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Yamareco

記録ID: 7249188
全員に公開
沢登り
東北

うぐい滝川 本流奥地の双門へ

2024年09月16日(月) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
07:52
距離
11.0km
登り
493m
下り
493m
歩くペース
ゆっくり
1.92.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
7:53
休憩
0:00
合計
7:53
距離 11.0km 登り 493m 下り 493m
7:59
473
スタート地点
15:51
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
朝比奈大橋の手前に1台分のスペースがありそこへ停めた。
コース状況/
危険箇所等
朝比奈大橋の奥左側より入渓した。

【林道と交差するところ(鉄管)まで】
へつりが多いが、ラバーのフリクションはかなり効くので難しさは感じなかった。
ところどころドボンしたら怖いなと思うところもあるので、メンバー構成によっては対策が必要。
滝については写真コメントをご参照ください。

【鉄管〜二俣の滝まで】
序盤は滝とナメが連続し、後半は滑る苔岩の巨岩帯。
どちらも鉄管までの区間より、へつり・登攀ともに難易度が上がった。

【二俣の滝から林道に出るまで】
巨岩帯→ナメ→と戻り滝連続の手前で右岸に登る。
ヒバの若木藪を傾斜が緩くなるまで登ったらあとはトラバース。
小沢をひとつ越えて急斜面を降りると藪の林道に出た。
林道は3分の1が藪。
以降は快適。
その他周辺情報 薬研温泉に公共トイレあり
ふくろうが記録を担当します。
朝比奈大橋を渡ったここから入渓。
2024年09月16日 08:01撮影 by  iPhone 14, Apple
9/16 8:01
ふくろうが記録を担当します。
朝比奈大橋を渡ったここから入渓。
いざ
2024年09月16日 08:02撮影 by  iPhone 14, Apple
9/16 8:02
いざ
第一印象は「水がきれい」
2024年09月16日 08:13撮影 by  iPhone 14, Apple
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第一印象は「水がきれい」
すぐにナメゴルジュに
2024年09月16日 08:25撮影 by  iPhone 14, Apple
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すぐにナメゴルジュに
優しいへつり
2024年09月16日 08:26撮影 by  iPhone 14, Apple
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優しいへつり
良い感じ
2024年09月16日 08:29撮影 by  iPhone 14, Apple
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良い感じ
ここは右を選択
途中ちょっとバランスとムーブを試されるところがあって楽しい
2024年09月16日 08:30撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 8:30
ここは右を選択
途中ちょっとバランスとムーブを試されるところがあって楽しい
上から
2024年09月16日 08:37撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 8:37
上から
ここも右から。あまり水に浸かりたくなかったのだけどここは膝上まで入ったような。
2024年09月16日 08:39撮影 by  iPhone 14, Apple
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ここも右から。あまり水に浸かりたくなかったのだけどここは膝上まで入ったような。
真夏なら迷わず水中を行くのでしょうけど
2024年09月16日 08:39撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 8:39
真夏なら迷わず水中を行くのでしょうけど
f1トップで登攀にチャレンジ。
左岸倒木脇をまず登り、ハンマーを木に打ち込み手掛かりとしながら、最後は木の上を回り込んでいった。ちょうど良い難易度で楽しめた♪
2024年09月16日 08:43撮影 by  iPhone 14, Apple
9/16 8:43
f1トップで登攀にチャレンジ。
左岸倒木脇をまず登り、ハンマーを木に打ち込み手掛かりとしながら、最後は木の上を回り込んでいった。ちょうど良い難易度で楽しめた♪
今日はずっと後ろの太蔵さん。
私は万が一のドボン後の溺れが怖いのでずっと先頭を行かせてもらった。
2024年09月16日 08:49撮影 by  iPhone 14, Apple
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今日はずっと後ろの太蔵さん。
私は万が一のドボン後の溺れが怖いのでずっと先頭を行かせてもらった。
良いお天気にわくわく
2024年09月16日 08:49撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 8:49
良いお天気にわくわく
日が差してとてもきれい!
2024年09月16日 08:52撮影 by  iPhone 14, Apple
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日が差してとてもきれい!
綺麗だよ〜
2024年09月16日 08:54撮影 by  iPhone 14, Apple
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綺麗だよ〜
ナメも素晴らしく美しい
2024年09月16日 08:58撮影 by  iPhone 14, Apple
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ナメも素晴らしく美しい
美しい以外に言葉が出ない
2024年09月16日 08:58撮影 by  iPhone 14, Apple
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美しい以外に言葉が出ない
c160の橋が見えた。ここまで1時間。
2024年09月16日 09:01撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 9:01
c160の橋が見えた。ここまで1時間。
美渓は続く
2024年09月16日 09:12撮影 by  iPhone 14, Apple
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美渓は続く
再びへつりエリア。ここは左が簡単でした。
2024年09月16日 09:16撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 9:16
再びへつりエリア。ここは左が簡単でした。
ここも左から。ラバーのフリクションがとても効く。
2024年09月16日 09:17撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 9:17
ここも左から。ラバーのフリクションがとても効く。
ここは右から
2024年09月16日 09:25撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 9:25
ここは右から
上から見たところ
2024年09月16日 09:26撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 9:26
上から見たところ
ここも右から。似たような景色でもけっこう覚えているものだねえ。
2024年09月16日 09:27撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 9:27
ここも右から。似たような景色でもけっこう覚えているものだねえ。
ソールがつるつるの靴をなかなか廃棄しない太蔵さんも、難なく歩いていました。
2024年09月16日 09:29撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 9:29
ソールがつるつるの靴をなかなか廃棄しない太蔵さんも、難なく歩いていました。
ここは右の岩のごちゃごちゃを登っていったかな
2024年09月16日 10:05撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 10:05
ここは右の岩のごちゃごちゃを登っていったかな
ここは左をへつっていって水線を
2024年09月16日 10:09撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 10:09
ここは左をへつっていって水線を
滑らないので簡単でした
2024年09月16日 10:10撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 10:10
滑らないので簡単でした
人工物の多い沢です。
でも水や景色はきれい。
2024年09月16日 10:21撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 10:21
人工物の多い沢です。
でも水や景色はきれい。
ふたつめの滝かな。
2024年09月16日 10:41撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 10:41
ふたつめの滝かな。
この穴がすごく気になり、右から登れないか探ってみたけど、ぬるぬる過ぎて断念。左からは簡単に登れました。
2024年09月16日 10:42撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 10:42
この穴がすごく気になり、右から登れないか探ってみたけど、ぬるぬる過ぎて断念。左からは簡単に登れました。
アルパカ発見
2024年09月16日 10:47撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 10:47
アルパカ発見
c245支流の個性的な地形の滝。ここまでで3時間。
2024年09月16日 10:54撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 10:54
c245支流の個性的な地形の滝。ここまでで3時間。
ナメゾーン
2024年09月16日 10:58撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 10:58
ナメゾーン
徐々に魚の姿が見えるようになってきた
2024年09月16日 10:59撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 10:59
徐々に魚の姿が見えるようになってきた
癒し〜
2024年09月16日 11:00撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 11:00
癒し〜
3つ目の滝。ここはちょっと悩んで左からを選択。
2024年09月16日 11:03撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 11:03
3つ目の滝。ここはちょっと悩んで左からを選択。
微妙に登りにくいところだったので、これはハーケンを打つ練習に良いかもとやってみた。ところが良いリスがなく、打っても岩が剥がれたとなかなか上手くいかなくて断念。良い亀裂ってないものなんだなあ。
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微妙に登りにくいところだったので、これはハーケンを打つ練習に良いかもとやってみた。ところが良いリスがなく、打っても岩が剥がれたとなかなか上手くいかなくて断念。良い亀裂ってないものなんだなあ。
フリーで登ったあとは、練習のためにビレイをさせてもらいました。立っている滝で敢えて落下してもらったのだけど、男性の体重をムンタービレイで止めるのはなかなか力を使うようだ。
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フリーで登ったあとは、練習のためにビレイをさせてもらいました。立っている滝で敢えて落下してもらったのだけど、男性の体重をムンタービレイで止めるのはなかなか力を使うようだ。
橋の残骸
2024年09月16日 11:39撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 11:39
橋の残骸
1級レベルの地形がずっと続くので本当に楽しい♪
2024年09月16日 11:50撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 11:50
1級レベルの地形がずっと続くので本当に楽しい♪
どこでも自由に歩ける♪
2024年09月16日 11:52撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 11:52
どこでも自由に歩ける♪
プールだねえ
2024年09月16日 11:55撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 11:55
プールだねえ
森の中のナメ床が素敵
2024年09月16日 11:56撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 11:56
森の中のナメ床が素敵
スタートから4時間で長滝出合。たくさんの記録を読んだら写真でお腹いっぱいになってしまい、今回はこちらをやめたのであった。
2024年09月16日 12:01撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 12:01
スタートから4時間で長滝出合。たくさんの記録を読んだら写真でお腹いっぱいになってしまい、今回はこちらをやめたのであった。
さらに本流を前進
2024年09月16日 12:18撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 12:18
さらに本流を前進
滝かと思ったら…トンネル…?
2024年09月16日 12:21撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 12:21
滝かと思ったら…トンネル…?
えーなにこれwちょっとこわい。
でも短そうなので行こう。
2024年09月16日 12:22撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 12:22
えーなにこれwちょっとこわい。
でも短そうなので行こう。
一応沢登りの写真ですよw
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一応沢登りの写真ですよw
ナメの段々畑
2024年09月16日 12:25撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 12:25
ナメの段々畑
プール!入りたい〜
2024年09月16日 12:27撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 12:27
プール!入りたい〜
これは絶対飛び込んだら楽しいやつ!
2024年09月16日 12:29撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 12:29
これは絶対飛び込んだら楽しいやつ!
4〜5mほどの滝。ここは個人的に核心でした。深かったので念のためロープをつけて取り付きました。左側を滝下までまずへつり、そこから水線を直上。太蔵さんおすすめのルートは左側の水線脇ヌルヌルエリアを登るというものでしたが、それは絶対私向きではないと思い自分の信じる道を行きました。結果そこまで難しくはなかったけれど、何しろ初見なので真剣勝負だった!
2024年09月16日 12:30撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 12:30
4〜5mほどの滝。ここは個人的に核心でした。深かったので念のためロープをつけて取り付きました。左側を滝下までまずへつり、そこから水線を直上。太蔵さんおすすめのルートは左側の水線脇ヌルヌルエリアを登るというものでしたが、それは絶対私向きではないと思い自分の信じる道を行きました。結果そこまで難しくはなかったけれど、何しろ初見なので真剣勝負だった!
上から。頑張ったな私。気持ちがめちゃくちゃ入っていたので恐怖心に負けなかった。なお太蔵さんはあとから余裕で登ってきています。
2024年09月16日 12:56撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 12:56
上から。頑張ったな私。気持ちがめちゃくちゃ入っていたので恐怖心に負けなかった。なお太蔵さんはあとから余裕で登ってきています。
休む間もなく2段目。ここは自信があったのでなるべく水線寄りに行きたかったのだけど、心配した太蔵さんが1番易しい右寄りラインを推すので、譲歩してその間のラインを行った。笑
2024年09月16日 12:57撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 12:57
休む間もなく2段目。ここは自信があったのでなるべく水線寄りに行きたかったのだけど、心配した太蔵さんが1番易しい右寄りラインを推すので、譲歩してその間のラインを行った。笑
さらにナメ滝。ここは簡単で階段みたいに登れました。
2024年09月16日 13:01撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 13:01
さらにナメ滝。ここは簡単で階段みたいに登れました。
ナメ階段
2024年09月16日 13:04撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 13:04
ナメ階段
巨岩帯に入りいっこうに林道と交差しないので、高度計を見たところもうとっくにゴール近くまで来ていることが判明!そうか、さっきのトンネルが林道の下だったんだ!1330をリミットにして、まず太蔵さんを斥候に出したところすぐ上に滝が見えると言うので、もうちょっとがんばることにした。これは斥候役を待っている間に励ましてくれたダイモンジソウ。
2024年09月16日 13:23撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 13:23
巨岩帯に入りいっこうに林道と交差しないので、高度計を見たところもうとっくにゴール近くまで来ていることが判明!そうか、さっきのトンネルが林道の下だったんだ!1330をリミットにして、まず太蔵さんを斥候に出したところすぐ上に滝が見えると言うので、もうちょっとがんばることにした。これは斥候役を待っている間に励ましてくれたダイモンジソウ。
最後の気合いで巨岩を登って行くと、前方左右に大きな滝が見えてきた。すごい、なんだこの不思議な景色は。
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最後の気合いで巨岩を登って行くと、前方左右に大きな滝が見えてきた。すごい、なんだこの不思議な景色は。
これは左の滝。
2024年09月16日 13:29撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 13:29
これは左の滝。
右の滝。
2024年09月16日 13:29撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 13:29
右の滝。
3段の右の滝全景。
上部がまるで窓のよう。日が差し込んで輝いている。
2024年09月16日 13:32撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 13:32
3段の右の滝全景。
上部がまるで窓のよう。日が差し込んで輝いている。
感動で涙がでました
2024年09月16日 13:34撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 13:34
感動で涙がでました
滝裏にも入れます。
2024年09月16日 13:34撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 13:34
滝裏にも入れます。
こちらは左の滝全景。
どっしりとしてまた違う味わい。
2024年09月16日 13:36撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 13:36
こちらは左の滝全景。
どっしりとしてまた違う味わい。
自分の力でここまで来れたことが本当に嬉しかったです
2024年09月16日 13:37撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 13:37
自分の力でここまで来れたことが本当に嬉しかったです
下山開始。さっき登ってきた滝3つまとめて右岸から巻いていきます。ヒバの良い香りに包まれた高巻きでした。流石にここはGPSに頼ってしまいました。
2024年09月16日 14:11撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 14:11
下山開始。さっき登ってきた滝3つまとめて右岸から巻いていきます。ヒバの良い香りに包まれた高巻きでした。流石にここはGPSに頼ってしまいました。
最後は太蔵さんが林道を見つけてくれて下降。酷いぬかるみです。
2024年09月16日 14:28撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 14:28
最後は太蔵さんが林道を見つけてくれて下降。酷いぬかるみです。
藪も酷い。
林道の3分の1ほどで綺麗な道に突然出ます。
2024年09月16日 15:03撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 15:03
林道の3分の1ほどで綺麗な道に突然出ます。
あとはてくてく歩くだけ
2024年09月16日 15:49撮影 by  iPhone 14, Apple
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9/16 15:49
あとはてくてく歩くだけ
撮影機器:

装備

個人装備
ハーケンハンマー他
共同装備
35mロープ1本

感想





今回は自分がリーダーであるという自覚を持って
先頭をずっと歩いた。
それは登るラインや足元の水流、ペース配分や読図、登攀では手足の置き場から足先の角度にいたるまで、大小さまざまな判断の連続だった。

高度計と周囲の地形を元に、GPSに頼らず現在地を確認し続けた。
ハーケンが入る隙間は、都合良く現れてはくれないことを知った。
ハンマーは一手前進するための、頼もしい味方になることを知った。


正午を過ぎてなお、目的地に到達する見通しが立たず、目の前に難しそうな滝が現れた時は、不安に心が押しつぶされそうになった。
どこまで安全を優先すべきか、自分の指針がまだ出来上がっていないせいだ。

私がロープをつけて、まず深い淵の上をへつって滝下まで行き、滝を間近に観察して直登が無理そうだったなら、その時は登攀力の高い仲間に追い越してもらい、上から確保を頼むことにした。
それなら上からへつり区間含めずっと確保してもらうより、はるかに安全度が高いと判断したからだ。
この2ピッチ作戦は功を奏して、結果的に安心して最後までトップで登ることができた。

核心を超えると苔でつるつるの巨岩帯が我々を待ち受けていた。
下調べでは容易だと思っていた林道までの道のりが思いのほか厳しく、何かがおかしい。
目標の滝は林道からさらに進んだところにあるというに、まだその林道すら現れる気配がない。

時刻は13:20。
進退を決断する局面にあると思い、高度計を確認した。
腕時計には450と表示されていて唖然とした。
(林道の橋を見ていないのに、もう目的地の標高にいるなんておかしい!)

ここで初めてGPSを見てさらに驚いた。
自分がいる場所はまさに目的地の二俣のど真ん中だったからだ。
ということは、林道はさっき潜ってきた鉄管の上を走っていたのか…とようやく大きな思い込みを理解した。

しかし今いる巨岩の隙間からは、滝どころか二俣の地形すら気配は感じられない。
仲間が「自分がちょっと行って見てきましょうか?」と申し出てくれた。
前進のタイムリミットは13:30であると告げ、後ろ姿を見送った。
力が抜けたように私はその場に座り込んだ。

目の前の岩に咲いている小さなダイモンジソウをぼんやりと眺めながら、遠ざかるハーケンの音を聴いた。
私の頭はすっかりくたびれていた。

5分もせず斥候役は良い知らせを持って戻ってきた。
迷いはなかった。
全身を使って岩を夢中でよじ登った。
視界が巨大な砦のような壁に覆われた。
見上げると左右の高所に、対をなす2つの滝があった。
二筋の滝は門のようにも見えた。

右の滝は3段で構成されており、その最上段はそこからさらに高くそびえる岩壁の間にあった。
その岩壁の隙間には倒木が格子状にかけられていて、それが私には窓のように見えた。
窓は陽光でオレンジ色に染まり、最上段の流れはその光を受けて輝きを放っていた。
ボロボロになった軍手で目を拭い、私はしっかりその光景を脳裏に焼き付けた。

左の滝はどっしりとしていて、滑らかな黒い一枚岩で出来ているような印象を受けた。
良い例えが他に見当たらないが、右が西洋の古い教会なら左は大仏殿といった感じだった。

私は再び元気を取り戻していた。

帰りの高巻きも読図こそGPS頼りになってしまったが、自信を持って突き進むことができ、16時前には下山することができた。


今の私の力はすべて出し切ることができたと思う。
はじめての「自分の沢」は、こんなに素晴らしい体験をさせてくれた。
様々なことをこれまでに教え、経験させてくれた師匠と、私に足りない部分を支えてくれた仲間に最大の感謝を伝えたい。

虫も減って遡行しやすくなりましたが、ドボンしたくないなぁと少しおもう気温の中たのしんできました。
へつりが多いですがちょうどよく足場があったりとなんとかなりそうな感じのところが多かったです。
人工物もところどころありますが水がキレイでナメもあり癒されました
トンネルを越えてからは少し難易度が上がり、大きく滑りやすい岩などあります。
これを越えたら左右の滝がありました。
なかなか左右に同じくらいの大きい滝はないとおもいます。
良い沢でした
この滝上もみてみたいですね

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