この日は長丁場になるためまだ暗い3:30に小屋を出る。
こんな時間に歩くのメッチャ久々でワクワクする!
宵闇の中、薄明に映る本山と星空を頼りに歩を進め、
夜明け前に飯豊本山の標柱に手が届いた。
山頂は快晴・無風。地平線からほとばしる陽光は
3日間歩いてきた稜線の全てを朱に染め、影飯豊を映し出す。
朝日連峰の向こうに鳥海&月山。
太陽の台座となる蔵王連峰。
南方には福島三山、会津三山、那須連山、日光連山、燧&至仏。
こんなに。。。こんなに見えるのか・・・
関東の山まで見えることは知らなかった。
新たな感動をありがとう、飯豊山。
8年ぶりの百名山86座目・再登頂!!
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24.09.05
本山小屋に到着したタイミングで
カメラのバッテリー終了。
700円で1時間30%までチャージ。
有人小屋で助かったぜ…
長期縦走用にバッテリーはもっと強化しないとダメだな。
岩稜帯の北アルプス的な稜線を下り
草履塚→切合小屋を辿り分岐路から種蒔山方面へ。
ここからは初登頂時に歩いてない未知のルートだ。
振り返れば本山は見えるものの
それ以北は見えなくなる。
縦走者か山頂に立ったものだけしか
あの稜線は拝めないんだな…
続いて三国岳→剣ヶ峰→地蔵山と下る
ここもチェーン&ロッククライムの稜線があり
北アルプス的要素があって面白い。
登りで使ったらさぞかし大変だろうな…
そのまま樹林の稜線を進み
牛ヶ岩山→五段山を経由して飯豊トンネル北の
ブドウ沢登山口にゴール!
歩行距離53キロ、累積標高差5200m、
飯豊の全てを全身で味わった4日間…
心の底から、幸せだったぞ!!!( ;∀;)
さて、下山口にはバス停も車もタクシーも無い。
もうどうするかわかるよね?
俺が乗るのは…キックボォォォォド!( ゜∀ ゜)b
朝日連峰縦走と同じく入山前に仕込んでおいたのだ。
ただ前回と違うのは麓の手ノ子駅まで33キロもあること。
…考えるな…風になるんだ( ゜д゜)
絶望しかけたけど案外急坂なのと道路の状態が良く
速い所で4,50キロでかっ飛ばせるw
道中のほとんどが下りだったのもあり
わずか2時間半で駅に着いてしまった。
平均13キロは出てるし徒歩の約4倍。
お前優秀すぎないか…?
今後も縦走では積極的に使っていこう。
電車は災害があって長年動いていないため
代行バスに乗り越後下関駅へ。
ここから大石ダムまでのロード8キロを再びキックボードで走り
20時頃、4日ぶりに相棒の元に無事帰還!
マジで楽しかった…
長年計画していた山行を完璧にやりきれて
夢のような時間だった。
そしてキックボードとバスを駆使すれば
全ての稜線を往復なしに駆け抜けることができるって証明できた。
あまりに変態的だけど同志の参考になれば嬉しいかなw
合計91キロを人力で駆け抜けて翌日は身体が終わると思いきや
まさかの日帰り一座を登った程度の疲労度で自分でも驚いてる。
俺の身体、仕上がってしまったのか…?
いや、それだけ飯豊の美しさは
アドレナリンを全開にさせたということだろう。
景色の力恐るべし。
この経験値は、次の二百名山最後の縦走に生かす!
飯豊連峰大縦走・完結!
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