沼原〜三斗小屋宿跡〜流石山
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- GPS
- 11:04
- 距離
- 16.6km
- 登り
- 1,318m
- 下り
- 1,318m
コースタイム
- 山行
- 9:33
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 11:03
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
宿跡の先から流石山への尾根道は,結構,踏み跡があるし,ずっと尾根上のシンプルなルートなので山に慣れた人なら問題ない。ただ,手前の沢渡渉は間違いなく濡れるので対策が必要。 |
その他周辺情報 | 板室健康のゆグリーングリーン:内湯と露天風呂。清潔で気持ちが良い。ただ,洗い場が5人分しかなく,少し窮屈。500円だが,JAFや65歳以上は安くなる。 https://www.city.nasushiobara.tochigi.jp/soshikikarasagasu/tsuishin/6/2/2806.html |
写真
感想
8月に三本槍岳から大峠へと下った際に,次は眼前に見えた流石山に登りたいという気持ちが生じた。紅葉を愛でながら流石山を経る周回コースを考え,三斗小屋宿跡から尾根筋を登る計画を立てた。西隣の井戸沢を遡行する人が多いようだが,もう水が冷たいかなと敬遠する。
自宅を2時少し前に出発し,6月の山行で通過した沼ッ原駐車場に向かう。途中,大河内SAで朝飯の饂飩を食べ,5時少し過ぎに到着。未だ薄暗かったが,広い駐車場には既に40台程が駐車している。熊の出没地帯なので薄暗い内には歩きたくないので,ゆっくりと支度する。その内,周りの車から歩き始める人達がいる一方,車は更に増え続ける。出発する頃には駐車場の半分くらいが埋まっていた。紅葉時期の好天の連休中日だから当たり前か。
しかし,沼原湿原に着いた時には誰も居らず,それ以降,流石山に到着するまで誰とも出会わなかった。暫くは樹林に囲まれた歩き易い道が続く。しきりにシカの鳴き声が聞こえ,時々キツツキの音も。熊除けの鈴を大きく鳴らし,ラジオもつけて歩く。麦飯坂の辺りに来ると沢音が聞こえ始め,下りきると古い丸太の橋が架かった沢に出る。滑らないように気をつけて渡り,更に2つほどの小さな流れを横切ると湯川に出る。ここを過ぎると直ぐに深山ダムとの分岐になる。広場のようになっていて近くの倒木に腰を下ろして一息つく。
ここからの路は幅が広く歩き易い。30分ほどで三斗小屋宿跡に到着するが,その4,5分手前の辺りで5匹ほどの猿に出会う。路のすぐそばに立つ樹の枝に座り,逃げ出すこともなくこちらの様子を窺っている。結構,人慣れしているのか。宿跡は広い広場になっており,最近建てられたように見える幾つかの小屋があった。山之神社を詣でた後,広場にあった木のベンチで御握りなどを食す。
そこから3,4分の歩きで沢への下り口となるが,車が2台停まっていた。一般車は進入禁止のはずなので,三斗小屋辺りのものか? 沢には古いけれども立派な木橋が掛かっていて,渡った処から右側に三斗小屋への路が続いている。地形図を見ながら,流石山尾根への取付き点を目指して沢沿いに左側へと進む。50m程で川幅が狭く,適度に石が水面に出ている処を見つけ,ズボンの裾を膝上までたくりあげて渡渉。踝の20cm上まで濡れただけで済んだ。河原からチョコッと段差を上がるとフラットな草地になっていて,踏み跡が沢沿いに上流に向かって続いている。適当な倒木に腰を下ろし,濡れたトレッキングシューズと靴下を脱ぎ,キャラバンの軽登山靴に履き替える。藪漕ぎに備えて手袋とアームカバーを着けながら,登り口を探す。近くには焚火の跡もあり,結構,利用している人がいるようだ。
どこも似たような感じなので手近な斜面を登り始めるが,それなりの傾斜で足元も少し滑り易かったりするので,ストックを使いキックステップもしたりしながら進んで行く。登り易そうなところを探して斜上し,浅い沢状になった所を少し登った後,左側の尾根に上がる。ここから暫くは,木の根や岩を掴んでの登りだったが,やがて笹薮が目の前に広がった。結構,密度が高そうで,これは時間がかかりそうだなと思えたが,近づいてみると踏み跡が見える。笹で隠れてはいるが,掻き分けてみると明らかな人の踏み跡である。所々で不明瞭にはなるものの,ずっと上の方まで踏み跡があり,このおかげで随分と楽をさせてもらった。沢を登った人が下降に使ったのかな。1時間半ほど登った辺りで周囲の樹の密度が下がり,東側が見えるようになる。チラチラと茶臼山の辺りを眺めながら,なお,藪漕ぎを続ける。もう少し進むと完全に視界が開け,茶臼から三本槍岳に至るまで,青空をバックに絶好の展望が望めた。最高の展望に,余り疲れも感ぜずに登り続ける。西側には大倉山が見え,流石山からの稜線が少しだけ上の方に見える。と言うことは,もう1700m付近には来ているはずで,登山道に出るまでは後100m,時間で30分位かな等と考えながら藪を漕いで行く。この辺りに来ると笹の背丈が低くなっており,周囲の視界の邪魔にならない。登山道までもう少しになると,稜線を歩く登山者達の姿もはっきり見えるようになった。今日は大勢の人が歩いているようだ。最後の藪を一漕ぎするとひょっこりと登山道に出,直ぐに流石山の三角点に着く。
直ぐ先に1822mの最高点ピークが見えたので,取敢えず行ってみる。しかし,そこは笹薮で覆われていて何の標識も見当たらなかったので,直ぐに三角点に戻り,腰を下ろして昼食を摂る。この時点で予定していたよりも約1時間の遅れで,暗くなるまでに駐車場に戻れるかが微妙であった。ヘッドランプを点ければ足元は何とかなるが,クマの歩き回る時間帯にならなければよいがと思いながら,早々に出発する。
小さなピークを越えた後は大峠まで一気の下り。膝をいたわりながらトボトボと下っていると,途中,若い人にアッと言う間に追い抜かれた。やはり若さには勝てません。大峠から三斗小屋までは8月に歩いたので勝手が分かっている。途中の峠沢で顔を洗ったりする。小屋までは小さなヤマカガシを見かけただけで,余り獣の気配を感じなかった。小屋到着の時点で予定から30分の遅れとなり少しリカバー。煙草屋旅館の脇の空き地ではテントが3張り。小屋にもそれなりに人がいるようだ。小屋から沼原と峠の茶屋との分岐点までの短い間に10パーティー以上とすれ違った。多分,小屋泊まりの人たちだろう。今晩は大盛況だろうな等と思いつつ,重くなってきた足を運ぶ。
牛ヶ首と沼原との分岐点に辿り着いて,一安心。ここから駐車場までは6月に歩いたことのある路が殆どだ。16時近くになり,陽も大分低くなっているが,空はまだ明るい。丁度,進行方向に太陽があるためにまぶしくて歩き辛いのを除けば快適だ。陽に透けた樹々の緑の葉が美しい。たまに紅葉があるが,先週の吾妻でも今一つだったし,今年の紅葉は外れのようだ。
沼原湿原が見えるようになり,駐車場への近道の分岐に至る。ここから後1km程でゴールで,路も良く整備されているのだが,途中,傍らの藪の中でザワザワと大きな獣が動くような気配が感じられる。20mくらいの距離から,こちらをジッと窺っているようで不気味。正体を見たい気もするが,ここは無難に素早く立ち去ることにする。その後暫くして,もう一度,音が聞こえたが,果たして何だったのだろうか。鹿かもしれないが,若しかするとクマかも。鈴を思いっきり鳴らしながら足を速めた。
駐車場には車が20台弱程度だが,駐車場に入れず,道路脇に停めているのも数台あった。日中はきっと大混雑だったのだろう。丁度,陽が落ちて薄暗くなり始めていた。汗をぬぐい,着替えをして,温泉に向かう。
今回は「板室健康のゆグリーングリーン」という市営の温泉。丁度,ピークが過ぎた時分だったようで,着いた時には駐車場がほぼ満杯だったが,50分後に出てくると2割程度になっていた。露天風呂では,梁から下がった綱に子供たちがぶら下がってはしゃいでいた。少し温めの湯だったが,清潔感のある良い温泉だった。ただ,年齢証明として免許証を持参しなかったので,200円になる所を一般の500円となったのはもったいなかった。
黒磯板室ICから東北道に乗ったのが19時だったので,混雑ピークは過ぎているかと思ったが,豈図らんや。西那須野塩原までノロノロで,休憩しようと思った矢板北PAも駐車場の順番待ちだったので,思い切って下道で帰ることにして,スマートICから出る。下道で渋滞することは無かったが,温泉から連続で3時間余りの運転はきつかった。22時少し前に自宅に到着した。
今年3度目の那須方面の山行で,この山域の全体が少し把握できるようになった。今後,大倉山,三倉山にも足を延ばしてみたい。流石山への尾根は踏み跡があったので比較的楽に登れたが,これが無ければ,山中でビバークになっていたかもしれない。それも一興ではあるが。今年の山はどこも紅葉に冴えがないのが残念である。
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