谷川岳 東尾根 ガスに巻かれ寒空ビバークも無事下山
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- GPS
- 28:49
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 2,125m
- 下り
- 1,517m
コースタイム
- 山行
- 17:29
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 18:07
- 山行
- 2:36
- 休憩
- 1:37
- 合計
- 4:13
天候 | 1日目晴れ→夜ガス&強風 2日目晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
地元草加ICより外環・関越で水上ICで降りて天神平スキー場駐車場に向かいました。 前日夜出発し、ロープウェイ駐車場に行ってみたら今は7時前には入れなくなっていたため、土合ステーションに戻り、構内で就寝。翌日無料駐車場に駐車しました。 帰り 天神尾根を降りロープウェイ片道(1,250円)で下山後、行きの逆で高速乗って帰りました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●計画提出 東尾根は10日前に谷川岳登山指導センターへ計画提出が必要です。計画書2通と返信封筒を入れて送付。5日前くらいに計画書1通に受領印が押印されて戻ってきます。 ●マチガ沢出合〜大滝 マチガ沢の大滝までは西黒尾根から降るか、マチガ沢出合いからそのまま詰めるか。今回はマチガ沢をそのまま詰めました。沢沿いですが水に濡れることはなく、岩壁を見ながら歩くことが出来ます。途中ナメもあってキレイな場所です。 大滝は右から登りましたが、結構急斜面で慎重を期してザイルを出しました。 ●大滝〜シンセン沢 S字状のあたりからシンセン沢に入ります。分岐まではすんなりいけます。分岐から左俣、右俣どちらかのルートをとります。今回はリーダーの判断で左俣(計画では右の予定でした)を登ります。 しょっぱなからかなり急斜面で岩稜と草付のミックス。滑ったらアウトです。 ●東尾根 第二岩峰 ナイフリッジ 第一岩峰 その後の草付 ●天神尾根 ロープウェイで天神平まで高度を上げれるため一番人気のルートです。多少鎖場があるものの比較的歩きやすく展望もよいルート。天神平近くの木道が日陰のため湿っていて滑りやすいので注意。 ◎肩ノ小屋 トマノ耳から少し降ったところにある避難小屋です。この時期は管理人さんが常駐しています。カップラーメン、ココア、水など400円。ジュース300円。トイレは外に2つ。 |
その他周辺情報 | ●温泉 谷川温泉の湯テルメ谷川にて汗を流しました。550円也。 シャンプー、ボディーシャンプー、露天風呂あります。 脱衣所の貴重品入れは100円有料です。フロアにある貴重品ボックスを使うと良いかと思います。 売店、自販機有。2階休憩所あります。 |
写真
23時30分まで行動していましたが写真は撮ってる場合じゃなかった。登攀待ちしているときは夜景と星空がきれいでした。
感想
私の師匠M氏から誘いを受けて谷川岳でもバリエーションルートであるオキの耳にダイレクトに登る東尾根に4人で行ってきました。当初は土曜日の予定でしたが、天候不良のため日曜にスライドさせて日帰りの計画でした。まさかこれまでの行動時間を大幅に上回る18時間山行になるとは、その時は夢にも思いもしませんでしたが…。
登山開始が早朝のため、前日22時過ぎに現地に到着、空は満点の星空だった。ロープ
ウェイ駐車場に行ってみたら今は7時前には入れなくなっていたため、土合ステーションに落ち着き、軽く酒をあおってシュラフに包まり就寝する。無料駐車場に向かい装備を準備して明るくなってきた登山道を出発する。
今はちょうど山麓駅あたりまで紅葉が降りてきて、いつもは取りつきまでの道のりだが、楽しみながら歩くことができた。マチガ沢出合いにつくとちょうど谷川岳の岩稜に陽光が差してきて輝き出した。谷川岳は何度も来ていがこの光景は初めてで壮観だった。
東尾根に入るには「巌権新道を登り大滝前でマチガ沢に降りる」ルートと「マチガ沢を詰めるルート」があるが今回は後者のルートを選択した。谷川岳の岩壁がだんだんと近くなってくると、紅葉の上に鎮座する岩稜帯には圧倒されはたして登れるのか?
と緊張感が強まる。大滝を右に登り、細い涸れたシンセン沢へと登る。
分岐地点から当初は右俣を計画していましたが、リーダーは左俣をいくと判断し出発。いきなり結構急坂で草付きも厳しいルートですが、頑張って登る。ただし途中からが本当に厳しかった。途中からリーダーが右にルートを取っていったら微妙なバランスを要するホールドスタンスの連続で、トップはまず無理なルートでした。ザイルで確保されながらだからこを何とか登れたルートです。分岐から悪戦苦闘で抜けるのに6時間はかかり、16時近く。
リーダーはこれより先はそれほど厳しいルートはないので山頂まで行くという判断を下し、第二岩峰付近からはヘッドライトをつけての登攀となった。細心の注意を払い、暗くなってからはほぼロープで確保しながらの登り。リーダーは何度もヘッドライトでルートを確認しながら登攀ルートを決め、残りは3人がプルージックを併用しながら暗いルートにホールドスタンスを求めながらなので当然スピードは大幅に落ちる。この辺から風が強くなってきて冷え込んできた。
ナイフリッジは痩尾根だが、それほど怖くありませんが、先の第一岩峰の右側の草付の登りも本当に急斜面で緊張はピークだった。それでも何とか登りまったが、次は急斜面草付の猛烈な笹漕ぎ。そして月夜で見えていた山のシルエットはガスにまかれいよいよ登攀は困難に。草付きを越えて、トラバースするように左へ左へと細い岩稜帯を巻いたところで、何とか4人がビバークできそうな箇所にたどり着いた。
頂上から肩ノ小屋で宿泊に切り替えたが、23時30分を向かえリーダーはここでビバークの判断を下す。夜中は強風にあおられるツエルトを必死に抑えながら眠れぬ夜を過ごした。登攀中は、アンパン1個とヴィダーのみだったので、行動食の柿ピーを食べてエネルギーを補充しながらだ。
早朝、明るくなってきた5時過ぎ。ツエルトから顔を出すとガスがものすごい勢いで動いてます。一瞬ごとにめまぐるしい流れの中、正面に見えたのがなんとトマの耳。それに気づいてふと見上げるとオキの耳の道標が10m上にありました。夜ガスに巻かれ全くわからなかったのですが、なんと頂上にたどり着いていました。イヤー気づいていれば、肩ノ小屋まで頑張りましたが、今となっては強風の寒空の中のビバーク体験は貴重な体験となりました。
その後、オキノ耳で御来光を見て、肩ノ小屋へ。小屋でカップラーメンで温かい朝食を取り、コーラーをひと飲み、小屋の親父さんの面白い話と、サービスで頂いたお茶漬けがなんと旨かったか、至福のひとときでした。
谷川岳の岩稜は南稜テラスまでしか行ったことありませんでしたが、やはりクライミングをやっていない自分にとっては険しいところで、まだまだやらなければならないことが多いのを痛感した山行です。
それにしても、落石が2m脇をブンブン音を鳴らしながら過ぎ去った瞬間、動ける範囲が狭いだけに本当に正直怖かったです。
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